公私の多忙と心身の不調につき随分遅くなってしまいましたが、本日は2019年3月16日(土)に開業したおおさか東線新大阪~放出間の試乗の模様をお届けしようと思います。

2019年3月16日(土)、午前6時半頃の阪急淡路駅。
サイン類にはこの日開業したおおさか東線JR淡路駅への乗換案内が書き足されていました。
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阪急淡路駅東改札口とJR淡路駅を結ぶ東淡路商店街では、道の両端に乗り換え案内用の幟が並んでいました。
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地元の市議会議員事務所の壁面にも、JR淡路駅の開業を祝う垂れ幕が貼り付けられていました。
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阪急淡路駅から5分もかからずに、JR淡路駅に到着。
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急ごしらえではありますが、JR淡路駅の構内にも阪急淡路駅への乗換案内が掲出されていました。
※以下2枚は2019年3月26日(月)に撮影
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2月23日(土)の内覧会で見た改札口の発車案内表示器も、今日からいよいよ本格稼働です。
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JR淡路駅のコンコースで見かけた2019年3月16日(土)ダイヤ改正のポスター。
おおさか東線新大阪~放出間の延伸開業は、平成最後となるJRグループのダイヤ改正の目玉の一つとして位置づけられていました。
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JR淡路駅の1番ホーム(新大阪方面行きホーム)に掲示されたおおさか東線・大和路線(関西本線)(一部区間)の停車駅案内。
よく見ると、駅の発車時刻表や構内案内、他線の停車駅案内や列車の運行情報・位置情報、遅延証明書をダウンロードするためのQRコードが併記されています。
スマートフォンが普及した時代にふさわしいサービスのように思われますが、QRコードの使い方を知らないご高齢の方も多いことを考えれば、駅の発車時刻表についてはQRコードとはまた別に各ホームに掲示した方が分かり良い気がしました。
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2番ホーム(放出・久宝寺方面行きホーム)の駅名標の下には、「おおさか東線 工事関係者一同」の名前で「開業お待たせしました!JR淡路」の張り紙が掲出されていました。
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2番ホームに入線する、奈良電車区201系ND620編成の普通久宝寺行き。
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私たちはまず、1番ホームから6時44分発の新大阪行きに乗車することに。
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JR淡路6時44分発の普通新大阪行きは、おおさか東線全通記念ラッピングが施された奈良電車区201系ND606編成による運用でした。
先ほどの久宝寺行きもこの新大阪行きも、早朝であるにもかかわらず試乗客が多く、車内は立ち客も出るほどの混雑ぶりでした。
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側面行先表示器の「おおさか東線 F 新大阪 Shin-osaka」の文字。
※放出から戻ってきた際に撮影
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【参考】奈良電車区201系のおおさか東線全通記念ラッピング
※2019年3月26日(火)久宝寺駅で撮影(ND615編成)
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話を開業初日の試乗時に戻します。
おおさか東線の新規開業区間には、今回の試乗の起点となったJR淡路駅を含め計4つの新駅が設けられました。
このうち、新大阪~JR淡路間に設けられたのが南吹田駅です。
同駅はおおさか東線の駅としては唯一吹田市内に所在しており、同市南東部神崎川べりの鉄道空白地帯に設けられました。
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南吹田を出てほどなくして東海道本線をオーバークロス、同線と併走しながら6時51分に新大阪駅に到着しました。
おおさか東線の折り返し列車に割り当てられた、新大阪駅1・2番ホームの駅名標。
もともと、梅田貨物線経由の特急「くろしお」・「はるか」との共用ホームになっている関係で、駅名標には隣駅として「みなみすいた(南吹田)」のほか「にしくじょう(西九条)」の文字が記載されていました。西九条駅には特急「くろしお」の一部列車が停車しています。
なお、2023年春には梅田貨物線の新大阪~西九条間に北梅田駅(仮称)が開業予定で、その暁には新大阪駅の駅名標は新調されることになります。あわせて、おおさか東線の直通快速・普通電車も北梅田駅(仮称)まで延長運転される予定です。
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駅ナンバリングを併記した、縦型の駅名標。
おおさか東線新大阪駅の駅ナンバリングは「F02」となりました。「F01」は現時点では欠番となっており、今後開業予定の北梅田駅(仮)に割り振られる見込みです。
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新大阪駅1・2番ホームに設置された、おおさか東線久宝寺・奈良方面行きの発車時刻表。
おおさか東線の基本的なダイヤパターンは、ほぼ終日に渡り15分間隔で線内折り返しの普通電車(使用車輌・201系6両編成)が運行されるというものです。
これに加えて毎日4往復のみですが、新大阪~久宝寺~奈良間に直通快速(使用車輌・207系or321系7両編成)が運転されており、各地から奈良を訪れる観光客の誘客を図っています。
直通快速は平日ダイヤでは朝の奈良発新大阪行き4本と夜の新大阪発奈良行き4本が設定されており、土・休日ダイヤでは奈良発新大阪行き・新大阪発奈良行きとも朝夕各2本ずつの運行となっています。気になる停車駅は放出・高井田中央・JR河内永和・久宝寺・王寺・法隆寺・大和小泉・郡山となっており、阪急京都・千里線と接続するJR淡路、京阪本線と接続するJR野江は通過します。
なお、この直通快速はもともと尼崎~放出~久宝寺~奈良間で運転されていた列車ですが、今回のおおさか東線新大阪~放出間の開業に伴い運転区間・時間帯を変更しました。
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新大阪駅1・2番ホーム上に設置されたアーバンネットワークの路線図のうち、おおさか東線の部分を拡大したカット。
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新大阪駅コンコースの様子。
黒い覆いがされていたおおさか東線の路線図や乗り場案内も、今日から無事供用開始となりました。
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1・2番ホームの発車案内用ディスプレイ。
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こちらは、LED式の発車案内表示器。
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一通り新大阪駅の様子を観察した後、7時8分発の普通久宝寺行きで今度は放出へ。
JR淡路~放出間には新設駅2駅、併設駅1駅の計3駅が設けられました。

