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準決勝では活躍できず半ば戦犯キャラとして扱われてしまっている亦野誠子。彼女が決勝戦でどんな風に闘うのかを考えてみます。
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■亦野誠子の能力考察
最初には亦野誠子の能力について作中で言及されている内容についてまとめてみます。とは言え彼女の和了描写は1度しかなく言及されている情報も下記の2つしかありません。

①3副露すると5巡以内にツモ和了る
②和了するときは必ず3副露している

ここで目を引くのは②です。和了るときに必ず3副露というのは非常に厳しい制約となります。
副露しないと和了れないということは立直や平和、一盃口などの麻雀の王道とも言える役で和了ることができなくなりますし、七対子や国士無双と言った変則手も使用できません。
守備面でも3副露というのは手牌が4枚になってしまうこともありかなり厳しくなります。
また、2副露で聴牌に取ってしまうと能力が発動しないため門前で2向聴以上の好配牌を貰うと逆に仕掛けにくくなるというデメリットも存在します。例えばこのような配牌。
二索:麻雀王国三索:麻雀王国四索:麻雀王国五索赤:麻雀王国七索:麻雀王国九索:麻雀王国五萬赤:麻雀王国七萬:麻雀王国九萬:麻雀王国白:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国
上の手牌は2向聴ですが普通に食い仕掛けすると2副露で聴牌になってしまうため、聴牌取らずをするか出来面子から鳴かなくてはならなくなります。
二索:麻雀王国三索:麻雀王国四索:麻雀王国五索赤:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国 チー八索横:麻雀王国七索:麻雀王国九索:麻雀王国 チー六萬横:麻雀王国五萬赤:麻雀王国七萬:麻雀王国
この手からそのまま和了ることが出来ず1436索をチーして単騎聴牌を取るか中を大明槓しなければなりません。特に1索チーだと赤5索が出ていくため打点も落ちます。

このように多大なデメリットを含む②の制約ですが得られるメリットは①の「5巡以内にツモ和了る」だけです。デメリットに比べてメリットが強力なようにも思えません。と言うのも統計によれば麻雀の和了り平均巡目は約12巡であり、亦野誠子がそれよりも早く和了るには7巡目には3副露していなくてはなりません。2巡に1回は鳴かなければならないためかなり厳しい条件だと言えます。
また「ツモ和了る」も微妙です。ツモ和了りが確定で出和了りできないのだとすると3副露しても他家は振り込みの危険がないため全く足止めになりません。門前ならばツモの1飜やツモり三暗刻などのツモ限定の打点アップ要素もありますが3副露ではそれもありえません。せいぜいがツモ符によるテンパネくらいです。和了が確定するのは魅力的なのですが…。

と、ここまで考えてもフォローできる点が少なくかなり厳しい能力だと言えそうです。特に「和了するときに必ず3副露」の制約が厳しすぎます。この制約が無く単に「3副露したら5巡以内に和了る」だけだったら素の雀力+3副露したときのオプション能力がつくだけですが、「3副露しないと和了れない」となると下手をすると能力無しにすら劣ることになりかねません。
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しかしこれについては船久保浩子の推測であるため必ずしも亦野誠子の能力を正確に現したものではありません。「船久保浩子の入手できた情報では偶然にも和了は全て3副露だった」と解釈すれば亦野誠子は3副露せずとも和了できる可能性が残ります。もしくは白糸台が戦略的にが意図的に隠していた可能性もあります。
「5巡以内にツモ和了る」についても正確ではない可能性があります。と言うのも準決勝で対峙した白水哩が3副露後の振り込みを警戒している描写があるからです。
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亦野誠子の能力がツモ和了り限定であるなら振り込みなど警戒せずに攻めればいいだけです。したがってこれも「船久保浩子の入手できた情報では偶然にも和了は全てツモ和了りだった」と解釈すれば解決します。

このような解釈ならば亦野誠子の能力は「素の雀力+3副露したときには5巡以内に和了する」となります。これならば門前主体の攻めをしつつ時には3副露して能力を発動することができ、素の雀力次第ではなんとか闘えそうな気がします。

