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2013年07月07日

NHK『ハリウッド白熱教室』の俺的まとめ

二日前に最終回が済んだ『ハリウッド白熱教室』全5回を自分なりにまとめます。
(注*長文です)///

▼NHK公式の番組紹介ページはこちら
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/hollywood/archives.html
全5回の講義内容をざっと紹介しているページのアドレスです。

二ヶ国語放送だったのでもっぱら英語で見ました。そのため以下の記事に何かと間違いがあったらごめんなさい(聞き取りにそれほど自信なし)。

講師のドリュー・キャスパーさんは映画『シェーン』の悪役を演じたジャック・パランスをちょっと甘くしたような顔の人(と言って分かる人がどれくらいいるんだろうか笑)。

いつもは生徒と50週、講座でつきあうと最終回に言ってました。ってことは、週1回の講義なら12ヶ月と2週。1年コースでしょうか。週2回なら半年コースですよね。月曜から金曜まで毎日ある講義だとしたら50週だと250回もある講座に…それはないか(笑)。

NHKの放送では全5回なので、基本中の基本コースって感じ。キャスパー先生はすべて『デザイン』でまとめました。

第1回 Literal Design(リテラル・デザイン=文章的設計)
第2回 Visual Design(ヴィジュアル・デザイン=視覚的設計)
第3回 Composition(コンポジション=構図設計)
第4回 Temporal Design(テンポラル・デザイン=時間的設計)
第5回 Sound Design(サウンド・デザイン=音響設計)

NHKの放送では、公式ページで分かるように上記の各『デザイン』を
「脚本」
「ビジュアルデザイン」
「撮影」
「編集」
「音響効果」
という言葉で表現して、放送タイトルとしていました。

講義を見ながら『映画は総合芸術』って言葉が思い浮かびました。文学・心理学(←第2回『視覚的設計』に関わる「照明」「衣装や美術セットの色」には視覚心理学要素があると思います)・美術(←第3回『構図設計』は絵画を彷彿とさせました)・写真・音楽…全部が全部、映画の構成要素として等しく重要だから。

◆第1回『文章的設計』リテラル・デザイン

脚本のイロハの回。直線構成=linear form(リニア・フォーム)(時系列順に脚本を書く)にするか、しないか。時系列をバラバラにした名作の例として挙げたのは『いつも二人で』。

…以前クエンティン(・タランティーノ)も自作脚本の色々について、直線形式で書いたものとそうでないものがありますね、と英国フェイバー&フェイバー社の本『プロジェクションズ3』用のインタビューで質問されていました。あの(!)『レザボア・ドッグズ』をタラちゃんは一発書きで書いたのかどうか?あの飛び飛び構成を奴は最初からあのままで書いたのか?…という、ちょっと踏み込んで『レザボア』を知りたいファンには興味深くてしょうがないポイントを訊くとこが、いいですよねぇ…さすがフェイバー&フェイバー。(*『B級映画館 第6号』で拙訳しておりますのでお持ちの方は御参照下さい。182ページです。宣伝…じゃないヨ。もう完売したもんね笑)

文学と同じで、誰の主観で文章を書くかも重要。同じ出来事を『一人称形式・第三者形式・複数主観形式』で捉えるとどうなるか。また、『現場に混ざってる一人称』と『現場に混ざっていない一人称』(画面内の出来事に干渉できるモノローグか、干渉できないモノローグか)の違いについても。

脚本的モチーフ(motif.本来「主題」って意味が英和辞書には出てますが…英英辞書だと「独特なもの・際立ったもの」って意味が出てます)をキャスパー先生は『繰り返し(反復)』するものとし、繰り返される台詞をモチーフとして挙げてました。

また、隠喩(日本ではメタファーって言葉をよく使いますが、キャスパー先生が使ったのはallusion=アリュージョン「ほのめかし」。)の例としては『ショーシャンクの空に』における映画中映画『ギルダ』を。原作が『刑務所のリタ・ヘイワース』ってタイトルの作品だから彼女が主演してる映画が出てくるってわけだけではなく…(詳細は語りません。ネタバレになりますんで笑)。

ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫)
ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫)

『刑務所のリタ・ヘイワース』はこの本に収録されている中篇です…けど、私はいまだに未読です(キングのこのへんのは全部読みたいんですけどね…)。

「タイトル、主観、時系列構成、暗喩…脚本を構成するこうした全てのものが、映画に深みを与えています。そこに注目して映画を見るとき、あなたがたは一般の人々よりも遥かに深く映画を味わい、捉える事ができるのです」


…って感じでキャスパー先生、締めくくってました。うん、まあそれは見終わってからより深く研究したい人が考えればいいことだと俺は思うよ?映画見る時は無心で見ればいいんじゃない?(←それを言ったら元も子もないのか笑)

◆第2回『視覚的設計』ヴィジュアル・デザイン

photography(フォトグラフィ=「写真術」)という言葉は、ギリシャ語の<フォトス(=light.「光」)>という言葉と<グラファイン(=write.「書く」)>という言葉が組み合わされていて、「One who writes with light」(=「光で書く人」)という意味なんです…私はそれが気に入っていまして…とキャスパー先生。『光で物語る』とはどういうことかを解説するために、まずは白黒映画『カサブランカ』における「光と影の変化と、登場人物の会話と彼らの心理状態との関連」を分析。

ハリウッドの基本的な照明技法では、『三点照明』(Three point lighting system)が使われているという説明も。

真っ暗画面あんまり上手く撮れてないんですが、『三点照明』の実例を並べてみます。


最初、世界には何もなかった。
闇の中だった。

照明1つのみ(Key light)クリエイター(創造者)が「光あれ」と言うと…

光がともった。

はい、これがキーライト(key light)。
撮影対象(subject)を照らす基本の照明。

照明2つ(Fill light追加)フィル・ライト(fill light)を追加した状態。

キーライトに対してほぼ90度の位置から当てる2つ目の照明がフィル・ライト。…だそうです。90度というのは確定ではなく、場合によって変わる…らしい。

照明3つ(Back light追加)バック・ライト(back light)をさらに追加した状態。

フィル・ライトと反対側の位置からの照明がバック・ライト…のようです。こうした三方向からの照明で撮影するのが基本技法のようです。

…『DP』と略称されるDirector of Photograpy(撮影監督)って役職は、主に「どのように照明を当てるのか」を決める仕事をする人なのだ、って事実は意外と知られていないんじゃないでしょうか。私も日本の映画雑誌かなんかで読むまでは、カメラ持って動かしてる人なんだって誤解しておりました(笑…ちなみにその仕事は『カメラ・オペレーター』とクレジットされます。『エル・マリアッチ』『デスペラード』『スパイ・キッズ』の監督ロバート・ロドリゲスともなると、DPって言いながらカメラしょってたりしますが…あの人は何もかも全部自分でやる人なので…笑)。

いかに照明が、撮影対象の『様相』を決定付けるかという例をキャスパー先生も挙げてってました。

半分照明の例たとえばこういう、『半分照明』とか。

人間の顔の彫りを最もくっきり際立たせるのがこうした、半分だけ明かりを点(とも)したような照明の当て方なんですね。こうすると表情が半分しか見えない。そして、深みが際立つので明暗両方が出る。この『見えない部分』があることで、観客(観る側)に「謎・不安(不安定)・両面性(偽善や虚偽)」等々のイメージをもたらす効果がある。

…って説明を聞きながら私が思い浮かべていたのは、『…あーハウス先生もよく顔が半分陰になってたりするよね〜陰影深いキャラだからな〜』『っていうか「ゴッド・ファーザー」なんてこの手の撮影の極めつけだよね〜』とかなんとかでした。私の好きな映像にはこういう『半分照明』が多いんです…シリアス場面の典型技法なんだな。(コメディも好きですヨ!笑)

