スロ&パチと僕。

名前「82」(ぱに、はにぃ)。 30代前半のスロ&パチ狂いのおっさんが、自身の思い出を垂れ流すだけのブログですよ。 更新不定期。まったりだらだら。

大繁盛本舗 オーイズミ

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04年に登場したA-400タイプのST機。
毎ゲームRT解除抽選を行っているが、複数のモードによってその確率が異なる。小役による解除抽選もあり。
わりとスタンダードな仕様だが、他機種にない独自性として「リプレイ2連続」を突入契機とするチャンスゾーンの存在があった。
 
チャンスゾーン中は小役成立による解除確率が大きく上昇。チェリー25%、スイカ100%、ベル10%と、現行5号機の自力系チャンスゾーンより当たるんじゃね? 程度の期待度でボーナスを放出してくれる。
 
当時のST機においては「リプレイ3連続で解除抽選、4連続で確定」という仕様の台が多く、その系譜かと思わせておいて「リプレイ2連続」というのは、ありそうでなかった感を出すことには成功していた。
 
内部モードは通常、ハマリ、即連、大繁盛、小繁盛が存在。ベースとなる通常&ハマリモードでは、毎ゲームでの解除確率は1/341~1/1170となかなか厳しい数字だが、即連モードではこれが1/8と跳ね上がる。
中段チェリーやジャックハズレなどを契機に移行する大繁盛モードは、解除確率こそ1/32だが50%以上でのループが期待できるので「チャンスゾーン解除と即連モードで凌ぎつつ、大繁盛モードにぶち込んで頑張る」という、狙い所がシンプルでわかりやすい作りだった。

 
スタンダードな仕様にちょっとした独自要素。出玉爆発契機もあり。決して派手ではないが、手堅い、じっくりと遊べる台として、一定以上の評価を得、長く愛された良台でした……。

 
で、終わらせてしまえば、それは嘘ではないが大いなる事実誤認であろう。この台は、分類するのであればまず間違いなく「マイナー台」であるが、後世における知名度としては「歴代の名機クラス」でもある。5号機世代の打ち手でも、ベテランスロッターとの会話で北斗や吉宗や銭形と並んで名前を挙げられて(そんな有名な台なのか……?)なんて経験をした人もいるではないだろうか。
 
その理由は明確で、

 
液晶演出とはなんぞや? というテーマを、哲学レベルまで掘り下げてみせた問題作

 
だったからだ。
この台には実に豊富な連続演出が存在する。
 
・埋蔵金発掘演出
・体操大会演出
・バイクレース演出
・会社に泥棒演出
・野球勝負演出
・部長ティータイム演出
 
演出という演出が出揃って煮詰まってる感のある、現代スロッターなら、どれも字面を見るだけで、どういう内容でどうなればOKなのか想像できると思う。
 
埋蔵金発掘に成功して金塊を獲得。
体操大会で10点満点を決めて金メダル。
バイクレースで優勝。
会社に侵入した泥棒を無事に逮捕。
野球勝負でホームラン。
部長ティータイムでは、カウントダウンが発生し「0」と同時に部長がなんか覚醒する。
 
部長の扱いはさておき、全体的には突飛でも理解不能でもない。
この台が問題作とされたのは、そういった勝利や成功的な演出が出ても、直後にボーナスが放出されるわけでもないところにあった。
 
それだけならまだ(???)と首を傾げながらも(大当たり確定の画面は今のとは別にあるのか……)と無理矢理に納得できたかもしれない。だが、この台の真価はそういった「連続演出の発生頻度」にあった。
 
20スロでの1000円分、約30回転の間に現実的に起こりうる挙動を書いてみるとしよう。

 
液晶に大きく「?」の煽りが出現→連続演出「埋蔵金」に発展→金塊獲得!→通常画面に戻る→数G後「?」の煽り再び→連続演出「バイクレース」に発展→負けて3位→通常画面へ→また「?」で煽られる→連続演出「野球勝負」に発展→ホームランで勝利!→通常画面へ。
 
ここまで30G。その後もう30G回したが特にボーナス放出はなし。ついでにレア小役成立とかも特になし。
 
打ち手の心理面を描写するのであれば、
 
埋蔵金発見!(ボーナスキタコレ!)→通常画面へ(あれ…? まさかのガセ…?)→バイクレースで3位(やっぱりガセか。黄金発見は確定じゃないのか~わかりづらいな~)→野球でホームランで勝利(え? ええ!? 本当はやっぱり入ってるの? 長めの前兆とか? だとすれば埋蔵金の時点で前兆スタート中? G的に次で告知か)→通常画面へ(わけがわからないよ!)
 