JR淡路の1駅久宝寺寄りに設けられたのが、城北公園通駅(大阪市旭区)。
もともとの都島信号場跡に設置された同駅ですが、計画段階では都島駅という仮称が付いていました。ただ、大阪メトロ谷町線の同名駅から離れすぎていること、そもそも所在地が都島区ではなく旭区であることから、この仮称については計画段階から異論が続出する結果に。
旭区側の住民は「城北公園通」、都島区側の住民が地域ゆかりの俳人・与謝蕪村に因んだ駅名をそれぞれ要望し、最終的に前者の案が採用されるという形になりました。
同時に、駅構内に「与謝蕪村生誕の地」の看板が掲示されるなど、都島区側にも一定の配慮がなされたといいます。
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城北公園通駅の久宝寺寄りの次駅が、JR野江駅(大阪市城東区)。
京阪本線の野江駅、大阪メトロ谷町線の野江内代駅との接続駅となっており、新しい乗り換えルートが生まれることとなりました。
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JR野江~鴫野間の車窓から撮影した京阪電車。
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鴫野駅(大阪市城東区)は、学研都市線(片町線)の同名駅に併設する形で建設されました。
同駅はおおさか東線の乗り入れに合わせ、従来の対向式ホーム2面2線から、対向式・島式ホーム併用の3面4線の配線に改良されています。このうち中央の島式ホームでは、学研都市線の放出・四條畷・木津方面行き普通電車とおおさか東線の新大阪行き普通電車を相互に乗り換えることができます。
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7時28分、放出着。
今回の新規開業区間は同駅まで。電車はここから第一期開業区間に入り、終点久宝寺に向かいます。
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新大阪から放出まで乗車した、八尾市制70周年ヘッドマーク・おおさか東線全線開業ラッピング付きの奈良電車区201系ND614編成。
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「祝・おおさか東線全線開通」・「八尾市制施行70周年記念事業」の文字が入った、ND614編成クハ201-139号のヘッドマーク。
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ND614編成の戸袋部分に貼られたステッカー。
このステッカーと上のヘッドマークの図案は、一般公募により決定したもので、ヘッドマークには「最優秀賞」の図案1種が、ステッカーには「優秀賞」の図案6種が採用されています。
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おおさか東線の新大阪延伸を記念し、放出駅の改札口前では昔の風景写真の展覧会が開催されていました。
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放出到着後は7時33分発の普通新大阪行きで慌ただしくJR淡路へとんぼ返り。
東淡路商店街の純喫茶でモーニングをいただき、その足で出勤しました。
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平成最後の新線として華々しく開業したおおさか東線の新大阪~放出間。
長年の間、近くに線路があるにも関わらず旧国鉄→JRの列車を利用したくてもできなかった沿線の人々にとってはまさに宿願成就というべきものでした。
現段階では普通電車が15分に1本のみ、直通快速に至っては1日4本のみというやや物足りなさのあるダイヤが課題と言えますが、今後北梅田(仮)~新大阪間の延伸開業を前に埋もれていた需要を順調に掘り起こし、少しずつでも良いので利用実績を伸ばして増発に繋げられればと思うばかりです。
あわせて、阪急京都線沿線に住む者としては、今後JR淡路駅からおおさか東線に乗り換える機会が増えてくると思いますので、ゆくゆくは同駅に直通快速の停車が実現しないかと期待して待っているところです。

長くなりましたが、おおさか東線の新規開業区間が順調に利用を伸ばし、沿線地域のさらなる活性化に貢献することを願って結びとさせていただきます。

【おまけ】
JR淡路駅のホーム階段部分のガラス壁に採用された梅の模様。
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JR淡路駅2番ホームから撮影した阪急京都線の1300系。
このアングルで阪急京都線の電車を撮影できるのも、2024年度に予定されている阪急京都線南方~上新庄間、同千里線淀川橋梁~神崎川橋梁間の高架化までの短い間になりそうです。
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JR淡路駅を通過するEF200-18号機牽引のコンテナ貨物列車。
EF200形電気機関車は2019年3月28日限りで勇退。
新大阪~放出間でおおさか東線の旅客列車と並んだのは、僅か13日間でした。
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