背景からのライトの例ちょっとこれは上手に効果が出てない写真ですみません。『背景から強い照明を当てた場合』の例です。

キーライト(基本照明)があった上で、背中からかなり強くライトを当てるとこのように…って『このよう』になってないよ!笑 どーも君の股の間から光が出てるだけに終わっちゃってますよ!!(爆)いや、すみません。実例を見せれてませんが、本当はもっと強いライトで、それにキーライトのほうとのバランスも絶妙にしないと、撮れない難しいショットなんで想像でフォローお願いします。

スピルバーグ監督とか、幻想的な『夜』ショットが多い監督さんの映画でよく見られるんですが、背中から強く光を当てると、撮影対象のアウトラインに『光のオーラ』というか『後光』のようなものが生まれるんです。どーも君の左腕(こっちから見て右側)でちょっぴり成功してる、こういう『光ライン』です。撮影対象に神々しさをもたらす効果がある。

恐怖映画風は下から照明そしてコレ、一番一般でも知られている『ホラー映画ならこうだよね』照明。

小学生でさえ懐中電灯を持ったらやるほどの、有名すぎる照明技法ですな(笑)。

…比較的のっぺりしてるどーも君だからこうなっちゃいますが、彫りの深い西洋人の顔でこの『下から照明』をやると高い鼻の影は伸びるわオデコは真っ黒になるわで大変です。ガタブル手ブレ撮影で恐怖感を出していた『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の「怖がる女の子のどアップショット」では、びみょ〜な『下から照明』で、いかにもコッテコテな『ホラー映画照明』にはしていませんでした。ドシロウトの大学生たち自身が自分をビデオ撮影している、って設定ですから、コテコテ照明だと白々しくなるので避けたのでしょう。賢いっす。

普通に明るくしたものはい、これはキーライト(メインライト)に強い光源のものを持ってきて、明るくしてみたものです。

これでも撮影対象のどーも君にしか照明を当てておりませんので、彼が闇の中に浮き上がって、孤立感とか寂しげな感じさえ漂うんじゃないかと思います。

キャスパー先生は女性受講者に、「デートでディナーに行くならどんな照明の店を選ぶ?」と尋ね、「キャンドルを灯したテーブルの店とか…」という答に「そう、キャンドル!ゆらぎのある光はロマンチックなんですね」と説明。「他にロマンチックなのはどんな明かりでしょう?」とさらに質問し、「夕方と…明け方」という答を引き出して「そう、そうなんです。より正確に言えば太陽が昇る直前と、太陽が沈んだ直後の、絶妙な明るさがある時が、最もロマンチックで、ものを美しく幻想的に見られる時間帯なんですね」と解説。

…『マジックアワー』って日本映画がありますねぇ!(^^)

「では…」とキャスパー先生。「デートで最も避けるべきなのは、いつでしょう?」

日中には全ての粗(あら)が見えます答は、『真っ昼間』です。

昼間の太陽光の中では、全ての粗(あら)は隠されることなく、文字通り『白日の下にさらされる』(=すっかり暴露される)のだ!

…『欲望と言う名の電車』でヴィヴィアン・リーが言われましたねぇ!若い男に「お前はいくつなんだ?昼間にその顔を見せてみろ!」…ひどい!酷すぎる。でもだからこそ優れている!昼間に会えない女ってのは…わけありだ、ってことなのよ。夜にだけ会ってる女には気をつけろってことっすよ。(←誰に言ってんだ笑)

どーも君には粗なんてないから、どう撮っても素敵なのだ!(←恋は盲目)

現実の撮影では、より複雑な照明を当てて、より複雑な画面が作られているのは言うまでもありません。

照明だけでなく、『視覚的設計』では「カラー(色彩)」にも触れました。「白黒映画とカラー映画のどちらがより『色彩が豊か』なのか?」という、受講者から「それって引っ掛け問題ですよね」ってツッコミの入った難問を考察。

