蒼き空を翔る守護者達

~ 初心者の戦闘機ファンによる現用戦闘機等の考察 ~

平成三十一年 年頭の御挨拶

空自F-35A

謹んで新年の御祝辞を申し上げます

我が国を取り巻く近年の安全保障環境は、パワーバランスの急激な変化、テロやサイバーなど新たな脅威の出現、厳しいアジア太平洋地域の安全保障環境など、残念な事に一層の厳しさを増している感は否定出来ず、実際、前年に続き昨年も、中国による透明性を欠いた軍事力の強化及び海空域での軍事活動の活発化、北朝鮮による核・ミサイル開発の継続や挑発行為など、我が国の安全に対して重大な脅威となる事案が数多く発生しました。
また、昨年末に能登半島沖で発生した、韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射事件では、実態は兎も角形式的には日本の同盟国であるはずの隣国・韓国の我が国に対する傍若無人ぶりが今更ながら改めて示され、しかも、この事件については日韓両国の言い分が根本から悉く対立し、ついにはレーダーを照射された側の日本が韓国から謝罪を要求されるという全く理解不能な展開になっており、日韓両国間の対立・混迷は、今後も暫くは続くものと推測されます。

近年は、領土・主権・経済権益などをめぐって、純然たる平時とも有事とも言い難い、このような“グレーゾーン”の事態が増加・長期化する傾向にあり、それに加え、周辺国による軍事力の近代化・強化や軍事活動の活発化もより顕著となってきており、我が国を取り巻く安全保障環境は様々な課題や不安定要因がより顕在化・尖鋭化してきております。

第1次世界大戦の開戦からは104年、第二次世界大戦の開戦からは79年、同大戦の終戦からは74年、日本が国家として独立を回復したサンフランシスコ講和条約の発効からは67年、そして、今上陛下の御譲位により平成の御代としては最後の年となり、5月からは皇太子殿下が御即位される事により新元号の元年となる、ある意味で節目の年となる本年も、日本にとっては斯様に依然として厳しい状況が続きそうな様相にありますが、新年の年頭に当たり、日本の国土防衛がより強靭とならん事、日本国民の生命・財産と日本の領土・領空・領海を守り抜く陸海空自衛隊を始め日本の安全保障を担う各機関・部署の更なる前進と発展を、心より祈念申し上げます。

また、航空自衛隊への配備が着々と進んでいる最新鋭の次期戦闘機「F-35A」の更なる拡充や、紆余曲折がありながらも昨年末にほぼ確定した護衛艦「いずも」の事実上の空母化と、同艦に垂直着陸出来る最新鋭の戦闘機「F-35B」導入等の計画の着実なる進展、日本が主体となって国際共同開発する方針が示された次世代戦闘機「F-3」の開発成功、更に、日本の空を護る“蒼き空を翔る守護者達”(戦闘機等)の維持・運用に関わる方々やいつもこのブログを読んで下さる読者の皆様方の御健勝・御繁栄・御多幸も、併せて祈念申し上げます。

当ブログは、開設から7年を迎えましたが、まだ拙く未成熟なブログであり、読者の皆様方に於かれましては本年も何卒一層の御指導・御鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げ、新年の御挨拶とさせて頂きます。

平成三十一己亥年
西暦二千十九年
元旦

(※今回の記事に貼付の「F-35A」の写真は、防衛省の公式サイトからダウンロードしたものです)



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空自F-35A、国内で初めて三沢基地に配備

政府は、平成23年11月、第四次F-X(航空自衛隊の次期主力戦闘機導入計画)に於いて、老朽化した戦闘機F-4EJ改の後継として最新鋭ステルス戦闘機F-35Aを選定し、その後、同機を計42機導入する方針を決めましたが、そのうちの1機が昨日、愛知県の空自小牧基地から青森県の空自三沢基地へと飛来し、国内で初めて、三沢基地に正式に配備されました。
政府によるF-35選定から約6年の年月を経て、ついに、空自所属の実機が、我が国に公式に配備された事になります。

