2017年03月06日


 Kさんの住宅から事務所に戻ったのは夜11時をまわていた

 どんなに遅くても良いので電話ほしい という伝言メモがあった
己れの設計でつくった住宅に入居されてからも長いお付き合いが続いている Mさん からだ

 Mさんの住宅に何がおこったのか と 時計の針を見ながらも電話をする

 良い建築物件を見つけたので買うことにした その場所で新しい形の仕事を始めたいので見てほしい と 元気な声が時が午前様になるまでも続く

 まだなんとか杖を使わないで歩いていますよ

 と云われるMさんから長年いただいてきているものは この 自らの人生を積極的に歩もうとされているMさんの衰えることのない仕事への情熱 なのだ と改めて思う

 Mさん と ウィリー沖山さんのディナーショー と スマイリー・オハラさん を御覧ください




 この日 完成間もないKさんの住宅で要是正個所の確認と打ち合わせをおこなう
 
 2年間を要したKさんの住宅設計その工事監理の間 幾度となく打ち合わせのために訪れたKさんの御実家である I さん夫妻の住宅での そこに集まったKさんとその奥方 その小さな2世
 そして I さん夫妻の幸せそうな暖かい家庭の 姿から 会話から 家族とは 家庭という人間の巣の姿とはこうありたいといつも考える己れの住宅設計の姿に大きな刺激を与えていただいた2年間であった
太田流山室内

 Kさんは I さん夫妻の御子息である


 この日はまた その場所が新築ほやほやのKさんの住宅での打ち合わせではあるが I さん夫妻のための新しく始まる住宅設計の打ち合わせを  I  さん夫妻とおこなう日でもあった


 この度の I さん夫妻のための住宅設計はどんなコンセプトになるのか

 御子息も立派に巣立った今 これから造り始める I さん夫妻のための 巣 は 贅沢の必要は無いが 御2人のための 小さくても本物で かっちりと出来上がっている 珠玉のような住宅 にしたい という己れの提案は  I  さん夫妻の全面的な賛同を得る

 そして ゆったりとはいることのできる I  さんの大好きな庭付きの快適な お風呂 だ

 私が こんな浴室を設計した 本当の理由とは を御覧下さい




 人生を自由に生きるのだと決めて歩んできた己れにとって 幸いなことに 己れの人生における貴重な財産となる多くの教えは 私に住まい造りを依頼された300余人にもなる 素晴らしい方々 に出会えたことにあった

 1年間から2年間にも及ぶそれぞれの方々との住まいの設計から完成までの濃い交わりの中から 学ぶべきその方の人間性に触れることが出来たのは 人間同志の信頼関係の賜物である ということに尽きると思う


 大勢の人生の師の方々のおかげで今日の己れがあることに思いを致さなければならない と強く思う




住宅設計―鳥はその生き方にふさわしい巣をつくる  人間は?もご覧下さい


住宅設計事務所木村俊介建築設計事務所のホームページをご覧下さい
 


skimura16jp at 20:19コメント(0)トラックバック(0) 

2017年02月13日

 このKさんの敷地の南側に2階建ての隣家がぴったり建っていて 住宅の南側には大きな窓やベランダを設ける意味がない

 北側は大きくひらけていて眺めが良く 広いベランダとそこに面して大きなガラス扉を設けたLDKとする

 日照はLDKの南北一杯に伸びる帯状のトップライトから明るい太陽の光がさんさんと降ってくる

 という住宅設計となった


 木造住宅設計では その構造軸組を 垂直材の柱 と 水平材の梁 で構成するのだが その接続箇所ごとに異なる建築基準法に定められた数値の強度を持つ構造金物 でお互いを緊結しなければならない

 そして 耐震壁 あるいは 耐力壁 と称される壁体には 筋違(すじかい) という斜め材も 同じく強度数値を指定された 構造金物 で 柱 梁 に緊結するのだ

DSCN1675 ここまでは建築のプロではない建築主でもおぼろげながらも知識があるのだが これらの垂直面の壁体と同時に水平面の 床 あるいは 天井 さらには急勾配の屋根構造材にも同じように耐震構造上の強度が不可欠であるという 住宅設計においても住宅施工においても重要な認識が 大工さんなどの建築のプロの多くさえにも欠落しているのが現実の住宅建築現場の姿なのである


 このKさんの住宅建築では 住宅設計上重要な水平強度の確保のために構造金物を多用し住宅設計図にそのリストを記載しているのだが この 構造金物 が まずは棟梁Nさんのジャブとなった



 この住宅の設計では 耐震のための水平構造材とそれに取りつく斜めや垂直の構造材が ボルト ナットあるいはプレート等の構造金物で 柱あるいは梁に緊結されている この住宅建物では これらの構造材は その多くが高く昇ってゆく斜め天井の下に露出しているのだ

