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12月5日~6日にかけてマカオで開かれたワールドシリーズオブ麻雀(以下WSOM)、鈴木たろうプロが準優勝してYahooニュースで取り上げられるほど話題にもなりました。
このWSOMルールで咲-Saki-の登場キャラクターが麻雀を打ったらどうなるのかを考えてみました。
参考-麻雀世界大会 日本の鈴木プロは準優勝
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まずはルールの概要から。WSOMルールは中国麻雀と日本麻雀の中間のようなルールです。基本ルールは中国麻将寄りですが役に関しては日本麻雀に近い印象を受けます。そこでここでは主に日本麻雀とのルールの違いを抜粋して解説したいと思います。
参考-ワールドシリーズオブ麻雀2015 ルール
■WSOMルールと日本麻雀との違い

・1ゲームが固定の16局(連荘無し)
・場風の概念は無い
・親と子で得点の違い無し
・ノー聴罰符無し
・フリテンは一部を除いて無し(同巡内については多少の規定があり)
・喰い替えあり
・食い下がり無し(鳴き平和や鳴き一盃口も成立する)
・点数計算が大きく異る(後述)
・最初の持ち点は無い(トビもない)
・役の数は全部で44役(日本麻雀はおおよそ40、中国麻将が81種)
・リーチは無い
・ドラは一切無い

大まかなルールの違いはこんなところです。
次は日本麻雀と大きく異なる点数計算について。
■WSOMルールにおける点数計算

・符と飜はなく役ごとに点数が決まっている(点数は中国麻将とは異なる)
・役は10種類に分けられ、そこからさらに系列で分類される
・複数の役が複合した場合はそれぞれの点数を加点する(同一の系列の役は複合しない)
・320点で満貫となり、それ以上の加点はなくなる
・単一役で320点以上の場合は最も点数の高い役の点数になる
・ツモ和了りの場合の得点は各家からその点数分をそれぞれ貰う
(100点の和了なら100点x3で300点の収入)
・ロン和了りの場合は放銃しなかった2名から25点ずつ貰い、残りの点数を放銃者から貰う
(100点の和了なら放銃しなかった2名から25点、放銃者から250点)
・点数の合計が25点未満のロン和了の場合はツモ和了と同様の点数支払いとなる
・ツモ和了とロン和了で収入は変わらない
・役が無い場合の和了は1点 

続いて日本麻雀とは異なるWSOM特有の役を紹介します。 
■WSOM特有の役
・平和:5点
平和自体は日本麻雀にもあるがWSOMでは「雀頭、待ち型、門前は不問」なので次のような形でも平和が成立する。
一萬:麻雀王国二萬:麻雀王国三萬:麻雀王国一筒:麻雀王国二筒:麻雀王国三筒:麻雀王国二索:麻雀王国四索:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国 チー八筒横:麻雀王国七筒:麻雀王国九筒:麻雀王国 出る三索:麻雀王国
 
・門前清 :5点
面前で和了したときに付与する。日本麻雀ではツモのみだがWSOMではロンでも加算される。

・九蓮宝灯 :480点
これも日本麻雀にもあるがWSOMでは面前で「1112345678999」の形を持っていて9面待ちにならないと成立しない(いわゆる純正九蓮宝燈)。

・小三風 :30点
風牌の刻子/槓子が2つ+雀頭の形。
東:麻雀王国東:麻雀王国東:麻雀王国 南:麻雀王国南:麻雀王国南:麻雀王国 西:麻雀王国西:麻雀王国

・大三風 :120点
風牌の刻子/槓子が3つの形。
東:麻雀王国東:麻雀王国東:麻雀王国 南:麻雀王国南:麻雀王国南:麻雀王国 西:麻雀王国西:麻雀王国西:麻雀王国 

