2023年01月16日
[SKJ]■世界キリスト教情報(第1669信)
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【週刊 世界キリスト教情報】
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2023/1/16 (第1669信)
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≪ 目 次 ≫
▽バイデン米大統領、キング牧師の教会で演説、分断解消呼びかけ
▽教皇「核の脅威の下では全員が敗者」=駐バチカン外交団との集いで発言
▽コンゴの教会、日曜礼拝中に爆発、10人死亡
▽東部ソレダルで抗戦続く、ロ軍に大きな損害=ゼレンスキー氏
▽フィリピンで「ブラックナザレ祭」3年ぶり開催
▽オーストラリアのジョージ・ペル枢機卿死去=少年虐待で逆転無罪
▽《メディア展望》
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◎バイデン米大統領、キング牧師の教会で演説、分断解消呼びかけ
【CJC】米公民権運動の黒人指導者、故キング牧師の誕生日に当たる1月15日11時、バイデン米大統領は南部ジョージア州アトランタのキング氏ゆかりのエベネザー・バプテスト教会で説教し、「米国民がキング氏の生涯から学び、社会の分断や過激主義や不正義の解消に向かうべきだと訴え、米国の魂を懸けた闘いは続いている」と語った。
キング牧師の誕生日の時期に同教会を訪れる現職大統領は多いが、日曜礼拝の説教をしたのはバイデン氏が初めて。
同教会の牧師を務める民主党のラファエル・ウォーノック上院議員が招待した。ウォーノック氏は同日、民主党か共和党かといった党派や肌の色の違いを超えた連帯の重要さをキング氏が思い起こさせてくれると語った。
ロイター通信は、バイデン氏が2020年に大統領選で勝利した際は、選挙権拡大に向けた働きかけや他の人種差別問題の解決を訴えることで黒人有権者から強く支持されたが、その後はバイデン氏の行動が不十分だと失望を表明する動きもある、と伝えている。□
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◎教皇「核の脅威の下では全員が敗者」=駐バチカン外交団との集いで発言
【CJC】バチカン・ニュースによると、教皇フランシスコは1月9日、駐バチカン外交団に年頭の言葉を述べた。
この朝、バチカンの祝福の間で行われた新年の挨拶交換には、バチカンと外交関係を持つ国々・組織の大使・使節が一堂に集まった。
現在、バチカンと外交関係のある国は183カ国。これらに、欧州連合とマルタ騎士団が加わる。
教皇は外交団に向けた言葉で、分裂と戦争が広がる世界にあって、今年が平和の希求の年であることを願われた
この機会に教皇は、大使たちが代表するそれぞれの国の国民と政府に挨拶をおくると共に、名誉教皇ベネディクト16世逝去の際に、各国の当局が寄せた弔意と寄り添いに感謝を表された。
教皇は、昨年の教皇庁と各国の外交関係上の動きとして、新たに4カ国がバチカンとの外交のためにローマ駐在の大使を任命したこと、サントメ・プリンシペ民主共和国、カザフスタン共和国と、新たな2カ国間合意の署名が行われたことを挙げた。
こうした中で、教皇は、尊重的かつ建設的対話のもとに、教皇庁と中華人民共和国が2018年9月22日に北京で締結した司教任命をめぐる暫定合意を、さらに2年延長することで一致したことに触れ、この関係がカトリックの教会生活と中国国民の善への寄与を促すことができるようにと述べた。
聖ヨハネ23世の回勅「地上に平和を」の発表(1963年4月)から、今年で60年を迎えることを紹介しつつ、教皇はこの回勅が書かれた背景には、核戦争の危険を引き起こした1962年10月のキューバ・ミサイル危機の生々しい記憶があったと説明。この時、核兵器の破壊力の影響を自覚し、対話を優先しなかったならば、人類は全滅の一歩を記していただろう、と話した。
しかしながら、今日いまだに核の脅威は回避されず、世界を恐怖と不安に陥れている、と述べた教皇は、「核兵器の所有は倫理に反する」「核兵器による脅しの下では、いつもわれわれ全員が敗者である」と明言した。
教皇は特に「イラン核合意」が中断していることを懸念、より安全な未来のために、一刻も早い具体的解決を願った。
今日、グローバル化した世界で第3次世界大戦が進行している、と話す教皇は、世界の特定の地域で発生している様々な戦争が、事実上、すべての人々を巻き込んでいると指摘。その最も近く、かつ最近の例として、ウクライナにおける戦争の死と破壊を見つめた。
教皇は、戦争は、特に子どもや高齢者、障害者など、最も弱い立場の人々を苦しめ、家族を引き裂き、周辺地域はもとより、ヨーロッパ外にも影響を及ぼし、特にアフリカや中東のエネルギーや食料生産に影響を与えていると述べ、この意味のない戦争を直ちに止めるようアピールした。
他の緊張と紛争の舞台として、教皇は、再生のための改革が必要なシリア、パレスチナとイスラエル間の暴力の増加により多くの犠牲者と相互の不信を生じさせている聖地に言及。
特にエルサレムが「平和の都市」として、出会いと平和的共存の場所・シンボルとなり、聖なる場所におけるアクセスと宗教の自由が保証されることを願うと同時に、イスラエルとパレスチナが二国家解決の実現に向けた直接対話において勇気と決断を見出すことができるよう励ました。
また、教皇は1月末に訪問するアフリカ2カ国について、コンゴ民主共和国では東部における暴力の停止と、安全と共通善のための対話を呼びかけ、また、英国国教会のカンタベリー大主教とスコットランド国教会議長と一緒に訪れる南スーダンでは、人々の平和の叫びに声を合わせ、国内の和解プロセスに役立ちたい、と抱負を述べた。
教皇は、未解決紛争の重い影響が続く南コーカサスの状況に、停戦合意の順守と、捕虜の兵と市民の解放が、和平への道標となることを望んだ。
さらに、教皇は、停戦が続く一方で地雷で多くの市民が命を落としているイエメンや、和平の進展が期待されるエチオピア 、テロに苦しむアフリカ東部などへの憂慮や関心を示した。
アジアに目を向けた教皇は、すでに2年間、暴力と苦しみと死を体験しているミャンマーが対話に向けて歩み出せるよう、国際社会の支援を呼びかけた。
また、教皇は、朝鮮半島について、長く待たれる平和と朝鮮半島のすべての人々の繁栄を築くための、調和への善意と努力を願った。
すべての紛争が、しばしば力による均衡に基づく平和を理由に、新しい武器の生産に頼り続け、その結果、致命的な余波を招いていることを教皇は指摘。
こうした論理を取り除き、統合的な軍縮を進める必要を強調しながら、「死の道具が氾濫する場所に平和はない」と語った。
そのほか、教皇は、聖ヨハネ23世の回勅「地上に平和を」が説くように、平和のための四つの基礎として、真理、正義、連帯、自由を提示。
これらの基礎に照らしながら、人権の尊重や、いのちの擁護、死刑制度の廃止、家庭や子を持つことを恐れる傾向、統合的教育の必要、宗教の自由、他文化との出会いと対話、移民問題、経済と労働、環境保護、政治社会の分極化など、多岐にわたるテーマ・課題に関心を呼びかけられた。□
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◎コンゴの教会、日曜礼拝中に爆発、10人死亡
【CJC】ナイロビ発共同通信によると、コンゴ(旧ザイール)東部の北キブ州カシンディで1月15日、日曜礼拝中の教会で爆発があり少なくとも10人が死亡した。過激派組織「イスラム国」(IS)が関与を主張した。コンゴ軍はISと連携する地元の反政府勢力「民主同盟軍」(ADF)が実行したとみている。ロイター通信などが伝えた。
コンゴ東部では携帯電話に使われるタンタルなどの鉱物を目当てに武装勢力が乱立し、紛争が続いている。AP通信によると、ADFの攻撃による市民の犠牲者は昨年4月以降、少なくとも370人に上る。□
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◎東部ソレダルで抗戦続く、ロ軍に大きな損害=ゼレンスキー氏
【CJC】ソレダル近郊/キーウ(ウクライナ)発ロイター通信(日本語)によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は1月12日のビデオ演説で、東部ソレダルのウクライナ軍は陣地を維持しており、ロシア軍に大きな損失を与えていると述べた。
ゼレンスキー氏は、ソレダルの2部隊に対する感謝を表明し、「持ち場を死守し、敵に大きな損失を与えている」と述べた。詳細は明らかにしなかった。
ゼレンスキー氏はまた、ウクライナ軍の上級司令官と会談し、ソレダルや周辺地域の戦闘に対する増援などについて詳細に分析したと述べた。
ロシアのプーチン大統領の盟友が経営する民間軍事会社ワグネル・グループは、ソレダルを制圧したと宣言していた。ただ、ロシア政府は公式な勝利宣言を控えている。
ロシアが任命した現地当局者はオンライン放送で、ソレダルには「幾つか小さな抵抗地区」が残っていると述べた。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー報道官は、ホワイトハウスで記者団に「(近郊の要衝)バフムトとソレダルの両方がロシア側に落ちたとしても、戦争自体に戦略的な影響を与えることはないだろう」と述べた。ロイターは独自に戦況を確認することができなかった。
ロシアがソレダルを掌握できればバフムトへの攻撃を強化できる可能性が高い。またソレダルには岩塩坑があり、商業的に有利な資産となる可能性もある。
東部ドネツク州のキリレンコ知事は国営テレビに対し、15人の子どもを含む559人の民間人がソレダルに残っており、避難することができないと述べた。□
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◎フィリピンで「ブラックナザレ祭」3年ぶり開催
【CJC】フィリピンの首都マニラで1月8日未明、奇跡的な力を持つと信じられている黒いキリスト像を山車に載せて市内を練り歩く恒例の「ブラックナザレ祭」が開かれた。
さまざまな情報が流れる中、AFP通信(日本語版)によって経緯を紹介する。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で3年ぶりとなった今年の「ブラックナザレ祭」では、感染拡大予防の取り組みとして、本来のキリスト像を登場させず、また例年より1日早い8日に開催し、参加者の数を抑制した。
等身大の黒いキリスト像をめがけて大勢が殺到する祭りは例年、熱狂的な盛り上がりを見せる。黒いキリスト像に触れたり近づいたりすると難しい病気が治るといった幸運が舞い込んでくると広く信じられている。
教会関係者によると、真夜中のミサ後に始まった行進には推定8万人以上が参加。通常であれば数十万人の参加者がある。
ただ、今年は開催当日に参加者が密集しないよう、キリスト像がマニラ市内や近郊の教会を数週間かけて巡回。信者が像を近くで見たり触れたりできるよう機会を設けていた。□
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◎オーストラリアのジョージ・ペル枢機卿死去=少年虐待で逆転無罪
【CJC】シドニー発時事通信によると、オーストラリア最高位のカトリック聖職者で、バチカンの幹部だったジョージ・ペル枢機卿が1月10日、ローマの病院で、心疾患のため死去した。81歳だった。
ペル氏は少年への性的虐待を巡り、下級審で実刑判決を受けたが、最高裁で逆転無罪となった経緯がある。
1941年、豪ビクトリア州生まれ。メルボルンやシドニーの大司教を経て枢機卿となり、2014~191年にバチカンの財務責任者を務めた。
ペル氏はメルボルン大司教当時の1990年代に、10代前半の少年2人に性的虐待を行ったとして起訴された。2019年に一審と控訴審で禁錮6年の刑が言い渡されたが、20年に最高裁は一転して無罪判決を下した。
ペル氏は1月5日、前教皇ベネディクト16世の葬儀に参列したが、関節手術のため入院していた。シドニーで埋葬される予定。□
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《メディア展望》
=カトリック新聞(年初休刊=次号は1月22日付け)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
=KiriShin(1月11日)=http://www.kirishin.com
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▼「安保3文書」の閣議決定に抗議=カトリック正義と平和協議会「平和の枠組み作りの役割を」
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=クリスチャン新聞(年初休刊=次号は1月22日付け)=http://クリスチャン新聞.com
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