No.165 「魔法使いクラブ」 青山七恵/著 幻冬舎 ISBN978-4-344-01752-8

 結仁と史人・葵の3人が魔法使いになるため訓練をし、見た人をびっくりさせようとする思いからその願いを結仁は七夕の短冊に書いて飾ってしまう。そこからクラスメイトや仲間に笑い者にされこのストーリーが始まっていく。
帯に、
“離れていった友達。ばらばらになっていく家族。結仁は、自分の世界を取り戻す壮絶な戦いを始めた―。”
と書かれていた。

違うじゃん
 1章で事件に巻き込まれて2・3章で立ち直るor世界と闘うと思ってよんでいた。
 しかし内容はなんかもっとどろどろで終始絶望感が漂うようで、それでなんかこの作者らしい美しい内容。
 元々こういう暗い小説は嫌いなんだけれど、読んでてずっと暗いんだけれど、なんか読んだ後からふわっと白い明かりがさすみたいなそんな感じ。

 帯の通り、たしかに友達が離れ、家族がばらばらに。でもその離れ方が短冊に虐められる内容を書いたからと言うことだけではなく、本当に悲しいほどの、周りの環境に結仁の性格それと魔法クラブという呪縛。それに引きずられどんどん落ちていく結仁と友達・家族。
 なんかどうしようもないけれどこの人が書くからそれでいて救われているようなそんな気持ちになる。