2014年ブラジルワールドカップはドイツ代表が優勝。この優勝に大きな流れを感じるのは、私だけではないだろう。その大きな流れとは、2008年ユーロから始まったスペイン代表の躍進、ペップバルサの躍進だ。
スペイン代表から始まった現在の流行
ある意味でスペインが長年目指してきたサッカーに実力が伴った結果だと言える。そのサッカーはポゼッション重視、ショートパスで相手を崩すスタイルと言えるだろう。2008年のユーロ、2010年ワールドカップ 、2012年ユーロでスペイン代表は優勝した。これはサッカー史的にも、大きな意味を持つスペイン代表の成果だと言えるが、それは同時にシャビ、イニエスタなど、バルサ所属の選手の能力に依存するサッカーでもあった。さらに私が最も重視したいのが、守備陣の働きだ。ブスケツ、シャビ・アロンソ、プジョル、ピケ、ラモス、カシージャスなどの存在によって、チームのバランスは保たれた。堅守でありながら、ポゼッション志向のチームだったと言える。
そして2014ワールドカップのドイツ代表はスペイン代表に似たようなチームであった。違いがあるとすれば、スペイン代表は、ドイツ代表ほどディフェンスにおいてGKに依存していないチームではあったといえる。プジョルやラモスなど機動力もあるCBが存在していたことが、大きな要因であり、違いを生み出した。当然、GKのカシージャスも優秀だった。しかし、チームコンセプトはポゼッションによってゲームをコントロールすることで共通する部分だと言える。
試合のペースをポゼッションによって、うまくコントロールするチームであり、強力なDF、GKを有するチーム。このようなチームは現在、代表の強豪国において流行しているチームの形だと言えるだろう。
戦術の世界での流行とは
欧州というサッカーの中心地で、強豪国の代表チームが取り入れるチームコンセプト、スタイルの流行は、それが効率的であると強豪国から考えられているからこそ、流行しているのだろう。
「戦術に、はやりがあるのは、それが効率的だからだ」
これは将棋の棋士、渡辺明の言葉だ。将棋の世界では、PCの発展などもあって、戦術の研究が盛んであり、毎日のように何か新しい一手、解決策を研究している。これは個人的にサッカーの戦術の世界とも共通する部分だと考えている。
サッカー強豪国の代表チームが、ポゼッションをチームコンセプトとする理由は、ゲームコントロールだけでなく、ユーロやワールドカップといった過密スケジュールの国際大会の場合にはペースをコントロールし、その後のコンディション調整がやりやすいからこそ、取り入れられていると考えている。
たとえば今、CLで活躍するドルトムントに代表される、インテンシティ重視のチームは、とても強力だが、国際大会の過密スケジュールでは、コンディションを保つことが難しいのではないか。あまりにもハードワークしすぎるチーム、ポゼッションを捨ててしまうチームは、善戦することはできても優勝することが難しい、と考えられているのではないだろうか。これは決して、ハードワークを批判する内容ではない。ポゼッションを重視するにしても、ハードワークは必要になってくる。しかし、ハードワーク、ダイレクトな攻撃だけを重視するチームでは優勝は厳しくなるというひとつの仮説だ。スペイン代表の2008、2010、2012年の優勝、ドイツ代表の2014年の優勝は、この仮説の裏付けとして、ある程度の説得力のある事実だと感じている。また、優勝チームだけでなく、2010に準優勝、2014に3位のオランダ代表や2008準優勝のイタリア代表、2014のアルゼンチン代表もある程度、ボールポゼッションを重視していただろうと考えている。
現在、イングランド代表もポゼッションを重視するスタイルを取り入れだしており、それに適応できるスターリング、ウィルクシャーなどの若手選手が出てきている。
イタリア代表と流行
イタリア代表は、2014ワールドカップ、グループリーグ敗退となった。しかし、イタリア代表のチームコンセプトは前述した流行と合致する。ピルロ、デロッシ、モッタなどの選手によって、中盤でのポゼッション を重視することは流行を追いかけた形になるだろう。このスタイルはプランデッリが、イタリア代表の監督していたころからの、一貫したスタイルだった。
そして、現在のイタリア代表もまた、ボールポゼッションを重視するチームだ。コンテ監督の下、3-5-2という形か4-1-4-1という形でのボールポゼッション重視のサッカースタイルでユーロの予選を戦うだろう。このスタイルはコンテがユベントスの監督だった時から一貫したスタイルだった。
流行するスタイルの落とし穴
ここでさらに考えなければならないのは、流行のポゼッションを重視するスタイルには、DF、GKに強固な選手がいることが必要であるという点だ。そこを欠いてしまうと、2014のスペイン代表やイタリア代表のように、チームバランスが崩れて、グループリーグで姿を消すことになってしまう。ポゼッションを重視することは、相手にスペースを与えてしまう機会が増えることにもつながる。だからこそ、相手のカウンターに耐えうる強固なDF、GKは必要不可欠であり、そこを欠いてしまうと、格下に敗戦してしまい、グループリーグ敗退する可能性が高まってしまう。
大会全体のことを考えれば、強豪国にとって効率的に見えるが、早期敗退という落とし穴も十分に考慮しなければならないスタイルといえるだろう。
スペイン代表から始まった現在の流行
ある意味でスペインが長年目指してきたサッカーに実力が伴った結果だと言える。そのサッカーはポゼッション重視、ショートパスで相手を崩すスタイルと言えるだろう。2008年のユーロ、2010年ワールドカップ 、2012年ユーロでスペイン代表は優勝した。これはサッカー史的にも、大きな意味を持つスペイン代表の成果だと言えるが、それは同時にシャビ、イニエスタなど、バルサ所属の選手の能力に依存するサッカーでもあった。さらに私が最も重視したいのが、守備陣の働きだ。ブスケツ、シャビ・アロンソ、プジョル、ピケ、ラモス、カシージャスなどの存在によって、チームのバランスは保たれた。堅守でありながら、ポゼッション志向のチームだったと言える。
そして2014ワールドカップのドイツ代表はスペイン代表に似たようなチームであった。違いがあるとすれば、スペイン代表は、ドイツ代表ほどディフェンスにおいてGKに依存していないチームではあったといえる。プジョルやラモスなど機動力もあるCBが存在していたことが、大きな要因であり、違いを生み出した。当然、GKのカシージャスも優秀だった。しかし、チームコンセプトはポゼッションによってゲームをコントロールすることで共通する部分だと言える。
試合のペースをポゼッションによって、うまくコントロールするチームであり、強力なDF、GKを有するチーム。このようなチームは現在、代表の強豪国において流行しているチームの形だと言えるだろう。
戦術の世界での流行とは
欧州というサッカーの中心地で、強豪国の代表チームが取り入れるチームコンセプト、スタイルの流行は、それが効率的であると強豪国から考えられているからこそ、流行しているのだろう。
「戦術に、はやりがあるのは、それが効率的だからだ」
これは将棋の棋士、渡辺明の言葉だ。将棋の世界では、PCの発展などもあって、戦術の研究が盛んであり、毎日のように何か新しい一手、解決策を研究している。これは個人的にサッカーの戦術の世界とも共通する部分だと考えている。
サッカー強豪国の代表チームが、ポゼッションをチームコンセプトとする理由は、ゲームコントロールだけでなく、ユーロやワールドカップといった過密スケジュールの国際大会の場合にはペースをコントロールし、その後のコンディション調整がやりやすいからこそ、取り入れられていると考えている。
たとえば今、CLで活躍するドルトムントに代表される、インテンシティ重視のチームは、とても強力だが、国際大会の過密スケジュールでは、コンディションを保つことが難しいのではないか。あまりにもハードワークしすぎるチーム、ポゼッションを捨ててしまうチームは、善戦することはできても優勝することが難しい、と考えられているのではないだろうか。これは決して、ハードワークを批判する内容ではない。ポゼッションを重視するにしても、ハードワークは必要になってくる。しかし、ハードワーク、ダイレクトな攻撃だけを重視するチームでは優勝は厳しくなるというひとつの仮説だ。スペイン代表の2008、2010、2012年の優勝、ドイツ代表の2014年の優勝は、この仮説の裏付けとして、ある程度の説得力のある事実だと感じている。また、優勝チームだけでなく、2010に準優勝、2014に3位のオランダ代表や2008準優勝のイタリア代表、2014のアルゼンチン代表もある程度、ボールポゼッションを重視していただろうと考えている。
現在、イングランド代表もポゼッションを重視するスタイルを取り入れだしており、それに適応できるスターリング、ウィルクシャーなどの若手選手が出てきている。
イタリア代表と流行
イタリア代表は、2014ワールドカップ、グループリーグ敗退となった。しかし、イタリア代表のチームコンセプトは前述した流行と合致する。ピルロ、デロッシ、モッタなどの選手によって、中盤でのポゼッション を重視することは流行を追いかけた形になるだろう。このスタイルはプランデッリが、イタリア代表の監督していたころからの、一貫したスタイルだった。
そして、現在のイタリア代表もまた、ボールポゼッションを重視するチームだ。コンテ監督の下、3-5-2という形か4-1-4-1という形でのボールポゼッション重視のサッカースタイルでユーロの予選を戦うだろう。このスタイルはコンテがユベントスの監督だった時から一貫したスタイルだった。
流行するスタイルの落とし穴
ここでさらに考えなければならないのは、流行のポゼッションを重視するスタイルには、DF、GKに強固な選手がいることが必要であるという点だ。そこを欠いてしまうと、2014のスペイン代表やイタリア代表のように、チームバランスが崩れて、グループリーグで姿を消すことになってしまう。ポゼッションを重視することは、相手にスペースを与えてしまう機会が増えることにもつながる。だからこそ、相手のカウンターに耐えうる強固なDF、GKは必要不可欠であり、そこを欠いてしまうと、格下に敗戦してしまい、グループリーグ敗退する可能性が高まってしまう。
大会全体のことを考えれば、強豪国にとって効率的に見えるが、早期敗退という落とし穴も十分に考慮しなければならないスタイルといえるだろう。
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