吟じます。ブックオフの棚で上下巻組の本の上巻だけ見つけたらーーーー。ストッカーに下巻があるような気がするーー。あると思います。

吟じます。本屋さんで無料のPR誌だけ貰って出てきたらーーーー。警備員に万引きと間違われそうな気がするーー。ありませんか?
特にポンツーンとかウフ.みたいに無料なんだけど裏に200円とか入っているやつ。


というわけで皆さんこんばんは。今更なお笑いネタで今更なあるあるネタをやってみたーたまねぎです。
さて、今夜の一冊は乾くるみさんの『イニシエーション・ラブ』です。だいぶ前に凄いらしいと言いますか、驚きの結末という噂を耳にし、たまたま文春のサイトを覗いたら文庫売上NO1にもなっていて、ひっじょーに気になっていた本であります。

もうね、最後の1ページを読んだ瞬間に、アーーーーッ!!ハイハイハイハイと一人で叫んでしまいましたよ。いや、これは確かにビックリです。

目次を読んだ時にsideーA、sideーBってなってるから、一つの恋の物語を男の側と女の側の2面から描いた話じゃないかと想像したんですよ。『冷静と情熱のあいだ』みたいに。
そしてそこにミステリーテイストがちょっと加わって男女間の齟齬を見せるとか、実は思い違いだったんだよって感じの話になるのかなあと。

ところが実際はそうでもなくて、正直もう読んでるのが馬鹿らしくなるくらいありきたりな恋愛小説じゃありませんか。それこそ三文小説の様な。
それがですよ、これの何が面白いんだよと軽くいらつきながら最終ページに入り、ん?、あれ?ちょっとおかしいぞとなり、最後の2行、たった2行ですよ、その2行を読んだ途端に、これはやられた、うわマジかよとなってしまいました。
たった一言で物語が完全にひっくり返って、こちらの印象も180度転換、いやそれどころかトリプルアクセル3回転半1260度グルグルっと変えられましたよ。これは凄いですね。

伏線ってのはたいてい見えるか見えないかぐらいの所で朧げに張られていて、結末に向かう過程で一つ一つ浮かび上がってくるもんなんですが、この本の場合は読み終えた瞬間にビビビビビビッと全てが一気に繋がるんですね。
名探偵が謎を解く時って、こんな風に物事が瞬間的に結び付いていくのかなあと、擬似体験した様な気分になりました。


ストーリーはほんと単純で有り触れたものです。無口でどちらかといえば根暗な大学四年生の鈴木夕樹。彼がある日友人の望月に頼まれ、突如欠員の出た合コンに参加する事になり、そこで出会った女性に一目惚れしてしまいます。しかも彼女も夕樹に対して良い印象を抱いていて、やがて二人は付き合い始める事になります。ところが思わぬ事態が発生し二人は遠距離恋愛を余儀なくされ、やがてはだんだんとすれ違いだし……。

騙されたと思って読んでみてください。


イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)
イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)


各章のタイトルは80年代にヒットした邦楽のタイトルが当てられているのですが、半分しか分かりませんでした。悔しい。


続きはネタバレありの感想を。

いやー参りましたね。表と裏はやはり存在したのですね。それにしてもこの本は人によって印象がまったく変わるんでしょうね。驚きは驚きなんだろうけど、繭子に対しての印象は千差万別なんじゃないかなあと思いました。特に女の人はどう感じたんだろう。
私の場合はちょっと恐かったです。寂しさのあまり無自覚的にたっくんなのか、計算してのたっくんなのかは分からないけど、それがどっちでもやはり恐いと思います。
彼を選んだ理由が、実は彼に似た面影を持っていたからなのか、はたまた恋愛なれしていなそうな彼ならと思ったのかとも考えてしまいました。
ここまで言うと非難を浴びてしまうかもしれないけど、妊娠すら実は狂言で、あの日には再生手術を受けたんじゃとまで邪推してしまったり。
あの時の初体験が実はその妊娠にと結び付くのが物語としては一番綺麗なんだろうけど、実際には時系列のズレがあるし。繭子の言動は演技とも取れるんですけどね、男の視点からはどっちとも解釈できそうな描写だったんで。

これは私が男だからかもしれないけど、辰也の拙さと繭子の狡猾さが、実に対照的に映りました。なまじ繭子が清純っぽいだけに。