2011年03月01日

住宅設計――住宅建築家の休日

  

土曜日は住宅建築家の休日?


 土曜日の今日は 一週間の緊張がとれてのんびり出来る日のはずなのだが 自分の名を付した住宅設計事務所のオヤジであるからには 「土曜日は休日なので休みです」 などと云ってはいられない とは表向きの云いかたで 実は土曜日も自ら好んで仕事をしてしまうのである


 大好きな住宅設計に食事を忘れる己の姿に 我ながらあきれるほどなのだが 今日の土曜日も 午前中は現場で楽しく仕事をすることとなった



 住宅の工事監理は 設計どおりに間違いなく施工がおこなわれているかを確認する作業なのだが 住宅設計に意図するすべての内容を設計図に表現することは出来るものではない


「何事も 現場を見ながら現場の中で」が住宅建築家である私の姿勢なのだから どうしても現場へ足しげく顔を出すことになってしまうのだ

 

 

とは云うものの今日は土曜日なので 午後は自宅で少しのんびり 日向ぼっこをしながら自分のヨットの設計図を持ち出してきて いろいろな出来事を想いかえす一刻となった

 

 


今夜は ヨットデザイナー熊沢時寛氏のお通夜である



RIMG0019
私の小さなヨットは熊沢氏の研究室で設計され 岡本造船所で ヨットのオーナー達から親しみを込めて よっちゃん と呼ばれる 船大工の名人S氏に2年余りを費やして造ってもらった

 

 

荒れた海でたたかれても ミシリともひめいを上げない船歴30年にもなるこのヨットの木工技術は 私が住宅設計で主張する

「住めば住むほど 住みやすさ のために その魅力の虜になってゆくような 優れた居住性を持ち同時に美しくもある 住宅」

と同じように 乗れば乗るほど私をその魅力の虜にさせてくれる

 



お通夜の席上 突然Aさんに声をかけられる

 

何年ぶりかのAさんの顔を見て 楽しい出来事を想いだす

 

ある時 Aさんのヨットに集まって酒を飲んでいて それぞれのヨットのオーナー連中が みんなでレースに出よう という話になったのだった


 日頃はクルーをあごで使い 自らは 楽 をしているうるさいオーナー達6人と 楽 をしていない1人 私 の7人が Aさんのヨットでクルーという どれい になって レースに出ようという話だ

 
 もちろんオーナーであるAさんも どれい の1人となるのだ


 スキッパー(艇長)は同席していたハーバーマスターの 若くして亡くなったTさんに決まる

 

 

 2ヵ月間 毎週日曜日に Aさんのヨットで うんくさそうなオジサン達7人が 若いTさんに この時とばかりにしごかれるトレーニングは つらくもまた楽しい時間であった

 

 

 私は みんなの弁当を用意するマネージャーで 本番のレースでは あまり甲板上を動きまわらなくてすむ おもり の役目であったことを想い出す


 そしてなんと 我々は 目的の「あしか島レース」に優勝したのだ



 数週間後 夫人同伴の 祝賀パーティ をヨットクラブで盛大に開く



 企画は もちろんマネージャーの私の役目 優勝カップのレプリカを クルーとなったオーナー連中とスキッパーの人数分をつくり 本物はヨットの持主のAさんに贈呈する



こんなAさんとの楽しかった話に夢中になり いつの間にかお通夜の寂しい気分もなくなっていた

 

 

 Aさんのヨットは熊沢氏の設計なのだから 通夜の席で陽気になったとしても 御本人は喜んで下さったのに違いない



 と勝手に想っていたお通夜であった



建築家木村俊介のつぶやき ブログリストから他の ブログ もごらん下さい



skimura16jp at 18:45コメント(0) 

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: