カテゴリ: 外科の魅力を語りつくす。

私が勤める病院でも、医学部を卒業したばかりの研修医が、外科の勉強に来ます。

将来外科医にならない人にも、外科の研修で是非とも学んで欲しいことがあります。

それは、喫煙と肥満がいかに体に悪いかを、実際に患者さんを診て体感することです。

教科書や論文などの文字情報、他人からの伝聞ではなく、体感こそ大切です。

実際の患者さんに診れば、病気の根本的原因にも目を向ける、まともな医師になってくれるはずです。

それができれば、喫煙をとがめることなしに喘息や高血圧の治療をしたり、肥満解消のための食事療法を提案せずに、やたらと薬を出しまくる馬鹿げた医療が減るでしょう。

喫煙でボロボロになった肺や血管、大量の内臓脂肪や皮下脂肪を直に視る機会は、外科研修くらいしかないでしょう。

体感こそ、最も効果的な学習です。

水野先生より、高ケトン+ビタミンC点滴が著効した症例のCT画像を見せて頂きました。

 

CTを見る限り、癌は消えています。

 

内視鏡をすれば多少は痕跡があるかもしれませんが、素晴らしい結果であることには変わりありません。

 

凄すぎます!!

 

今、外科医不足が叫ばれています。

 

でもこの治療がどこでもできるようになれば、将来的にはそんなに必要なくなるかもしれません。

 

まず高ケトン+ビタミン(BC)点滴。

 

手術は出血や物理的な閉塞を解除するための非常手段、あるいは点滴無効例にやむを得ずやるもの。

 

あと何年かしたら、これが常識になるかもしれません。

世の中の外科医達が、この事実を前にどういう態度を取るのか。

今から楽しみです。

私は外科医ですが、手術という治療に、特別愛着を持っていません。

 

あくまで、治療の一つの手段。

 

特に癌の手術の本質は、体の機能を低下させる行為。

 

栄養障害の現状を知り、栄養対策を実践するようになってから、さらにその思いが強くなりました。

 

もちろん手術の適応の判断とその後の経過を診ることに関しては、最大限の注意を払います。

 

手術にメリットがなければ、はっきりとその旨を患者さんにお伝えします。

 

できれば手術など受けなくて済むように普段から気を付ける必要があることを、時間をかけて啓発していきたいと思っています。

 

そういう意味では、私はいわゆる外科医のイメージとは掛け離れた存在なのかもしれません。

私は糖尿病以外の疾患での入院も、糖質を断つきっかけ、という捉え方をしています。

 

そもそも、糖尿病・肥満・胆石胆嚢炎・腸閉塞・癌などの外科で診療する各種疾患を、糖質摂取過剰+質的な栄養障害と一括りに考えています。

 

そのため、全ての疾患に糖質制限+蛋白質・脂質摂取+ビタミン・ミネラル処方を実践しています。

 

それが疾患の原因を見据えた対策だと捉えているためです。

 

手術は外科医にとって大切な仕事。

 

手術をより良いものにすると日夜奮闘している外科医はたくさんいるでしょう。

 

私に言わせると、それだけでは視野の狭い、つまらない、時代遅れの外科医。

 

私にとっては上記の理由で、手術ですら治療のごく一部でしかありません。

野望に燃えた医師という人種がいます。

 

外科医にもいます。

 

目新しい手術をしたり新しい治療方法を考案して、名を上げようとしている人達です。

 

ゲームの「信長の野望」でもやってろ!!って思います。

 

私は、外科という領域はほぼ完成しており、発展性がないことを確信しています。

 

せいぜい新しい薬が出るとか、他の治療との組み合わせくらい。

 

だから、腹腔鏡手術とかロボット手術とか、新しい抗がん剤の話題ばかり。

 

はっきり言って、シンプルに捉えればいい問題を、暇だから複雑にしているだけ。

 

そんな分野で名を上げようとしている時点で、イタい。

 

私にとって今までの常識を覆す、画期的な方法でなければ面白くない。

 

外科という領域に意識がとどまっていれば、それはないでしょう。

 

そんなことより質的な栄養障害の対策を、もっと外科領域に応用すればいい。

 

ほとんど薬が不要になることに、気が付いてしまいます。

 

非常に診療が、シンプルになる。

 

この方が、断然楽しい。

 

やってみれば分かります。

 

でもこの楽しさに気が付く外科医は、ほとんどいないでしょう。

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