■「5巡以内に和了る」とは?
ところで「5巡以内に和了する」とはどのような意味があるのでしょうか。3副露した時点で聴牌をしているならばそこから5巡以内に和了牌を引き和了る、との解釈で問題ありません。1向聴や2向聴だった場合も有効牌を連続で引き入れて和了するのも理解できます。しかし、例えば危険牌を引いて一度聴牌を崩したらどうなるのでしょうか。
九萬:麻雀王国九萬:麻雀王国三筒:麻雀王国五筒赤:麻雀王国 ツモ五索赤:麻雀王国 ポン八筒横:麻雀王国八筒:麻雀王国八筒:麻雀王国 ポン一索横:麻雀王国一索:麻雀王国一索:麻雀王国 ポン中横:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国
例えば上のような手牌で危険牌の赤5索を引いたときに9萬の対子落としで回った場合。矛盾なく進むとするならば有効牌の4筒や5索を引いて和了するということでしょうか。
三筒:麻雀王国四筒:麻雀王国五筒赤:麻雀王国五索赤:麻雀王国 ツモ五索:麻雀王国 ポン八筒横:麻雀王国八筒:麻雀王国八筒:麻雀王国 ポン一索横:麻雀王国一索:麻雀王国一索:麻雀王国 ポン中横:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国
そうだとすると3副露した直後の2巡で安全牌2枚を抱えた2向聴に取れば安全に和了できることになります。安全牌として残した牌が重なって危険牌を出さなければならなくなる展開もありますが…。

また完全に役無しとなるような鳴きをした場合はどうなるのでしょうか?
四筒:麻雀王国五筒:麻雀王国九索:麻雀王国九索:麻雀王国 チー一萬横:麻雀王国二萬:麻雀王国三萬:麻雀王国 チー五筒横:麻雀王国四筒:麻雀王国六筒:麻雀王国 ポン五索:麻雀王国五索横:麻雀王国五索:麻雀王国
この手牌ならば赤5索を引き入れてカンしての嶺上開花がありえますが、もしここがチーだとすると完全に約無しです。役牌を3連続で引き入れて和了するとか、他家が3筒か6筒をポンして加カンしての槍槓で和了るとか?この辺りは描写がなさすぎて流石に推測しかできませんね。

■亦野誠子はチーが出来ない?
ここまで調べている中で気づいたのですが亦野誠子はあれだけ鳴いている描写があるにも関わらず鳴きは全てポンだけです。また、ゲーム「咲-Saki-阿知賀編Portable」や「咲-Saki-全国編」での能力も「ポンを3回行ったあとは、有効牌を引きやすくなる」となっておりチーについての言及がありません。関連するのかわかりませんが作中での和了時もチーによる鳴きを考慮しない手組みをしています。
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3巡目のこの手牌から4索を切っています。この手牌、4対子の七対子2向聴のため七対子を狙うならばドラ表示牌で1枚少なく他家に使われやすい4索から切るのはまだ理解できます。ただ副露前提で進めるとなると6索チーは鉄板で鳴く手であるため初手から4索を切るのはやややりすぎな感が否めません。
しかしこれも「チーが出来ない」もしくは「ポンで3副露する必要がある」と考えるならば9萬・5索・7索・中の4つの対子の内3つを鳴くことになり、赤5筒を残すとすると最終的に4索は必ず余剰牌になります。他の余剰牌は8萬・9索・北のため安全を考慮するならば最も危険なのはドラの隣牌である4索となり打4索は理にかなった一打だと言えます。

少し気になるのは第2打目の1筒です。
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2巡目の手牌はこうなります。
八萬:麻雀王国九萬:麻雀王国九萬:麻雀王国一筒:麻雀王国五筒赤:麻雀王国七筒:麻雀王国四索:麻雀王国五索:麻雀王国五索:麻雀王国七索:麻雀王国九索:麻雀王国北:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国
先程の配牌とは違いまだ3対子のため4つ目の重なりを期待するならば白水哩が1打目に切っている北かドラ表示牌で1枚少ない4索かの2択となるのではないでしょうか。この辺りは「チーできない」という仮説が違っているのか、単純なミスなのか判断がつきません。「鷺森灼に筒子が集まるから重なりの薄い筒子を先に切った」ということも考えられます。
ちなみに1打目の打1萬は親の鷺森灼、南家の船久保浩子が切っており重ってもポンできないため自然な一打です。

いずれにせよ亦野誠子がポンでしか能力を発動出来ない可能性は非常に高いのですがそのような明確な特徴が作中で語られていないためここではチーもできるものとして話を進めます。


