822日の夏井先生のホームページの記事に、糖質制限と急性膵炎への関わりについての質問メールが掲載されていました。


糖質制限を日常的に治療として患者さんに指導し、かつ軽症から重症までの急性膵炎の診療経験のある私の、現時点での急性膵炎の総括をしたいと思います。


単刀直入に言うと、急性膵炎の原因は糖質過剰摂取であると私は考えます。


少し詳しく説明すると、


     糖質過剰摂取による代謝障害(食後高血糖、血糖値の急激な変化など)による膵炎

     慢性的な糖質過剰摂取による胆泥・胆石の形成、それの落下による膵管の物理的閉塞に起因する膵炎


この二つではないかという仮説です。


過去の記事を参照ください


そもそも①の膵炎と糖尿病・動脈硬化・癌などは、私は同じ原因による病態だと思っています。②の膵炎も、元の原因は糖質なので、広い意味では同じです。


原因を踏まえたもっとも合理的な治療は、禁食+糖質ゼロ点滴による十分な補液+鎮痛です。


糖質ゼロ点滴をすると、膵臓由来の血中アミラーゼ値がどんどん低下します。


糖質を含んだ点滴をした場合よりも、明らかに低下します。


つまり、膵臓をより休ませている。


胆泥、胆石が関わっている②のような膵炎であれば、胆嚢摘出術や経皮的穿刺・内視鏡処置などの別の治療を追加します。


膵炎という病態だけであれば、言い換えると糖質制限+脱水予防のための点滴+鎮痛で良い。


若年者の重症膵炎へのこのような治療はまだ経験がありませんが、もしこの仮説が真実であれば、画期的なことです。


今後消化器内科医師と協力して試してみたいと思います。


ただ重症膵炎を起こした老衰患者さんに限っては、禁食+坐薬による鎮痛+希望するだけの飲水、という一見無茶苦茶な治療で軽快していくのを何人も経験しています。


点滴による過剰な水分負荷も良くないのでしょう


老衰の人で治るのだから、若年者はもっとスムースに治るのではないかと予想しています。


膵炎は、アルコールと脂肪摂取が発症のリスクとされています。


これまでの経験から、私はこの定説に懐疑的です。


この定説には、糖質摂取に関する分析がなされていません。


実際に膵炎を診療していると、膵炎を発症する人は“アルコールだけ”“脂肪だけ”摂取している訳ではありません。


“アルコール+糖質”“脂肪+糖質”など、糖質も一緒に慢性的に大量摂取しています。


私の意見はあくまで現時点では、専門家達にフルボッコにされるかもしれません。


しかし、私の眼の前で起きている現実です。


急性膵炎という病態も、糖質過剰摂取という観点から見直すべきでしょう。