地元の教会新聞用に書いた記事です。
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私は、今年からカンボジアの首都プノンペンにあるスラムのボランティアによって運営されている小学校と日本の小学校をインターネットでつなぐプロジェクトを進めています。昨年までニューヨークのハーレムの小学校と日本の小学校をつないでいましたが、今年からアジアの国を対象にすることにしました。
今年の2月に初めてカンボジアの首都プノンペン郊外にあるスラムを訪ねました。ここに私たちがプロジェクトを進めている小学校があります。この小学校はブティさんという一人のカンボジア人男性が私財を投じて作ったもので、公立学校のカリキュラムに準じていますが、正式の公立学校ではありません。あくまでも運営しているのはボランティアなのです。
学校といってもトタン板の屋根とむき出しの教室しかありませんでした。隣に校舎を建てていますが、最初こそ日本の民間団体からの援助があったものの途中からそれも途絶え、今でもブティさんたちがこつこつと学校を建築しています。
学校の裏にはスラムがあります。スラムに一歩足を踏み入れると、あまりの貧困状況に息を飲みます。親たちは昼間から賭博に興じ、子どもたちは小さいときからゴミ拾いの仕事をしています。彼らのほとんどはスラムで生まれ、その小さなスラムの世界で一生生活を送ります。スラムが彼らの世界のすべてなのです。しかし、子どもたちは純真そのものでした。貧しい生活の中で一生懸命生きていました。
私たちは、この学校を支援するNPOと協力して、インターネット回線を設置し、パソコンとテレビ電話会議システムを持ち込み、東京の小学校の教室とインターネットでつなぎました。そして今年の10月8日、初めて子どもたち同士の出会いが実現しました。この日は台風が日本に上陸した日で、学校にたどり着くのも大変でした。
しかし、交流学習は無事に終了。子どもたちは初めて出会う知らない国のお友達にたくさんの質問をしあいました。日本の子どもたちはカンボジアの子どもたちの一番したいことが勉強だと聞いてびっくりしました。最後は合唱です。カンボジアの子どもたちがドレミの歌を歌うと、自然に日本の教室からも歌声が聞こえ始め、いつの間にか一つの合唱となりました。とても感動的でした。
最初の出会いはこうして終わりました。これからお互いをもっと知るための交流が始まります。目標は、かわいそうだから助けてあげるのではなく、お互いに一人の人間として大切に思えるような友だちになることです。そしていつも子どもが笑顔でいられる世の中にすること。大人に課せられた大切な使命です。
すべての人は神様から使命を与えられています。私はスラムの子どもたちと日本の子どもたちをつなぐ交流学習のプロジェクトを初めてそのことに気がつきました。子どもたちの笑顔がそのことに気づかせてくれました。まだ一歩を踏み出したばかりですが、世界中の子どもたちがいつも笑顔でいられるような学習を支援していきたいと思っています。
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私は、今年からカンボジアの首都プノンペンにあるスラムのボランティアによって運営されている小学校と日本の小学校をインターネットでつなぐプロジェクトを進めています。昨年までニューヨークのハーレムの小学校と日本の小学校をつないでいましたが、今年からアジアの国を対象にすることにしました。
今年の2月に初めてカンボジアの首都プノンペン郊外にあるスラムを訪ねました。ここに私たちがプロジェクトを進めている小学校があります。この小学校はブティさんという一人のカンボジア人男性が私財を投じて作ったもので、公立学校のカリキュラムに準じていますが、正式の公立学校ではありません。あくまでも運営しているのはボランティアなのです。
学校といってもトタン板の屋根とむき出しの教室しかありませんでした。隣に校舎を建てていますが、最初こそ日本の民間団体からの援助があったものの途中からそれも途絶え、今でもブティさんたちがこつこつと学校を建築しています。
学校の裏にはスラムがあります。スラムに一歩足を踏み入れると、あまりの貧困状況に息を飲みます。親たちは昼間から賭博に興じ、子どもたちは小さいときからゴミ拾いの仕事をしています。彼らのほとんどはスラムで生まれ、その小さなスラムの世界で一生生活を送ります。スラムが彼らの世界のすべてなのです。しかし、子どもたちは純真そのものでした。貧しい生活の中で一生懸命生きていました。
私たちは、この学校を支援するNPOと協力して、インターネット回線を設置し、パソコンとテレビ電話会議システムを持ち込み、東京の小学校の教室とインターネットでつなぎました。そして今年の10月8日、初めて子どもたち同士の出会いが実現しました。この日は台風が日本に上陸した日で、学校にたどり着くのも大変でした。
しかし、交流学習は無事に終了。子どもたちは初めて出会う知らない国のお友達にたくさんの質問をしあいました。日本の子どもたちはカンボジアの子どもたちの一番したいことが勉強だと聞いてびっくりしました。最後は合唱です。カンボジアの子どもたちがドレミの歌を歌うと、自然に日本の教室からも歌声が聞こえ始め、いつの間にか一つの合唱となりました。とても感動的でした。
最初の出会いはこうして終わりました。これからお互いをもっと知るための交流が始まります。目標は、かわいそうだから助けてあげるのではなく、お互いに一人の人間として大切に思えるような友だちになることです。そしていつも子どもが笑顔でいられる世の中にすること。大人に課せられた大切な使命です。
すべての人は神様から使命を与えられています。私はスラムの子どもたちと日本の子どもたちをつなぐ交流学習のプロジェクトを初めてそのことに気がつきました。子どもたちの笑顔がそのことに気づかせてくれました。まだ一歩を踏み出したばかりですが、世界中の子どもたちがいつも笑顔でいられるような学習を支援していきたいと思っています。