F-35三沢基地_01

F-35三沢基地_03

今回三沢基地に配備されたF-35Aは1機のみで、当面は、実任務ではなくF-35Aパイロットの養成や教育訓練用に使用されますが、今年度中に更に9機が同基地に配備される予定で、近い将来、その10機でステルス機の飛行隊が編成され、中国・ロシアによる領空侵犯への対応(スクランブル)や、北朝鮮による弾道ミサイルの警戒監視活動等の任務に就くとみられます。

防衛省は、F-35Aに、上空から艦船や地上を攻撃出来る長距離巡航ミサイル(航続距離500km)を搭載する計画も進めていますが、これが実現すると日本海上空から北朝鮮内陸部への発射が可能となるため、事実上、敵基地攻撃能力の保有となり憲法との整合性に問題が生じるとの指摘もあるため、この計画については、実現するかどうかはまだ未定です。

なお、昨日午前、閣議後に行われた会見で、小野寺五典防衛相は、F-35Aに関して、「近年、周辺国が航空戦力の増強を急速に進める中、優れた能力を持つF35の配備は安全保障上極めて大きな意義がある」と述べ、また、F-35Aに搭載する計画の、前述の長距離巡航ミサイルについては、「(遠くから発射する事で)相手の脅威圏外から対処出来る」と説明し、それが敵基地攻撃能力を持つとの指摘がある事については「敵基地(攻撃)を目的とするものではない」と否定しました。

小野寺五典防衛相

この度のF-35Aの初配備により、空自は、今後暫くの間はF-4EJ改、F-15J、F-2、F-35Aの、4種の戦闘機を同時に運用する事となり、小野寺防衛相が会見で述べたように、私も、高性能な最新鋭戦闘機であるF-35Aの配備は我が国の抑止力・対処力の観点から、極めて大きな意義があると認識しています。
それにしても、振り返ってみると、開発の遅れやそれに伴う価格の高騰一転して値下げの発表関係者からの苦言など、F-35は今まで常にアクシデントが絶えなかった感があり、今後についても、昨年6月5日の記事で述べたように、我が国にとっては戦闘機生産技術基盤の維持・向上という課題があるわけですが、兎も角、紆余曲折を経ながらも、何とかF-35Aの三沢基地初配備まで辿り着く事が出来、私としても本当にホッとしました!



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国産ステルス実証機「X-2」ラストフライトと、F-2の後継機計画

昨年5月2日の記事では、日本初の国産ステルス実証機「X-2」の試験飛行が初めて行われ、これにより日本は、アメリカ・ロシア・中国に次いで有人ステルス機の飛行を成功させた4ヶ国目の国となりました、という事を紹介致しましたが、そのX-2が、本年10月31日に、最後のテストフライトを行いました。
ラストフライト当日は、飛行開発実験団のT-4(604号機)とF-2B(101号機)がチェイス(試験中の航空機を外から観察して不具合などが無いかを確認する)として随伴し、その3機で岐阜基地を離陸して太平洋の訓練空域に進み、約50分の飛行試験を行いました。

X-2_01

x-2

初飛行から1年7ヶ月で通算34回目、防衛装備庁納入からは32回目のフライトで、これを以てX-2は、各種データの取得を終え、実証機としての役割を終えました。
当初は50回の飛行試験を行うと発表されていたのですが、スピンシュート(スピンから回復する目的で試験機や試作機の機尾に装備される、落下傘に似た形状の傘)の使用期限が10月末で切れるため、その使用期限に合せて10月で終了となった模様です。

X-2

ラストフライトを迎えたという事は、X-2は今後どうなるかの、という事がやはり気になりますが、それについて、ネットの「乗りものニュース」に、『先進技術実証機X-2、お役御免のその後は? 予定の試験を終了、もう飛ばないのか』というタイトルの記事がアップされていました。
以下の鉤括弧内(緑文字)が、先月25日に乗りものニュースにアップされていた、航空軍事評論家 関賢太郎さんによるその記事です。