『若草の頃』というミュージカル映画を例にとり、色さまざまなドレスで着飾った女性達が大勢出ている中で、どうやってヒロインを際立たせたのかを検証(答:ヒロインだけに黒を着せた。そしてヒロインだけ無帽)。

『マイレージ・マイライフ』におけるオフィスのセット美術デザイン(ガラス張りで無機質、没個性)と、セットと多数の登場人物の衣装の色を『黒・グレー・緑』にまとめる事で、全体像として「無機質、没個性、よそよそしく冷淡で陰鬱」なムードや雰囲気を強調する。

「照明」「美術(プロダクション・デザイン&セット・デザイン)の形・色」「衣装の形・色」が観客に与える心理効果は、あなどれない。

…ふとモウモウ。『HouseMD』ってガラス張りのセットだったな〜ハウス先生の個室もガラス張りで、なんかプライバシーのないオフィスなんだなって不思議だった…あれの『狙い』を考えるとしたら…こう?『丸見えなようで、まるで見えない人』?『手が届きそうで、ガラス一枚に隔てられちゃう感じ』?『ガラスちゃん?はうすせんせーは脆いガラスちゃんとゆー暗喩ですかー??』(←暴走中…笑)

『Lie to Me』もガラス張りオフィス…でもあれは中途半端だったからな。印象に残るのは『ライトマン・グループ』って字がある斜めのカッティングの壁の廊下だよな…変わり者のキャルを建築デザイン的に表現してみました、ってこと?(笑)

◆第3回『構図設計』コンポジション

撮影のイロハの回。人物を『縦(upright.アップライト)』『横(horizontal.ホリゾンタル)』『斜め(diagonal.ダイアゴナル)』『むちゃくちゃ』(ランダム?ちょっとうろ覚え)の4種類に配置するとどんな雰囲気になるか検証。

また、複数の人物の並べ方で印象が変わる検証。(横一列や、出たり引っこんだり、など)

…ダンスの振り付けや舞台構成を考えるのとよく似ている。

映画の『枠(スクリーン)』の縦横比について。

『陽のあたる場所』でエリザベス・テイラーとモンゴメリー・クリフトが踊りながら会話し、それから人目を避けて場所を移動し会話を続ける場面の、カメラワークと役者の視線を分析。

▼人物をスクリーン枠内に収める場合の6種類。上から下に距離が近づきます。

『ロングショット=遠景(人物と背景を含めた全景)』
『フルショット(人物の全身像がピッタリ入る撮り方)』
『ニーハイ・ショット(膝から上の人物像)』
『バストショット(胸から上の人物像)』
『クロース・アップ(近影)』
『エクストリーム・クロース・アップ(超近影)』

…日本ではクロー・アップとよく言いますが、完全に発音間違いです。昔からこの表記で通してしまっているので、いまさら変えられないみたい…変えりゃいいのに!石頭。『近い=クロース』なのでクローアップがホント。この日誌ではあえてクロースアップと表記します。

Bのややロングショットこれは『ロングショット』。

…後ろにチラッと見えてるのはライター型ライト。上のどーも君の「照明」実例写真でキーライトにこれを使いました。LEDじゃないので暗めだし暖色系の色付きなので困ったものの、他にライトがなかったんです;

