YEN蔵のFX投資術-ドル、円、ユーロ、ポンド、オーストラリアドルで世界に投資

外資系銀行の為替ディーラーとしてマーケットをサバイブしてきた知識をすべて公開. 外国為替、債券、株、オプション、デリバティブをファンダメンタルズ分析、テクニカル分析で解説。 投資、経済についてやさしく解説し資産運用のお手伝いをします。

リスクオフ

先週のクロス円の下落は一旦底打ちか?

週間レンジ6.03.2012


週間レンジ6.03.2012 株


表は、先週の各通貨の変動と株、債券の変動をまとめたものです。
ドル円が2%下落して77円台に突っ込んだりしたことで、クロス円の下落が加速、ユーロ円は3%、ポンド円が4%、豪ドル円が3%と大きく下落しました。

株価を見ると日経225は1.9%、TOPIXも1.9%は下落。ドイツDAXは5.8%、フランスCACは3.8%の下落。
ダウは2.7%、SP500は3.1%下落し欧米の株価の下落が目立ちました。
上海総合が唯一上昇して2%の上昇となり、先週はアジアに比べ欧米の下落が目立ちました。

10年国債利回りでみると日本国債が0.88→0.81%、ドイツ国債が1.37→1.174%、米国債が1.7465→1.4587%と急落しています。
ドイツ、米国債は歴史的な安値まで利回りが低下、資金が安全資産の国債に向かっていることがわかります。
6月1日にも書きましたが、ドイツ2年債は日本2年債の利回りを逆転し日本国債の利回りが高い状況です。
ドイツの利回り低下→ユーロ売りという流れも加速しました。

このように先週はリスクオフの流れが加速した1週間でした。
そして金曜日、米雇用統計の数字が期待外れだったことで、ドル買い、円買いが一気に加速した後は、日銀レートチャックの噂で、ドル円は78円台、ユーロ円も97円台を回復し、ドル円、クロス円のショートカバーとなりました。
今週は、RBA、BOE、ECB、BOCと多くの銀行が政策金利を発表します。
利下げの予想はありませんが、特にECBのドラギ総裁の記者会見が注目されます。
また欧州首脳から、危機対応に何らかの発言等も注意が必要で、ボラティリティが高まる可能性が高いでしょう。
中期的なドル買いの流れの中で、短期的にユーロ、豪ドル、クロス円などが一旦底打ちでショートカバーがあれば、戻り売りの場面を探りたいと思います。

6月21日、20時からに東岳証券さんで3回シリーズの【YEN蔵流FXで勝つヒント】3回目のセミナーを行います。
今回は総集編ということで、過去2回のファンダメンタルズ、テクニカル編のおさらいと、資金管理、リスク管理、メンタルのお話もさせていただきます。
お時間があればぜひ

リスクオフが加速

eurusd5.31.2012


1.26、1.25と節目を割るごとに売りが加速して、ついに1.23台までユーロが下落してきました。
英紙FT(フィナンシャル・タイムス)はスペインの大手銀行(バンキア)の資本増強にECBの資金を間接的に利用することをECBが拒否したという報道はユーロの下げを加速させました。

このニュースは、その後否定されましたが、1.2450のオプションバリアーを粉砕して下落が加速。
今週は1.25割れで、再び投機筋がユーロ売りを加速させ、雇用統計もあるので、1.22〜1.23のオプションの仕込みもあり、そのこともユーロの売りを加速させました。

昨日ののユーロは1.25→1.2365へ約1.1%下落しましたが、ドル円も0.54%下落、豪ドルも1.42%下落し、結果として豪ドル円は1.94%下落、ユーロ円は1.63%下落で97円台になりクロス円も大きく下落しました。
一昨日1%強値上がりしたニューヨークダウも下落、欧州株も全滅で典型的なリスクオフの流れになりました。

リーマンショックの時と違い株価の急落はありませんが(とはいえ毎日じわじわ下落)、債券にお金が向かっているために、日米独の国債利回りは歴史的な水準に低下(国債価格は上昇)しています。
お金はあるけど、投資先を探して、お金が素早く移動しているというところでしょうか。

本日の月末の動き、明日の米雇用統計と材料はまだまだありますが、1.22〜1.23が仕込まれたことで、いったん反発がないかと期待しているのですが、なかなか戻り売りをさせてくれる場面もありません。
下落するとしても節目の1.2は明日以降の動きでしょうから、今日は1.24を抜ければ1.24後半へのショートカバーを期待したいところです。


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米、独国債利回り低下と今後のマーケットは?

