ダウンロード (15) このBANGLESのプロモ来日させようとしている頃、部門的には別のアーティストの仕掛もやってました。これはあらためて書きますがTOMMY CONWELLというイキのいい新人ロックン・ローラーをブレイクさせようとしていました。彼のアルバム発売に伴ってNY、ボトムラインでのライブへメディア関係者の大デレゲーションを行ってます。私、このアーティストにはチームの責任者として関わってますので、BANGLES案件やりながら、NYでのボトムライン取材陣にアテンドする事になってました。ま、そういうことです。

ダウンロード (19) BANGLESに関しては直接担当者の私です。88年10月BANGLESプロモ来日(11月)の打ち合わせをかねて事前取材もありLA出張へ参りました。LA在の業界人気カメラマン、ウィリアム・ヘイムズさんに写真撮影他、そのままインタビューまでやってもらいます。利便性高きヘイムズ・ワークに頼ってます。LA空港から車借りて、そのままハリウッドの取材場所に向かいます。IRSを主宰している、マイルス・コープランドの屋敷でやってます。あのポリスのドラムス、スチュワート・コープランドの兄貴ですね。残念ながら本人は不在だと聞かされてました。有名業界人ですので会ってみたかったです。

BANGLESは、このマイルスの秘蔵っ子バンドです。空港から直接住所だけを頼りに取材場所に向かいますが、有名なHOLLYWOODの看板がある山の方でした。アメリカは住所表示が明確なので、行くことはさほどの問題はありませんが、なにせ表札なんてでておりません。ここで間違いないよな、って感じでドキドキしながら屋敷のベルをピンポ~ンですよ。
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images (1) ちなみに、このマイルス・コープランドはthe POLICEのマネージャーでしたし、IRSレコードを立ち上げてREM,GO-GO'S そしてBANGLESなどを成功させています。マネージメント会社名がLAPD。もちろん、ロス警察と同じ名前ですね。IRSは国税庁ですし、CIAという会社ももってます。FBIもあったかもしれません。すべて州や国の組織名をギャグにしたエンタメ会社です。そういうシャレっ気たっぷりの業界VIPです。

ダウンロード (20) インタフォーン越しに自己紹介すると、ス―って鉄製のゲイトが開いて、中にどうぞ状態です。車はどこでも停めれそうな広い屋敷でしたが、遠慮深く、やたら隅っこの方に停めるという奥ゆかしさ。この雰囲気にビビりながら"こういうのに慣れてますよ"って顔しつつ、出てきたプロレスラーのようなセキュリティに挨拶。取材の部屋はどこなの?って訊いてます。

到着便が遅れたので取材はすでにスタート。ヘイムズ君が一生懸命やってくれてます。顔見てほっとします。いくつかのメディア相乗りヴィデオ・インタビューの真っ盛りです。これ結構得意技にしています。アーティスト側もこういう入れ替わり立ち代わりじゃない取材スタイルは嬉しいはずです。初めて会ったメンバーは、スザンヌホフス以外女子どものガタイの大きさに驚きです。ピータソン姉妹のどっちかのカタワレにハグされてると、女子プロレスラーに技かけられたみたいな感じになります。みんな日本に来てくれることを楽しみしています。
ダウンロード (6) ま、てな感じで取材にアテンドし、必要な素材おさえて、脇にいた太めのおばちゃんマネージャーとプロモ来日の内容を確認です。特にTV番組でのパフォーマンスや疑似ショーケースを企画していたので、実際どこまでの演出が可能か一番のポイントでした。演奏はアテぶりなのか、歌はリップシンクなのか、生でも歌ってくれるのか。はたまた契約している楽器メーカーなども聞いておかないと、シューティングの現場で勝手なもの準備できません。

こういうのは非常に大事な話なので、打ち合わせ終わった後に速攻会社に電話して渉外部隊のスタッフに文字上でもマネージメントに確認してもらいます。時代的にTELEXですね。私のテキトーな英語でしのげるものとそうじゃないハイ・レベルのものありますからね。

到着したその日のうちに、取材と打ち合わせは終わりヘイムズとメシ食ってやっとチェックイン。ホテルはLE PARCですね、このホテルこの時だけしか使ってないのでよく覚えています。LAは一泊だけで、翌日NYへ向い、TOMMY CONWELL取材陣に合流します。西から東へ向かうので、時差いれて8時間所要。ほぼ一日つぶれます。

images (31) プロモ来日決まったのは嬉しいのですが、ひとつ心配事もありました。もちろんメディア露出のクォリティなどの懸念は論外です。4人組の女性バンドですし、持ってくる荷物の量がハンパないのでは、です。それまで幾多かのバンドの来日公演にアテンドした経験からですが、そもそも欧米人って旅行の荷物が異常に多いのです。

ゲルマン民族の大移動のDNAがあるからでしょうが、家の中のもの全部運んでんじゃないのっていいたくなるような荷物の多さです。しかもね、大雑把なのよね。他に浮かばないのでショーもない例えで恐縮ですが、自宅で飲んでる大きな瓶入りビタミン剤があるとなると、そのまま持ってくるのね。滞在分だけ小分けにしろよ、ってつっこみたくなりますが、大体がそういうことです。

アメリカ人の場合は車での移動が前提ですし、特にアーティスト達は自分で運ぶって事はありません。誰かがやってくれるので少なくまとめようとする発想すらありません。必要なものだけいくらでも持ってきます。しかもこのプロモ滞在中は大阪へも往復します。これが悩みの種です。荷物が極端に多そうなアメリカ人の女性4人組です。マネージャーも女子。その量を想像しただけでも、ドキドキします。空港での荷物ピックアップ&運搬の大変さが浮かびます。会社のライトバン1台におさまりそうもありません。新幹線に乗り込むときの大変さが浮かびます。来日前から、この荷物の事は私の頭を悩ませてました。興行会社のスタッフなら、朝飯前のお茶の子さいさいでしょうがね。

でね、私この荷物対策で必殺の一石二鳥アイデアひらめきました。完璧な自画自賛ですが、本当に素晴らしいアイデアなんですよ。