脚気論争の問題を考えると、非常に勉強になります

 

この教訓は間違いなく、現在の世の中にも通じます。

 

正確に言うと、教訓が生かされているとは言い難いです。

 

一番の問題は、食事内容の変更により明らかに脚気の発症率が抑えられているのに、陸軍では10年以上も食事内容が改められなかったことです。

 

権威のある立場の人達が、従来の学説や理論にこだわり過ぎるあまり、悲劇が起きました。

 

誤った学説、理論であることが分かれば、すぐに修正する、あるいは検証すればいい。

 

ところが権威ほど、なかなかそう簡単に変わらないところが、難しいところです。

宗像久男先生、小林英男先生の著書、「ガンは5年以内に日本から消える」の中の、明治時代の脚気論争についての記述を読み、しばらく考えさせられました。

 

明治時代の脚気論争自体は、学生の時に学んだ覚えがあります。

 

しかし医師としてある程度経験を積み、栄養学の大切さを知った今、脚気論争の問題の本質は今も継続していると感じました。

 

以下、本書の内容を参考にしながら書きます。

 

イギリス留学を経て海軍の軍医となった高木兼寛は、当時海軍の間で流行していた脚気を、白米一辺倒であった食事から麦飯や雑穀、肉や魚を増やすことで劇的に減らすことができました。

 

高木兼寛は、脚気は白米に偏った食事が原因であることを、明確な結果を出すことで証明したのです。

 

しかし同様に脚気が問題となっていた陸軍では、高木の主張は受け入れられませんでした。

 

1894年の日清戦争では、陸軍の戦死者は1270名、脚気による死者はその3倍の約4000名であったようです。

 

このような異常事態に直面しても、陸軍は食事の方針を変えませんでした。

 

1904年の日露戦争では、陸軍の戦死者は約47000名、脚気を発病したのは約21万人、そのうち脚気による死者は約28000名でした。

 

ところが、海軍における脚気による病人や死者は0人。

 

圧倒的な差です。

 

それにしても、21万人という数、ハンパじゃないです。

 

その後事態を重く見た日本政府が介入することで陸軍でも麦飯が採用され、ようやく脚気が減ったようです。

 

既に日清戦争の段階で、陸軍と海軍で脚気の発生率に明らかな違いがあった。

 

それにも関わらず食事の対策が取られてこなかったのは、悲劇としか言いようがありません。

 

戦死者を圧倒的に上回る脚気患者の数に、改めて驚きを隠せません。

 

しかしこの話の本質は、決して過去のことではありません。

 

当時の陸軍の指導者を一方的に非難しても、意味がありません。

 

もっと大きな闇、高い壁を感じます。

 

宗像先生は、「現実を無視した権威主義」と表現しています。

 

それは、現代における質的な栄養障害問題に気づき、なかなか周囲から理解されない現状を身に染みて感じている私も、強く思います。

 

食事内容を軽視する現代の医学も、この貴重なエピソードから学ぶべきです。

 

壁が高いほど、やりがいがあるとも言えます。

藤川先生のfacebookより、心臓血管疾患についての記事を引用させて頂きます。

 

やっぱり糖質制限は必須のようです。

 

ナイアシンは処方薬での量では不十分です。

 

この考え方を治療に取り入れるのであれば、サプリメントの購入は必須ですね。

 

18、心臓血管疾患

 

Abram Hoffer:OrthomolecularMedicine For Everyone、より

 

血中脂質、

コレステロール値は砂糖などの精製糖質摂取量に強く影響を受ける。

 精製糖質などの栄養素の乏しい食事は、カロリー過多による肥満だけではなく、血中脂質を増加させる。

しかし、血中コレステロール値と動脈硬化との直接の関連は乏しい。

 血中脂質は、食事摂取量、脂質の質(特に不飽和脂肪酸の質)、レシチンの量、精製糖質の比率、砂糖や食物繊維の摂取量、運動量、ホルモンの状態により左右される。

 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比率は考慮する必要はない(飽和脂肪酸犯人説は誤り)。

 

動脈硬化、

 動脈硬化は、1)砂糖代謝症候群(精製糖質過剰摂取)である、2)血管壁に傷がつき、炎症が起こる、3)血管内膜の自己修復機能が低下して起こる。

 血中コレステロール値と冠動脈疾患との直接の関連は乏しい。

 酸化されたLDLだけが、炎症過程と関連する。

 動脈硬化は、インスリン過多、ホモシステイン値、リポプロテイン(a)値、CRP、歯周病などの炎症、トランス脂肪酸摂取量と関連する。

 家族性高コレステロール血症患者では、LDLレセプターが欠如しているので、LDLが適切に代謝されず、酸化LDLが増加する。

 

コレステロール代謝抑制剤であるナイアシン投与群では、高コレステロール患者群においてコレステロール値を47%低下させ、HDLを上昇させた。

つまり、ナイアシンは動脈硬化を予防し、動脈硬化を治療させる。

8500人の10年間の経過で、他の高脂血症治療薬投与群に比べ、ナイアシン投与群は、11%死亡率を減少させ、2年間寿命を延長させた。

つまり、ナイアシンが動脈硬化治療の第一選択薬である。

ナイアシン用量は1000~2000mg

 予防においては、ナイアシン、CEB6Zn、が必要。

 

治療においては、ナイアシン3~6gで中性脂肪とLDLを低下させ、HDLを増加させることが最も有効である。

Cを最低3gを数ヶ月投与することで、プラーク部位からコレステロールを引きはがすことができる。

B6は最低100mg、グルコン酸亜鉛は50~100mgEは最低800IU、多分セレンも有効。

 

高血圧、

 高血圧は、Na過剰ではなく、Ca不足と関連している。

Ca不足とともに、Mg不足が高血圧に関連している。

 減塩で血圧が下がる患者は、5%のみ。

Ca1000mgMg500mgの投与が必要。

 

治療のまとめ、

 冠動脈疾患は、動脈硬化を改善させて治すことができ、組織の加齢を抑制できる。

1)オーソモレキュラーダイエット~精製糖質除去。

2)ナイアシン3g

3)C3g

4)E800IU以上。

5)ZnB6

6)CaMg

 上記の治療は、脳血管障害の予防と治療にも同じように効果がある。

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