毎日多くの患者さんが、私が勤める病院にも入院しています。
高齢化社会を反映し、お年寄りが多いです。
検査の予定を立てたり、治療内容を決定するのは、主に医師の仕事です。
しかりそれだけでは、治療には不十分であると考えています。
患者さんが一番して欲しいこと、それは話を聞いてもらうことのような気がします。
老化に伴う体の衰え、回復力の低下は、現代医学では簡単に解決させることができない問題です。
それ以上の問題として、普段孤独に感じているお年寄りが多いと感じます。
孤独感・疎外感は、疾患を悪化させる、あるいは回復を遅らせている要因の一つでしょう。
しかし、じっくり話を聞いてもらうだけで、病気が治ることはなくても、心が軽くなる経験は誰でもあるはずです。
問題の解決はできないまでも、話を聞いてもらえるだけでいい。
医師である我々も、本来であればじっくり話を聞く時間が欲しいですが、残念ながら多くの患者さんの診療をしなければいけないシステム上、現実的には難しい。
いずれ病院にそのような患者さんの話をじっくり聞いてもらえる、人生経験豊かなボランティアの人達がいるといいなと以前から考えていました。
決して不可能な絵空事ではないはずです。
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