2007年01月

2007年01月30日

続・美しい国/『The Beautiful Country』(2005)

前回の日誌からあまりに日が経ってしまったので、項を改めました。
でもパソコンを使える残り時間はあと15分。公民館の夜は今日もふけゆく。
そして帰ったらすぐテレビでヒミツの花園鑑賞ですな。糸目をさがせ!(変な課題)
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このティム君が脇役出演している映画「ビューティフル・カントリー」なのですが
米国あまぞんの評価はざっと(見る前に詳しく知りたくないのでぱっと感じた様子で)
佳作から傑作のようだったので、よほど買っても後悔するような仕上がりじゃないだろうと
予想しておりましたが、それが外れてなくって本当によかったです。

ただ、これを日本で公開できるかというと…調べたりしてないので知りませんが、
たぶんどこも配給権を買ってないんじゃないのかなぁ…という感じなんですなー。
でも、シャンテシネとか、いっそのこと九段下のほうのなんとかホール(ほら、地味な
文芸作品ばっかやるとこあるでしょ?私は行ったことないんで知らないんですけど…)
あたりだったら上映しててもおかしくないかも…
もし上映してくれるってんなら、またJR鈍行で見に行きますぞ。

有名どころではテム君というよりもニック・ノルティのほうが上で、実際にビリング
(名前がクレジットされる順番)も先なのです。DVDの表紙の写真にもついてるし…
だけどこの写真コラージュのDVDのジャケットがださいんだよね〜
もちょっと何とかしたほうがいいのに…映画本編の美しさがちっとも伝わってないよ…
ノルティの顔は細長くなっちゃってるし(彼は歳とって顔細くなったけどね…)
テム君のほうは辛気臭い顔だし(本編でもそういう顔してるけどしょっちゅーじゃないし)
違うよな〜。映画の魅力を伝えきれてないデザインですよ。
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さて映画のはなし。
一番最初に、ヴェトナム語の解説が出るんですなー
ヴェトナム語そのものは失念しましたが、その意味がless than dust
すなわち『ゴミ以下』(厳密にはゴミ未満、ということになりますが
未満というとゴミにはかろうじてなってない、という意味にもなってしまいそうなのが
日本語の難しいところなので、ゴミ以下ってことにいたします)なんですなー

ヴェトナムでは、父親がアメリカ人で母がヴェトナム人という子供をその言葉で
呼ぶというのです。
そんな事実、知らなかったよ!知らなくて当然ですが、それを教えてもらえただけでも
ありがたい映画です。(映画の効用はそんなとこにある…)

日本でも現在は「あいのこ」ってのが放送禁止用語(放送自粛用語でしょうか?
自己検閲?NHKの従軍慰安婦ドキュメンタリ番組裁判じゃないけど、自粛するのも
やり方ひとつというか…誰かが怒るからこれは外そうってのだけは間違っているよ)
のようですが、その言葉よりも強烈にヒドイ意味合いの言葉がヴェトナムにはあるのね、
と…。「えた・ひにん」に近い言葉なんだろうなと思った。

フランス、日本、アメリカと、外国による支配や軍事介入を受けつづけたヴェトナム
という国では、こんな言葉も生まれてしまうというものなのでしょう…

主人公のビン君は、母親を知らないまま育ってしまったらしい。父親を知らないのは
映画を見る前から知っていたけど、母とさえ交流がない。
どうやら母の姉(妹?)の家にひっそり居候させてもらってるらしい。
お祖母さん(母の母)は、いちおう、「お前の父親はそりゃー足のでっかい男だった
ねぇ」くらいの話はしてくれるけれど、とにかく居候のビン君は『ゴミ以下』なので
いつもちっちゃくなっている。
村中の人から、こまかい用事でこき使われているっぽい。

しかも、隣家のおっさんと姉が結婚するにあたって(それも経済的補助のためが
強いらしいのですが)「あいつを追い出せば、一人分の場所が空くだろ」とまで
言われる。
おっさんはことのほかビン君を毛嫌いしているし、村の老若男女全員が、彼を
『醜い』と馬鹿にし、見下げている。

