2008年03月

2008年03月20日

八幡平の雪崩事故

ずいぶん前のことのような気がしますが、
岩手へ行く2日前のこと。

その岩手・八幡平(はちまんたい)で、雪崩死亡事故が起きました。
NHKの19時のニュースでトップで取り上げられていたので、ご覧になった方も多かったと思います。

場所は八幡平の源太ヶ岳。通称ゲンタといいます。
数年前にも雪崩死亡事故があった場所です。
亡くなられたのは、山スキー歴数十年と言うベテランの県職員の方2人。

この2人を発見したのは…ちょめ兄のパーティー。
兄は仲間を連れて、山スキーのガイド中でした。
iwatenippo







3月8日(土)昼12:10前後、ゲンタ東斜面で大規模な雪崩が発生。
その頃、兄たちのパーティーはそこから800mほど離れた安全な場所で、危険区域を避けながら山スキー中。
ふと仲間の1人がゲンタ方面を見て、一言。
「おかしいな。ゲンタのほう、さっきと風景が違うんだけど…」

この時点で地吹雪もすさまじく、視界が悪かったため、デジカメでその方向を撮影。
拡大して見てみます。
「これは、、雪崩じゃないか?」「よし、ちょっと行ってみよう」
雪崩を研究している兄達は、深雪の中、45分ほどラッセル。
この時点で、まさか人が埋まっているなんて思いもせずに…

12:59、現場へ到着。
驚いたことに、この猛吹雪の中、人がいました!
話を聞くとこの方は地元の警察官。
「お、おれも少し流されたんだが…どうやらあと2人、そこにいて…見えなくなったんだ…」と…

そこからすかさず兄は陣頭指揮を取ります。
アバランチビーコン(積雪時雪崩に埋まった際、居場所を知らせる発信機)を出し、反応を見て、すぐに救助へ。必死で6名で掘り起こします。
13:12、1人目を発見。
まもなく2人目も発見。
人工呼吸を試みましたが、窒息状態で、残念ながら手遅れだったとのこと…

発見されたとき、この2人は、スキーを履いたままでした。
外れていればよかったのですが、足にがっちりはまったスキー板がアンカーとなり、どんどん下へ下へ埋まっていって、身動きもできない状態ではなかったかと言われています。
スキーはフチが曲がり、そうとうな圧力を受けた後がありました。
そしてまわりは風速30mの強風。視界もきかない世界。
時速200劼砲覆襪海箸發△襪曚匹寮稱です。
今回のその規模も大きく、きっとコンクリートのような硬さの雪の塊が飛んでくる状態だったでしょう…

それから2日後、あたしはこの現場近くにいました。
雪崩の怖さの一部始終を、その場所で、教えてくれました。

救助の後、兄はしばらくマスコミの取材に応じ、救助の際はビーコンが大いに役にたったことと、その携帯の重要性をじっくり話し、その後この事故の検証番組が作られたとき、このビーコンが大々的にクローズアップされたそうです。

crux

この時期山へ入る
ツアースキーヤー、スノーボーダーのみなさん。
比較的、土日に雪崩事故が多いといいます。
「休みはこの日しかないから、強行突破で行こう」という気持ちを持ってしまうからだそうです。
命を引き換えにしてまでいくことはありません。
無理をせず、楽しむ気持ちを忘れずに、「勇気ある撤退」を心がけてくださいね。
そして「値段が高いなぁ」と思わず、山へ入る場合はビーコンを必ず携帯してくださいね。

最後に…今回亡くなられたお2人のご冥福をお祈りいたします。


※ちなみに…この時兄が着ていたのは、HAGLOFSのCRUX JACKET。
愛用のビーコンは、トラッカーというブランド。
ゆめゆめ宣伝するつもりではないんですが…参考までに。

sk8erchome at 23:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)