前半
イタリアは、できるだけボールを保持して攻撃したい方針。そのために欠かせないのがボールを保持するために、ボールを奪うこと。この試合ではイタリアがボールを奪うための工夫が見られたので、そこを先に紹介したい。

ポルトガルが自陣でボールを保持しているときには、イタリアがMFの形をポルトガルに合わせてプレスする場面が多く見られた。そして、イタリアがポルトガルにロングボールを蹴らせていき、ボールを奪うというのが狙いだったのだろう。前半は、その狙いがハマって、イタリアがボールを保持することが多かった。
ただし、両者の運動量が落ち着いた時間帯には、ポルトガルもボール保持から前進させる場面もあった。ポルトガルはボールを前進させる際には、WGを起点にしてボールを運んでいた。SBからWGへのパスラインを利用しながらボールを運んでいく。これはイタリアのプレスがセオリーに沿って、中央を切り、外へ誘導させる形だったため可能なビルドアップ方法だった。ポルトガルのフィニッシュもサイドからという形。さらにポルトガルのCMFが、イタリアのライン間を狙う場面も見られた。ポルトガルはバランスよく、外からも中からも、攻撃していく。ただ、シュートまで持ち込む場面は少なかった。
イタリアがボールを保持した場合、ピルロが下りてきて3バックになる仕組みでボールを運んでいく。しかし、この試合ではポルトガルも狙いを持って、守備していたように感じた。
ポルトガルが守備する際には、イタリアのSBをかなり警戒していたようだ。そのためポルトガルの中央に多少スペースができても、SBにはWGがマンマーク気味につくような場面が多く見られた。そのため、イタリアとしては中からボールを運んでいく。
追記、マンマーク気味という表現は誤り。どちらかといえば、横幅を5人で守るので、イタリアのSBが空くことがなかったのだと考え直しました。また、イタリアの攻撃に大きな展開、ワンタッチが少なかったのも、影響したような気がします。
イタリアは、ポルトガルのMFとDFのライン間を狙い、そこを起点にボールを前進させてフィニッシュまで持ち込もうとするが、それがなかなか上手くいかなかった。ポルトガルが中からボールを運んでくると読んでいたことや、単純にイタリア人MFのライン間でボールを受けるスキルが足りなかったことが、イタリアの攻撃を停滞させた原因だったように考えている。また、FWのインモービレのボールの引き出し方が単調だったため、ポルトガルにフィニッシュの形を読みきられていたようにも見えた。
ポルトガルは前半の途中にコエントランが負傷し、エリゼウがLSB。
後半
後半からポルトガルは選手交代。チアゴ、ヴァニーニャが下がり、シウバ、ソアレスが入る。さらにポルトガルのWGのサイドが入れ替わっていた。
後半の早い時間帯に、ポルトガルがカウンター攻撃から先制する。ポルトガルが、ボールをライン間で受けたカンドレーバから奪うと、前半途中からコエントランと交代したLSBエリゼウがソリアーノのトランジションでのプレスをドリブル突破し、左サイドのクアレスマへパス。そのクアレスマのクロスをエデルがゴールへ叩き込んで、ポルトガルが先制する。
その後はポルトガルが前からのプレスを交えながら、イタリアに主導権を与えない。そしてイタリアは60分にソリアーノからバスケスへ選手交代。バスケスはトップ下を本職とする選手。そのためイタリアは布陣を4-2-3-1のような形にして攻勢にでる。ポルトガルも同じタイミングで、アウベスに代えてカリッソ。
イタリアは、4-2-3-1ならば前半のように選手が上がる必要はなく、そのままプレスできる。しかし、ポルトガルもSBからWGのパスラインを使いながら、ボールを運んでいき、一方的にイタリアに主導権を与えない。
こうして、ポルトガルが優位なまま時間が過ぎていく。そして、イタリアは65分から75分までの間に、ガッビアディーニ、サンソーネ、パスクアレ、パローロ、マトリとフレッシュな選手を次々に交代させていく。

そして、イタリアはポルトガルの守備ブロックの外からでも、強引に攻撃していき、セットプレーやミドルシュートなどでチャンスを作るものの、決めきれずに試合終了。ポルトガルがうまく逃げ切って勝利。
感想
ソリアーノを上げてプレスという形はおもしろかったが、ポルトガルもSBとWGのラインやサイドチェンジを使いながらプレスを回避していた。ポルトガルが先制後も、主導権を完全にイタリアへは渡さないような、したたかさを見せてくれた。
ポルトガルの得点シーンの起点となってしまったのが、カンドレーバのライン間でのボールロストと、ソリアーノのトランジションでのプレスを突破されたことだった。ここでは油断のようなものをイタリアに感じたがどうだっただろうか。また、この試合は日程的にイタリアの選手にとっては、厳しかったことも影響していたのだろう。逆にポルトガルとしてはエリゼウからクアレスマへと、前半と後半に変更を加えたところから得点が生まれた。コエントランの負傷はアクシデントだったが、WGの左右入れ替えは、前半途中からか、後半からだったので、修正が大当たりした形だった。
この試合のイタリアの問題点は、前述したように相手のライン間を活用するプレーから、フィニッシュへ攻撃を繋げられなかったことだったように感じた。今のイタリアには、ライン間で素早くボールを回すことが得意な選手が少ないので、その弱点をつかれたというような試合だった。ただ、コンテがバスケスをトップ下に入れたことは評価したい。バスケスはスピードがあるとは言えないが、ドリブル能力が高く、アシスト能力も高いので、ライン間から攻略するプレーには期待できる選手であり、この交代自体は試合展開からいうと妥当な交代だった。ただし、バスケスが期待したようなパフォーマンスだったかというと、期待はずれだった。次に期待したい。
さて、この試合の結果を受けて、イタリア代表は次のワールドカップ予選から、第二ポッドにはいることになった。これはランキングでクロアチアに抜かれたため、第一から第二へ降格したという形だ。このことについても、一度記事にしようとは考えているが、今更6月の試合の記事をアップする管理人なので、あまり期待せずに待っていていただきたいなと・・・・・。

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