第2回では、ケーブルが着脱できない場合でも共通インピーダンスの有無を確認できる測定方法を紹介しました。今回は、ケーブルが着脱できるイヤホンで実際に共通インピーダンスを測定してみました。

さっそく測定結果のまとめです。まず、ケーブルを取り外して直接測定したデータです。
IE8-crosstalk
TF10-crosstalk
イヤホン本体の直流抵抗値については、メーカー公称値を採用しています。共通インピーダンスは、イヤホン側端子のGND-GND間の抵抗値と、イヤホンからTRSのSまでの抵抗値を比較して算出しました。使用したMASTECH M-830Bは0.1Ω単位でしか測れないので、±0.05Ωは誤差を含んでいる可能性があります。TF10の抵抗値に0.05Ωが登場しているのは、0.3Ωを割った値を採用しているからです。

測定してショックだったのが、もやし手持ちのTF10は合流部以降3線構造だったということです。イヤホン測定結果置き場さんの記事で、昔のTriple.fi 10proでストレートプラグだったときは3線、最近購入したTF10で丸みを帯びたL字型プラグでは4線と目にしていたのですっかり4線構造だと思っていたのですが、TF10の個別記事を見てみれば納得、プラグの形がもやしの手持ちとは違いました。10pro、TF10は購入時期によって純正ケーブルがコロコロと変わっているので注意が必要です。


続いて、前回紹介したイヤホン測定結果置き場さんの測定方法で、ケーブルを着脱せずに丸ごと測定した結果です。
IE8
TS間 15.0Ω
RS間 15.9Ω
TR間 30.0Ω
差分 0.9Ω(共通インピーダンス0.45Ω、3線)

TF10
TS間 31.1Ω
RS間 31.3Ω
TR間 61.9Ω
差分 0.5Ω(共通インピーダンス0.25Ω、3線)

ケーブルを直接測定した場合と比べて共通インピーダンスが高く出ましたが、原因は不明です。どちらの値が正確かは、マイクでクロストークを測定してみないと断定出来ませんが、イヤホン測定結果置き場さんの他の機種のデータと比べても高く出ているため、もやしの測定に問題がありそうです。ただ、この測定方法で3線、4線の区別ができることは確かで、手持ちのHP-S150(両出し、合流後も並行ケーブル)を測定した結果は差分0.0Ωで4線と問題なく判別できていました。
(2013年4月12日追記。差分の値は共通インピーダンスの往復分なので、差分値の半分が共通インピーダンスの計算値です。理解が不足していました。)

クロストークとは直接関係無いですが……IE8の左右チャンネルでドライバのインピーダンスが0.9Ωも違うというのも、なかなかショックでしたorz



前回なんだか怪しいなと疑っていた、測定に使ったテスターMASTECH M-830Bですが、0.1Ωから1Ωまでの抵抗を買って来て調べてみれば測定結果は正確、問題ありませんでした。測定結果が想定と違っていたのは、手持ちのTF10が単に3線だったという勘違いのせい……安価な製品とはいえ、測定器より先に疑うべきは自分の頭ですね。


次回は、アンプが理想電圧源でない場合にクロストークがどうなるか確認したいと思います。