デイリーレンジ1.12.2012


ドイツ10年債利回り1.12.2012


米10年債利回り21.12.2012


イタリア10年国債利回り1.12.2012


昨日はあまり動きのないマーケットでした。
フランス格下げの噂や、フッチのイタリアに対するネガティブな見方などでユーロドルが1.27台後半から1.26台後半に下落しましたが終わってみれば0.5%の下落。

1番目の表は、昨日の値動きです。
ポンドが1%下落し一番動きました。
11月の貿易収支が86.44億ポンドの赤字と予想の84億ポンド、10月の76.68億ポンドを上回る赤字額が下落要因になりました。

チャートは上から米10年国債利回り、ドイツ10年国債利回り、イタリア10年国債利回りです。
昨日の特徴としては、株価の動きがあまりなかったのですが、世界的に債券が買われて債券利回りが上昇しました、
株価下落→米独など債券上昇は安全資産の流れでリスクオフの動きですが、昨日はそのような動きでもありませんでした。
2012年初の米国債の入札で3年、10年(昨日)が終わりましたが、好調で米国債に資金が向かっているのは、安全志向の流れなのかもしれません。

米国債利回りは1.9%まで下落しましたが、ドイツ10年国債利回りも1.82%と11月15日以来の低い水準で、ドイツ国債へも資金が向かいました。
一方イタリア10年国債利回りは7.05%と1月9日の7.26%からは低下していますが、依然として7%台でイタリアの問題が今後のユーロの行方に重要なことには変わりません。
本日はスペイン国債入札30億ユーロほどあり、これが注目されます。

2012年年初のこの米国、ドイツ国債への資金の流れが継続するのか。これは質への逃避で、リスク回避の方向に向かううのかどうか、ちょっと気になる動きです。


1月26日(木)20時よりインヴァスト証券さんで『2012年前半のマーケットを占う 円、ユーロ円の行方は』というテーマでセミナーをやります。
円は歴史的高値圏で膠着、ユーロドルも欧州ソブリン危機で下落傾向になっています。
世界的な景気減速で2012年は市場はどう動くのか。
今年前半は欧州、ユーロの問題、後半は米大統領選挙など政治的なリスクもあり、今年のマーケットは材料が盛りだくさんです。

また1月はじめのマーケットでは、株価、為替、債券、商品などもそれぞれ別々の動きをしていて、昨年までのように単純にリスクオン、リスクオフでは語れない難しいマーケットになっています。
この複雑系のマーケットを勝ち抜くには何がポイントか!
円とユーロを中心に最近連動性の強い株式、商品市場も含めて総合的に市場を大胆に予測します。


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2012年の市場は複雑系?

週間FXレンジ1.08.2012


週間株式レンジ1.08.2012


2012


【2012年最初の週の動きは】
2012年のマーケットが始まりましたが、今年の動きを予感させるような難しい動きだったと思います。
最初の表は各通貨の週間レンジと変動率です。
大きく動いたのはユーロドル(1.7%下落)、ユーロ円(1.8%下落)、ドルスイス(1.3%上昇)でした。
ドル買いのようですがドル円(0.03%上昇)、豪ドル(0.03%下落)、ポンド(0.49%下落)、キウィ(0.33%上昇)と単純にドル買いかともいえずに、やはりユーロ、ユーロクロスの下落が目立ちました。

【株式市場の動き】
2番目の表は各国株式指数のレンジと変動率です。
日経225(1.8%下落)、TOPIX(1%下落)、ハンセン(0.95%下落)、上海総合(2.2%下落)となりアジアの株式市場の下落が目立ち、とくに上海総合は11月の2530から下落が止まりません。
DAX(1%下落)、フランスCAC40(0.66%下落)、FT(1.4%上昇)と欧州は下落し、英国は上昇しました。
欧州ソブリン問題でユーロは下落していますが、株式市場はそれほどの下落でもなく、英国はむしろ上昇しています。

英国は欧州ソブリン問題は関係がないようですが、英国の銀行も欧州向け資産はありますから無関係というわけではありません。
一方ダウ(1.1%上昇)、SP500(1.5%上昇)と米国株は強く、米国経済の底堅さとマッチしています。
3番目の表はVIX指数ですが、米国株式が上昇しているためにVIX指数は20.63まで下がっています。
このように株式市場も各国まちまちの動きが目立っています。

【2012年のマーケットは複雑系?】
このように2012年の最初の動きは為替も株式もすべて各通貨、各株式市場がばらばらに動き、昨年はやったリスクオン、リスクオフの動きとは異なるものになりました。
ややリスクオフ的な動きでしたが、リスクオン、リスクオフで一番変動した豪ドル、キウィなどの動きが少なくなりました。
これはユーロオージー、ユーロキウィの売りでユーロ売りオージー買い、キウィ買いの影響だったと思います。

今年は昨年のように、リスクオン、リスクオフの単純系ではなく、各通貨、各株式、各商品が個別の動きになる可能性があり、より複雑な動きになってくるかもしれません。
今年は政治の年であり、毎月のように首脳や議会の選挙があり、また1〜4月は欧州国債の償還が集中します。
これら個別の材料も個別の動きに拍車をかけるかもしれません。
今年はより詳しく各国の状況をチャックする必要がありそうです。



1月29日(日)はエイチ・エス・フュチャーズさんで、恒例の『専門家スペシャル対談』をやります。
大橋ひろ子さんエイチ・エス・フュチャーズの商品アナリストの田栗さん、渡邉さんと対談形式で言いたいことを言うオンラインセミナーです。
今年第一回目なので、今年の展望なんかを話そうと思っています。
参加者が形式にこだわらず討論する、一味違うセミナーを是非御覧ください。

