カテゴリ: 点滴について

ビタミン・ケトン療法を取り入れてから、今までになかった診療を行っています。

 

緩和ケア病棟に入院している患者さんに、点滴を行うことです。

 

これまでは癌末期と呼ばれる患者さんには、あまり点滴を行う機会がありませんでした。

 

既に低栄養状態であり、点滴により浮腫が悪化したり痰が増えるためです。

 

しかしビタミン・ケトン療法は、いわゆる末期の方でも、副作用なく実施が許容できる治療。

 

開始したはいいが、いつまで、どの程度続けていいものか。

 

完全な、手探り状態です。

 

今のところ、患者さんの意思、理解力、血管がもつかどうか、浮腫や心不全を起こしていないか、眼に見えて治療効果があるかなど、色々な要素を考慮しながら行っています。

膵癌の患者さんに、高ケトン+ビタミン点滴を行っていました。

 

初診時に既に肝臓への転移も判明。

 

いわゆる手の施しようがないという状態でした。

 

腹痛と嘔気があり、医療麻薬を開始。

 

少しでも症状緩和を、あわよくば癌も縮小することを期待して高ケトン+ビタミン点滴を併用しました。

 

腫瘍マーカーのCEA3日間で500から350CA19-9640000から580000に低下。

 

痛みも、医療麻薬の効果もあると思いますが、かなり安定。

 

ケトン体も、5000を超えました。

 

しかし、体の浮腫と呼吸が苦しい感じが出てきてしまいました。

 

点滴による浮腫、肺水腫の徴候です。

 

点滴という医療行為が、そもそも非生理的、不自然な行為

 

この方は高齢でもあり、点滴自体にこれ以上耐えられないと考え、全て中止。

 

速やかに、息苦しさは改善しました。今後は症状緩和に専念することにしました。

 

この方の経過で感じたこと。

 

当たり前ですが、この治療はそもそも点滴に耐えうる体力が必要。

 

以前に記事にした患者さんは、若年で心肺機能がしっかりしていたために、十分に効果が出るくらい継続できた

 

多少効果が出ても、点滴自体に耐えられなければ、成り立たない治療。

 

この事実を、痛感しました。

 

理想的には、全身状態が悪化する前にすべき治療でしょう。

糖質ゼロ・ビタミン点滴+イントラリポス点滴を行っている患者さんで、どのタイミングで点滴を中止すべきか。

 

ブログ読者の方から質問がありましたので、私なりの考えを書きます。

 

私は、基本的には点滴は非生理的で体に良くない医療行為だと思っています

 

あらゆる状況において明確な目的、メリットがなければ、直ちに中止しています。

 

糖質ゼロ・ビタミン点滴+イントラリポス点滴により、元気になって十分な経口摂取ができれば、点滴は不要でしょう。

 

場合によっては、スパッと全て中止します。

 

経口摂取が不十分で、もう少し点滴を続ければ改善する見込みがあれば、点滴量を調整しながら続けます。

 

この辺りは、実際に患者さんを診ながらでないと判断はできません。

 

問題は、明確な目的・メリットがないまま、だらだらと点滴を続けること。

 

哲学のない治療は、うまくいかないと考えています。

肝機能障害の原因になるとして、脂肪製剤の点滴を避ける医師がいます。

 

私のこれまでの経験では、1~2週間程度の期間であれば、脂肪製剤を用いることで肝機能障害を起こしたことはありません。

 

おそらく、糖質たっぷり点滴と併用したことが原因ではないかと思っています。

 

本当の原因は糖質過剰。

 

その医師も、やはり7.5%ブドウ糖入りの点滴が大好きでした。

 

私は点滴治療の本質を踏まえ、点滴内容はなるべくシンプルに、余計な物質を体内に入れないという考えで診療しています。

 

糖質も、余計な物質の中に含まれます。

 

これを実践することで、肝機能障害、腎機能障害、薬疹、下痢などの副作用が明らかに減ります。

点滴という治療に、格別の想いを持っている人は多い。

 

医師にも、患者さんにも。

 

根底は、点滴で栄養を補給するという考え方です。

 

その考えを支えるものが、カロリー理論。

 

食事ができない時でもカロリーをなるべくたくさん投与することが点滴の目的、という考え方。

 

私の場合は、点滴の目的は明確。

 

口から十分な水分を摂れない時の、一時しのぎ。

 

薬の投与経路。

 

相変わらず大雑把過ぎるかもしれませんが、ほとんどこれに集約されます。

 

実際には、

 

診療の間の時間稼ぎ(スンマセン、結構やっちゃいます)。

 

患者さんの安心のため。

 

このような狙いもありますが、このような用途は限定的、裏技です。

 

一般に流布された、点滴でエネルギーを補給するという認識は私にはありません。

 

強いて言えばエネルギーという意味では、脂肪製剤や糖質を含まないアミノ酸製剤でしょう。

 

糖質制限点滴を実践する上で、根底にこのような考え方をしています。

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