先進技術実証機X-2、お役御免のその後は? 予定の試験を終了、もう飛ばないのか

「心神」の愛称で知られる先進技術実証機X-2がすべての予定を終了しました。もう飛ぶことはないのでしょうか。

X-2、予定のミッションを完了

2017年10月30日、防衛省/防衛装備庁において試験飛行を実施していた国産ステルス機、先進技術実証機X-2が最終フライトを実施し、予定されていた全試験を完了しました。
X-2は2016年4月22日に初飛行し合計32回のフライトを行い、まず計器動作の確認が行われたのちに高度な飛行制御技術、そして空中におけるステルス性の確認などが実証、検証されました。
また11月19日(日)に開催された岐阜基地航空祭においては、昨年に引き続き2度目となるX-2の一般公開が催され、見学の待ち時間は、ピーク時には数時間にもなるなど注目を集めました。

今後、現在のF-2戦闘機の後継機調達について、X-2で実証された技術を適用する次世代戦闘機を国産するかどうかの方針決定が行われる予定でしたが、11月13日(月)にロイターが報じたところによると、防衛省は次世代戦闘機開発の先送りを検討中であるといいます。これが事実なら、F-2の後継がどうなるのかは不透明な状況といえるでしょう。

現在、日本やアメリカをはじめイギリスなど西側諸国においては、将来型戦闘機のコンセプトが続々と公表され、次世代機がどのような性能を有す必要があるのかある程度の方向性が見えつつあります。たとえば多数のUCAV(無人戦闘航空機)を管制する能力などは共通していますが、そもそもいまだUCAV自体が存在していませんし、実際の開発プランに繋がるものは皆無です。
こうした状況下ではF-2後継機の開発を急ぐのは得策でないとの判断が優勢であるのかもしれません。

飛行試験を終えて、X-2はどうなる?

また現在、実戦配備に向けて準備が進むF-35A「ライトニングII」が、戦闘機の概念を破壊するほど革新的であり、既存機に比べて圧倒的に高性能であることから、当面の優勢はほぼ確実に確保できることも大きいのでしょう。

全飛行試験を終えたX-2は今後どうなるのでしょうか。いくつかの方面から得た情報によると、X-2自体の飛行は今後も継続される可能性があるようです。
X-2自体はT-4練習機のキャノピーや旧T-2練習機の降着装置を流用するなど、実のところとても革新的とは言えない飛行機であり、これが戦闘機として量産化されることはありませんが、純国産のステルス機であり「外国とのしがらみがない」ことから、対ステルス技術の開発や航空機搭載機器のテストベッドとして使われることも十分に考えられます。
ただし公式上のX-2の処遇については「未定」ですから、10月30日の飛行が本当に最後となってもおかしくありません。

終の棲家は「かかみがはら」?

いずれにしても、おそらくX-2は今後も維持され続けるでしょう。1983(昭和58)年に初飛行し、のちにF-2開発の礎となった運動能力向上機T-2CCVは、すべての飛行試験が終了後も保管され続けており、時折、航空祭などにおいて一般公開されています。また、現在改装工事中で2018年にリニューアルオープン予定のかかみがはら航空宇宙科学博物館(岐阜県各務原市)にて、T-2CCVは静態展示されることが決定しています。
X-2も将来的には、かかみがはら航空宇宙科学博物館においてT-2CCVと並んで展示される日がやってくるかもしれません。

なおステルス技術は、外見目視で確認しただけでは計測することができないため、博物館において展示したことによる技術流出は考えられず、すでにアメリカではF-22などが展示されています。


上記の記事中でも少し触れられていますが、X-2が今後再び飛ぶ事があるのかどうかは不明です。しかし、日本の安全保障にとって、それよりも重要なのは、その先にあるF-2戦闘機(下の写真の戦闘機)後継機の開発計画です。

