判決文章が長いので ①前編 ②後編 に分けてアップしました。

平成24年11月7日判決言渡 同日原本領収 裁判書記官 綾井夕香里

平成24年(少コ)第84号 損害賠償請求事件(通常移行)

口頭弁論終結日 平成24年10月10日

判              決

   香川県高松市○○町○○○○

      原          告   ○  ○   ○  ○

   香川県高松市香東町329番地4

       被         告   株式会社ホンダ四輪販売四国

       代 表 者 代 表 取 締 役   松   本   明   広

       訴 訟 代 理 人     多   田   雅   彦

主              文

1 原告の請求を棄却する。

1 訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第1 請求

 被告は、原告に対し、20万円払え。

第2 請求の原因

 1 原告は、平成24年2月ころ、自動車(以下「本件自動車」という。)を運転中、

駐車場で自損事故(以下「本件自己」という。)に修理を依頼するとともに、保険

会社が全労災であることを告げ、保険請求の手続一切を、屋島店の営業チーフ井手

克也(以下「井手」という。)に依頼した。

 2 井手は、全労災に保険請求をするにあたり、原告に無断で、本件事故で破損して

いない部分をも加えて請求したため、いったんは、修理金額を11万5000円と

する協定がなされたが、その後、井手不正請求が明らかとなり、修理金額を6万

5000円とする再協定がなされた。

 3 井手は、協定金額が減額されたことにつき、全労災の担当者であるA(以下「A
  」という。)に対し、原告に無断で、原告の氏名を使い、「○○さんがえらく怒っ

ているので困っているので何とかしてくれ。」と電話した。この電話は、井手が単

独で不正請求したのに、原告が保険金詐欺を首謀あるいはこれに加担しているよう

に装う行為であり、原告に対する不法行為である。

 4 Aから、上記の電話を知らされた原告は、屋島店の店長多田雅彦(以下「多田

という。)に抗議し、全労災に謝罪するよう要求したところ、多田もこれを了承し、

その後の原告の確認に対しても、謝罪したとの返答があったが、実際には、謝罪は

なされていなかった。これも、原告に対する不法行為である。

 5 原告が、平成24年6月ころ、屋島店で、バッテリー及びエンジンの故障の修理

をした際、営業担当の芽窪勇貴(以下「芽窪」という。)から、「リサイクル品は、

保障期間は半年で、故障するかもわかりません。もともと一回故障していますので、

新品はリサイクル品より4万円高いですが、保障期間は1年です。おすすめは新品

です。」と言われ、新品を購入したが、リサイクル品であっても滅多なことでは故

障することはなく、違法なセールストークであって、原告に対する不法行為である。

 6 上記3ないし5の井手多田芽窪の行為は、いずれも被告の業務としてなされ

たものであるから、被告は、これらの行為により原告に生じた損害を賠償する責任

があり、原告が被った精神的損害は、20万円と評価すべきである。

 7 よって、原告は、被告に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、20

  円の支払いを求める。

第3 請求の原因に対する否認

 1 請求の原因1の事実のうち、原告が、被告に対し、自損事故による本件自動車の

修理を依頼したこと、井手屋島店の従業員であることは認める。ただし、修理依

頼の日は平成24年1月28日である。

 2 請求の原因2の事実のうち、協定金額がいったんは11万5000円とされ、そ

の後6万5000円に減額されたことは認めるが、その余は否認する。

 3 請求の原因3の事実は争う。

 4 請求の原因4の事実のうち、芽窪屋島店の従業員であること及び芽窪が原告主

張のような説明をし、原告が新品による修理を希望したことは認めるが、その余は

争う。

第4 当裁判所の判断

 1 本件不幸行為のうち、井手及び多田の行為を理由とするもの(請求の原因1ない

し4の事実)について、まず判断する。

 このうち、原告が、被告に対し、自損事故による本件自動車の修理を依頼したこ

と、協定金額がいったんは11万5000円とされ、その後6万5000円に減額

されたこと、井手多田が、屋島店の従業員と店長であることは、当事者間に争い

がない。

 この不法行為の主張は、結局、本件自動車の修理につき、被告の従業員が、原告

に無断で、全労災に対し、虚偽の修理見積を提出したのに、全労災に対しては、そ

れが、あたかも原告の指示に基づき、あるいはその関与の下で、行われたかのよう

に装ったというものである。そこで、その判断の前提として、本件事故の状況や二

度にわたる修理金額の協定の経過等について検討することとする。

 この点につき、原告は、本件事故は、原告が、勤務先近くの無人駐車場に本件自

動車を駐車し、駐車代金を支払って本件自動車を駐車場から出す際に起きたもので

あり、本件事故により全部バンパーが脱落しかけたが、屋島店で、とりあえずバン 

パーを手で押してはめ込んだ、被告から提出された写真(乙2の1、2)に撮影さ

れている前部バンパーの左側の左前輪に近い部分から左フェンダーにかけてのへ

こみや損傷は、別の事故によるもので、本件事故とは無関係であり、本件事故によ

る損傷は、前部バンパーのみである、当初、全労災とは、修理費を11万5000

円として協定したが、その後、全労災の担当者であるBから連絡があり、事故状況
  を説明すると、協定金額が6万5000円に減額され、井手が、修理費を不

正請求していることが判明したと主張する。

②後編 に続く