桜山公園は何処午後の検索

2005年04月30日

『電波君』の仕組み

この世にはさまざまな電波系人類がいる。たぶん。

電波ガールに電波ボーイ、電波お嬢に電波君、電波レイディに電波マン、電波マダムにミスター電波、電波婆さんに電波爺さん。

こうした多くの電波系な人々の中には、ごくごく僅かな確率で「ホントのホントに電波受信中/遠隔思念読み取り中」な方々もいるのだろう。その可能性を私は否定しない。(SF好きなので否定できない。そのほうが断然面白いもんね。)

今回はそうしたホントのホントな方々についてではなく、広く一般的に散在している「なんちゃって電波人」な方々のその「仕組み」についての覚え書きです。
(*雑誌『SFマガジン』からの引用多々)///

______

早川書房刊『SFマガジン』5月号に興味深い話が載っていたんですな。
連載コラム「サはサイエンスのサ」124回(鹿野 司さん著):副題<意識の謎は解けるか?>なんですが…
以下、抜粋引用&要約です。

そこではまず「心の神秘」という前フリから、『意識とは何か』という問題提起を考えてまして…
意識という実体の分からないものでも最近では装置がいろいろ開発され、それらを利用した脳研究の蓄積から意識の研究の糸口が掴めそうな様子になっている…と解説が続き…

3種類の「意識」という言葉の意味合いが紹介される。
1 「意識がある/ない」といった医学・生理学的なもの
2 「何かに意識を向ける」といった感覚上の「注意」という意味のもの
3 「自分は確かに自分だと思う」という意味でのもの

2の研究はかなり進んでいる、と鹿野さんは言う。3については『脳のどこで何が起きているかさえ、ちょっと前までは手がかりすら存在しなかった。』と続ける。

ところがこの3…もっとも掴みどころが無さそうな3が、「心理」よりも「体の動きに関する脳研究」からヒントを見つけた…とくるんですな。
そのヒントとは『自分をくすぐっても、くすぐったくないのはなぜか』ということで…

その答が『ぼくたちが普段、自分で行動している時は、自分が出した指令でどういう感覚フィードバックが帰ってくるか予想していて、それを使って、実際の感覚フィードバックをキャンセルしているらしい』…のだそうな。

そういうキャンセルをちゃんと脳がやっているということが調査されて判明しているという。ではなぜ、そんな機能があるのか?ときて、その機能が巧く働かない実例が紹介される…

『統合失調症(精神分裂病)の患者さんは、急性期の症状で、電波で操られていると信じたり、幻聴が聞こえたりする。で、その人の喉の筋電図をとると、筋肉が動いている=内言を聞いているんだよね。でも本人は、自分が喋っているとは意識していない。しかも、このときの患者さんは、自分で自分をくすぐると、くすぐったいのだそうだ。つまり、体が動いた時、それは自分が動かしたものだと感じるメカニズムが異常になっているので、他者に動かされていると感じてしまうわけだ。自分が、自分だという感覚が失われてしまうワケね。』

そんな感覚異常に対応して、脳が『そのつじつまを合わせるために、勝手なストーリーを作り出す。』という。その実例も続く。

『脳卒中の人に稀に起きる疾病失認という現象があって、右脳の損傷で左半身が完全に麻痺しているのに、それに全く気がつかないことがある。この症状の人に左手で握手しようとすると、当然左手は全く動かないんだけど、どうして握手しないんですかと尋ねると、できるけど今はしたくないとか、今確かに握手しましたよといった、明らかに変なことをいう。しかも、その人は嘘をついているわけではないし、左に関すること以外は、言動も全く正常だ。この場合も、感覚の異常について、自動的につじつま合わせのストーリーが作られているんだろう。

つまり意識は、脳全体がやっていることを、わかりやすくつじつまが合うように説明するために存在するものというわけね。(終)』

…なるほど!!と思った文章でした。五感を担う「脳の働き」と、自己を自己として認識する「意識の働き」との繋がりから「意識(3)」研究のとっかかりが見えてきた、ってんですな…。面白い…!

『(なんちゃって)電波君』の電波受信状態の仕組みが分かったような気になった私でした。こういうコラムはありがたいっす。

たくさん引用してしまってすみません。鹿野さん/早川しょぼーさん。
鹿野さんが執筆者コメントで御自分のブログを紹介なさってたんで、もし興味が湧きまくった方はそちらへお飛び下さい。
www.blwisdom.com/blog/shikano/

sith_ko2 at 00:40│Comments(0)TrackBack(0) 科学のココロ 

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