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マジャン ~畏村奇聞~には様々な変則麻雀のルールが登場しますがそれらを咲-Saki-のキャラクタが打ったらどうなるかを考えてみました。なおマジャンの変則ルールについては以下にまとめページを作ってみたのでそちらを参考にしてください。そしてできれば実際に読んでみてください。WEBで1日1話無料で読めますし麻雀漫画としてすごく面白いです。
参考- マジャンの変則麻雀ルールまとめ

■バンサン
常に1飜が役として加算されるルール。「役がなくても和了れる」と「常に1飜加算される」という2つの側面について考えてみます。
まず「役がなくても和了れる」ということは役を作るのに苦労する能力者にとっては追い風となります。松実玄や宮永照がこれに該当します。また鳴きの制約が少なくなるため、門前より鳴きが強くなり鳴き重視の能力者向きと言えます。役なしでもひたすら食い散らかせば和了れますからね。逆に宮永咲や大星淡のように能力で常に役のある面々はこの恩恵を十分受けられません。

「常に1飜加算される」については打点よりも和了率の高い打ち手が有利です。麻雀は飜が上がるごとに点数が倍になっていきますが満貫以上で切り上げがあるため一定の飜数以上では点数の上がる比率が小さくなっていきます。そのため1飜底上げされるバンサンでは大物手を1度和了る打ち手よりも和了率の高い打ち手の方が有利となりやすいです。例えば江口セーラは「3900を3回和了るより12000を和了る方が好き」と言っていますがバンサンでは完全に前者の方が上となります。普通の30符3飜の和了りはバンサンでは7700になるため3回で23100点ですがハネ満手は元が7飜の場合でやっと16000点、元が6飜なら変わらず12000点のままです。

ルールの恩恵が最も高いと思われるのはリザベーションコンビです。役なしでも和了れるため白水哩の制約が少ないですし、白水哩の和了りに常に1飜プラスされることが鶴田姫子には倍になって効いてきます。

向いている:宮永照、亦野誠子、姉帯豊音(友引)、エイスリン・ウイッシュアート、白水哩・鶴田姫子
向いていない:宮永咲、大星淡、江口セーラ



■罪送り
追っかけリーチをかけると先行リーチが解除され、追っかけリーチにはそれまでに出たリーチ棒分の飜数が加算されるルール。
このルールだとリーチを活用する能力者には不利になりやすいです。例えば園城寺怜は1巡先を見てリーチ一発ツモで打点を上げる打ち手ですが、怜のリーチを受けた相手が(たとえノー聴でも)リーチをすれば怜の和了はただのツモのみとなってしまいます。大星淡も同様で和了のタイミングが明白なのでそれに合わせてリーチをすればダブリーと裏ドラが消えますし、そもそもが役なしリーチなら出和了りすら効かなくなります。

最も向いていないと思われるのは姉帯豊音の先負。追っかけリーチをすると先制リーチ者に自らの当たり牌をつかませる能力者ですが、罪送りでは先制リーチが解除されるため相手は豊音の和了り牌を出しませんし、相手に豊音の和了牌が明確になるためダマ聴で手変わりされてしまう可能性が大です。

このルール、咲-Saki-キャラでは誰が向いているのかあまり思いつきませんでした。

向いている:
向いていない:園城寺怜、大星淡、姉帯豊音(先負)



■牌叛
得点下位は上位者に対してフリテンが適用されず、上位者から和了った場合は得点が倍となるルール。基本的に得点下位が有利となるルールです。

攻めに関しては直撃を取れる能力者が有利だと言えます。弘世菫や姉帯豊音の先負がこれに当たります。竹井久の悪待ちもこの部類でしょう。

守りに関しては捨て牌読みの大前提である「現物は安全牌」という常識が通用しません。そのため捨て牌以外から相手の手牌を読むことのできる能力者が有利です。福路美穂子や園城寺怜がこれに該当します。石戸霞も他家と自身が違う色に染まれば振り込みはないので守備面では鉄壁です(攻撃面では直撃を取れないので恩恵はありませんが)。
また守りに関しては花田煌の「トバない」能力も強力です。牌叛では得点が倍となる和了をしたとしても相手がトバなければ、今度はこちらの得点が上位となり振込の危険に晒されることとなります。逆に言えばトビさえしなければ常に逆転の可能性があるのです。この点で花田煌の能力は背叛に向いていると言えます。

総合的に考えて最も向いているであろう能力者は東横桃子。振込のリスクが一切なくリターンしかありません。逆に向いていない能力は・・・誰なんだろ。

向いている:弘世菫、姉帯豊音(先負)、竹井久、福路美穂子、園城寺怜、石戸霞、花田煌、東横桃子
向いていない: 



■カンジキ
同じ数の数牌ならどのような組み合わせでも槓ができるというルール。槓は通常なら同一牌4種でしかできなため組み合わせは牌の種類の34通りですが、カンジキでは同一数牌12枚の中から4枚の組み合わせが可能ですので数牌の槓は9✕12C4=4455通り。これに字牌の7通りを加えると槓の組み合わせは4462通りで通常の約131倍となります。実際は暗槓や大明槓の組み合わせも入るたこの数字以上に遥かに槓ができやすいはずです。このように通常の麻雀の100倍以上簡単に槓ができるルールですが四槓散了は普通にあるため簡単に意図的な流局ができるようになります。この「槓が非常に簡単に出来る状況」では咲-Saki-キャラの能力はどのように変わってくるのでしょうか?

