日本のLCCの嚆矢であるピーチが、新たなる路線戦略を打ち出すことになりました。
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ピーチの井上慎一CEOは2015年に仙台空港を、2016年に札幌・新千歳空港をそれぞれ拠点化する旨発表しました。いずれも、すでにピーチの国内線が最大拠点の関西国際空港から乗り入れている空港です。
そして、最初の発表からやや月日を要しはしましたが、この9月下旬より両空港発着の国内ローカル線と近距離国際線が相次いで開設されることになりました。
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今回開設されるのは、以下の4路線となっています。

【国内線】
・仙台~札幌(新千歳)線(2017年9月24日開設 毎日運航)
仙台1000→(MM413便)→1115札幌(新千歳)
仙台1445→(MM417便)→1600札幌(新千歳)
札幌(新千歳)1200→(MM414便)→1305仙台
札幌(新千歳)1700→(MM418便)→1805仙台
・札幌(新千歳)~福岡線(2017年9月24日開設 毎日運航)
札幌(新千歳)1320→(MM456便)→1550福岡
福岡1145→(MM455便)→1405札幌(新千歳)

【国際線】
・仙台~台北(桃園)線(2017年9月25日開設 月・火・木・土運航)
仙台1655→(MM775便)→2000台北(桃園)
台北(桃園)1100→(MM776便)→1530仙台
・札幌(新千歳)~台北(桃園)線(2017年9月24日開設 水・金・日曜運航)
札幌(新千歳)1645→(MM725便)→2000台北(桃園)
台北(桃園)1100→(MM726便)→1555札幌(新千歳)

日本にLCCが誕生してから今年で5年。ようやく、仙台~札幌(新千歳)線、札幌(新千歳)~福岡線といった国内ローカル路線にもLCCが進出することになりました。
仙台~札幌(新千歳)線は1日2往復、札幌(新千歳)~福岡線は1日1往復のダイヤで、各都市間の航空運賃に価格破壊を起こすこと、及び今まで気軽に旅行や商談に訪れたくてもできなかった層の潜在的需要を掘り起こすことが期待されています。
旅客機ファンの目線から言うと、片道の飛行時間が2時間半近くに達する札幌(新千歳)~福岡線では、ピーチご自慢の機内販売を思う存分に満喫できるわけで、それもまた魅力的な気がします。今回開設される2路線が順調に利用実績を伸ばした暁には、札幌(新千歳)~那覇線、仙台~那覇線に進出してみるのもいいかもしれません。
また、この延長線上で、将来的に札幌(新千歳)発着の北海道内路線の開設も計画されているということです。

そして、ピーチが仙台空港・新千歳空港発着の国際線最初の目的地に選んだのは、お隣台湾・台北の桃園国際空港でした。
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世界屈指の親日国として知られる台湾からは、毎年多くの観光客が東北・北海道を訪れており、また、逆に東北・北海道から台湾を目指す日本人旅行者も数多い状況です。この東北・北海道~台湾間の需要の太さは、ピーチにとってまさに大きなビジネスチャンスだったわけです。
いずれの路線も、毎日運航でこそありませんが、日本夕刻発台北夜着、台北昼前発日本昼着というダイヤは、日本側・台湾側いずれの利用者にも割合使いやすい設定と言えます。
今回開設される2路線が順調に利用者を獲得し、ゆくゆくは仙台空港・新千歳空港からソウルや釜山、香港、高雄といった他の都市にも路線が開設されることを願ってやまないものです。

なお、今回ピーチが参入することで、仙台~台北(桃園)線を運航する航空会社は3社、札幌(新千歳)~台北(桃園)線を運航する航空会社は4社(注)に増えることになります。いずれも台湾の大手航空会社や各国のLCCなど、多様な航空会社が入り乱れる激戦区で、ピーチが先発の各社に対していかに勝負をかけていくかが注目されるところですが、和製LCCの一番手として磐石な営業施策と交換度の高いサービスを武器に堂々と挑んで欲しいものです。

(注)仙台~台北(桃園)線はエバー航空とタイガーエア台湾、札幌(新千歳)~台北(桃園)線はチャイナエアライン、エバー航空、スクート・タイガーエア(シンガポール)も運航しています。

今回、仙台空港と新千歳空港が新たに拠点化されることで、新たな成長期を迎えたといっても過言ではないピーチですが、その一方で夏ダイヤ限りで那覇~香港線が搭乗率低迷により運休するという心配なニュースも聞こえてきました。
海外航空会社との台頭、地方発着路線の営業や集客の限界、さらには那覇空港の発着枠の問題など、課題になる点はまだまだ多いようですが、今後ともピーチの仙台空港、新千歳空港、那覇空港発着便のネットワークが拡大することを願って、今夜は締めくくらせていただきます。