・二暗刻 :5点
手牌に暗刻が2つ。暗刻の定義は日本麻雀と同一。

・一槓子 :5点
手牌に槓子が1つ。暗槓/大明槓/小明槓は問わない。

・二槓子 :20点
手牌に槓子が2つ。暗槓/大明槓/小明槓は問わない。

・一色三同順 :120点
同一の順子を3つ。一盃口と同系列のため一盃口とは複合しない。
二筒:麻雀王国二筒:麻雀王国三筒:麻雀王国三筒:麻雀王国四筒:麻雀王国四筒:麻雀王国 二筒横:麻雀王国三筒:麻雀王国四筒:麻雀王国

・一色四同順 :480点
同一の順子を4つ。

・三色小同刻 :30点
三色で同じ数の刻子2つと対子1つ。
一萬:麻雀王国一萬:麻雀王国一萬:麻雀王国一筒:麻雀王国一筒:麻雀王国一筒:麻雀王国一索:麻雀王国一索:麻雀王国

・ 三連刻 :100点
一色で連続する3つの刻子を揃える。面前だと一色三同順と同じ形になるがその場合は順子か刻子どちらか高い方で計算する(自由数和)。

・四連刻 :200点
一色で連続する4つの刻子を揃える。

・地和 :155点
日本麻雀では子が鳴きのない1巡目に和了する役だが、WSOMでは親の第一打で子が和了することで成立(日本麻雀でいうところの地和は存在しない)。 

・七対子 :30点
日本麻雀と違って4枚使いでも七対子として成立する。

・その他
日本麻雀にあってWSOMに無い役は「リーチ」「ダブルリーチ」「緑一色」 。

ルールはおおよそ以上です。
ではこのルールで咲-Saki-の登場キャラクターが打ったらどうなるのかを考えてみます。
まずは能力が発動しない面々から。
<能力全否定組>
片岡優希、南浦数絵

場風の概念がないため能力が発動しないものと考えられます。仮に発動したとしても通常の麻雀の半分程度の局数しか発動しないため弱体化は避けられません。

松実玄
ドラが一切ないため能力は発動しません。宮永照から和了った「メンタンピン一盃口ドラ6」もWSOMルールでは「門前清(5点)、断么九(5点)、 平和(5点)、一般高(10点)」でたったの25点です。
玄にかぎらず打点をドラで上げるタイプの片岡優希、竹井久、池田華菜、江口セーラあたりは苦戦が必至です。

花田煌
ドビが無いため能力は意味がありません。

白水哩・鶴田姫子
団体戦でないためリザベーションは発動しません。したとしても飜数の概念がないため意味がありません。

次に能力は発動するけど弱体化するだろう面々です。
<能力弱体化組>
天江衣
得意技の「リーチ・一発・ツモ・海底摸月」は「門前清(5点)、海底撈月(10点)」まで落ちます。空中戦の多いWSOMルールで通常は海底まで行くことは少ないため、衣が活躍するには一向聴地獄がどこまで通用するかに依りそうです。

宮永照
連荘がないため弱体化が予想されます。それでもほとんどの局を和了、打点が上昇していく、という能力は脅威ですが。

園城寺怜
一巡先を読んでも「リーチ・一発・ツモ」が全てないため役を作らないと単なる「門前清(5点)」にしかなりません。

東横桃子
フリテンがないため「リーチ後に相手が見逃すことで強制的にフリテンにさせる」という 技が使えなくなります。

大星淡
ダブルリーチと裏ドラがともにないため淡の和了りは「 門前清(5点)、一槓子(5点)」程度にしかなりません。貧弱すぎます…。
絶対安全圏は健在ですが、WSOMルールでは鳴きが強力で他家は鳴きまくって手を進めるため相対的に淡の和了は遅くなるはずです。

姉帯豊音
リーチが無いため先負は使えません。代わりに食い下がりがないため友引は強化されますが、一応弱体化ということで。

渋谷尭深
WSOMルールは1ゲームが日本麻雀の1荘相当の長さのため単純にハーベストタイムの発動回数が1/2程度に減少します。そもそもオーラスまでの捨て牌が14枚を必ず超えるので、下手をするとハーベストタイムは発動しない可能性さえあります。