F-2B

現在、航空自衛隊で実戦配備されている3種類の戦闘機のうち、約50機を擁するF-4EJ改は、F-35Aの配備と共に数を減らし、2021年3月までに完全退役します(ちなみに、このブログでは西暦ではなく年号を使う事を原則としていますが、再来年、今上陛下が譲位されて平成の御代が終わる事が決定したため、新年号が確定するまでは、このブログの記事本文でも暫定的に西暦を使う事とします)。
約200機を擁するF-15Jについては、近代化改修した半数の約100機は2030年以降も国防の第一線に就く事が決定していますが、残りの半分の将来は未定です。そして、約90機を擁するF-2は、2030年代には退役を開始すると云われております。
防衛省では、以上の予測に基づき、非近代化型のF-15JとF-2の後継機について検討を進めており、また先送りとなる可能性もありますが、一応、来年度までにはその取得方針を決めるとしています。

その取得方針とは、具体的には「国内開発」「国際共同開発」「外国機の購入」のいずれかとなるわけですが、特にF-2の後継機については、国内開発もしくは国際共同開発を望む声が強いです。
つまり、F-35A導入時のような「外国機の購入」という選択肢は、極力避けたいという事で、日本が直接開発に関わる事で、運用支援態勢が充実し、国内への経済波及効果も見込め、更に、万一F-35とF-15のどちらも故障した場合も防空戦力が維持出来るというメリットもあります。


この「F-2の後継機」に関して、軍用機情報の月刊誌「Jウイング」の最新号である2018年1月号に、『「F-2後継機」計画を斬る!』というタイトルの、とても興味深いインタビュー記事が載っていました。以下の鉤括弧内(緑文字)が、かつて航空機開発の現場で設計に携わっていた未須本有生(みすもとゆうき)さんへのそのインタビューです。

F-2後継機の方針を決める期限が来年度に迫っています。ここでは、戦後日本が開発したF-1、F-2戦闘機を振り返りながら、次のF-2後継機がどのような戦闘機になりそうかお話を聞かせてください。

F-1も、F-2も、その当時の日本の航空産業にとっては大変高いハードルへの挑戦だったと思います。
F-1支援戦闘機はT-2高等練習機とひと続きの開発ということができます。まずT-2で超音速の領域を切り開き、次いで武装を積んでミッションを可能としたのがF-1です。当時の日本の航空産業にとって超音速はまったく未知の領域でしたから、T-2開発はとてつもない苦労だったと思います。ウエポンシステムを手掛けるのも初めてでしたから、F-1ではとりあえず空対空、空対艦、空対地ミッションを可能にすることが目標でした。
T-2・F-1のことを「英仏共同開発のジャギュア攻撃機の真似」と揶揄する向きもありますが、それは酷というものです。日本の航空機開発は、その機会が少ないにも関わらず絶対成功しなければなりません。機体形状で同じエンジンを積んだジャギュアを参考にし、システムで当時自衛隊が運用していたF-104を参考にしたのは、失敗しないためのセオリーと言うべきです。

―― F-2の開発はどんなプロジェクトだったのでしょうか?

F-2戦闘機は、F-1の開発終了直後に構想がスタートして、20年後に完成した「F-1の後継機」です。F-1に比べて、より具体的な運用構想を持っていたことが特徴です。“○○基地から××海里飛行し、☆発の対艦ミサイルを発射してF-2A◎機につき敵艦◇隻を沈黙させる”というものです。F-1の開発とF-15のライセンス生産の経験があったので、超音速飛行は特に問題になりませんでした。F-2開発でハードルになったのは、国産ミサイルの搭載や国内技術(複合材一体形成、AESレーダー、統合電子戦)の反映であり、後に米国からソースコードが開示されなかったフライ・バイ・ワイヤの自力開発も大きな挑戦でした。
F-2にも「米国との共同開発でなく純国産であれば、もっといい戦闘機ができた」と残念がる声がありますが、個人的には、米国戦闘機F-16Cブロック40を開発の出発点にすることができたので、空力、装備、構造面でのリスクが少なくて済んだと思っています。