ものすごく酷い立場なのに、ビン君は寡黙な働き者だ。
そして、父が米国人のせいか、たしかに顔がアジア100%ではない。彫りが深い。
孤独な生活なのだけれど、周囲の農村風景はとても美しく瑞々しい。
だから余計に、彼の孤独で立場がない様子が哀れだ。
彼は美しいヴェトナムに溶け込ませてもらえないのだ。

スチュアート・ドライバラのカメラが冴えている。
つづく。

sith_ko2 at 21:00|PermalinkComments(0) テムトーク(笑) 

2007年01月24日

美しい国/『The Beautiful Country』(2005)

悪魔は淡々と、穏やかな声で、僕のほうへ歩いてきてこう言うのです。
「君のことを考えていたんだ。
君はいままで、楽しい経験を1つもしてこなかっただろ?
どうだい?
つらい記憶しかないよな。
君はどこか、新しい土地へ行くべきだ。
どこか、清潔なところ。
人生のスタートをきりなおせ。
君が行くべきなのは……」

「僕はアメリカに行くんです」と僕は言葉の途切れた悪魔に、はっきり言いました。
ただ、また伏目がちになる癖が出てしまったので、あまり強気には見えなかったことでしょう。

悪魔は不満気に、
「俺が新生活を提案しようっていうのに
君は古い夢を選ぶんだな」
と、首を振りながら静かに呟きました。まるで『処置なしだ』と言わんばかりに。
そしてそのまま僕から離れてゆきました。

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(上記拙訳の台詞部分の英語バージョンを念のため)

Oh:I've been thinking about you.
You've never really had any fun,have you?
Never had a good time.
You should go somewhere new.
Go somewhere clean.
Get a new start.
You should go to..........

Binh:I go to America.

Oh:I offer you a new life.
You choose an old dream.

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はい、ちょっぴり抜粋でした〜
そうです、月曜日にやっとひととおり年賀状の発送を終えたので、その夜中に
見ました!ティム君日本&英国未公開映画『ザ・ビューティフル・カントリー』!
オ〜ン・ディーヴイディ〜(DVD)

昨晩感想を書き込みたかったのですが、ちょっぴり上のを書き始めた時点で時間切れに(笑)
そして実は今夜ももう行かねば(ここは公民館)…カレー屋さんへ。
ソラリスまでに食べて帰りたいってのもあって…
とほ。もっと早くにパソコンいじりに来るべきでした。
てなわけで、まるっきり出だしだけですが、感想文てことで(まだ感想になってないよ!)

また続きを書きますんで〜
ひとこと感想で言うなら…悪い映画じゃなかった!むしろ佳作でしょう。
撮影監督スチュアート・ドライバラ…ってあれか?!ピアノレッスンの人?!
(ラストクレジットで初めて名前が出てびっくりー)どうりで画面が綺麗だったわけです。
けして派手でなく、すごいカタルシスがあるでもないのですが、
見終わったあとで、しみじみ〜っとしてくる映画でした。

上記の「僕」ってのが主人公のビン青年(ダミアン・ニュエン)。
母がヴェトナム人、見たことのない父がアメリカ人。
「悪魔」って書いたのは、なんてことない感じなのに、じつじつじつはとっても
悪魔的な脇役である密輸船のヒゲヅラ船長(ティム・ロス)。
いいひとなような、そこはかとなく悪いひとなような、そういうキャラでしたよ!

でわ続きはまたー!



sith_ko2 at 19:46|PermalinkComments(3) テムトーク(笑) 

2007年01月18日

ちょっとあわてつつ

前半、正月に立て続けに見た映画のタイトル一覧。後半はティム・ロスの日本未公開作『The Last Sign』を見た簡単な感想。そして1999年末の『チャーリー・ローズ』とのTV対談DVDを見た速報的感想///続きを読む

sith_ko2 at 18:38|PermalinkComments(0) テムトーク(笑) | 外国映画

2007年01月15日

冬祭り2006での新刊について

2006年冬の新刊「ティムくん」の情報///
続きを読む

sith_ko2 at 19:33|PermalinkComments(2) 『B級映画館』参加イベント&在庫案内他 

2007年01月09日

あけましておめでとうございます

もう持ち時間が残り少ないので、とりあえず、新年のご挨拶だけで。///続きを読む

sith_ko2 at 20:43|PermalinkComments(0) 日常ネタ