Bの超近影こちらが『超近影』(Extreme Close-up)。

キャスパー先生は問います。「ロングショットと超近影をそれぞれ5秒ずつ見たとします。どちらがより時間を長く感じるでしょうか?」

答:超近影のほう。

理由:ロングショットでは見るものが多く、情報処理に時間がかかる。その分、持ち時間はすぐ過ぎてしまう。超近影では逆に見るものが少なく、時間を持て余す。

…なるほど。だから『続・夕陽のガンマン』のクライマックスでグッドとバッドとアグリーさんの両目のアップが続く場面が、ほんの数秒なのに長く感じるんですね。

キャスパー先生のまとめ。

「映画での体感時間は、視覚が捉える距離と密接な繋がりを持っています。時間と空間(距離)は、相互に関連しあうのです」


カメラを移動させる撮影技法については、かじった程度で終わりました。そこは深めるとどこまでも深いので、省略で正解!笑

◆第4回『時間的設計』テンポラル・デザイン

時間的…というよりはテンポ的、速度的なデザイン、って言ったほうが分かりやすいかも。『映画のテンポ(速度)はどこで決まるか?答:編集』って回。

舞台劇と違い、映画には「カット(省略)」という技がある。殺人事件のシークエンス(←[ショット<シーン<シークエンス]。[単語<文<文節]、って概念の映像版と考えて頂ければOK)を撮る場合を例として検証。

『侵入者の足だけのショット』『侵入者の手と掴んだナイフだけのショット』『犠牲者の切り裂かれる首元のショット』『逃げる侵入者の足だけのショット』…という形に、殺人事件シークエンスの構成要素の一部分だけを切り取り、並べる…そのほうが全ての成り行きを一通り撮るよりも、サスペンスや謎を盛り上げる点では効果的。舞台ではこういうカットは不可能。

…『戦艦ポチョムキン』という大昔のロシア映画…の有名すぎる「オデッサの階段」場面が出てくるかと期待してたんですが空振りでした。当然ながら『モンタージュ理論』についても、ほんのり触れた程度。ややこしくなるから初歩篇としてはそれで正解かも…。私もあまり詳しくないので解説できる立場じゃないんですが、大雑把に言うとモンタージュ理論とは『映像Aから映像B、そして映像Aに戻るという流れを見た時、人はAとBにさまざまな関係性を想像で作り上げる』…って感じ…かなぁ。

たとえば上のウォンバット君(バーティ)の写真。
『ロングショット』→『超近影』って流れだったらただ、アップになっただけと見える。

『ロングショット』→『棺桶に入ってるどーも君(ジーヴズ)』→『超近影』という流れになった途端、ウォンバット君の2ショット(ロングと近影)はどちらも『寂しそう』(とかショック、とか悲しい、とか)に見え始める。

『ロングショット』→『美味しそうなごちそう』→『超近影』という流れなら、ウォンバット君は空腹だったところにごちそうを供され興奮してる、って感じに見え始めたりする。

1ショットの挿入映像の違いが、前後のショットへの解釈を揺るがす…これがモンタージュ…の基本の…はず(←イイカゲン)。

キャスパー先生はモンタージュには深入りせずに『ゴッド・ファーザー』のクライマックスにおける「対比」編集技を解説。「殺しません」と教会で誓う男の姿と、その男の指示で繰り広げられる殺戮の数々を、交互に映すことで、男の偽善を際立たせる。

また前回の『コンポジション(構図設計)』での『誰の目線の映像なのか(主観映像)』が、編集作業においても活用される。『第三者(神)目線』の映像の中に『一人称目線』の映像が紛れ込むと、どんな効果が出るのか…アカデミー編集賞に輝く『フレンチ・コネクション』の高架上を走る電車を車で追跡する場面を実例に、検証。

キャスパー先生まとめ。

「編集こそ映画ならではの、現実の世界では絶対に不可能な『時間を自由自在に操る』技術なのです」

◆第5回『音響設計』サウンド・デザイン

『サウンド・デザイン』という役職が初めて登場したのは『地獄の黙示録』であり、コッポラ監督から脚本を渡されて、『台詞+効果音+音楽+音響』をトータル・コーディネート&メイキング&デザインしてくれ、と頼まれたのはウォルター・マーチ(Walter Murch.キャスパー先生が『マーシュ』って発音しててビックリだった!どっちが本当なんだろう…マーシュかなぁ…)だった、って話の中にさりげなくマーチがUSC卒業生だ、って入ってた(笑)。←USC(南カリフォルニア大学)の映画学科の講座ですので…コレ。