―― そしていよいよ、「F-2後継機」です。防衛装備庁は将来戦闘機のイメージを発表しています。

これが私には問題山積に見えるんですよ。まず「ステルス」のハードルが異様に高いのではないかと思います。
誰も指摘しませんが、先進技術実証機X-2は超音速で飛べたのでしょうか。X-2ではステルス性確保のため「曲がりダクト」を採用しています。元・空力屋としては、あのダクトを通った空気流で、X-2のエンジンが見込んでいた推力を発揮できたかどうか気になります。ステルスインテークとエンジンのマッチングは、かなり難しいと思われます。
機体表面に塗布する電波吸収材(RAM)の扱いも厄介です。あれは有害物質だそうです。かつてのF-117戦闘機のように特別な配慮が必要であれば、部隊で運用するのにかなり苦労すると思います。
最大の問題だと思うのは「ウエポンの機内装備」です。ステルス機にとってウエポン内装は必須条件ですが、高速飛行中に扉を開き、ミサイルの頭を出して照準し、Gをかけながら発射して、扉を閉じる…というものを作れるのかどうか。日本が作った飛行機で、機内に搭載したミサイルを発射するのは、海上自衛隊のP-1哨戒機くらいです。とても経験の乏しい分野なのです。
また国産エンジンは常にパワー不足の心配がありますし、海外メーカーのエンジンに日本の推力偏向ノズルをを付けるとなるとかなり揉めるでしょう。高機動性は妥協せざるを得ないのではないでしょうか?他にも、三次元的な主翼の設計など、これまで以上の技術が必要です。
さらに私が不安に思うのは、F-2後継機の話題の中に、F-2開発時のような運用構想が見えてこないことです。防衛省が出した資料を見ても“アレができる、コレができる”ということは書いてあるのに、“どういうミッションをやらせたいから、こういう飛行機が必要”という基本要求につながる話がない。

―― たしかに聞きません。戦い方によっては、F-2後継機はステルス機でなくてもいいのかも…

それもひとつの判断だと思います。ステルス性の要求は、開発のあらゆる面において大きな足かせですから。これを外したとき、時間と費用がどれだけ浮くかは議論すべきです。
しかもステルス機が真価を発揮するのは、敵地に侵攻するときです。それは専守防衛の戦い方ではない。日本に必要なのは、攻められたときに敵機や敵艦を迎え撃って、国土と国民を守る力でしょう?そのシナリオにおいて、F-35の他にもう1機種、ステルス戦闘機が要るのかどうか、考えてみる価値はあるのではないでしょうか。


なるほど、と頷ける指摘も多く、個人的にはなかなか興味深いインタビュー記事でした。



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F-35A国産初号機 三菱重工業の工場で初公開、神事も執り行われる

米ロッキード・マーティン社製の、航空自衛隊の戦闘機「F-35A」は、既に4機が防衛省に引き渡されており、現在、空自のパイロット達が米西部アリゾナ州の空軍基地で訓練を行っておりますが、今日は、我が国の国内企業が製造に参加した、国内で生産されたF-35Aが、愛知県豊山町の三菱重工業小牧南工場で初めて公開されました。

以下の写真2枚は、今日お披露目されたその国内生産初号機のF-35Aの前で斎行された神事の様子です。日米両政府や防衛産業の首脳陣など約200名が参列したとの事です。
なお、戦闘機と神事の関係については、一昨年4月3日の記事で詳述しておりますので、興味のある方はそちらも御参照下さい。

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防衛省はこのF-35Aを、平成36年までに計42機を取得する計画で、ロシアや、航空戦力の増強を進める中国に対し、米軍と共に優勢を確保する狙いがあります。
この42機のうち、現在米国で訓練中の前述の4機以外の38機は、国内企業が製造に参加し、今年度中に計2機が防衛省に納入される予定です。

ちなみに、3タイプあるF-35のうち、空自は通常の滑走路で離着陸するA型を運用しますが、米海兵隊は、垂直離着艦できるB型10機を、既に山口県の米軍岩国基地に配備しています。

