2023年03月07日

[SKJ]■世界キリスト教情報(第1676信)

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【週刊 世界キリスト教情報】
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2023/3/6 (第1676信)

≪連絡≫世界キリスト教情報(第1676信)は3月6日に送信すべきところ、主宰者の一身上の理由で、送信が3月7日まで出来ませんでした。申し訳ありません。

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≪ハイライト≫

◎中国が全人代開幕、23年成長率目標「5%前後」

◎教皇、今年4月にハンガリー司牧訪問
◎ウクライナにおける戦争から1年、教皇の祈りとアピール

◎ブラジル貧民街の個人宅、「今年の家」に 建築専門サイトが選出

◎クフ王のピラミッドで未知の空間発見、構造解明に期待

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◎中国が全人代開幕、23年成長率目標「5%前後」

 【CJC】中国の第14期全国人民代表大会(全人代)が3月5日、北京の人民大会堂で開幕した。ロイター通信(日本語)によって伝える。

 李克強首相は政府活動報告で、2023年の経済成長率の目標を5%前後とし、昨年の目標(5.5%前後)より低く設定した。

 23年の財政赤字目標は対国内総生産(GDP)比で3.0%とした。昨年の目標は2.8%前後。

 消費者物価指数(CPI)上昇率の目標は3%前後に設定、22年の目標と同水準とした。CPIは昨年は2.0%上昇した。

 李首相は政府活動報告で、経済の安定と消費拡大の必要性を強調。都市部では今年、約1200万人の雇用を創出するとし、昨年の目標である少なくとも1100万人を上回る目標を掲げた。不動産部門にリスクが残っているとも警告した。

 複数の関係筋は全人代に先立ちロイター通信に、今年の成長率目標は5~5.5%になるとしており、一部は最大6%の可能性もあると述べていた。実際の目標は予想レンジの下限となった。

 2023年予算案を公表した中国政府は、国防費として前年比7.2%増となる1兆5500億元(約2240億ドル)を計上した。昨年の増加率を若干上回った。

 国防費増加率は8年連続で1桁台となった。例年通り内訳は明らかにせず、全体の金額と増加率のみ公表した。

 李首相は政府活動報告で、台湾との関係の平和的な発展を促進し、中国の「平和的統一」のプロセスを進めるべきとする一方、台湾独立の動きに対しては断固とした措置を取って反対していく姿勢を改めて示した。

 中国はここ3年ほどの間に台湾周辺で軍事活動を活発化させており、昨年8月にはペロシ米下院議長(当時)の訪台に反発し軍事演習を実施している。

 中国は他にも、対米関係の冷え込みや人口動態の悪化など、多くの課題に直面している。出生率が急落し、昨年は1961年の飢饉の年以来、初の人口減に見舞われた。□


◎教皇、今年4月にハンガリー司牧訪問

 【CJC】バチカン・ニュース(日本語)によると、教皇フランシスコが、今年4月下旬、ハンガリーを司牧訪問することが明らかになった。

 バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長の声明によれば、教皇はハンガリーの政府、カトリック教会の招待に答え、4月28日から30日まで、司牧訪問する。

 教皇のハンガリー司牧訪問の告知と共に、詳細な日程が発表された。

 4月28日(金)午前、教皇はローマからブダペストに到着。現地の国際空港での出迎えを受けた後、大統領官邸で歓迎式に臨み、大統領への表敬を行う。続いて、首相と会談。旧カルメル会修道院において各界代表、駐在外交団との会見。午後、聖ステファノ教会で、司教、司祭、修道者など、ハンガリーの教会関係者との出会いを持つ。

 4月29日(土)午前、教皇は、福者ラースロー・バッチャーニ・ストラットマン学園の子どもたちを私的に訪問。ハンガリーの聖エリザベト教会で貧しい人や難民と出会う。午後、ブダペスト・スポーツアリーナで若者たちとの集い。続いて、バチカン大使館でイエズス会会員らと会見する。

 4月30日(日)午前、教皇はブダペスト市内コシュート・ラヨシュ広場でミサを行う。午後、パズマニ・ペーター・カトリック大学で、大学・文化関係者との出会い。ブダペスト国際空港での送別式を経て、ローマへ戻る。□


◎ウクライナにおける戦争から1年、教皇の祈りとアピール

 【CJC】バチカン・ニュースがまとめた「回顧録」を紹介する。

 2022年2月24日のウクライナへのロシアによる軍事侵攻開始から、1年が経過した。

 侵攻開始の前日、2月23日、教皇は一般謁見の席で、ウクライナ情勢の緊迫に深い悲しみと、苦悩、不安を表明。「神は平和の神、戦争の神ではありません。神は皆の父であり、誰かのものではありません。わたしたちが必要とするのは兄弟であり、敵ではありません。国家間の共存を破壊し、国際法を軽んじながら、人々の苦しみを増すようなあらゆる行動を控えるよう、関係するすべて当事者たちにお願いします」と呼びかけた。

