2011年06月

2011年06月23日

 住宅建築は 新築時 その技術的基準を建築基準法に従って設計するのだが 木造一般住宅の耐震補強設計の技術的基準 として 各地方自治体がそのよりどころとしているのは 日本建築防災協会 が発行する 「木造住宅の耐震診断と補強方法」 の内容である

 我々建築設計事務所が 耐震補強設計 をする場合も その基本は 建築基準法 の定める建築技術基準なのだが 木造耐震補強計画では この 「木造住宅の耐震診断と補強方法」 が定める基準をよりどころとして その住宅の場合の目的とする 耐震補強レベル を定め 設計をおこなうのが通例である


 一般的な耐震補強リフォーム計画のプロセスとしては まず 耐震診断 がある 

 その住宅におこなわれた 耐震診断 の結果をもとに どこをどのくらい補強すれば その住宅の場合の 耐震補強の目標レベルの建物 となるかを設計するのだ

 その設計は 「木造住宅の耐震診断と補強方法」が定める基準である 「総合評点」 の数値によってそのレベルを推測し 対処をしてゆく シミュレーション作業 となる

 耐震診断の結果が 評点0.7未満 になる場合は その住宅は倒壊又は大破壊の危険がある と推測されることになる
 
そこで 評点1.0以上 になるように 構造補強計画を をすることになるのだ

  この数値が 1.0 である住宅というのは 建物は 一応は倒壊しない というレベルなので 命の危険はないと推測される ということなのだ

 そして その数値が 1.5以上 であれば 建物が倒壊しない というレベルになる 

 ちなみに己れの設計事務所では この数値を 1.5 にすることを目標にして 耐震補強リフォーム設計 を おこなっている
 



  築後相当の年数を経た住宅の 耐震補強工事 では 施工上の理由で 補強設計どおりにはすんなりといかない部分がいろいろと出てくることがあるものだ

 今回 Kさん宅でおこなった ゲンセツ も 設計した 耐震補強計画 がリフォーム施工上 無理無く 確実におこなえるかどうかを 大工さん そしてY工務店社長共々 あらかじめ現場で各部分の検討をおこなう作業であり
 さらにはより正確な 工事費 の提示を工務店から受けるための重要なプロセスの一つなのである                






 Kさん宅のゲンセツから1日おいた休日 泣きそうな天候だがハーバーへ向かう

 雨の中セーリングをすることになるのもおっくうなのでヨットの整備となる

 整備に優る点検は無い―というのが己れの持論なので 整備はいくらやっても次から次へといろいろ必要なことが出てくる

 ロープの始末から すぐに人間も居る場所が無くなるような犬小屋に毛の生えたような 狭い己れのヨットの船室を片付ける作業まで
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 ステイ シュラウド といった強いテンション(張力)のかかっているワイヤーの張り具合 などは その調整の結果 天候 海況 によってセーリングの感触が微妙に違ってくるので整備調整も尽きることがない

 ピアノの調律と同じだ






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 1人で乗るために 舵輪(ステアリングホイール ヨットではラットといっている)を離れても 小用を足すくらいの間 安定して帆走ってくれるように 己れのヨットは 船体 特にキールの設計がなされてある

 もちろん風と それを受けるセールと舵の 調整と固定 がきちんとおこなわれた上での話ではあるが





 この日シュラウドのテンションを調整していて ステンレスのターンバックルに小さなヘヤ-クラックがあるのを見つける

 30年の間の海水などによる腐食なのだろう

 ターンバックルの調整用の穴から海水や雨水が入るのを嫌ってガムテープでラップしているのだが 調整のため剥き出しにしたので発見出来たのだ

 マストが折れるなどの大事故を未然に防ぐために早急に修理をしなくてはならない

「整備に優る点検は無い」を再認識する


 木造住宅の耐震診断にも全く同じことが云えるのではないだろうか 


 評点算出の計算上では 老朽度に応じた耐力 露出していないため確認できない構造部分の耐力 などが評価判断に反映された結果の 評点 ではある

  耐震診断結果 そして その 補強対策 によって 理論的には 安心 となるのだが 本当にその住宅は 安心 となるのかと考えると 己れにとっては 既存 の耐震壁を 継ぎ手 まで含んだその状態の確認をすることなしに  安心 は出来ないのである

 図面上の耐震診断とその結果の補強対策 = 耐震診断点検確認とその結果の補強対策 ではないからだ

 スケルトンリフォーム工事時に耐震補強工事を計画するのは又とない機会である というのは 耐震補強工事費の削減にもなることが その大きな理由ではあるが
 
 既存の耐震壁の確認とその整備が出来る という理由からなのでもあるのだ



 ―詳しくは 建築家木村俊介のホームページ にて 耐震補強をおこなうスケルトンリフォーム住宅設計 を御覧下さい―



 次回―その4で このKさんの住宅におこなわれる 耐震補強設計 の具体的プロセスを御覧頂きます






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 設計事務所の前の大きなビワの木には 今 実 がふさふさと一杯だ

 朝 前に置いた事務所案内パンフ置き場のガラスの上に パンフと一緒に持っていって頂けるように葉のついた ビワの実 を置いておくが 夕方には無くなっている

 美味しそうに熟していて ちょっと触ると 実 はポロリと枝から落ちてしまうほどだ

 そろそろ鳥の大群がやってきて アッという間に 実 は食べつくされてしまう
 
どうやって一番食べ頃になる時を察し どうやって仲間に呼び掛けるのだろう

 毎年のことだが不思議なことだ





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skimura16jp at 19:56コメント(0) 