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商品は実は5月から下落トレンドに入っていた

CRB指数10.22.2011


昨日はドル円が75円台後半に下落するなど、円高の動きになりましたが最近は単純にリスクオン、リスクオフの動きにはならなくなってきました。
チャートは商品指数のひとつCRB指数(商品の代表的な指数)です。
バーチャートがCRB指数、折れ線グラフが米国株指数SP500です。
バーチャートの動きに対してSP500(株価)がどのように動いたかを比較できます。
CRB指数は5月に370の高値から下落を始めて、10月4日にに292.39の安値をつけた後、金曜日は311付近でクローズしています。
一方SP500は5月の1370から6月に1258に下落した後1330まで反発した後に、8月以降に本格的に下落して9月末に1131まで下落した後1238まで反発しています。

株価に先行して商品指数はすでに5月からダウントレンドに入っていました。
クロス円、例えば豪ドル円は82円を割れて本格的に下落し始めたのは、8月初めからでした。
CRBが下落していたときに金の上昇にだまされていましたが、商品市場はすでにリスクオフの流れになっていたわけです。

昨日は円高だけど、米国株は株高と素直にリスクオン、リスクオフの関係も崩れてきた可能性もあります。
週末以降の欧州の危機対応などに注目したいと思います。

ここらへんのCRB指数や商品と為替、株の話は明日10月23日、10時からは毎月定例のエイチ・エス・フューチャーズさんでの定例「専門家スペシャル対談」でかなり突っ込んだ議論をします。
商品のアナリストの方と最近相関性が高い為替と商品などについて2時間ぐらい対談していますので、日曜の午前中ですが覗いてみてください。
一緒に対談するのはHSフュチャーズの田栗さん 渡邉さんフリーアナウサーの大橋ひろこさんです。
セミナーというより、みんなが勝手に言いたいこといっているという感じです。

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RBNZの金融政策とキウィ、キウィ円の動き

kiwi10.17.2011


kiwijpy10.17.2011


昨日はショイブレ・ドイツ財務相の10月23日にユーロ債務危機の最終的解決は打ち出されないの発言で先週までにリスクオンの流れがリスクオフに変化しました。
短期のロングの利食いなどもで手ユーロドル、クロス円等の下落となりました。

チャートはキウィとキウィ円です。
キウィは0.7460まで下落後0.8060付近まで反発しました。
0.8〜0.81付近は5月以降サポートされていたところなので、重要なレジスタンスとしてワークしています。
こちらは中期的なレジスタンスレベルですが、短期的には0.7850〜60付近がサポートになっており、ここを抜けると0.77台までの下落とみています。

一方キウィ円は62.50付近が中期的なレジスタンスになっており、反発もここら辺で抑えられています。
短期的には60〜60.20付近がサポートとなっており、59円台前半までの下落の可能性があります。
RBNZの金融政策は引き続き2.5%で据え置きを2012年中盤までまでは継続するものと思われます。

10月23日、10時からは毎月定例のエイチ・エス・フューチャーズさんでの定例「専門家スペシャル対談」があります。
商品のアナリストの方と最近相関性が高い為替と商品などについて2時間ぐらい対談していますので、日曜の午前中ですが覗いてみてください。
一緒に対談するのはHSフュチャーズの田栗さん 渡邉さんフリーアナウサーの大橋ひろこさんです。
セミナーというより、みんなが勝手に言いたいこといっているという感じです。

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スイス売りで資金の流れが変わったのか?

週間レンジ7.04.2011


先週はギリシャ議会が緊縮財政法を可決したことで、ユーロドルの下落が止まり週後半は株価上昇、円売りが加速しました。
ニューヨークダウは週間で648ドル上昇2年8ヶ月ぶりの上昇幅で、終値は12582.77ドルと5月19日以来の高値引けとなりました。

米国株の上昇を受けて日経平均も10005.75の高値つけて、5月2日以来の高値(10017.47)まで上昇しています。
株価上昇を受けて市場はリスクオンモードとなり円売りも加速。
ユーロ円は2.95%、豪ドル円は3.08%、キウィ円は2.52%、カナダ円は3.75%とクロス円の上昇が目立ちました。

しかし円より売られたのがスイスフランです。
ドルスイスは1.84%上昇、ユーロスイスは4.25%上昇、£スイスは2.47%の上昇となり特にユーロスイスの上昇(スイス売り)が目立ちました。

よく市場の動きを説明する時にリスクオン(リスク志向)、リスクオフ(リスク回避9という言葉が使われます。
リスクオンは株高、商品高、円安、スイス安でより高い収益を求め資金が株や商品に流れる動きを指します。
リスクオフは株安、商品安、円高、スイス高で資金が株や商品から安全性の高い債券などに流れる動きを指します。

今回特にスイスフランが売られたことや株価の上昇などで市場のムードはやや明るくなっていますが、スイスフランの大きな下落が資金の流れを変えたのかどうか。
例えば6月末という期末、半期末をすぎてスイスから資金が新規に投資に向かい、その先が株や商品なのか。
ちょっと注意しておいたほうがいいかもしれません。
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