槓と言えば宮永咲ですが、カンジキのルールは咲に向いているとは言えそうもありません。咲は池田華菜や末原恭子の鳴きで動揺していた節がありますし、それでなくとも他家の槓で嶺上牌が食い取られ方針が変わってしまうため能力の扱いが難しくなります。大明槓嶺上開花の責任払いもルールでありませんしね。

また和了のタイミングが遅い能力者もカンジキには向いていません。和了の前に四槓散了で途中流局にされる可能性が高いためです。淡や衣の海底摸月がこれに該当します。淡の場合は事前に3つ槓を入れられると和了のキーとなる「最後の壁牌の前での暗槓」が使えなくなります。衣の海底摸月もそこに辿り着く前に途中流局されると和了することができません。衣なら一向聴地獄で他家の鳴きを封じればいい気もしますが、いくら衣の能力でもカンジキにおける槓までは封じられるわけではありません。
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画像は長野決勝で見せた「完全に近い一向聴地獄」です。もしこれがカンジキのルールだったとすると手前右の池田華菜は七萬:麻雀王国七萬:麻雀王国七筒:麻雀王国七筒:麻雀王国で暗槓が出来ますし、左の加治木ゆみも六索:麻雀王国六索:麻雀王国六索:麻雀王国六筒:麻雀王国の暗槓と池田が17巡目に捨てた7萬で七索:麻雀王国七索:麻雀王国七索:麻雀王国七萬横:麻雀王国の大明槓ができます。また左奥の宮永咲の手牌は一筒:麻雀王国二筒:麻雀王国三筒:麻雀王国三筒:麻雀王国三筒:麻雀王国一萬:麻雀王国三萬:麻雀王国三萬:麻雀王国一索:麻雀王国二索:麻雀王国四索:麻雀王国四索:麻雀王国四索:麻雀王国ですので3の数牌で暗槓ができますし、1と4の数牌も他家が捨てた瞬間に大明槓が可能です。このようにいくら衣の一向聴地獄でもカンジキの槓を封じることができず、海底に辿り着く前に流局となってしまう可能性が濃厚です。

槓が増えるということはその分槓ドラが増えることを意味します。松実玄にとってこれは逆風になります。おそらく玄は開局の1~2局でドラを切る羽目に陥ることが予想されます。

能力が有利に働くののは上重漫。7~9の数牌を独占できれば四槓子も夢ではありません。

向いている:上重漫
向いていない:宮永咲、天江衣、大星淡、松実玄 



■聴用財神
オールマイティの聴用牌と抜きドラの財神牌がそれぞれ4枚入ったルール。
財神牌については松実玄以外には特に影響はないでしょう。問題は聴用牌です。オールマイティである聴用牌が入るとそれだけで待ちが非常に複雑となります。例えばマジャンの劇中で登場した何気ないこんな手牌。
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これがなんと10面待ちになります。聴用牌1枚でこれですからもし聴用牌が複数来たことを考えると頭が痛いです。私なら間違いなくフリテンチョンボをしていますね。咲-Saki-キャラで向いているとすると原村和。対局中に期待値計算なんて複雑なことをなんなくこなして、しかもミスがないというズバ抜けた演算能力を持っている和ならオールマイティ牌を含んだ待ちの判定など簡単でしょう。また能力的な観点で言えば小瀬川白望も聴用牌向きと言えるでしょう。シロの能力は「迷ったら手が高くなる」ですが複雑になりがちな聴用牌入りの状況なら迷ってばかりで常に手が高くなること間違いなしです。

ロマンがあるのは渋谷尭深です。オールマイティの聴用牌を1枚目に捨てることでオーラスの手牌に帰ってきます。例えばサイドA準決勝で渋谷尭深が第一打に捨てた牌は白:麻雀王国白:麻雀王国白:麻雀王国發:麻雀王国發:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国南:麻雀王国南:麻雀王国北:麻雀王国でしたが、もしも聴用牌を2枚捨てていたとしましょう。仮に白:麻雀王国中:麻雀王国の内の一枚がそれぞれ聴用牌だったとすると渋谷尭深の手牌はこの時点で七対子聴牌です。東・西が手元に来ると七対子字一色となります。途中の局の優位性をかなり捨てることになりますがオーラスの役満成就に全てを賭けるという戦略には夢があります。

向いている:松実玄、原村和、小瀬川白望、渋谷尭深
向いていない:



■月無
主なルールはリーチが無い、ドラが無い、青天井、の3つです。
まずリーチが無いことでリーチ絡みの能力者には向いていないことがわかります。園城寺怜、大星淡、姉帯豊音の先負がそれに当たります。向いているとするとリーチをかけなくても役が確定する面々です。宮永咲、雀明華などでしょうか。

ドラ無しについては松実玄、大星淡が該当。こうして見ると月無はとことん淡殺しのルールだと言えそうです。

そして青天井。前述の通りリーチもドラもないため高打点を作るのに苦労します。その制約の中で打点を上げるとすると染め手が簡単です。清一色なら鳴いても30符5ファンで15400点。門前なら3万点や6万点も当たり前となります。咲-Saki-キャラで該当するのは松実宥、石戸霞ですね。また青天井といえば飜数だけでなく符も重要となります。30符と60符では同じ飜数でも点数は倍違いますからね。符が高いと言えば槓を連発する宮永咲。打点上昇にドラを絡めない打ち方も青天井向きと言えそうです。例えば咲が長野決勝で咲が上がったタンヤオ対々三槓子三暗刻嶺上開花は100符8飜で204800オールです。
参考-青天井の長野決勝大将戦 ~卓に魔物は2人いる!!編~

忘れがちなのは青天井における守備力。青天井では通常よりもトビが発生しやすくなります。そうなると侮れないのは絶対にトバない花田煌の能力。すばら先輩以外が高い手を張ったとしても和了れないか別の誰かをトバすことになるのでしょう。

役満能力者は明暗が分かれます。月無では青天井にもかかわらず役満は子で32000点、親で48000点のままです。そのため下手な役満よりもそれを崩した役の方が高い手となります。薄墨初美の能力では来てほしくもない風牌が集まるため手を崩しにくいのですが、渋谷尭深の場合は色々と融通がききます。大三元狙いではなく小三元狙いなら小三元混一色対々和あたりで鳴いても50符8飜で307200点です。

向いている:宮永咲、雀明華、松実宥、石戸霞、花田煌、渋谷尭深
向いていない:園城寺怜、大星淡、姉帯豊音、薄墨初美



■猫千・表
鳴きが入るたびにドラをめくるルールです。ドラが著しく増えるため松実玄殺しのルールと言えます。おそらく玄は最初の1局を持たずにドラを切ることとなるのでしょう。また、これだけドラが増えると宮永照にとっても厳しいはずです。打点上昇の制約のため、連続和了の最初の方は打点を低く抑える必要がありますが、猫千・表では他家のちょっとした鳴きで思いもかけずドラが増えるため、照はドラを意図的に落として打点を下げなければならない場面がでてくるはずです。

また通常の麻雀と違ってドラが際限なく増えるため、鳴きの回数によって海底牌や最後の壁牌の位置がズレていきます。これにより天江衣や大星淡は能力の扱いが難しくなることが予想されます。

裏ドラがないためリーチが弱くなり、相対的に鳴きが強くなります。バンサンのとき同様、和了率の高い面々が強力になるのでしょう。ただバンサンと違い、リザベーションコンビには向いていません。というのもリザベーションは開局時にその局で和了れる飜数の縛りをかけますが、猫千・表では配牌を見てもその局にドラがどれくらい乗るかは予測できません。従って白水哩はその局に実際に和了した飜数よりもかなり低い飜数でしかリザベーションをかけられないものと推測されます。

向いている:亦野誠子、姉帯豊音(友引)、エイスリン・ウイッシュアート
向いていない:松実玄、宮永照、天江衣、大星淡、松実玄、白水哩・鶴田姫子



■助手搦
門前ツモが禁止され、代わりに門前限定の役を鳴いても和了れ、食い下がりもなくなります。
門前が弱くなり、鳴きが強くなります。そのためリーチ絡みの能力者は弱体化しますが姉帯豊音の先負は直撃を取れる能力ですので助手搦でもポテンシャルを十分発揮できます。直撃と言えば弘世菫もですね。園城寺怜や大星淡、松実玄などの門前派能力者は弱体化です。石戸霞の強制絶一門はもっと厳しく、鳴けない上に他家からの出和了りが出来ないのでルールによって完全に無効化されてしまいます。

バンサンや猫千・表のとき同様に鳴きが強い能力者が本領を発揮しそうです。鳴きが推奨されているので鳴き前提の能力者は強いです。宮永咲、姉帯豊音(友引)、亦野誠子など。

役満系能力者では薄墨初美にはデメリットがなく、逆に渋谷尭深には制約が付きます。天和も不可ですからね。

向いている:宮永咲、姉帯豊音(先負・友引)、弘世菫、亦野誠子、薄墨初美
向いていない:松実玄、園城寺怜、大星淡、石戸霞、渋谷尭深



こんなところでしょうか。全体的に半荘戦が多く(バンサンは東風戦、月無は一荘戦)片岡優希や南蒲数絵にとってはそれほど影響がなさそうです。最も恩恵を受けられないのは染谷まこでしょう。いくら染谷先輩の雀歴が長くてもこんなルールで打ったことなんてないでしょうからね。