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NHKBSプレミアムシネマ録画の鑑賞。
監督 レオ・マッケリー
脚本 シドニー・バックマン、ヴィニャ・デルマー
製作 レオ・マッケリー、エヴェレット・リッチマン
原作 アーサー・リッチマン
音楽 ベン・オークランド
撮影 ジョゼフ・ウォーカー
編集 アル・クラーク
美術 ライオネル・バンクス、スティーヴン・グーソン
衣装 ロバート・カロック
出演 アイリーン・ダン、ケーリー・グラント、ラルフ・ベラミー、アレクサンダー・ダルシー、セシル・カニンガム
91分
製作国 アメリカ合衆国
配給 コロンビア映画
米国公開 1937年10月21日
日本公開 1938年4月20日
第10回アカデミー賞監督賞受賞、1938年度キネマ旬報ベストテン第8位

いわゆるハリウッド映画が戦前に得意としていた典型的な”スクリューボール・コメディ”である。
”スクリューボール・コメディ”とは前に『ヒズ・ガール・フライデー』のブログでも書いたが、どこへ行ってしまうかわからない突飛な行動をとる男女のラヴ・コメディのことをいう。1930年代から40年代に多くつくられた。
この時代はプロダクション・コードという倫理規制があり、犯罪やセックスを直接描くことが禁じられていた。男女が同じベッドで寝ているところを描くことも禁止されており、監督は表現を工夫せざるを
えなかった。それがスクリューボール・コメディのはじまりらしい。

この映画の主役のアイリーン・ダンとケーリー・グラントは夫婦であるが、互いに浮気をしているらしい。それがもとで離婚することになるのだが、結局、離婚成立の日にまた元の鞘におさまってしまうという話である。

社会的メッセージなど何もない。男女二人のすれ違いや勘違い、誤解などおもしろおかしく描いているのが特徴だ。
ただひたすら笑いを楽しむ。それがこの種の映画の楽しみ方だ。

日本で公開されたのは1938年。日本は中国と戦争している時だ。
この時代の日本映画をみるとやはり戦争ものが多い。
それに比べて、このアメリカ映画は戦争の影などみじんも見られない脳天気で底抜けに明るい。
こういう能天気な国の人間に戦争をして負けるはずがないとこの映画を観た能天気な日本人は考えたに違いない。

この映画を観ていたら、後に東宝でつくられた『社長シリーズ』や『駅前シリーズ』などの喜劇は、この時代のスクリューボール・コメディの影響を受けていたのではないかと思えてきた。
森繁や淡島千景の夫婦のやりとりは、本作のケーリー・グラントとアイリーン・ダンの夫婦のやりとりによく似ていた気がする。

<あらすじ>
ジェリイ・ウォリナー(ケーリー・グラント)は真面目な妻のルシイ(アイリーン・ダン)にフロリダへ行くと嘘を言って友人たちとポーカーを楽しみ、一晩家を家を空けて帰ってきた。すると妻のルシイも家にいなかった。間もなくルシイは若い美男子で声楽教師フランス人アルマ(アレクサンダー・ダーシー)ンと一緒に帰宅した。思わず彼が妻の不謹慎を責めると、ルシイは平気な顔で、二人の乗った自動車が故障を起こしたので止むなく安宿に泊まったのだと言う。すっかり腹を立てた彼は、かえって自分の嘘まで曝されたので、とうとう二人は口論の果てが別居ということになってしまった。夫婦の大事にしている愛犬スミスが、どちらの所有に属するかで一問題あったが、ルシイは策略を用いて所有権を獲得した。その代わりにジェリイは時々スミスに会いに来てもいいという条件がつけられる。ところがその最初の訪問日の夜、彼はルシイが田舎の若い富豪ダニエル(ラルフ・ベラミー)と交遊しているのを見た。かんしゃくを起こしたジェリイはナイトクラブの歌姫ディキシーと熱くなり、互いに夫婦の擬似恋愛競争が始まった。ダニエルは妻を離婚してルシイと結婚したいと申し出るけれど、彼女が心から愛しているのはジェリイだけである。そこでアルマンを呼んで二人の間には何もなかったことをジェリイに話してくれと頼んでいるところへジェリイが訪れたものだから、驚いたルシイはアルマンを寝室に押し込んだ。これをジェリイに見つかったからたまらない。憤然として彼はそこを飛び出した。彼はついにルシイと離婚し社交界の花形バーバラ(モリー・ラモント)と婚約した。その披露会の夜ルシイがジェリイを訪ねているところへバーバラからかかってきた電話をルシイが取り次いだ。彼はルシイを妹だと言ってその場をごまかして老いたが、そのため彼女も披露会へつれて行かねばならなくなった。宴席でルシイは酔ったふりをして乱痴気を演じたので披露会は滅茶苦茶になりバーバラはジェリイとの婚約を解消した。ルシイはなおも酔態を装ってジェリイを車に乗せパシイ叔母さんの山荘へ連れて行く。途中で彼女は故意に自動車事故を起こし、それにことよせて巧みに彼の誤解をとき、二人は改めて楽しい生活を始めることになった。

《新婚道中記  抜粋》