 しかし、その翌日24日朝、ロシア軍はウクライナの北部、東部、南部に侵入し攻撃を開始。バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿は、「皆が憂慮していた悲劇的な展開が、残念ながら現実になろうとしている。しかし、まだ努力の時間はあり、協議の余地はある。まだ、知恵を用いて一部の利害を優先させることを防ぎ、皆の正当な願いを守り、世界を戦争の狂気と恐怖から免れさせることはできる」と声明した。

  戦争勃発直後から、教皇のアピールは頻度を増していった。27日のお告げの祈りで、教皇は「戦争をする者は、人間性を忘れます」、「あらゆる紛争において、戦争の狂気の代償を身をもって払う真の犠牲者は普通の市民たちです」と述べ、避難者のための人道回廊を開くよう訴えた。

 2022年の「灰の水曜日」、3月2日、教皇の呼びかけで「平和のための断食の日」が行われた。同日の一般謁見で、教皇はお年寄りたちをはじめ、ウクライナの人々に連帯を示すと同時に、避難民のために「国境と心と家の扉」を開いたポーランドの人々に感謝を述べた。

 3月6日、教皇はお告げの祈りで、「ウクライナでは血と涙が流されています」、「これは単なる軍事作戦ではありません。死と破壊と悲惨をもたらすだけの戦争です」と強調。母と子たちをはじめとする避難民に思いを寄せ、人道的支援を願った。また、教皇は、教皇慈善活動室のコンラート・クライェフスキ枢機卿と、人間開発省のマイケル・チェルニー枢機卿をウクライナの人々の支援のために現地へ派遣したことを明らかにした。

 3月13日のお告げの祈りで、教皇は「おとめマリアの名を冠した都市マリウポリは、ウクライナを破壊しつつある耐えがたい戦争によって、今や殉教の町となりました」と悲しみを表し、「神の名において願います。この殺戮を止めてください」と嘆願。

 教皇のウクライナ情勢に対する言及、アピール、祈りは、毎週の一般謁見やお告げの祈りにおいてだけでなく、様々な機会を通し行われた。

 教皇は、3月25日、バチカンでとり行われた共同回心式の中で、全人類、特にロシアとウクライナをマリアの汚れなき御心に奉献。「戦争の嵐の中でわたしたちを遭難させないでください」、「憎しみを消し、復讐をなだめ、赦しを教えてください」、「戦争からわたしたちを解放し、核兵器の脅威から世界を守ってください」「戦争を止め、世界に平和をととのえてください」と聖母に祈りを捧げた。

 4月6日の一般謁見で、教皇はウクライナ・キーウ近郊ブチャでの市民に対する殺戮を非難した。

 「『戦争を止め、武器を置き、死と破壊の種をまくのをやめよ』という、犠牲者たちの無実の血が上げる叫びは、天にまで届いています」と述べた。「この国旗は戦場から、苦しみに痛めつけられた町、ブチャから来たものです」と教皇はブチャから届けられたウクライナ国旗を広げられた。

 5月1日のレジーナ・チェリの祈りで、教皇はカトリック教会の伝統で聖母に捧げられた5月、毎日のロザリオの祈りを平和のために捧げるようすべての信者たちに願った。

 5月8日「ポンペイの聖母」の記念日、教皇は正午の祈りで、イタリア南部ポンペイの聖母巡礼聖堂に集った信者たちと心を合わせ、ウクライナの人々の苦しみと涙を聖母に示し、平和を祈願された。

 「聖母月」最終日、5月31日、教皇はローマの聖マリア大聖堂の「平和の元后マリア」像前で、世界の聖母巡礼聖と中継で結ばれた、ロザリオの祈りの集いを持った。教皇はこの中で「平和の大きな恵み」を求め、人々の回心、暴力や復讐心に満ちた心の変容を祈った。

 教皇は、6月1日の一般謁見で、ウクライナの小麦の輸出停滞に懸念を表明。この問題を解決し、普遍的な人権である「食料への権利」を保証するためにあらゆる努力を惜しまぬよう、また小麦という基本的な食料を戦争の武器として用いることがないよう、アピール。

 9月中旬に行われたカザフスタン訪問からの帰国途中、教皇は記者会見で、「すべての人に対話の可能性は与えなくてはならない。対話によって何かが変わる、他の見方や考え方を与える、という可能性は常にある」と常に対話に開かれた姿勢を強調、「さもなくば、平和への唯一の理性的な扉を閉ざしてしまうことになる」と語った。

