東京下町にある古本屋を舞台に、80年代風ホームドラマを甦らせた『東京バンドワゴン』の続編、『シー・ラブズ・ユー』です。ヴではなくブというのが個人的にはポイントです。
思わず微笑んでしまうどころか、口ずさんでしまうタイトルですね。前作での屋上ライブといい、このシリーズはあの偉大なるバンドの名曲の数々で彩られています。そして、その根底に流れるのはもちろん「LOVE」、All you need is love なのです。

登場人物や背景など詳しい説明は前作の記事に預けるとしまして、その前作を読んだ人間ならこのタイトルには別の意味でも含みがあるように思え、二重の意味でニンマリでしょう。
「彼女はアナタを愛してる」こいつはもしかして、ようやく……。いや、これ以上は何も申し上げますまい。とにかく愛が溢れているのです。みんな誰かを愛しているように、みんな誰かに愛されている。LOVEだねえ。

さて、堀田家の朝は毎度のごとく賑やかな食卓から始まるのですが、今回も色々と笑わせてもらいました。そらウィーときたらテキサス・ロング・ホーンです。間違ってません、我南人さん。ただ…セーラ服もいいけれど、女の子はいつでも耳年増ですぜ。変な発言は気を付けないと。
それと勘一じいちゃん、さすがにコーンスープに七味は止めといた方がよろしいかと。ある程度までは笑い話ですむけれど、度を超すと健康に疑いも出てしまいますよ。

前回はサチさんの語りについて野暮なことも申しましたが、端からそういうものと分かっていて読めば、それも差程気にならず。2作目ともなれば、これもまた味かなとなってきます。
なにより今回は勘一にとって何十年来の引っ掛かりが抜けるわけで、そんな時にはサチさんに側へいてほしいじゃありませんか。たとえ姿は見えなくとも。
また、古本屋・東京バンドワゴンの由来に、併設されたカフェの秘密もちょこっと証されます。そんなに由緒正しく、また大きな意味があったとは思いませんでした。伊達に古いわけじゃなかったのですね。

しかし、ますます大家族になっていく堀田家。さすがに手狭と紺も青も頭を悩ませてますが、一体どうなることやら。もし次回作があるのなら、間取り図でも披露していただけたら嬉しい限りであります。


最後に、今回もハンカチのご用意は忘れずに。


シー・ラブズ・ユー―東京バンドワゴン