ではいよいよ本題の決勝戦での闘いについて考えてみます。
■亦野誠子は原村和相手にどのように闘うのか?
まずは原村和相手にどのように闘うのかを考えてみます。
原村和の特徴はデジタルな打ち手ですが亦野誠子の能力は原村和の「鳴き読み」を狂わすことができるのではないかと思われます。
例えば先程例に挙げた手牌からのこのような鳴き。
二索:麻雀王国三索:麻雀王国四索:麻雀王国五索赤:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国 チー八索横:麻雀王国七索:麻雀王国九索:麻雀王国 チー六萬横:麻雀王国五萬赤:麻雀王国七萬:麻雀王国
ここから3索をチーして打2索
三索:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国中:麻雀王国  チー三索横:麻雀王国四索:麻雀王国五索赤:麻雀王国 チー八索横:麻雀王国七索:麻雀王国九索:麻雀王国 チー六萬横:麻雀王国五萬赤:麻雀王国七萬:麻雀王国
タンヤオや三色、一通の可能性はないため役牌暗刻か役牌バックであることは明白です。
役牌バックならば仮に3索がシャンポンの片割れでも3索では当たれませんし、役牌暗刻ならば25索子の聴牌を崩してわざわざ単騎にしているためデジタル的にはあり得ない鳴きと言えます。したがって3索は普通ならば間違いなく通る牌となります。
亦野誠子としては3副露するための仕方のない鳴きではありますが、それが結果的に原村和の「鳴き読み」を狂わすことに繋がっています。

■亦野誠子はメガン・ダヴァン相手にどのように闘うのか?
メガン・ダヴァンのデュエルは「自身と相手が聴牌していると3巡目に相手がダヴァンの当たり牌を掴む」というものです。したがって亦野誠子が3副露で聴牌したときにダヴァンも既に聴牌していると和了り切る前にダヴァンの当たり牌を掴む可能性が高いことになります。しかし逆に言えばダヴァンよりも2巡早く聴牌していればダヴァンの当たり牌を掴むよりも早く和了りきれるため確実に和了ることが可能となります。
また、先制されたとしても3副露直後の2巡の間を聴牌に取らなければダヴァンの能力を回避しつつ確実に和了り切ることが可能となります。したがって亦野誠子のデュエル対策は3副露して2向聴になるようなクソ鳴きだと言えます。
五萬赤:麻雀王国五筒赤:麻雀王国西:麻雀王国北:麻雀王国 ポン南横:麻雀王国南:麻雀王国南:麻雀王国 ポン白横:麻雀王国白:麻雀王国白:麻雀王国 ポン發横:麻雀王国發:麻雀王国發:麻雀王国
↓(3巡目4萬ツモ、4巡目6萬ツモ)
四萬:麻雀王国五萬赤:麻雀王国六萬:麻雀王国五筒赤:麻雀王国 ツモ五筒:麻雀王国 ポン南横:麻雀王国南:麻雀王国南:麻雀王国 ポン白横:麻雀王国白:麻雀王国白:麻雀王国 ポン發横:麻雀王国發:麻雀王国發:麻雀王国

デュエルの能力を完全に解析できているなら次のような2段構えの対策も可能です。
3副露してテンパイ取り→2巡はテンパイ維持→この間で和了れればよし、和了れなければ3巡目に掴んだ牌で降り→4巡目に前巡掴んだ牌へのくっつきで再度テンパイ→5巡目に和了
この方法の優れているところはダヴァンがどのタイミングで聴牌したかがわからなくても振り込みの危険を完全に回避できるところにあります。
このように能力さえわかっていれば亦野誠子の能力はデュエルに対して殆どの場面で優位に立てることがわかります。亦野誠子の能力は単体では非常に使いづらいのですがデュエルに対しては効果的であると言えそうです。


■考察のまとめ
以上から結論をまとめます。

・亦野誠子の能力は単体では非常に使いずらい
 特に「和了するときは必ず3副露」という制約が厳しすぎる
・能力の制約は船久保浩子の推測であるため実は間違っている可能性がある
 (そうでないと条件が厳しすぎる)
・亦野誠子の能力はチーでは発動しない可能性が高い
・原村和に対してはデジタルな鳴き読みを狂わす展開が考えられる
・メガン・ダヴァンに対しては事前の調査ができていれば優位に闘うことができる

決勝戦での亦野さんの活躍に期待しています。