 教皇は、10月2日正午の祈りで、「ウクライナにおける戦争の状況は深刻かつ破壊的、懸念すべきものになっている」、「この恐ろしい理解不能な戦争は収まるどころか、流血の事態を増大させながら、さらに広がろうとしている」と深い憂慮を表明。「人類が再び核の脅威に直面していることはもってのほかである」と述べた。教皇はロシア連邦大統領に対し、この暴力と死の連鎖を自国民への愛のためにも止めるようにと訴え、同時に、ウクライナ大統領に対し、平和のための真剣な提案に心を開くよう信頼をもって呼びかけた。

 12月8日、「無原罪の聖マリア」の祭日、教皇はスペイン広場の聖母のモニュメント前で祈りを捧げた。「無原罪のおとめよ、長い間平和を主に祈ってきたウクライナの人々の感謝を、今日ここでお伝えするはずでした」と教皇は言葉を詰まらせながら聖母に語りかけた。

 「あなたが十字架の下で御子のそばに留まられたように、あなたが彼らと、苦しむすべての人々と、共におられることを知っています」、「愛が憎しみを超え、真理が欺瞞に勝利し、赦しが侮辱にまさり、平和が戦争に打ち勝つと、信じ、希望し続けることができますように」と祈願した。

 12月25日、2022年度降誕祭の「ウルビ・エト・オルビ」で、教皇はウクライナに思いを向け、「ウクライナの人々は、10ヵ月にわたる戦争による破壊のために、この降誕祭を暗さと寒さの中で、あるいは自分の家から遠く離れた場所で過ごしています。苦しむすべての人々を助けるために、わたしたちがすばやく具体的な行動を取ることができるよう、また武力を鎮める力を持った人の精神を照らし、この言語道断の戦争を直ちに終わらせることができるよう、主が助けて下さいますように」と祈った。

 教皇は、2023年1月1日のカトリック教会の「世界平和の日」のメッセージの中で、「新型コロナウイルスによるパンデミックが最悪の状態を脱したかと思われた時、もう一つの恐ろしい災難が人類を襲った」とウクライナにおける戦争に言及。この戦争が無実の人たちの命を奪い、人々を不安に陥れているだけでなく、小麦や燃料問題に代表されるように、遠く離れている人々にまで苦しみを与えている状況を示した。

 教皇は「この戦争は他の地域で起きているすべての戦争と同様、全人類の敗北を表すもの」と強調。適切な解決がまだ模索されるこの戦争に対し、わたしたちはどうすべきなのかと問いながら、まず心を改め、自分や自国のことだけに関心を向けずに、普遍的な兄弟愛の精神のもと、共通善の光に照らし考えることから始めなくてはならない、と招いている。

 さらに、1月9日、駐バチカン外交団への年頭の言葉で、教皇は、「今日いまだに核の脅威は回避されず、世界を恐怖と不安に陥れている」と述べ、「核兵器の所有は倫理に反する」、「核兵器による脅しの下では、いつもわれわれ全員が敗者である」と明言。ウクライナにおける戦争の死と破壊、周辺地域のみならず世界全域に与えている影響を見つめつつ、この意味のない戦争を直ちに止めるようアピールを新たにした。□


◎ブラジル貧民街の個人宅、「今年の家」に 建築専門サイトが選出

 【CJC】AFP=時事通信によると、ブラジル南東部ミナスジェライス州ベロオリゾンテ郊外のファベーラ(スラム街)にある一見質素な家が、世界的建築専門サイトで「今年の家」に選ばれた。

 建築関連ニュースサイト「アーキデーリー」主催の「ビルディング・オブ・ザ・イヤー2023」の住宅部門でトップに選ばれたのは、アーティストのカドゥ・ドスアンジョスさん(32)の自宅。2階建てで床面積は66平方メートル。デザインを手掛けたのは、ファベーラで無償もしくは低価格でサービスを提供する「LAC」だ。

 インドやメキシコ、ドイツ、ベトナムなどからエントリーのあった競合を押しのけての選出となった。

 「アーキデーリー」は「ドスアンジョス邸」について、地域にある一般的な材料を用いつつ、採光や風通しにも配慮し、良好な居住環境を創出したモデルケースと評価している。

 ドスアンジョスさんは、「受賞を大変誇りに思う。ファベーラといえば暴力や土砂崩れ被害についての報道ばかりだから」と語った。「きょう、この家は世界一の高みにある」□


◎クフ王のピラミッドで未知の空間発見、構造解明に期待

 【CJC】カイロ2日発ロイター通信(日本語)によると、エジプト観光・考古省は3月2日、首都カイロ近郊のギザにあるクフ王のピラミッド内部に通路のような空間が見つかったと発表した。4500年の歴史を持つ大ピラミッドにおける新発見につながる可能性もある。

 見つかった空間は長さが約9メートル。2015年に始まった「スキャンピラミッド」プロジェクトによる成果で、3Dシミュレーションや宇宙線を利用した新技術を駆使してピラミッド内部構造の調査が行われた。

