乙夜の覧、戊夜のうp

坂本旬非公式日記

研究

ユネスコ・キャリアカウンセリング・ハンドブック

ユネスコの「キャリア・カウンセリング ハンドブック―高等教育におけるキャリア・カウンセリングの開発・方法・評価についての実用的なマニュアル」を共同で翻訳し、国内外でのキャリア教育実践に役立ててもらうため、共訳者の許可を得てここに公開いたします。

日本語訳「ユネスコ・キャリアカウンセリング・ハンドブック」(2002)

ユネスコにおけるキャリア・カウンセリングはキャリア・ガイダンスとともに「技術・職業教育訓練」(TVET)プログラムの中で扱われており、この分野ではUNEVOC(という組織を作って継続的に施策や研究を行っています。代表的な文献は以下のリンクにあります。

http://www.unevoc.unesco.org/go.php?q=page_unevoc_publications

キャリア・カウンセリングについては「21世紀の技術・職業教育訓練ーガイダンスとカウンセリングのための新たな役割と挑戦」(2002)が重要です。

今回翻訳したハンドブックは、1998年10月にバリで開催された高等教育世界会議のフォローアップとして、ユネスコが中心になって参加パートナーと協力して現場に役立つツールとして作成されたものです。著者はタンザニアで実践経験があります。なお、この会議の報告の中には長期オリエンテーションの対象の一つとしてキャリア教育の重要性が触れられています。

http://www.unesco.org/education/educprog/wche/declaration_eng.htm

なお、本書に関係する写真が下のリンクにあります。

http://otp.unesco-ci.org/training-resource/career-counseling-services/handbook-career-counselling-practical-manual-developing

異文化交流メディア・リテラシー教育

 大連市立第十六中高と法政二中高との異文化交流メディアリテラシー教育実践のめどがやっとつきました。昨年は計画を合意したにも関わらず、途中で連絡が途絶えてしまい、残念な結果に。理由は不明だけど、タイミングはまさに尖閣諸島問題の時期。やはり影響がなかったとは言い切れません。

 前回はスカイプとNetCommonsの活用を中心に計画を立てましたが、今回は、日本−カンボジア間の小学校間交流ですでに実績のあるビデオレター制作を中心にしました。ただし、法政二中高では授業の中に組み入れることができず、中国研修旅行の事前指導の一環として取り入れることにしたため、たった4時間しか使えません。注意しないと、映像を作るだけの授業になってしまいかねません。

 とはいうものの、とにかく今年は第一歩を踏み出すことに意味があると考えています。いろいろな障害はつきものなので、いっぺんに理想的な実践を期待するのではなく、毎年、少しずつ理解や合意を積み重ねながら、よりよいものにしていくことが必要だろうと思います。

 教育実践とは、社会背景や制度、環境、人間関係などさまざまな要因間の相互作用を含みながら、教育的価値の創造をめざして積み重ねて進めていくものであって、決して真空の教室の中で行われるものではないということをつくづくと実感させられます。

文明の同盟『世界のメディア教育政策』序文

国連「文明の同盟」『世界のメディア教育政策-ビジョン、プログラム、挑戦』(2009)の序文訳です。

"Mapping Media Education Policies in the World:Visions, Programmes and Challenges"

http://www.aocmedialiteracy.org/

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AMLAのメディアリテラシー教育の中核原理

 AMLAが2007年4月に策定したメディア・リテラシー教育の中核原理を翻訳したので掲載します。
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協調学習とは?

 教育工学には「協調学習」という変な言葉があります。collaborative learningの訳なのだけど、実に落ち着かない訳語です。これは学習者が互いにコミュニケーションを取り合いながら、学習目標を達成していく学習のことをいうのですが、collaborateを「協調する」と訳すことには抵抗を感じます。

 日本語の「協調」とはしばしば意見を異にする組織や集団が利害のために妥協し合うことを意味します。「労使協調」とか「協調外交」といった使い方をします。そのため、日常生活では滅多に使うことはありません。

 ちなみに、フランス語でcollaborerは「協力する」という意味ですが、戦時中はcollaboで「対独協調主義者」のことをさし、裏切り者や内通者のイメージがつきまといます。それゆえになおさらcollaborateを「協調する」と訳すことに強い抵抗を感じるのです。

 もともと「耕す」という意味のlabourが元になって、英語の「働く」という意味のlaborになりました。だから、collaborateは「共に働く」という意味で、「協働する」という訳がぴったりです。

 チームで一つの仕事をやり遂げるためは、それぞれのメンバー同士がコミニュケーションを交わしながら、助け合わなければなりません。だからわざわざ「協調学習」などという妙な訳語など使う必要はないのです。
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