ところで、国産のF-35Aには、課題もあります。
日本企業では三菱重工業がF-35Aの最終組み立てを担当し、他の国内2社がエンジンの組み立てやレーダー部品の製造などを担当しているのですが、レーダーなどの部品製造は全体のごく一部に限られており、最終組み立ては、実質、米ロッキード・マーチン社などから提供された部品の溶接や塗装を行うだけであるため、一部からは「プラモデルを作るようなもの」と揶揄されています。
空自のF-15やF-4EJ改のようにライセンス料を支払って部品の大半を製造する「ライセンス国産」とは異なるため、技術基盤の向上には繋がりにくく、戦闘機生産技術基盤の維持・向上が、日本にっての今後の課題となります。

ちなみに、国内での本格的な戦闘機製造は、平成23年度のF-2の調達終了で途絶えており、その後は、東日本大震災の津波で水没したF-2の機体を活用し、昨年度までに13機の修復をしただけです。



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F-35Bは「いずも」や「かが」に艦載されるのか?

F35B

今から4年近く前の平成25年7月19日の記事で、日本政府がF-35Bを護衛艦の艦載機として導入する事を検討している、と報じられたニュースを紹介しましたが、その後、F-35Bを艦載機として導入する事が正式に決まった、もしくはほぼ決まった、というようなニュースは聞きません。
結局この件はどうなったのだろう、と思っていたら、今月23日、ネットニュースサイトの「乗りものニュース」に、航空軍事評論家の関賢太郎さんによる、『海自ヘリ空母「かが」就役 F-35Bは結局のところ搭載できるのか? その運用は?』というタイトルの実に興味深い記事がアップされました。

結論としては、現状ではまだ結論も、明確な方向性も出てはいないようですが、技術的には、F-35Bの艦載は特に困難な事は無く、やろうと思えば十分可能なようです。
以下の鉤括弧内に、その記事の全文(緑文字)を転載します。


護衛艦「かが」が就役しました。結局のところ、「かが」や「いずも」といったヘリ空母にF-35Bは搭載できるのでしょうか。搭載できたとして、意味はあるのでしょうか。

護衛艦「かが」就役、海自4艦目のヘリ空母

2017年3月22日(水)、海上自衛隊の新型護衛艦であるヘリ空母「かが」が就役し、同艦を建造したジャパンマリンユナイテッド磯子工場において式典が実施されました。「かが」はいずも型護衛艦の二番艦であり、海上自衛隊においては「いずも」およびひゅうが型の「ひゅうが」「いせ」に加えて4艦目のヘリ空母になります。

いずも型はひゅうが型に比べてはるかに大きく、また武装に充実したひゅうが型とは異なり個艦防御用には最小限の20mm機関砲と短射程ミサイルしか搭載しないことから、航空母艦としての航空機運用能力をより重視した護衛艦であるといえます。
それゆえいずも型に対しては、アメリカ海兵隊において2015年に就役したばかりの最新鋭短距離離陸・垂直着陸戦闘機F-35B「ライトニングII」を艦載する能力について、かねてより議論があります。防衛省が公式の場でF-35Bの艦載について言及したことはありませんが、各種メディアなどではたびたびF-35B搭載論が登場します。

結論から言うと、いずも型にF-35Bを搭載すること自体には何ら物理的な障害はなく、可能であると推測されます。戦闘機を運用する上で阻害となる飛行甲板に設置された20mm機関砲「ファランクス」の移転や、必須ではありませんが船首に勾配を設けた飛行甲板「スキージャンプ」を設けるなど、それほど大きくない改修のみで対応は可能とみられます。

可能であってもそれを実行しないワケ

いずも型にF-35B戦闘機を搭載することは可能でしょう。
ただ、それだけでは戦力として機能しないので、戦闘機以外にも緊急脱出したパイロットを救助するためのMCH-101やV-22といった救難捜索機または輸送ヘリ・ティルトローター機を3機から4機、さらにMCH-101ないしV-22を原型とした早期警戒管制機3機から4機、加えて既存のSH-60K哨戒ヘリが3機から4機必須であり、また可能ならばV-22空中給油機型が1機から2機欲しいところです。
以上のように、少なく見積もっても戦闘機以外に十数機程度のヘリを搭載しなくてはならないので、いずも型で実際に運用可能なF-35Bは8機程度、ヘリを減らしても12機が限界となるでしょう。