…マーチ先生はその後も延々コッポラといい仕事してますよ…『胡蝶の夢』もマーチ節がたまらんですよ…(余談)。

情景音を重ね、音楽を重ね、やっと歌が始まるという『サウンド・オブ・ミュージック』の開巻映像を実例に、「ロバート・ワイズ監督はこうした複数の音響を1つまた1つと次々に重ねていく手法をとても上手に使っていました」と言うキャスパー先生、受講生を横に並べて「風の音」「鐘の音」「鳥のさえずり」「川の音」「音楽」「主題歌」のそれぞれの担当にして輪唱(?)実験。

…その後で本編が…ん?私の見た感じでは「風の音」「鳥のさえずり」の他の「鐘の音」と「川の音」は、「音楽」がそれっぽい音を演奏して『代わり』になってるみたいなんですけど…(笑)。音響のいい映画館で見ないと、小さい音は聞こえないからな〜ホントに入ってるのかしら「鐘の音」と「川の音」。

『戦火の馬』のBGM(情景音楽)が映画が始まってからずっと鳴りっぱなしで『止めてくれ!』と叫びそうでした…とぼやきながらも、番組後半では「『ジョーズ』こそスピルバーグ監督の最高傑作だと思います」と言うキャスパー先生。『JAWS』の冒頭を実例として音の構成を探る。

まとめ。

「以前の講座で『時間と空間は相互に関連する』と言いました。音(サウンド)も同じなのです。音は時間(time)とも、空間(space)とも相互に関連しあいます。音の構成で時間的な『遅い・速い』が左右され、音の大きさによって空間的な『近い・遠い』も左右される。『時間と空間』と『音』は相関性(correlative)があるものなのです」

全5回の講座の、総まとめ。

「現実の世界は、めちゃくちゃです。5回の講座で解説したさまざまな映画デザインの技法は、現実の混沌を秩序立てて並べ再構築し、映画観客にリアリティを感じさせるためにあるものです。リアル(現実)そのものではなく、リアリティ(現実感)を作る。次から映画を見るときには、講座で取り上げた内容を思い出して、より深く、より細かく、映画を味わって鑑賞してみて下さい」


…ちょっと『まとめ』は私の創作部分が多いかもしれません…(見て二日なのにうろ覚え。笑;)

『時間と空間(と音)』の相関性が、一番めっけもの(拾い物)の講座でした。私には。漠然と感じていたものに、きっちり言葉をつけてもらったような気分です。
_____

ふう〜。ちゃっちゃとまとめるつもりだったのに…
気づいたら一晩かかってしまった(例によってアホです;)…寝よう。
ハッピー七夕。(晴れのようだから笑)

買ってすらいないけど読みたい本▼
http://www.msz.co.jp/book/detail/07607.html
『映画もまた編集である:ウォルター・マーチとの対話』みすず書房

sith_ko2 at 09:51│Comments(2) 外国映画 

この記事へのコメント

1. Posted by フナッシー   2014年05月11日 18:29
日本語のバージョンを観たものです
要らぬ突込みします
講義の回数は50回ではなく15回のはずです
この白熱大学はとても面白かったですね
2. Posted by フナッシーさんへシス子   2014年05月13日 02:14
>フナッシーさん コメントありがとうございました!
「50回ではなく15回」とのこと… 私は「50週」と聞いてしまったようですが、録画も消してしまったので再確認ができません。自分のリスニング力に自信は無いので、聞き間違い&勘違いだったかもしれません。大学に行った事がないのでますます想像ができないのですが、15回だけで終わっちゃう講義、っていうものもあるものなのでしょうか?少なすぎる気がするのですが…特別講師の特別講義ならそんなものなのかしら?

真相は不明ですが、ツッコミ歓迎です!どうもありがとうございます。

現在までに多くの「白熱教室」が放送されていますが、私がまともに全部見たのはこの映画のネタの時だけでした。映画好きにはこのネタは実に面白かったです。(^^)

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