 これらの木構造材はあらかじめプリカット会社で所定の形状に加工されて現場に搬入される

 上棟時 それを組み立てて構造金物で緊結するところから棟梁Nさんの作業は始まる

 これは旧来の 作業場で棟梁がおこなう きざみ の作業を プリカット会社という専門会社の工場作業に置き換えてきた近年の木造住宅の省力化を目指す一般的な現場の姿なのだ



 棟梁Nさんは 一般的には小屋裏や壁内に囲われて見えることのない 構造金物 が露出していても良いのか さらには他の仕上材料でその金物をきれいに化粧しなくても良いのか というジャブを設計事務所に繰り出したのだ

 このジャブを受けた己れのジャブは 図面のとおりに そのまま露出で施工して下さい 化粧は不要です である



 その理由をNさんに説明する   

 木構造露出部分は一目見て建物の強い応力の流れを感覚的に感じるようにしたい
 
 露出する金物は 大きな力の流れ と それに対応する接続部の強度の安全性を感覚的にはっきり感じさせるものなのでそれをあえて化粧などすることは全く考えていない

 そして それに対比するように 構造部分の強い応力を受けていない 仕上げ面 は出来る限り 精細に きれいに 仕上げてほしい     である






 ある日のこと
 随分長い間使うことがなかった と云いながら 棟梁Nさんが現場に持ち込んできた造作木工事加工用の大きな電動工具をニコニコしながら己れに見せてくれた時は己れもうれしかった

 いつもと異なる形態 仕上げ方法でも きちんと設計で意図した住宅建物になってゆく というこの住宅建築への己れの考え方を棟梁Nさんと共有することが出来てきたのだろう


 お互い おぬし やるではないか とプライドをもって作業が出来るようになったのだ という思いであった



住宅設計 ― Kさんの住宅工事現場舞台裏の話 その1もご覧下さい

住宅設計 ― Kさんの住宅工事現場舞台裏の話 その2もご覧下さい

住宅設計--塗装工事のピンキリを見抜く方法はあるのだが?もご覧下さい

住宅設計―鳥はその生き方にふさわしい巣をつくる  人間は?もご覧下さい


住宅設計事務所木村俊介建築設計事務所のホームページをご覧下さい


skimura16jp at 12:53コメント(0)トラックバック(0) 

2017年01月30日


 Kさんの住宅工事現場で大工の棟梁との人間的な信頼関係を築く第一歩となるある方法とは

 それは大工の棟梁に Nさん と名前で呼びかけることなのだ

 住宅工事現場では 大工さん 電気屋さん 設備屋さん などと呼びかけ合うことが殆どだ 現場監督には オ~イ監督さん なのだ
  
 太田その2そして設計事務所建築家の己れに対しても 設計屋さん 時には センセイ だ

 いつの頃からか 工事現場では己れは職人さん達よりも年上になっているので 先生 と呼ばれても気にならないのだが それでも やくざの親分の雇われ浪人のような気がして己れは センセイ と呼ばれるのは嫌いだ
 

 建築現場で大工さん 設計屋さん と呼び合うのではその会話は単なる仕事の要件以上にはなかなか深まらない

 職種の呼び方で始まるお互いの会話からは お互いの異なる職能の力をぶつけ合いながら そしてお互いの人間性をぶつけ合いながら 住宅建築をつくりあげてゆく充実感 造る喜びを感じることはできないのではないか

 そこで 名前を教えてよ と己れはきりだす

 名前の漢字を聞き それが少しでもわかりにくければそれを口実に広げている図面の余白に書いてもらう

 そして己れも自己紹介をする  

 己れが 大工さん と呼んでいる間は 己れは 設計屋さん と呼ばれる
 それではお互い人間性のある触れ合いにはならない

   己れのほうから Nさん と呼びかければ 木村さん と云われるようになって くるものだ
 名前でお互いを呼ぶようになってくればお互いの人間味は少しずつわかってくる

 このKさんの住宅建築現場では Nさんは宮大工の家で修業したこと その修行したことに誇りをもっていること  がわかってくる
 己れも修業時代を思い出しながらその話をしたりする

 お互いこの住宅建築現場で各々の職能にプライドをもってのぞんでいることがわかってくると  おぬしやるではないか と認識し合えて  この住宅を造る 充実感 を 住宅設計に携わる者 住宅施工に携わる者 が共に持ことが出来たのではないかと思っている


住宅設計事務所木村俊介建築設計事務所のホームページをご覧下さい


建築家木村俊介のつぶやき ブログリストから他の ブログ もご覧下さい  


どうして住宅はどれも違う形をしているのか?ヨットの 自由な世界 との関係は?をご覧下さい


skimura16jp at 10:26コメント(0)トラックバック(0) 
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: