眠りネズミの戯言

観劇日記らしきもの、他。 極私的備忘録のため長文・ネタバレ御免。

造形作家 友永詔三の世界「木彫の乙女たち」

@ニューオータニ美術館


ニューオータニ美術館は初めて行ったけど、
展示の仕方が良くて好印象。
森の中で作品の少女たちに出会う感じ。

サイプラスの質感が特に好きだけど、桜とかの年輪が
作品の形にぴったりな位置に出てたりすると、
ミケランジェロの「石の中に眠ってる作品を掘り出す」
という表現を思い出して、これもまた良しと思う。

少女像の人というイメージを持っていったら、
意外とシュールな作品もあって、むしろそっちを気に入った。
魚に脚が生えた不思議な生き物シリーズの
「リンゴをお食べ」は特に好きだ。
見ているとフフフと楽しい気分になる作品。

「リンゴをお食べ」のモチーフはアダムとイブだけど、
イブが持ってるリンゴのほうが小さいのがちょっと気になる。
自分が食べる分だけ切り取って残りをアダムに渡したか?


「プリンプリン物語」の人形もずらっと展示されていて壮観。
まあ、番組は残念ながら見てないので特別な思い入れは無いけれど、
プリンプリン姫のまつげが羽で出来ていたのには、おぉと思った。
IKKOさんのどんだけ先駆けかしら。


乙女たちの森をふた周りほど回って、更に次の目的地へ。

東京国立近代美術館工芸館名品展 ―四季の花を愛でる―

@銀座 和光
ギャラリートーク:諸山正則氏

ギャラリートーク付きで見るのだ!
と意気込んで予定にいれたものの、寝坊したせいで
予定から30分遅刻。
ポスター展→名品展→束芋の順で回るのがベストだったかも・・・
と、後になって思うけど、土地勘ない&方向音痴は
ギリギリスケジュールの時に冒険が出来ない。
ああ、方向感覚欲しいなぁ。
(そもそも寝坊しなければよいのだヨ)


まあ、たっぷり1時間解説されていたので後半だけでも聞けてよかった。
30分だけでも知らない単語とか技術がいっぱいだったので
お前にはそれで十分じゃろ、という神様の思し召しだったのかもw

陶磁、ガラス、漆工、金工、木・竹工、染織、諸々が
春・夏・秋・冬と4コーナーに分けて展示されている。
それぞれに季節感を楽しんでくださいなという趣向らしい。

特に気になったのは3点。

音丸耕堂 カトレア
北大路廬山人 金彩雲錦鉢
加藤土師萠 紅梅長角陶宮


これまで廬山人ってあんまり良く分からないぞと思っていたけど
金彩雲錦鉢には廬山人と知らずに惹かれた。
意外だったなぁ。

名残惜しみつつ、次の予定地へ。

アール・ヌーヴォーのポスター芸術展

@松屋銀座

やあ、ポスターの量が多いこと多いこと。
なかなかこれだけの数が一箇所で見られることは
無いんじゃないかな。
こんなに一気にポスターばっかり見たのは
横尾忠則全ポスター以来だ。
(あ、意外と最近w)

初めて目にする画家も多かった。
ただ、その中で目を惹くのは、やっぱりミュシャとか
クリムトとかロートレックとかの有名どころ。
別の画家が似たような図柄のポスターを描いたりしてるけど、
ちょっとしたバランスとか繊細さが違う気がする。
有名どころは突出するべくして突出したのだと思わされる。

とはいえ、いくつか初めて見た中で気に入ったものもあった。

ウラジミール・ジュパンスキー「オーギュスト・ロダン回顧展」
ボフミル・ヴァイガント「マヤーレス・ジョフィーン」

2つはぜんぜん違うテイストだけどね。
「ロダン回顧展」はシブイ系、「マヤーレス〜」はポップ系。
(ちょっとティム・バートン的?)

エゴン・シーレやムンクが描いたポスターを見たのも初めてだったかも。
シーレが脚光をあびたきっかけがポスターだったとは知らなかった。
ムンクのは線が「ああ。ムンクだなぁ」って感じで好きだな。(なんだそれ)


ポスター展でありながら、当時のドレスや化粧道具の展示もあって
オマケが付いてきたみたいなお得感は良かった。
ドレスはコルセットで締め上げて着る、いかにもなデザインのが3着と
裾までストンと落ちるIライン(?)のものが2着・・・だったかな。
Iラインの方は今でも着られそうなデザインでありながら
そこらの普通の人が着たら、ドレスに着られてしまう感あり。