 学術誌「ネイチャー」に掲載された論文によると、今回の発見はピラミッドの構造解明につながる可能性があるほか、切妻型になっている新たな空間の目的についても調査が行われる。

 エジプト考古最高評議会のモスタファ・ワジリ議長は、今後もスキャンによる調査を続けるとし「通路の奥に何が見つかるかを把握したい」と述べた。

 宇宙線が大気に衝突して生じる「ミュー粒子」を利用した調査には、名古屋大学の技術が用いられた。□


≪メディア展望≫

 =カトリック新聞(2月26日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼教皇=トルコとシリアの大地震で国際社会の連携呼びかける
▼教皇=アフリカ訪問後に、武器取引が「最大の災い」
▼教皇、青年に呼びかけ=人身取引や搾取との闘いで「人間の尊厳の宣教者」に
▼カリタスジャパン=トルコ南東部地震=救援募金を開始
▼ニカラグア独裁政権=司教に禁錮26年実刑判決

 =KiriShin(3月1日)=http://www.kirishin.com
▼シリーズ「2世」の呻き=宗教界こそ目を向けるべき
▼日本オリベットアッセンブリー教団=本部を天城山荘に移転
▼日本基督教団=網中彰子氏が女性初の総幹事に
▼日本キリスト教婦人矯風会が声明=平和外交求め、原発回帰に反対
▼キリスト教専門古書店、友愛書房が2月で閉店

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 =クリスチャン新聞(2月19日)=http://クリスチャン新聞.com
▼ヘイトクライム闘いの地で「第37回外キ協全国協議会」開催=「差別許さない」で一つに
▼トルコ南東部で地震=各キリスト教支援団体=緊急支援開始
▼JCE7宣言文第二次案公開
▼「善き隣人バンク」クラウドファンディング開始=孤独抱える人々の命つなぐ“お話し相手”

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2023年02月20日

[SKJ]■世界キリスト教情報(第1674信)

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【週刊 世界キリスト教情報】
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2023/2/20 (第1674信)


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《ハイライト》

◎四旬節メッセージ=教皇、イエスと共にタボル山に登るよう招く

 【CJC】2023年度の四旬節を迎えるにあたり、教皇フランシスコのメッセージが発表された。

 カトリック教会の典礼暦は、2月22日の「灰の水曜日」と共に、復活祭の準備期間、「四旬節」に入る。

 バチカン・ニュースによると、「四旬節」をより有意義に過ごすため、毎年、教皇によるメッセージが発表される。

 教皇フランシスコは、2023年度の四旬節のために、「四旬節の登攀(とうはん)、シノドスの道のり(仮訳)」と題したメッセージを発表した。

 このメッセージで、マタイ、マルコ、ルカの三つの福音書に記される「主の変容」のエピソードを観想した教皇は、イエスと一緒にタボル山に登り、イエスの神なる輝きを体験し、それによって信仰を強め、イエスと共に歩き続けることができるようにと願われている。

 教皇は、主の変容の出来事に、弟子たちの無理解に対するイエスの答えを見出された。実際、シモン・ペトロは、イエスに対し「あなたはメシア、生ける神の子です」と信仰を告白したにも関わらず、そのすぐ後でイエスの受難と十字架の予告をはねつける。イエスはそのようなペトロを、「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。神のことを思わず、人間のことを思っている」(マタイ16・23)と叱られた。

 そして、そのことから「六日の後、イエスは、ペトロ、それにヤコブとその兄弟ヨハネだけを連れて、高い山に登られた」(同17・1)のである。

 主の変容の福音は、毎年四旬節第二主日に朗読されることを教皇は紹介しつつ、この四旬節に、主はわたしたちを連れ出し、ご自身と一緒に「高い山に登り」、聖なる神の民と共に特別な「登攀」を体験するよう招いておられる、と述べている。

 四旬節の登攀は努力を要するものである。この登攀は、わたしたちの信仰や忍耐の欠如を克服し、イエスの十字架の歩みに従えるよう、常に恵みによって励まされる。師イエスを深く知り、その神の救いの神秘を受け入れるには、師に連れ出され、高い山に登り、生温さや虚飾から離れなければならない。

 教皇は、この努力と犠牲を要する上り坂の歩みを、現在教会が取り組んでいるシノドスの歩みとも重ねられた。

 イエスはタボル山に3人の弟子を連れて行かれた。彼らは比類ない特別な出来事の証人として選ばれたのである。イエスはこの恵みの体験が孤立したものではなく、分かち合われるものであることを望まれた。

 イエスと弟子たちのタボル山登攀と同じように、わたしたちの四旬節の歩みは、「道」である師、唯一の師であるイエスに従い、皆で「共に」歩むシノドス的歩みである、と教皇は記されている。

 やがてエピソードは重大な時を迎える。福音書は「イエスの姿が彼らの目の前で変わり、顔は太陽のように輝き、服は光のように白くなった」(同17・2)と語っている。教皇は、これこそが登攀が目指すまさに「頂点」であると言う。

 登攀の終わりに、高い山の上に共にいる三人の弟子たちに、イエスは、超自然的な光に輝く、栄光の中にあるご自身の姿を見せるという恵みを与えたのである。この美しい神的光景は、タボル山に登った弟子たちのあらゆる苦労を完全に超越するものであった。

 教皇は、山を登っている最中は険しい道だけを見つめていても、最後には驚くべき素晴らしい展望が開けるもの、と説きつつ、シノドスの歩みも最後には、神の御旨とその御国への奉仕をより良く理解させる素晴らしい結果が待っているだろう、と励ましている。

 タボル山での弟子たちの経験は、イエスの隣に現れたモーセとエリヤを見ることによってより豊かなものとなった(参照=同17・3)。

 教皇はモーセとエリヤがそれぞれ「律法」と「預言」を象徴する存在であると指摘。シノドスの歩みもまた、教会の伝統に根差すと同時に、新しいものに向かって開いていると語っている。

 四旬節の登攀の歩みと、シノドスの歩みは、どちらも個人と教会の「変容」を目標とするもの、と述べた教皇は、この「変容」を実現するための二つの「小径」を提示している。

 まずその一つは、タボル山でのイエスの変容の出来事を前に観想する弟子たちが聞いた「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け」(参照=同17・5)という神の声である。

 教皇は、四旬節はわたしたちに話しかける神の声に耳を傾ける恵みの時であると強調。典礼の中の神の御言葉、毎日の聖書の読書はもとより、助けを必要とする兄弟姉妹たちの顔やストーリーの中に主の声を聞くようにと招かれた。

 さらに、教皇は、シノドス的な教会のために、教会の中の兄弟たちと互いに耳を傾け合うように勧められた。

 弟子たちは御父の声を聞いて「ひれ伏し、非常に恐れた」。しかし、「イエスは近づき、彼らに手を触れて言われた。『起きなさい。恐れることはない。』彼らが顔を上げて見ると、イエスのほかにはだれもいなかった」(同17・6~8)。

 ここに四旬節の二つ目の小径を示された教皇は、毎日の労苦や辛さ、矛盾など、現実と向き合うことを恐れ、特殊で恍惚とした宗教体験の中に逃げ込んだままではいけない、と述べられた。

 四旬節は主の復活へと向かう歩みであり、その静修期間は、イエスの受難と十字架を信仰と希望と愛のもとに体験しながら復活へと到達できるよう、わたしたちを準備するものと教皇は説いた。

 そして、山から降りた後も、わたしたちが日常生活の中でシノドス性を作り出す者となるために、ここで体験した恵みに支えられることを祈られた。□


◎教皇、ニュージーランドのサイクロン被災者に寄り添う

 【CJC】バチカン・ニュースによると、教皇フランシスコは2月19日、日曜正午の祈りで、地震で深刻な被害を受けたシリアとトルコ、戦争に苦しむウクライナ、サイクロンに襲われたニュージーランドに思いを向け、自然災害や戦争などのために苦しむ人々に寄り添いを表した。

 この集いで教皇は、「イエスの愛は、わたしたちが困難にある人々の状況に心を動かされることを願われている」と強調、特に地震により多数の犠牲者を出したシリアとトルコ、劇的な日常をおくるウクライナの国民、また紛争や、貧困、自由の欠如、環境破壊等に苦しむ世界各地の多くの人々に思いを向けた。

 こうした中、教皇はここ数日サイクロンによる大きな被害を受けたニュージーランドの人々に精神的一致を表明、苦しむ人たちを常に忘れないように、と述べながら、教皇は配慮に満ちた具体的な慈愛の業を呼びかけた。□


◎ミュンヘン会議開幕=ウクライナ大統領、兵器供与の加速呼びかけ

 【CJC】ミュンヘン発ロイター通信によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は2月17日開幕したミュンヘン安全保障会議でオンライン演説し、ロシアの侵攻を打ち負かすために兵器供与を加速させるよう同盟国に訴え、ためらいや遅れは他国の安全保障をも脅かすと警鐘を鳴らした。

 ゼレンスキー大統領は、旧約聖書で巨人ゴリアテと戦ったダビデを引用、「決意は決して抽象的なものではない。ダビデがゴリアテを倒したのは話し合いの力ではなく、行動の力によるものだ」と述べた。

 また、ウクライナがロシアによる侵攻の終点とはならず、プーチン大統領が他の旧ソ連諸国にも照準を合わせていることは「明白」とし、西側諸国がウクライナへの戦車供給を巡り協議を行っている間、ロシアはウクライナの隣国モルドバを「窒息させる」方策を検討していると警告した。

 ドイツのショルツ首相は「現時点でわれわれにできることは、できる限りの支援をすることだ」とし、ドイツが欧州においてウクライナへの最大の兵器供与国であり続けると表明した。

 フランスのマクロン大統領も、ウクライナがロシアに反抗できるよう軍事支援を強化する必要があると強調。「今はロシアと対話する時ではない」とした上で、「われわれは今日(支援や努力を)強化し、長引く紛争に備える用意がある。それがロシアを交渉の席に戻し、永続的な平和を構築する唯一の方法だ」と述べた。

 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は「NATOの同盟国とパートナー国が必要な限りウクライナと共に立ち上がるというのが私からウクライナの人々への最大のメッセージ」と語った。□


◎5月競売、世界最古のヘブライ語聖書公開

 【CJC】競売大手サザビーズは2月15日、ニューヨークで5月に競売に出される1000年以上前のヘブライ語聖書を公開した。ニューヨーク発AFP=時事通信によって紹介する。これまでに発見されたヘブライ語聖書の中で最古とされる。

 出品されるのは「サスーン写本」で、9世紀後半~10世紀初頭に書かれた。落札価格は歴史的文書としては過去最高の5000万ドル(約67億円)に届く可能性がある。

 写本の名は、ユダヤ教古文書の個人収集家デービッド・ソロモン・サスーン(1880~1942)にちなんでいる。

 ヘブライ語聖書全24巻を収録した写本として現代まで残る二つのうちの一つ。紀元前3世紀にさかのぼる死海文書(死海写本)と、現代版ヘブライ語聖書の架け橋とされる。

 サザビーズによると、初期のヘブライ語聖書として有名な他の2点、アレッポ写本よりも完全で、レニングラード写本よりも古い。競売に出品されるのは30年以上ぶりだという。□


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《メディア展望》

 =カトリック新聞(2月19日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼教皇=コンゴと南スーダン訪問
▼長崎教区=日本26聖人殉教記念ミサ=1200人が信仰しのぶ
▼カリタスジャパン=四旬節キャンペーン=「愛の献金」呼びかけ始まる
▼『聖週間の典礼』=暫定新改訂版、3月中旬に発刊

 =KiriShin(2月11日・既報)=http://www.kirishin.com

 =クリスチャン新聞(2月19日)=http://クリスチャン新聞.com
▼ヘイトクライム闘いの地で「第37回外キ協全国協議会」開催=「差別許さない」で一つに
▼トルコ南東部で地震=各キリスト教支援団体、緊急支援開始
▼JCE7宣言文第二次案公開=地区大会開催=現場から意見
▼「善き隣人バンク」クラウドファンディング開始=孤独抱える人々の命つなぐ“お話し相手”
▼県内の防災ネットワークつながり、「神奈川教会防災ネット」設立へ

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2023年01月30日

[SKJ]■世界キリスト教情報(第1669信)

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【週刊 世界キリスト教情報】
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2023/1/30    (第1669信)


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《ハイライト》

◎2023年度「世界広報の日」に向け教皇メッセージ

 【CJC】教皇フランシスコは、カトリック教会の2023年度「第57回世界広報の日」のためのメッセージを発表した。バチカン・ニュース(日本語版)によって紹介する。

 「世界広報の日」は、様々な形のメディアを通して行う福音宣教について、教会全体で考え、祈ることを目的とするもので、毎年、聖霊降臨の前週の日曜日(2023年度は5月21日)に、一方、日本の教会においては復活節第6主日(今年は5月14日)に行われる。

 これに先立ち、毎年、ジャーナリストの保護者、聖フランシスコ・サレジオ司教教会博士の記念日1月24日に、教皇によるメッセージが発表された。

 教皇はこれまでの「来て、見なさい」、「心の耳で聴く」といったテーマに続き、今年は「『愛に根差した真理に従い』心を込めて話す(参照=エフェソ4・15)」(仮訳)を選ばれた。

 メッセージで教皇は、「行く、見る、聞くようにわたしたちを動かすのは心である。心が開かれた、受容的なコミュニケーションを行わせる」と述べている。

 そして、耳を傾けることを学んだ後、対話と分かち合いを発展させたもの、すなわち心のこもったコミュニケーション、愛に根差した真理に従った会話を学ぶよう教皇は招いている。

 イエスは、「木はそれぞれ、その結ぶ実によって分かる」(参照=ルカ6・44)。

 「善い人は良いものを入れた心の倉から良いものを出し、悪い人は悪いものを入れた倉から悪いものを出す。人の口は、心からあふれ出ることを語るのである」(参照=ルカ6・45)と言われた。

 それゆえ、わたしたちが「愛に根差した真理」に従って語るためには、自らの心を清める必要がある。純粋な心で聞き、話してこそ、わたしたちは外見の奥にあるものを見、混乱した騒音を克服することができる、と教皇は述べている。

 心を込めて伝えるとは、読む人、聞く人に、今日の人々の喜びや恐れ、希望や苦しみに対するわたしたちの分かち合いを理解してもらうことである。このように話す人は、相手を大切に思い、その自由を尊重する、と教皇は言う。

 このようなコミュニケーションのために、教皇は、イエスが十字架上の死を遂げた後、エマオへ向かう弟子たちに話しかけた不思議な「旅人」をモデルとして示している。

 復活されたイエスは、悲しむ弟子たちの歩みに尊重をもって付き添いながら、心を込めて話しかけられる。実際、弟子たちは、その「旅人」と話しながら、「心が燃える」(参照=ルカ24・23)のを感じていた。

 分極化や対立の構図が目立つこの時代、教会共同体でさえもその影響を受けていないとはいえない。このような中、「心から」「広げた両腕から」のコミュニケーションのための努力は、情報にたずさわる者たちだけでなく、すべての人の責任でもある。教皇は、わたしたち皆が、真理を語り、それを愛をもって行うよう召されている、と述べる。

 教皇は、「心を込めて話す」ことの最も輝ける模範を示した人として、帰天400年を迎えた聖フランシスコ・サレジオ司教・教会博士を挙げられた。そして、同聖人の柔和で、人間性にあふれ、反対者をも含むすべての人と忍耐強く対話する姿勢は、神のいつくしみの愛のすばらしい証しとなった、と思い起こされた。

 「心は心に語る」という同聖人の言葉は、世代を超えた多くの人に影響を与えた。その一人である、ジョン・ヘンリー・ニューマンは、この言葉をモットーに選んだ。教皇はニューマンの「よく話すためには、よく愛するだけで十分である」という言葉を引用されている。

 聖フランシスコ・サレジオの、「わたしたちが伝えるのは、わたしたちそのものである」という教えに触れつつ、教皇は、今日のソーシャルメディアが、ありのままの自分ではなく、「かくありたい自分」を伝えるために利用されていることをも指摘している。

 教皇は、この「優しさの聖人」から、真理を勇気と自由をもって語り、物々しい攻撃的な表現を用いる誘惑を退けることを学ぶよう勧めている。

 教皇は、教会においても耳を傾け、また耳を傾け合うことの必要が大いにある、と述べ、心に灯をともし、心の傷に塗る香油となり、兄弟姉妹たちの歩みの光となるコミュニケーションの構築を急務として提示された。

 そして、教皇は、聖霊に導かれた、親切で、同時に預言的な、第三千年期にふさわしい新しい福音宣教の在り方を見い出し得る、教会のコミュニケーションを望まれた。

 「穏やかに語る舌は骨をも砕く」(箴言25・15)。「心を込めて話す」ことは、戦争のある場所に平和の文化を推進し、憎しみと敵意が荒れ狂う場所に対話と和解の道を開くために、またとなく必要とされている、と教皇は強調。

 世界的な紛争を生きる今日の劇的状況において、対立的でないコミュニケーションを確立することが求められている、と述べている。

 教皇は、対話に開き、統合的な軍縮を進め、闘争的な心理状態を解くことに努力する伝達者の必要を説きつつ、聖ヨハネ23世の次の言葉を示された。「真の平和は、ただ相互の信頼のもとにのみ築くことが可能である」(回勅=地上に平和を)。□

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◎エルサレム礼拝所銃撃で7人死亡=イスラエル・パレスチナ間で暴力の応酬続く

 【CJC】東京新聞カイロ報道によると、イスラエル占領下の東エルサレムにあるユダヤ教の礼拝所で1月27日夜、銃撃事件があり、付近にいた通行人ら少なくとも7人が死亡、3人がけがをした。28日朝にも東エルサレムの旧市街近くで銃撃があり、ユダヤ人2人が重傷を負った。

 イスラエル当局によると、礼拝所を銃撃したのは、東エルサレムのパレスチナ人の男(21)。車で現場に到着後、建物や通行人に向けて銃を乱射し、その後射殺された。ネタニヤフ首相は事件後に現場を訪れ、「近年で最も深刻な事件の一つで、決意と冷静さを持って行動しなければならない」と述べた。

 イスラエルでは昨年末、ネタニヤフ氏率いる右派リクードや極右、ユダヤ教政党など6党による新政権が発足。直後に国家治安相の極右政党党首が、エルサレム旧市街にあるイスラム教とユダヤ教の共通の聖地を訪れるなどし、パレスチナ側が猛反発していた。

 イスラエル軍はパレスチナ人への取り締まりを強め、26日には占領下のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸ジェニンの難民キャンプを急襲し、過激派組織「イスラム聖戦」と交戦。パレスチナ人9人が死亡、約20人が負傷した。その後、パレスチナ自治区ガザのイスラム主義組織ハマスがイスラエルにロケット弾を撃ち込み、イスラエル軍は27日に報復の空爆を実施した。□

