日本NIE学会鳴門大会第1日目
企画委員会分科会(2019.10.19)
シンポジウム「デジタル時代の知性とは」

伊藤広路(読売新聞)カメラマン四国担当

スマホの普及に従ってカメラの機能も向上した。写真そのものの表現方法はあまり変わっていない。3つの切り抜きから。長時間露光の写真と籠松明の写真の比較。何が議論になるか。こんな画面は見られるのか。絶対にあり得ない。実際に見られるのは長時間露光ではない写真。こちらを使わないと真実の報道にならないという議論がある。しかし、一場面だけを切り取って時間流れを表現しようとすると長時間露光のほうがいいという議論もある。写真表現としてどういうことが行われているか伝えるために数え切れないぐらいのカメラマンが工夫している。

写真は本当に真実を写しているのか。伝える目的としては長時間露光のほうがいいという意見が大きい。フィルムではできなかったことをデジタルではできる技術もある。多重露光。一枚の写真を比較明合成(コンポジット)でできる。80枚の写真を重ねて作る。光る部分だけを重ねる方法。その写真をどうやって撮ったのかを書き添えることが大事。7分間露光と書くこと。私の写真も30秒露光で撮影した60枚を合成と書いている。

新聞写真の使い方。こういった加工がスマホでできてしまう。いろんな人が目にするときにそれが真実かと疑ってかからなければならない。インタビュー、調べ、現場に行く。こういったことをする。正しいかどうか。どこまで追求できるのか。プロとの違いはそこにある。正しいことを伝えられるように気をつけようと授業では話している。デジタル情報の中でデマがでてくる。ちょっと写真を知っていればすぐにおかしいことがわかる。そういうところに目が行かないで共有してしまう。騙される、加害者にもなる。こういったところに気をつけてほしい。

授業では一枚の写真から何を読み取れるか、考えさせている。写真の価値を見せている。新聞は事実を伝えている、70パーセントが肯定的に答えている。新聞のデメリットもある。インターネットを利用している方の中で44パーセントは偽情報を信じたことがあると答えている(18-29歳)。
土屋武志(愛知教育大学)

高校生を発表を聞いていると新聞を信頼している。2040年問題がある。二人で一人の高齢者を支えなければならない。それは日本人の人口だけを見ている。今は外国人労働者をいかに増やすか。愛知県では人口の9%の町もある。外国人の研修生は単身でくるが、2年延長できるようになり、5年になると永住資格も取れる。すると子どもも呼び寄せることになる。10年以内に現実化する。新聞はとても大事だ。もはや日本人だけの教育ではなくなる。日本の新聞が大切であるということ、子どもたちが作る経験をすること。間違ってもいい。プロのジャーナリストと一緒に作る。そういう学習をしっかりしておかないといけない。それは日本人だけの問題ではない。

有馬 動画でもタイムラプスのようなものもある。動画と静止画のリテラシーを同時に学ばないといけないように思う。

伊藤 大事なのは本当に正しいのかという疑う方法を知ることが必要。教える側の立場の人が真実を問うために何を知っておくべきかちゃんと使える。

有馬 芸術性が問われるものとごっちゃにしてしうのではないか。

伊藤 画像と写真は違うという話をよくしている。ないものを見せたりすると写真ではなく画像。定義があるわけではないが、シャッターを切るかどうかで判断することが多い。

臼井(横浜の小学校) 現実と新聞をリンクして考えることが大切。小学校の段階は紙ベースでスタートするのが良い。

加藤(筑波大学の特別支援教育) 生徒の発表を聞くと障害者も同じだと思う。障害がある人にとってはサバイバルスキル。自分たちの社会を広げるもの。一方で、真偽を判断できない子どもも多い。特別支援学校の子どもが多い。自立を育む教育が必要。自分たちの生活に引きつけて考えること。デジタルネイティブの子ども達には重要。いろいろな人と出会うことも必要。いろんなものが入っているからこそいろんな多様な立場の人と出会えること。NIEは有効だ。

畝岡(岡山南高校国語科)
アンケートを見ながら、新聞部顧問をしているので、同じようなアンケートをしたことを思い出した。似たような結果だった。本校の生徒は新聞をなぜ開かないかという質問に対して、めんどくさいだった。LINEニュースでもYahooニュースもわかりやすいという答えだった。家庭が教育すべきだと生徒自身が言っていた。メディアに関するリテラシーが必要だと思う。批判的思考力の育成が必要。多面的多角的に相手の考えを読み取ること。相互に協力し合うことがこれからは求めれらる。実践として、二つある。一つは場の設定。生徒の実態を考えると全く知らない他者とつながることが可能なので、知らない人と繋がる場面の設定が必要。SNSを通じて意見交流をするといったことをすすめている。もう一つ大事なのは生徒自身がメディア・リテラシーを方法化する。どうやれば疑うのか。単純に疑えばいいのではない。どんな観点で批判すればいいのか。生徒自身が発見することが大事。

二田貴広(奈良女子大附属中高)
いろんな立場の人たちと議論できるのがこの学会の大きな特徴だと思う。これからもこういう機会を作りたい。

土屋
なぜ日本の新聞が信頼できるのか、それを伝えること。誰がコストを負担するのか。そういうお金を払うことが市民として必要。政府の補助金ではダメだ。個人が支えるシステムが新聞だということ。