カテゴリ: 肛門狭窄、肛門拡張術

1年前に、S状結腸捻転を繰り返すある患者さんに、肛門拡張術を行いました。

 

1年間、S状結腸捻転を起こすことなく過ごせました。

 

良かった、良かったと油断していたところ、またS状結腸捻転を起こして入院してきました。

 

診察すると、肛門拡張術を行ったはずの括約筋が、またまた硬くなっていました。

 

腹圧をかける力の低下、腸の蠕動運動の低下があるため、これではおならが出せずに腸が張ってしまったのでしょう。

 

もう一度、肛門拡張術を行いました。

 

以後は排便もスムースになり、無事退院できました。

 

1年に1回くらいは、肛門拡張術は必要なのかもしれません。

 

高齢化社会特有の病態でしょう。

80歳代男性、慢性的な便秘で下剤を常用している方がお腹の張りで受診してきました。

 

CTを取ると、大腸が便で充満しています。

 

大腸癌を心配しましたが、どうも肛門のすぐ近くまで便が到達しており、肛門が狭い状態ではないかと疑いました。

 

診察すると、診たて通り肛門狭窄がありました。

 

高齢患者さんでは、このようなことがよくあります。

 

理由は色々考えられますが、加齢と伴に肛門括約筋が硬くなる、筋肉・収縮を調整することができなくなるのだと思います。

 

肛門拡張術を行い、排便がスムースになりました。

 

便秘というと、漫然と下剤のみが処方されていることが多いです。

 

しかし高齢患者さんの場合は、肛門狭窄という病態を頭に常に入れておく必要があると考えています。

S状結腸捻転、肛門狭窄のため肛門拡張術を行った方が、別の理由で1年振りに受診しました。

 

排便に関して、日常生活には特に支障はないようです。

 

改めて肛門の診察をしましたが、狭窄もなし。

 

結局1年間は、S状結腸捻転を発症していません。

 

1年大丈夫であれば、この先何年も大丈夫な気がします。

S状結腸捻転という疾患があります。

 

主に高齢の患者さんで、体力が落ちてきた方に起きる疾患です。

 

大腸の一部、左下腹部にあるS状結腸がおならや便で大きく張ってしまい、お腹の中で捻じれてしまうことです。

 

お腹の張りと痛みで、苦しい。

 

教科書的な治療は、内視鏡やチューブを用いておならや便を抜き取り、捻じれを戻すことです。

 

それ自体はシンプルかつ有効な手段。

 

繰り返す人はS状結腸を切除したり、人工肛門を作るなどの手術を行う事もあります。

 

しかし、そもそもその疾患になる人は、体力が低下しており手術ができないことも多い。

 

一旦捻じれを戻しても、また繰り返してしまう。

 

患者さんも、家族も、我々医療側も、疲弊してしまいます。

 

間違いなく、これから増加する疾患。

 

しかし、私がたまたま行った肛門拡張術が、非常に有効であることが分かりました。

 

パラダイムシフト好きの外科医の仮説:肛門の狭窄が、S状結腸捻転の原因。

 

つまり肛門の狭窄を解除すれば、おならや便が出やすくなり捻転を起こさない

 

手技も超簡単。10秒で終わり。

 

全身麻酔も不要。

 

抗凝固薬、抗血小板剤内服中でも、多少あざができますが、安全に実施可能。

 

45人の患者さんに実践しましたが、その後は捻転を起こしません。

 

私が勤める病院周辺では、S状結腸捻転という疾患を撲滅できそうです

 

これってもしかして、凄いことなのかもしれません。

直腸異物の男性についての記事を書きました

 

お尻の穴から物が入ってしまう方は、ほぼ例外なく、お風呂で座った時に入ってしまったと理由を言います。

 

肛門は括約筋という筋肉が発達しており、自然に物が入ることは、まずないと思います。

 

意図的に入れようとしても、結構難しいと思います。

 

気が付いたら入ってしまい、取れなくなった?

 

「そんな訳ねーだろ、肛門をナメんな!!」

 

と思っても、決して口にはしません。

 

「今度から気を付けてくださいね」と優しく言います。

 

世の中には、色々な人がいます。

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