ひととおり見て満足。
次があるので、あまり長居はできぬのだ。

束芋 「ててて」

@ギャラリー小柳

予備知識なしで初束芋。

毛髪を使ったミクストメディア作品は面白かったが
昆虫系はやっぱり勘弁。

映像作品「ててて」も、うにょんうにょん動く手はアリだけど
時々それがガサガサっとスピード変えて動くさまが
窓ガラス辺りで暴れてる蠅を思わせてゾワっとしたので
逃げて出てきた。

アートブック「悪人」はなんだか触っていいんだかどうなんだか
分からなくて展示されたままを眺めて終わり。
めくればもっと好きになる要素があったかもしれないけど
まあ、時間なかったし、別にいいか。

文庫版「悪人」にはちょっと惹かれたけど買わず終い。
どこかで再会することがあれば、その時は縁あったと思って買うかも。

一応、大阪の展覧会も最終日に行くつもり。
虫度が低いことを祈る。

洛翠舎:能楽鑑賞の基礎知識

講師:杉本舞(京都大学および京都精華大学非常勤講師)
@FRIGO 2F

今年後半は能を見るぞ、と決めたものの、
こないだの「杜若」で謡がさっぱり聞き取れず
躊躇している時にふと見つけたこの講座。
近場でしかも1000円と安い受講料。
これは受けねばなるまい。

役者や舞台の構成から始まり、所作の意味やチラシの見方など
なかなか本では分からないことも教えてもらえたのは良かった。

講師の杉本先生ご自身も、大学のクラブに始まり今に至るまで
能を習われているということで、謡の実演をしてくれたり
扇や練習用の面をクラブから借りてきて触らせてくれたり
謡の譜面の見方を教えてくれたり、もう至れり尽くせり。

休憩なしでまるっと2時間、これで1000円はお値打ちですわ。
若手研究者が講師ということで安めの金額設定なんだろうけど
十分過ぎる内容でした。
洛翠舎さん、ステキな活動ありがとう。

個人的には面をつけたときの視野の狭さを実体験できたのが
一番良かった。
こればっかりは本では分からないのでね。

各流派の特徴も教えてもらえたので、後は数見て楽しむだけ。
さて、どこから始めようかな〜

ローザンヌ・ガラ 2010

@森ノ宮ピロティホール

ガラ公演は久しぶり。

1部の前半は地元のバレエ教室の生徒たち?の発表会っぽくて
まあサラッと流し見る。

ただ、ひとつ若冲の鶏みたいな衣装は気になった。
片腕はちゃんと翼になってて、逆はむき出しの腕のまま。
作品名は「グランド・ウォーカラウンド」だったか…
踊りの方は腕で翼を表現するにはまだ拙い。
翼つながりで、こないだの森山開次さんのTSUBASAを思い出し
しばしトリップ。ま、しょうがなかろう。

1部ではタイス パ・ド・ドゥの崔由姫さんが可愛らしくて印象的だった。
衣装のオレンジも綺麗。

2部はSHOKOさんの「アダージェット」が良かった。
切なくて綺麗。

中村恩恵さん、首藤さんの「The Well-Tempered」はもう別格。
他の出演者だってそれなりな実力者のはずなのに
何がそこまで他と違ってみせるのか分からないけど
とにかく二人を取り巻く空気や光がぜんぜん違う。
首藤さんはもちろん期待通りすばらしかったけど
中村さんにもなんだか懐の深さを感じて、もっと好きになった。

The Well〜の後のチャイコフスキー パ・ド・ドゥ(だっけ?)は正直不要。
お姉さんがトゥシューズをカツカツ言わして入ってきた瞬間
いい気分が台無しですわ(涙)
踊ってる時にはさほど音がしなかったんだから、
あれは意識すればもう少しどうにかできたんじゃなかろうか。
残念だ。

金色だが

アラジンだね・・・


首藤康之 今ダンスを通して伝えたいこと

@朝日カルチャーセンター 新宿教室
ダンサー 首藤 康之
舞踊評論家 守山 実花

朝日カルチャーセンターで2年ぶりの講演。
前日に「空白に落ちた男」の千秋楽、当日はローザンヌ・ガラの
リハを終えて駆けつけられたとのこと。
大変だなぁ。

今回の講演の主なテーマは「空白〜」の再公演と、中村恩恵さんとの
コラボ作品やアポクリフのクリエーションについて。

「空白」話では小野寺さんのこだわり具合が興味深かった。

ちょっとした間や動きで笑えるかどうかが左右される、というのは
何となく分かる気がするけど、既に60回以上行われている公演で
毎回3時間のリハを行い、細かく注意が入るというのはすごい。

例えば尋問のシーン。
椅子に座った時の脚の角度までチェックが入るそうで。
上半身に目が行きがちなシーンにもかかわらずそこまでやるか。
完璧主義ってこういうことをいうのかも。


