借金相談 自己破産と破産法の取扱説明書

借金でお悩みの方のために,東京 多摩 立川の弁護士が,借金問題解決の方法である債務整理の1つである自己破産とそれを規律する破産法について,分かりやすく説明していきます。

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使用者が破産すると未払いの給料はもらえなくなるのか?

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Q.使用者が破産すると未払いの給料はもらえなくなるのか?

A.破産手続開始前3か月分は財団債権となり,それ以外の部分,つまり4月前以前の部分は優先的破産債権として取り扱われるため,他の債権に優先して弁済又は配当を受けることができる。



未払給料・退職金の問題・・・

使用者が突然破産してしまったという場合,労働者としては,少なくとも,まだもらっていない給料や退職金くらいはもらいたいと思うのが通常でしょう。

また,破産する前にすでに未払いの給料があったというような場合も,それくらいは支払ってほしいところです。


労働者にとって,使用者からの給料は生活の糧となるお金ですし,退職金も,それまで働いてきたことに対する報酬としての性格を有するお金だからです。


もっとも,使用者に対しては他にも債権者がいる場合があります。 他の債権者からしても,せめていくらかは返してほしいという点では労働者と同様です。

そのため,労働者の債権(労働債権といいます。)とその他の債権との関係の調整が問題となってきます。



労働契約が解除された場合の給料・・・


【破産法 第149条】
1 破産手続開始前三月間の破産者の使用人の給料の請求権は,財団債権とする。


【破産法 第98条】
1 破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権(次条第1項に規定する劣後的破産債権及び同条第2項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「優先的破産債権」という。)は,他の破産債権に優先する。


【民法 第306条】
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は,債務者の総財産について先取特権を有する。
二 雇用関係


【民法 第308条】
雇用関係の先取特権は,給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。


破産管財人又は労働者は,労働契約を解除することができます。 この場合,破産管財人が解除した時は解雇として扱われ,労働者が解除した場合には自主退職として扱われます。

もっとも,いずれの場合であっても,給料については,同様に扱われることになっています。


すなわち,これらの場合,未払いの給料を請求する権利は,破産手続開始前3か月分は財団債権となり,それ以外の部分,つまり4月前以前の部分は優先的破産債権として取り扱われます。


つまり,破産手続開始前3月内の未払い給料については,随時支払いをうけることができ,それ以外の未払い給料についても,他の破産債権に優先して配当を受けることができるということです。


もっとも,あくまで破産財団からの弁済又は配当によって支払いを受けることができるということですから,そもそも使用者に破産財団を形成するほどの財産さえ無いという場合には,支払いを受けることができません。


ただし,財団債権となる部分はもとより,給料債権については免責が認められていません。

したがって,使用者が法人ではなく個人事業者である場合には,その個人事業者たる使用者に対し,破産手続終了後も未払い給料の支払いを請求することができます。



労働契約の履行が選択された場合の給料・・・

破産管財人も労働者も労働契約を解除しなかった場合,破産管財人は従前の労働契約を履行するか,あるいは従前の労働契約をいったん解除して,新たに労働者を雇用することになります。


この場合も,やはり破産手続開始前3月分の給料債権は財団債権となり,それ以外の部分は優先的破産債権となります。そして,破産手続開始決定後の給料は財団債権となります。


もっとも,労働契約を継続しておきながら,未払い給料を優先的破産債権とすると,労働者の協力が得られなくなるおそれがあることから,労働契約を継続する場合には,給料債権の全部が財団債権となるとする考え方も有力です。




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給料等の請求権は財団債権となるのか?

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Q.給料等の請求権は財団債権となるのか?

A.破産手続開始前3か月間の破産者の使用人の給料の請求権及び破産手続の終了前に退職した破産者の使用人の退職手当のうち退職前3か月間の給料の総額に相当する額の請求権のことをいう。



特別の財団債権とは・・・

財団債権には,破産法の条文上,2つの種類があります。 1つは,破産法第148条第1項各号に規定されている「一般の財団債権」。 もう1つは,それ以外の規定に基づく「特別の財団債権」です。

一般の財団債権と特別の財団債権とは,財団債権としての性質に違いはありません。

この特別の財団債権の1つに,給料等の請求権があります。


【破産法第149条】
1 破産手続開始前三月間の破産者の使用人の給料の請求権は,財団債権とする。
2 破産手続の終了前に退職した破産者の使用人の退職手当の請求権(当該請求権の全額が破産債権であるとした場合に劣後的破産債権となるべき部分を除く。)は,退職前三月間の給料の総額(その総額が破産手続開始前三月間の給料の総額より少ない場合にあっては,破産手続開始前三月間の給料の総額)に相当する額を財団債権とする。



財団債権となる給料等の請求権とは・・・

使用人(労働者)にとって,給料は生活の糧となる重要な収入源です。 退職金には,退職までの功労をねぎらうという意味の他に退職後の生活のための金銭という意味もあり,これも生活の糧となる収入源です。

そうすると,雇用主や会社が倒産した場合,使用人はいきなり生活の糧を失ってしまうことになります。

雇用主や会社が倒産した以上,他の雇用主等の
債権者同様,使用人においてもある程度の負担を背負うことはやむを得ないことですが,生活の糧をいきなり失うことになる使用人の痛手は大きいものがあります。

そのため,使用人の給料や退職金の請求権は,財団債権として優先的に支払われることになっています。

もっとも,破産手続開始までのすべての請求権が財団債権となると,他の破産債権者に比べて,あまりに大きな優先権を与えることになってしまいます。 そこで,財団債権となる給料等の請求権には限定が付されています。

すなわち,給料請求権については,破産手続開始前3か月分の未払額が財団債権となります。

また,退職金請求権については,破産手続開始前3か月分の給料に相当する額が財団債権となります。

ただし,退職金の総額が,破産手続開始前3か月分の給料相当額よりも少ない場合には,3か月分の給料相当額が財団債権となります。

開始前3か月分という限定が付されているのは,破産債権者との関係で一定の限定を付す必要があるということとともに,開始決定直前に労務を提供したということから,破産財団の維持や増殖に協力・貢献したということができるからです。





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特別の財団債権とは?

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Q.特別の財団債権とは?

A.破産法第148条第1項各号以外の規定に基づく財団債権のことをいう。



特別の財団債権とは・・・

財団債権には,破産法の条文上,2つの種類があります。 1つは,破産法第148条第1項各号に規定されている「一般の財団債権」。 もう1つは,それ以外の規定に基づく「特別の財団債権」です。

一般の財団債権と特別の財団債権とは,財団債権としての性質に違いはありません。




特別の財団債権にはどのようなものがあるのか・・・

特別の財団債権にはさまざまなものがあるので,ここですべてを挙げることはしませんが,代表的なものは以下のとおりです。

特別の財団債権の代表的なものとしては,破産者の使用人の給料や退職金等の請求権があります。

もっとも,すべてが財団債権となるわけではなく,破産手続開始前3か月分の給料又はそれに相当する額の退職金の請求権に限定されます。

また,公平の観点から財団債権とされるものもあります。

例えば,
破産管財人が負担付遺贈の履行を受けた場合に,相手方が有する負担の履行請求権があります。 

また,破産管財人がすでに相手方から一部の履行を受けている双方未履行双務契約を解除した場合に,相手方が有する反対給付価額償還請求権も財団債権となります。

その他にも,破産財団に属する財産に関する訴訟を破産管財人が受け継いだが,その訴訟に敗訴した場合の相手方の訴訟費用の請求権は財団債権となるとされています(破産法第44条第3項)。





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