カテゴリ: 甲状腺疾患と鉄不足

甲状腺機能低下症で以前から通院している患者さんがいます。

 

見るからに栄養失調。

 

フェリチンも低い。

 

まずは質的な栄養障害の改善を試みました。

 

内服薬が多くなってしまったので、甲状腺ホルモン剤を一時中止しました。

 

しかしやはり甲状腺ホルモンが低下してきてしまいます。

 

蛋白質・脂質摂取量も、私から見ればいまいち。

 

がっちり食事できれば、甲状腺機能も改善するのではないかという仮説を考えていますが、食が細い人が多く、現実に検証するのはなかなか難しそうです

 

諦めずに経過を診ていきたいと思います。

60歳代女性、何年も前から甲状腺機能亢進症で内服治療をしている方がいます。

 

甲状腺はかなり腫れています。

 

一般の方が診ても分かるくらい。

 

この方が、時々発汗、息苦しさなどで受診してきます。

 

甲状腺機能は、数値上は正常範囲内。

 

甲状腺は腫れていますが、気管を圧迫するほどではない。

 

かかりつけ医からは、安定剤が処方されています。

 

食事内容を聴くと、糖質過剰摂取。

 

ていうか、糖質しか摂っていない。

 

フェリチンは80

 

私の診断は、糖質過剰摂取による機能性低血糖発作+質的な栄養障害。

 

入院中に精神科への受診手続きがされていましたが、私は勝手に糖質制限食に変更してビタミン・ミネラル処方を始めちゃいました。

 

栄養という考えがないと、医師達は眼の前の症状に右往左往し対症療法をするしかありません。

 

今の医療現場は、憐れ過ぎます。

これまで何人か、甲状腺機能低下症とされる疾患のため長期間甲状腺ホルモン剤を内服している人を診てきました。

 

私の経験では全員、鉄不足。

 

糖質ばかりの食生活。

 

ある仮説があります。

 

甲状腺機能低下症は結果であり、本当の原因は質的な栄養障害ではないか。

 

他の疾患でもありがちな構造ですね。

 

十分可能性のある仮説です。

 

栄養障害を改善させた後に、ホルモン剤を少しずつ減らすことで、それが証明できるでしょう。

 

色々面白くなってきました。

50歳代女性、甲状腺機能低下症で経過を診ている方がいます。

 

甲状腺ホルモンの内服治療をしています。

 

内服開始後より元気になり、普通に生活をしています。

 

フェリチン値は70くらいでした。

 

鉄不足もありそう。

 

食事も糖質過多、蛋白質不足のようです。

 

鉄不足を改善することで、甲状腺機能に何か目に見える変化が診られるか。

 

鉄分と甲状腺機能との関係は?

 

分からないことだらけです。

 

経過を診ていく中で、何か考察できればお伝えしようと思います。

40歳代女性、甲状腺癌で甲状腺全摘出術を行った方がいます。

 

手術に伴う変化として、副甲状腺も合わせて切除するため、低カルシウム血症による手のしびれが起こり得ます。

 

この方も低カルシウム血症になり、手のしびれの訴えがありました。

 

担当医よりカルシウム製剤が処方されました。

ここまでは、甲状腺摘出術を受けた患者さんへの、ごく普通の経過。

 

私はフェリチン値が気になり、測定しました。

 

14しかありません。

 

手術前から、明らかな鉄不足。

 

鉄不足と、甲状腺手術後の低カルシウム血症は、何らかの因果関係があるかもしれない。

両者とも体内に重要なミネラルであり、体内での生化学的な反応、相互の関係も密なはずです。

実際の患者さんの経過はどうか。

このような視点で、甲状腺摘出術後の経過を診ている外科医は、珍しいと思います。

 

しばらく経過を追ってみたいと思います。

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