中村さんとのコラボの話は、最初そっとそっと近付いていくところから
お互いシンクロして作品ができるまでの様子が感じられた。
曲をかけてそれぞれ自由に動いてみた時、
自然と同じ方向に二人の手足が伸びるっていうのは
音に対する感覚が似ているということなんだろうか。


一番いろいろ聞けたのはやっぱり「アポクリフ」で、
びわ湖ホールで首藤さんがシェルカウイ氏に一目ぼれして
楽屋口で出待ちするところから、作品が出来上がるまでの経緯が
面白かった。

首藤さんは「作品作りの中でいろいろな人やものがリンクした」
と語られたが、リンクするにはまず個別の要素を持ってないとね。
日々の積み重ねが大事だなぁと思わされた。


「アポクリフ」とは、聖書の外典を意味するそうで、そこから
「排除されたもの」について随分語り合ったらしい。
シェルカウイ氏が関心を持っていた三島由紀夫をきっかけに
「死」もテーマの一つに。

コルシカ島一番と称されるアカペラ集合ア・フィレッタをバックに、
ヨガ、バレエ、サーカスと異なるバックボーンをもつ3人のダンサーが
どう踊るのかが楽しみ。

今年の誕生日は至福の一日になりそう。

BASARA展

@スパイラルホール

昼から仕事を休んで東京に飛ぶ。
お目当ては19時からの首藤さんの講演だけど、
その前に気になっていたBASARA展に寄って来た。

やあ、楽しい。
細かく調べずに行ったので、暁斎や国芳があることにびっくり。
版画とはいえ、まさかこんなところで見られるとは思ってなかった。

野口哲哉さんの「白虎」がすごい好き。
犬猫に洋服を着せるがごとく、虎に甲冑着せてるの。
いいぞぉ、こういう発想。

上田順平さんのキンタウルスも意外と好きかも。
子供の頃なら100円入れて乗った・・・かどうかは定かじゃないけど
薬局の前とかに、なにげに置かれていて欲しい。

一番惹かれたのは井上裕起さんの「花魁」。
オオサンショウウオって両生類だっけ?
普段なら絶対避けて通る生き物だけど、
この作品はミニチュアがちょっと欲しくなった。
しばし見つめ合ってしまったわ。

あと池田学さんの「興亡史」のサイズと細かさには圧倒された。
細かい遊び心もステキ。
私なら3cm角を仕上げる間に音を上げそうだ。
仕上げるのにどれだけの時間がかかったのやら・・・
想像するだけで気が遠くなる。

夕方のオープニングレセプションに向け天明屋尚さんも
来られてたんでしょね。
会場で買った本にサイン入ってました。

8月4日〜7日と会期短いイベントに行けて良かった。
その分、東郷青児美術館のトリックアートの世界展は逃したんだけど。
先日行きそびれたユトリロ展といい、どうもこの美術館との縁が遠い。
むぅ。

村田蓮爾(むらたれんじ):rm drawing works

@京都国際マンガミュージアム

村田さんのライブペインティングイベントがあると知って
休日の朝9時半に家を出る。
参加者250人限定とあっちゃ、奇跡的早起き(大仰)も
辞さないでしょ。

朝から汗だくで並ぶこと約30分で手にした整理番号は110番台。
他の描き手さんのイベントで並んだことがないので、
この状況が人気度合いとしてどうなのか良く分からないけど、
京都の市内とはいえ、朝っぱらから整理券求めて
250人も集まるのは結構な人気と言えるのかもしれん。

イベントは昼過ぎからだったので一旦会場を離れて
コンタクトレンズを買いに行く。
終日出入り自由というのはステキだ。

で、15時にイベント開始。
村田さんご本人を見たことなかったので、黒づくめの
ころころした風体で登場された時には戸惑う一方、納得も。

休憩挟んで約2時間半ほどだったか、イラストレーターに
なるまでの経緯とか、日々どんな風に仕事してるかとか
趣味の話とか、キュレーターのお兄さんと話しながら
A4用紙に6、7枚、イラストを描いていくのを見ていた。

会場で知ったけど、ライブの様子はUstreamにもアップされている。
なんと。私の早起きはなんだったか・・・
いや、現場に居合わせることに意味があるのだ。・・・きっと。

でも、これはライブペインティングじゃなくて
ライブドローイングだね。
私は色づけするところが見たかったんだがのぅ・・・
話を聞いてる分には楽しかったから別にいいけども。

A4用紙にシャーペンでお絵かきって、それだけみれば
高校時代の自分の姿と変わらん。
まあ、ある意味懐かしかったか。

1日描かないと3日退化する、みたいなことを仰ってた。
うん。重い。
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