マスゴミや一般ファンがよく使う言葉で 『〇〇は強い』 『〇〇は弱い』 というものがある
これは聞いていていつも思うのだが、非常にファジーでいい加減な言葉である
任意の該当馬の最高のパフォーマンスを指してそう論じているのかもしれないが・・・・
例えば現在最強馬と目されているオルフェーヴル
この馬の最高のパフォーマンスは、馬場が渋り流れが落ち着いたレースとなった東京優駿を想像しているのだと思うが、この最大パフォーマンスに於ける ゛強さ゛ と、京王杯や天皇賞での最低パフォーマンスでの ゛弱さ゛ を、各々が勝手に相殺して、強い馬であると認定している
強さ で言うならば、このパフォーマンスの高低差の振れ幅が小さい馬が、本来強い馬である
横綱千代の富士は強かったが、左を引けない時は、かなりの格下力士にもコロッと負けている
これで強いと言えるのか???勝負師のバロメーターには適合しない
まぁ、いつものように反マスゴミ・反馬券ファン論はこのぐらいにして
本日は、秋華賞で薄目が来るとしたら、どんな流れ・傾向があるのか????について検証を行う
GⅠに関する検討などは本来の勝負師の範疇ではないのだが、より多くのGⅠファンが存在する現状、扱った方が一般ウケするとのガイドラインに沿って取り扱うものである
波乱、波乱といっても基準が曖昧なので、便宜上複勝圏に単勝7番人気以下の馬が入着したレースを、薄目激走レースと認定して話しを進める事とする
まずは、京都2000の古馬の平均Lapを列記する
走破時計 テン3Ave. 中4Ave. シマイ3Ave.
2:00:6 12.17 12.26 11.68
やはり、ローカルの2000や、中山・阪神の内回り2000と非常に酷似するLap傾向を表している
勝負どころは、直線などでは決してなくて、ビジュアル的に言うならば、向こう正面の、外回りでいうところの坂の手前付近から急激にLapが加速して、短い直線でも最後まで速度が落ちずに11.0秒台前半が繰り出される
その証拠に、三冠牝馬を除く優勝馬の殆どが、四角では5番手以内に位置取っている
では、波乱の年のLapバランスを表記
年度 テン3 中4 シマイ3
2011年 11.53 11.95 11.93
2008年 11.60 12.00 11.80
2007年 11.40 12.75 11.30
2004年 11.83 12.00 11.63
2003年 11.80 12.05 11.83
2002年 11.70 12.02 11.63
2000年 12.00 12.50 11.30
この内、単勝二桁人気馬がツッコんで来た年度を赤字で表記している
全体的にそうだが、一見して古馬の平均Lapよりも、中盤の落ち込み方が大きいのが分かる
この流れが波乱を誘発するモノと考えられる
では、赤字の年にはどんな馬がレースを引っ張ったのか???
2000年 デビュー戦で発馬が上手くいかなかった以外は、全レースでハナを切っていたヤマカツスズランがレースを引っ張った、勝負どころ手前で先行各馬がタップリと息を入れる事が出来たレースで、軒並み上位好走馬は前に行った馬達であった
2004年 人気薄のマルガイ、フェミニンガールが予想通りのハナ
このレースは、中盤の落ち込みはあるものの、平均に近く流れ上位3頭は全て追い込んで好走している
2008年 人気薄の2頭(エアパスカル、プロヴィナージュ)がハナ争いを行い、テンが相対的に速くなっている、それに対し中盤の落ち込みは平均で0.4秒も遅くなった
結果的に上り勝負に近いレースとなったが、桜花賞馬・オークス馬が伸びない中、豪快に追い込んだ2頭が、逃げ粘るプロヴィナージュをゴール前捉えてフィニッシュ
波乱のレースでペースを作った馬は、デビュー戦から数戦以上はハナでレースをした経験のある馬である
今年の登録馬ではフレイムコードが出走できれば、ハナはよほどの事が無い限りフレイムコードで決まりだ
都合の良い事に、フレイムコードは京都の内回り2000を二度走ってくれている
Dコースであるが、Lapバランスはこうなる
テン3 中4 シマイ3
11.93 11.87 11.93
う~ん、コレを見る限りでは、秋華賞は各馬が能力を発揮しやすい ゛ド平均゛ になる公算が高い
ラシンティランテやハワイアンウインド、ヴィルシーナらはハナより番手がベストなので、積極的に仕掛けて絡んで行く馬もジョッキーも居ない
フレイムコードが出走した時点で、最も能力の高いジェンティルドンナがパフォーマンスを発揮してしまう結果が見えてくる
しかし、逆に言うと、フレイムコードが出ない もしくは出ても発馬遅れるなどのアクシデントがあれば、レースの流れは途端に緩いモノとなりうる
唯一、芝ではハナを切った事が無いが、不良のダートで前に行ったサトノジョリーが一発勝負で逃げる可能性はある
何れにしても、波乱を演出するのは常にレースの流れを作る逃げ馬の存在であり
ジェンティルドンナの体調を観察するよりも、流れを神経質に調査する事の方が的中への道である
結論
フレイムコードがいつもの逃げを打てば、レースは平均に流れて堅い決着の可能性が高い
何らかのアクシデントがあれば、ラシンティランテのハナの可能性よりも、イチかバチかのサトノジョリーの大逃げレースの可能性があり、その場合、過去の波乱レース同様に、今年も大波乱になる可能性を残している