2011年06月14日

 Kさん宅の耐震補強をともなうスケルトンリフォーム工事 第2回目のゲンセツ日

 朝8時半の集合時間3分前に車でさっそうとKさん宅に乗りつける

 門の前で待機していたY工務店社長以下9人のいろいろな職種のおやじ連中から 「センセ 一番若いね!」 という黄色い声が己れに飛んで来た
 朝の道路渋滞を嫌い 良いお天気でもあるので4輪で無く 自転車 でかっこ良く乗りつけたわけだ 

 1、2年に1棟位の施工をお願いしているY工務店の協力業者さん達なのだが 己れとはその付き合いも30年以上になるので 並んだ顔はほとんどが顔なじみなのだ 
  代が代わって2代目のおやじとなっている顔もいくつか見える

 電車利用で合流した事務所スタッフ共々11人の大人数でKさん宅に招じ入れられる

 改めて 1人ずつ 全員を己れがKさんに紹介する
 Kさんにとっては今後各工事に携わる人達とのコミュニケーションをとるための良い機会となる

 実際の工事をするわけでも無いこの日に 各職種のおやじ達9人もが現場に集まり 設計事務所の説明を聞き 図面と現場を眺めながら各工事内容を確認し 各職種間に必要となる打合せを 設計事務所と工務店社長を中心にその場でおこなう というこの作業は己れの設計事務所の 大規模なリフォーム工事にはなくてはならない行事である

 建築主Kさんも同席してのゲンセツは所要時間2時間余ともなった


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 この部分をリノベーション(リフォーム)するためには まず 設計 があり 施工には 大工工事 屋根瓦葺き工事 鉄骨加工工事 板金工事 防水(コーキング)工事 塗装工事 ガラス工事 の各工事職の連緊が必要となる




 各職種が それぞれの部分の工事を 単に機械的に それぞれの職種間のコミュニケーションを計ることも無しにおこない そしていつの間にか住宅が出来上っていく というのが当たり前のこの忙しい世の中で 住まいは人間の巣である と己れが日頃主張しているような本当の住宅をつくるためには このようなやり方が不可欠である と己れは思っている

 住む人の意志 そして 設計をする者 それをつくる者達の職能に対するプライド が吹きこまれた住宅をつくるということはこんなことの積み重ねなのだ


ヨットも住宅設計も「備えあれば憂いなし」 建築会社の住宅造りの姿勢が良く見える現場について の ブログを御覧下さい

 

次回―その3―がこのKさんの住宅におこなわれる耐震補強設計の具体的な内容について御覧頂く予定になりました




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skimura16jp at 18:15コメント(0) 

2011年06月07日

RIMG0003 30年ほど以前に 己れの設計監理により建てた大型木造住宅のスケルトンリフォーム(リノベーション)設計がようやく終わった
 ―と云っても建築会社に依頼する見積り用の設計図が出来たということで 設計は工事が完成するまでまだまだ続く

 建築主Kさん宅で Y工務店の社長Tさんに設計図一式を渡し図面説明をおこなう

 そして現場―このリフォーム工事現場は建築主Kさんの住まいである―での ゲンセツ(現場説明の業界用語です ちなみに竣工時の建築主へのいろいろな機器の取り扱い説明は トリセツ と云います)をおこなう

2時間にもわたっての今回のリフォーム工事概要説明だが 建築主Kさんにも同席してもらう

 図面からはなかなか読み取れない部分 どうしてそのような設計になったのか という建築主の希望 考え などを施工者に少しでも理解してもらう目的でおこなう 己れの事務所のリフォーム(リノベーション)住宅設計監理には欠かすことの出来ない毎回の行事である

 そしてY工務店とその協力者である 大工工事 給排水設備工事 電気設備工事 建具工事 ガス設備工事 などの職種の職方への専門的な ゲンセツ もそれぞれの職方が設計図の内容を頭の中に入れた数日後に もう一度 己れが現場でおこなうことになる

 この住宅スケルトンリフォーム(リノベーション)では木造住宅耐震補強設計もおこなった

 木造住宅の耐震補強には 耐震構造壁の 配置のバランス と木材の継手及び仕口金物の仕様と取付方法 が非常に重要となる

 1981年(昭和56年)に建築基準法が大きく改正され 木造住宅の耐震構造壁の壁の量とその耐力に関する具体的な仕様が規定された

 その後阪神淡路大震災において多くの木造住宅に被害がみられたことを踏まえて 2000年(平成12年)には 建築基準法の更なる改正により 木造耐震構造壁の釣合いよく配置する具体的な仕様 そして継手金物の具体的な仕様が明確に定められた

 そのような理由で 1981年(昭和56年)以前だけではなく 2000年(平成12年)以前に建てられた木造住宅の耐震構造にも入念な再チェックが必要なのだ

 ―詳しくは 建築家木村俊介のホームページ にて 耐震補強をおこなう住宅スケルトンリフォーム設計 を御覧下さい―




次回ーその2-は このKさんの住宅におこなわれる耐震補強設計の具体的な内容について御覧頂く予定です






RIMG0005木村俊介建築設計事務所のファサード

 初夏のみずみずしい緑の中に小さなバラの花が綺麗です
 写真を拡大して御覧になって下さい

 4月に 事務所案内 の置場を作りました




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skimura16jp at 18:04コメント(0) 
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