ただしこれらはあくまでも物理的な話であり、日本の安全保障においてはいずも型でF-35Bを運用する合理的な理由はまったくありません。なぜならば本国から遠く離れた地に対して戦闘機を派遣する必要が無いからです。
日本およびその周辺において戦闘機を運用する必要があるならば、陸上の飛行場を使えばこと足ります。たとえば那覇基地から約400km離れた尖閣諸島で有事になったとしても、超音速巡航が可能な通常離着陸型F-35Aならば片道20分で到着できます。

さらに、海上自衛隊には戦闘機運用の基盤がありません。いずも型に対して8機ないし12機の戦闘機を搭載するならば、60年にわたる戦闘機運用の基盤がある航空自衛隊において、F-35Aを一個飛行隊(約20機)増強するか、KC-767やKC-46といった空中給油機を数機増やしたほうが、はるかにコストパフォーマンスに優れた選択であるといえるでしょう。
以上はしかし、すべてを合理的に判断した場合の考察です。

合理的ではなくとも可能ならば実行しかねないワケ

「守るも攻めるもくろがねの 浮かべる城ぞ頼みなる」
『軍艦行進曲』でうたわれる「頼みなる城」とは、かつて巨大な戦艦でした。そしていま、城の役割は空母へと移り変わっています。城は純粋に要塞として機能するだけではなく、ときに国家の威信や象徴としても機能します。

戦闘機を搭載する本格的な空母を導入し一国一城の主となることは、海上自衛隊ひいては日本政府にとって悲願であり、ペーパープランに限っても、古くは1950年代の海上自衛隊創設期にまでさかのぼることができます。また1970年代に入ると、イギリスにおいて実用化された画期的な垂直離着陸(VTOL)戦闘機、ホーカー・シドレー「ハリアー」と空母はセットで語られるようになります。

これまでこうした計画はすべて潰えてきましたが、安全保障に限らず政府による政策のすべてが合理的であるとは限らないことを考えるならば、「いずも」「かが」という器を手にした日本が、F-35Bという酒を注ぎこむ未来は十分にあり得ると言えるのかもしれません。


昨年2月5日の記事で紹介した、かわぐちかいじ氏の架空戦記マンガ『空母いぶき』の中では、いずも型護衛艦をモデルとした架空の航空機搭載型護衛艦(軽空母)で、主人公達が乗艦する「いぶき」は、専守防衛のための対潜水艦用の名目で、F-35JBを15機艦載しています。
興味深いのは、操艦は海上自衛隊が、航空管制は航空自衛隊がそれぞれ担当し、洋上での「いぶき」は海上自衛隊と航空自衛隊により協同運用されているのですが、もし、「いずも」や「かが」に実際にF-35Bが現実に艦載されるとしたら、現実世界でも、そのような形で運用される事になるかもしれませんね。

もっとも、前出(緑文字)の記事中で「いずも型でF-35Bを運用する合理的な理由はまったくありません」と述べられているように、F-35Bを護衛艦の艦載機として運用するのが合理的であるのか否かを突き詰めて考えると、現時点では、それが実現する可能性はかなり低いであろうと思いますが。
我が国の安全保障の観点からは、F-35Bを艦載機として導入するよりも、老朽化が進んでいる古参機のため「じいさん」と称される事もある空自のF-4EJ改の全機を、早急にF-35Aに置き換える事を優先したほうが、ずっと合理的であろうと思います。

護衛艦「かが」

上の写真は、今月22日に就役したばかりの、いずも型護衛艦の2番艦「かが」です。海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)で、1番艦の「いずも」と共に海上自衛隊では最大の艦艇です。
将来もし、F-35Bが護衛艦に艦載されるとしたら(今の所はされない可能性のほうが高そうですが)、このいずも型護衛艦に艦載される事になりそうです。



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