続いてWSOMルールに向いているだろう面々を。
<能力強化組>
新子憧、井上純、亦野誠子

WSOMルールでは鳴いても打点が落ちず、面前でしか和了れない役も減っているため鳴きが強力です。食い三色や食い一通でも35点や40点あるため、日本麻雀で言うメンタンピン(15点)を狙うよりもずっと得点が高くなります。この3名はいずれも鳴きが主体となっているためWSOMはもってこいのルールだと言えそうです。
江口セーラは「3900を3回刻むより12000を和了る方が好き」と言っていますがWSOMルールだと江口セーラの12000点は「門前清(5点)、平和(5点)、一般高(10点)」でたったの20点しかありませんが、その2局前の憧の4000点の和了は「断么九(5点)、 平和(5点)、三色同順(35点)」で45点もあるため立場は完全に逆転します。
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鹿倉胡桃
WSOMにはリーチが無いため「リーチをかけない」胡桃のスタイルはデメリットになりません。

薄墨初美
WSOMに場風はありませんが、自風はあるため必ず4回は能力が発動します。小四喜が320点、大四喜が400点と区別されていたり、小三風、大三風と言った風牌が関わってくる役も増えている点も能力強化に一役買っているでしょう。

その他の面々を考えると染め手に走りやすい松実宥や石戸霞、能力の引き出しの多い獅子原爽はWSOMにも向いていそうです。

では最後に最もWSOMに向いているキャラクターの紹介を。
<最強>
宮永咲

先にも述べましたがWSOMルールは鳴きが強力です。咲の能力も鳴きが主体ですが、それに加えて一槓子、二槓子でカン自体が強化されています。さらに二暗刻、三連刻と言った役との複合も期待されます。
ドラが無い点も咲には好都合です。咲はドラに頼って打点を上げる打ち手ではないためドラがないことのデメリットもありませんし、ドラがないためカンをすることで他家にドラが乗るというデメリットが存在しないことになります。
咲はリーチをあまりしないのでリーチが無いこともそれほどデメリットになりません。
打点としても三槓子(120点)が四暗刻(125点)並なのは妥当(それでも低いぐらい)なまでに高くなっていますし、四槓子が最大点数の480点であることも有利に働くでしょう。
ここまで見ただけでも咲に不利な条件がほとんど見当たりません。

実際に咲の和了をWSOMルールで計算してみましょう。
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画像は長野県決勝の後半に咲が和了った8000オールの手です。これをWSOMルールで計算してみると「断么九(5点)、対々和(30点)、三槓子(120点)、三暗刻(30点)、嶺上開花(10点)」で195点になります。
咲-Saki-シリーズでは何度か数え役満が出ていますがそれらと比較してみると咲の点数の異常さがわかるかと思います。
池田華菜の和了は「門前清(5点)、 平和(5点)、一盃口(10点)、三色同順(35点)、純全帶么 (50点)」で105点
鶴田姫子の和了は「門前清(5点)、 平和(5点)、一気通貫(40点)、清一色(80点)」で130点
獅子原爽の和了は「門前清(5点)、一槓子(5点)、翻牌(10点)、混一色(40点)」でたったの60点です。
咲が長野決勝後半に出した8000オールはこれらの数え役満を超える点数になるのです。

さらにオーラスに咲が出した数え役満を計算してみましょう。
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この和了りの点数は「清一色(80点)、対々和(30点)、三槓子(120点)、三暗刻(30点)、四連刻(200点)、嶺上開花(10点)」で570点という数字になります。実際は320点で打ち切りとなりますがそれでもほぼ最高の点数となります。

このように咲が不利になるルールはほとんどなく、逆に有利になるルールがほとんどです。もし咲がワールドシリーズオブ麻雀に参加していたら優勝していたことは間違いないでしょう。
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まぁ咲は出場要件を満たしていないのですけどね。それでも小鍛治プロなら…。