2012年12月

気がつけば、汐凪技研も1周年!

今年も残すところあと4時間ほど。唐突ですが、汐凪技研は活動開始から無事1周年を迎えました! こうして1周年を祝えるのも、日々Blogにアクセスしてくださる皆様、COMITIAで当サークルにお立ち寄り下さった皆様のおかげです。ありがとうございました。

当サークル『汐凪技研』は2011年9月終盤に一冊目の本『CephaloPhonea』の企画とともに形ができ、2011年12月半ばに当Blogスペースを取得、12月27日に「このブログについて」を公開し、12月31日にヘッドホン娘を2作(k24pPortaPro)公開してBlogでの活動を本格的にスタートしました。対外的に動き始めたのは、去年の大晦日からなんです。あれから1年、同人誌を2冊制作・頒布し(CephaloPhoneaポタプロ約30年史)、COMITIAには3回(100101102)参加しました。

これからも、オーディオとイラストのタッグで魅力的なコンテンツがお送りできるよう頑張ります。2年目を迎えた汐凪技研を、どうぞよろしくお願いします。

2012年を振り返る

もうすぐ2012年もおしまいですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。今回は、当Blogの記事の中から毎月一つをピックアップして、2012年を振り返りたいと思います。

1月 HD 25-1 Ⅱの側圧
これは、本当に体験した人にしかわからないことだと思います……。今年もまたキャッシュバックキャンペーンをやっているようなので、買われる方も多いかと思いますが、強烈な新品の側圧への心構えと、保証書のシリアルナンバー欄に間違えてArticle No.を書いたりしないように気をつけてください。

2月 P800-Eの開口径を広げる 完成編
安価で作りもよく、どんな箱に入れてもそれなりに鳴ってしまうTangBandのスピーカー。8cmフルレンジですが、開口径が一般的な73mmより大きい76mm程度必要なのですが、あまりその点が話題になりません。箱を作る人にとっては大きな問題では無いからですかね? 現在TangBandのスピーカーは、原材料費の上昇からか価格改定され、記事執筆時のような高いコストパフォーマンスは無くなりましたが、セールを狙うとまだまだお買い得だったりします。

3月 DN2800MT 買っちゃいました
現在もこのマシンで記事を書いています。対応OSが32bitのみ、DualCoreでHT対応といってもやっぱり遅いATOMですが、絶対的な発熱量の低さと、マザー上で各種電源をまかなえる手軽さ、そして安さは強烈で、未だにこのマザーに変わる製品は出てきていないと思います。音楽再生中にWeb巡回すると音トビする問題を解決できていないこともあって、そろそろ速いマシンを組みたいと考えているのですが、一度無音を味わうとファンなんて付けたくない……。悩ましいです。

4月 k601 いつのまにか生産終了
まだまだ流通しているだけあってまるで話題になりませんが、k601は日本代理店のハーマンのサイトでは、生産終了リストに含まれています。2013年はどうなるのか、少し心配です。

5月 COMITIA100 ありがとうございました!
汐凪技研初参加となったCOMITIA100。一冊目が売れるまでのあのプレッシャー、そしてお買い上げ時の喜び。今年はCOMITIAに3回参加しましたが、何回参加しても変わらないですね。

6月 今年はSCANSPEAKで完成品
SCANSPEAKのデンマークにちなんで、北欧風ドヤ顔でお送りしたこの記事。もやしもこのスピーカーは購入しましたが、初期不良チェックのワニ口クリップで音出しをした後、梱包のダンボールに帰ってそのままです。早くエンクロージャーに入れてどやぁしたいところですが、時間と気力が足りませんorz

7月 dBを理解する 第1回 エネルギー比としてのdB 電圧編
オーディオをやる上では必須の知識であるデシベル、式を追いかけて理解できる記事を! と書いたこのシリーズ。最終的にはヘッドホンの感度を単位換算するところまでいきました。実際にペンを走らせた方が1人でもいれば本望です。

8月 SONYの新製品 PHA-1
あのSONYが!? と話題になった、iPodとデジタル接続できるポータブルヘッドホンアンプ。まだまだ人気のようで、販売店で入荷待ちになっているのを見かけます。AppleのDockコネクタの形状が変更されてどうなることかと心配しましたが、結局大丈夫だったみたいですね。

9月 2SC1815/A1015 枯渇・価格上昇までの覚え書き
ついにやってきた、定番石の価格上昇。これからまた、価格の高騰や枯渇を記事にするかと思うと憂鬱です。2013年中に、2SC1815/A1015は値上がりするのか、店頭から枯渇するのか、変わらないのか。変わらないとイイなぁ……必要な方はお早めにお求めを。

10月 ヘッドホンの周波数特性の測定 IECの規格
ヘッドホンの周波数特性をどう測るか、あれこれ調べ物をした記事でしたが、リンクを張らせていただいた先のえるなさんが追加の実験を数多く実行・公開されて、Webでつながるってこういうことなのかなと感じました。もやしの測定環境ですが、WM-61Aを購入した段階でストップしています。

11月 月見てんぷろ (UE 10pro)
同人誌を制作するようになってから、なかなかweb用に確保できなかったイラスト。久々の1枚は和風な10proでした。この記事から、Pixiv、ニコニコ静画への投稿を始めました。

12月 Amperiorの本体ケーブルをミニXLR仕様に改造!
ウレタンコートのリッツ線と戦った思い出……共通インピーダンスについてはきちんと記事にしたいと思っているのですが、毎度のもやしクオリティーで実現できていません。2013年の宿題ですね。


振り返ってみればいろいろありましたが、あっという間だった2012年。当Blogの記事で、お役に立つものが一つでもあれば幸いです。

今更ですが Sennheiser IE8 パッケージ編

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フジヤエービックさんの特価アウトレットIE8(当時のBlog告知記事)、今年の締めにと購入していたのでした。もう新品での入手は難しいディスコン機種ですが、パッケージ周りと、ケーブルの構造について簡単にレポートします。

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ポタプロwith初音ミキ


Pixivニコニコ静画にアカウントを取った相方ぬしはかせですが、月見てんぷろ以降も定期的にイラストを上げています。汐凪技研では今のところヘッドホンや音響関連にイラストを絞っていますが、相方個人アカウントの方では二次創作含め幅広く描いています。ヘッドホン関連のイラストについては、Blogでも紹介していきます。相方の絵が気になる方は、各投稿サイトのアカウントもチェックしていただければと思います。

そんなこんなで、今回のイラストはポタプロ含有です。勢いに重きをおいたのでケーブルがなかったり忘れ物があったりしますが、何にでも合うポタプロでした。


前回同様、今後もニコニコ静画にも併せて投稿していきます。



ROHMのSiC半導体が秋月で取り扱い開始!

秋月電子通商の新商品リストを見ていたら、「SiC」の3文字が。まさかと思って見てみれば、ROHMのSiC MOSFET(SCT2080KT)とショットキーバリアダイオード(SCS102AGCSCS105KGCSCS106AGC)が売られているじゃないですか! 最近の秋月電子の品ぞろえには驚くばかりです。

ROHMのSiC半導体は、『無線と実験』誌で金田さんがこれらの素子を用いた作例を発表されたり、CEATECで公演されたりと話題になっていましたが、改めてどんなデバイスか確認しておきましょう。


SiC半導体は、通常Si(シリコン)が使われる部分に、C(炭素)を組み込んだ特別な半導体です。Si単体と比べてCを混ぜるとバンドギャップ(半導体における価電子帯と伝導帯のエネルギー差)が大きくなるため、より過酷な環境でも使えるようになります。他にも色々と効用があるようですが、もやしが理解できているのはバンドギャップの拡大までです。

実際にデバイスに用いると、Si単体では実現できなかった高耐圧と低損失の両立が実現できます。MOSFETなら、従来のSi半導体では低耐圧では低抵抗が実現できても、高耐圧では抵抗値を低くすることが出来ず、インバーターなどのパワー制御で大きなロスになっていました。ここにSiCのMOSFETを用いると、高耐圧と低抵抗を両立できるため、今までのデバイスと比べてずっとロスが小さく済むそうです。EE timesの記事がわかりやすいです。


SiC半導体の特徴である『高耐圧と低損失の両立』ですが、オーディオで扱う電圧はSiCの特徴が生きてくる高電圧と比べるとずっと低く、低電圧ではSiの優れたデバイスがたくさんあります。オーディオにとっては、『高耐圧と低損失の両立』は直接高性能化につながるものではありません。実際に音響機器の回路に組み込んだ時にどんな音になるのかが興味深いところではありますが、SiC半導体はまだまだ高価です。製造プロセスの改良や製品の普及で価格が下がれば、音質的理由から採用するメーカーが現れるかもしれませんが、高価な間は自作ユーザー以外では音響分野に使われることはなかなか無いでしょう。


活躍する分野も価格も縁遠い最先端デバイスですが、多くの個別半導体がディスコンになっていく現状からすると、久々の新顔登場がなんとも嬉しいです。この記事執筆時(2012年12月8日)のSCT2080KEの秋月価格は5000円。SiC半導体の普及とともにどう値段が変化していくのか、気長に見ていきたいと思います。
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