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◎スペイン南部で教会を刃物で襲撃、聖職者1人死亡=テロ疑い容疑者拘束

 【CJC】パリ発共同通信によると、スペイン南部アルヘシラスで1月25日、男が複数のキリスト教会や周辺で人々を大型の刃物で襲い、教会関係者1人が死亡、聖職者1人を含む4人が負傷した。捜査当局は男を拘束し、イスラム過激思想の影響を受けたテロの疑いがあるとみて動機を追及する。スペイン通信(EFE)などが伝えた。

 男はモロッコ国籍のヤシン・カンサ容疑者とされる。目撃者の話によると犯行時に「アラー(イスラム教の神)」と叫んでいたという。

 スペインのサンチェス首相はツイッターで、死亡した教会関係者の遺族へ弔意を表明し、当局の捜査を全力で支えると訴えた。□

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◎ウクライナ東部ソレダルで抗戦続く=「ロ軍に大きな損害」とゼレンスキー大統領

 【CJC】キーウ/ソレダル近郊(ウクライナ)発ロイター通信によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は1月12日のビデオ演説で、東部ソレダルのウクライナ軍は陣地を維持しており、ロシア軍に大きな損失を与えていると述べた。

 ゼレンスキー氏は、ソレダルの2部隊に対する感謝を表明し、「持ち場を死守し、敵に大きな損失を与えている」と述べた。詳細は明らかにしなかった。同氏はまた、ウクライナ軍の上級司令官と会談し、ソレダルや周辺地域の戦闘に対する増援などについて詳細に分析したと述べた。

 ロシアのプーチン大統領の盟友が経営する民間軍事会社ワグネル・グループは、ソレダルを制圧したと宣言していた。

 ロシアが任命した現地当局者はオンライン放送で、ソレダルには「幾つか小さな抵抗地区」が残っていると述べた。米当局者は、ソレダルでのロシア勝利が事実だとしてもその重要性を疑問視している。

 米国家安全保障会議(NSC)のカービー報道官はホワイトハウスで記者団に「(近郊の要衝)バフムトとソレダルの両方がロシア側に落ちたとしても、戦争自体に戦略的な影響を与えることはないだろう」と述べた。

 東部ドネツク州のキリレンコ知事は国営テレビに対し、15人の子どもを含む559人の民間人がソレダルに残っており、避難することができないと述べた。□

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◎教皇出席の「世界青年の日」ミサ向け7億円余の祭壇支出に激しい批判

 【CJC】ポルトガルの首都リスボンで今夏8月1~6日に行われるカトリック教会の行事「世界青年の日」を巡り、教皇フランシスコが出席するミサで使用される祭壇設置に市が500万ユーロ(約7億円)余り拠出すると発表され、交流サイト(SNS)で激しい批判が巻き起こっている。リスボン発ロイター通信報道を紹介する。

 カルロス・モエダス市長は「祭壇の詳細は当局と教会、バチカン(ローマ教皇庁)との話し合いで決定した」とした上で、「非常に高額な」行事だと認めた。

 SNSでは、インフレ加速の中で祭壇にこれほど高額な支出を行うことに数千人が市長批判を投稿。革新系である左翼ブロックの議員はツイッターに「問題は資金不足でなく支出の優先順位だ」と投稿した。

 統計局によると、リスボンの家賃は2017年から53%上昇しているが賃金は依然低水準で、労働省によると昨年は労働者の半分以上が月給1000ユーロ以下だった。

 「世界青年の日」には、世界から数十万人の青年が参加する。□

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《メディア展望》

 =カトリック新聞(1月29日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
▼教皇フランシスコ=外交使節団への年頭演説=何よりもいのちを守る平和
▼教皇、AIの活用に警鐘=弱い人の排除につながる
▼教皇の一般謁見講話=宣教はキリスト者の「活力」
▼赤ちゃん緊急保護システム開設16年=「ゆりかご」に命救われた
▼シノドス準備=「大陸ステージ」へ=日本からのレポート提出

 =KiriShin(1月21日・既報)=http://www.kirishin.com

 =クリスチャン新聞(1月29日)=http://クリスチャン新聞.com
▼阪神淡路大震災28年=「祈りは力、神の武器」=追悼の集い「祈り会」で森祐理さん
▼「はこぶね」代表大藪真樹さん=社会的養護下の若者支援=〝信頼できるオトモダチ〟としてつながり続ける
▼BLM拡大のミネソタ諸教会が準備=分断こえ「善と義」=キリスト教一致祈祷週間開催
▼《訃報》徳善義和氏逝去=国際的なルター研究者 カトリックとも対話
▼火のついた新約学者ゴードン・フィー追悼

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skjweekly at 22:03|PermalinkComments(0)