筆者も初打ち時、本当にわけがわからなかった。当時の感覚で想定できるありとあらゆる可能性を模索してみたりもしたが、最初から最後までわけがわからなかった。そのうち考えることを辞めた。

 
そんな、ベテランや上級者を含む多くの打ち手を困惑した液晶演出だが、5号機時代になって液晶全盛期を迎え、多様にもほどがある一つの極みにまで達した今なら、説明および理解が可能だ。
 
鍵は「その演出が何を示唆するために存在するのか」にあった。

 
液晶登場以前。リーチ目、チャンス目、ランプ、リールフラッシュといった演出は「ボーナスという大当たりを示唆」するためにあった。
 
液晶登場初期。液晶上で展開される演出も、それまでのスロの流れを継承するように「ボーナスという大当たりを示唆」していた。
 
爆裂AT全盛期には「ボーナスないしATという当たりを示唆」と含む対象が増えたが、AT=当たりというのは、メーカー・ホール・打ち手の共通認識として成立していたので、問題なく機能した。
 
STやゲーム数解除の全盛期になると「一つのシナリオとして数十ゲーム単位で一括処理される前兆の一部」としての演出も目立つようになるが、それでも最終的に示唆しているところが「大当たり」であることは変わらぬまま、5号機時代へと入る(※)。
 
5号機時代。流行し定着した二つの要素が、この流れを少しずつ変えはじめる。
 
一つは小役重複。その重要度が高まり続けるにつれて「重複期待度の高い小役が成立したことを示唆する」演出が目立ちはじめる。
「小役成立時のボーナス重複に当選した」という結果に対してではなく、小役が成立したことへの示唆。表面的にはわかりづらいが、この変化を敏感に感じ取っている打ち手も少なくはないと思う。
 
もう一つはチャンスゾーンだ。「チャンスゾーン当選を示唆する」ための演出。こちらは演出の歴史の初期からある「当たりを示唆」のラインナップの一つとして「チャンスゾーン」が加わっただけなので、シンプルではある。近々の台では「チャンスゾーンのチャンスゾーン」なんて「当たり」も存在するようだ。

 
最新台を打っていて、なんだこの詐欺演出は!? と憤った経験がある方は、そこから一歩踏み込んで「その機種における演出が示唆する行く先」を検証してみると、ちょっとだけ世界が変わるかもしれない。
 
リールロック→激熱→動物柄→液晶フラッシュ→強チャンス目→30Gほど液晶ざわざわ→特に何事もなく静かになる
 
こんな現象に遭遇してしまっても、それは「チャンスゾーンのチャンスゾーンへの当選期待度が高い小役が成立していることへの示唆」として設定された演出であるならば、演出は与えられた仕事を正確にこなしており罪はない……のかもしれない。ホントか?

 
さておき。
上記のような概念が育っていない時代において『大繁盛本舗』の演出は「前兆を示唆」する役割を与えられていた。
 
当時の常識的発想で受け止めてしまうと、ボーナス確定示唆にしか見えない演出たちは「最大32Gの前兆RTに滞在している時ほど出やすい」設計であり、現行の台における「黒ナビ頻発」「会話赤文字頻発」などと同位の存在だったのだ。
初代の『主役は銭形』における不二子と表現すれば、ピンとくる打ち手もいるだろうか。金塊発見も金メダルもレース優勝もホームランも泥棒逮捕も不二子。社長が登場して広げた扇子に「大繁盛」と書いてあっても不二子。ど派手にロケット発射に成功しても不二子。石器時代にタイムスリップしても不二子……ではなく、この石器時代だけは「チャンスゾーン滞在を示唆」する役割を担っているらしい。ただしこれも確定ではない。

 
その演出が大当たりを示唆するために存在するといつから錯覚していた? というスロ界最先端の概念を先取りしていた、惜しいというか「突き抜けすぎれば、それはそれで着いてくる人もいるものだを体現した」そんな台でした。



※4号機時代における「ボーナスでもATでもないものを大当たりに含む」としては、初代『秘宝伝』の高確率などごく少数の存在はあった。




蛇足。
要は、残念すぎるクオリティでも、徹底すればそれはそれでアリなんだな! と思ってしまった方は、ちょっとだけご注意です。
『大繁盛本舗』は、出玉バランスや、リール配列&制御や、モード移行などのシステムや、スロとしての総合的なゲーム性は「悪くない」という評価もまた多い台でした。液晶関連だけが突き抜け過ぎていたために、ある種の伝説にまで到達しただけで、頭から尻尾までダメな台が後世に名を残すことは、やっぱりなかなか難しいことを示した台でもあると、そんな風に思うところです。

黒ひげ危機一発 山佐

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タイアップ元となる「黒ひげ危機一髪」は1975年に発売。樽に空いた無数の穴に、一人ずつ剣を刺していき、樽の中に入った海賊が飛び出したら勝ち/負けという、シンプルだがわかりやすいゲーム性でヒット。TV番組内で使われたり、芸能人や人気キャラクター版権とのタイアップを行ったりしながら、今もなお遊ばれ続けるロングセラー玩具だ。
 
スロットとしてのスペックは、ボーナスの存在しないART特化型。ART初当たり確率は設定1~6で約1/76~1/58とかなり軽い。
 
小役重複によるボーナス当選機と同じ感覚で、チェリー、スイカ、チャンス目、共通ベルなどでART初当たりを抽選。
 
『2027』の系譜ともいえそうな機種だが、『2027』『キン肉マン』『ギラギラ爺サマー』などは、いずれも「まずはボーナスフラグを引く」ということが鍵となっている。非ボーナスという意味では『エアマスター』の方が同類になるかもしれない。
 
加えて、周期抽選を採用していた。
通常A~超天国までの4つの内部モードが存在し、超天国なら32G、通常Aでも256G消化で周期到達となり50%でART当選となる。フラグの偏りで強小役がさっぱり引けずに「何が軽い初当たりだよ!」的なハマリを回避しやすくなっているというのは、他の機種にない独自性であり、強みでもあるといえた。
 
そしてこの機種最大の特徴が「黒ひげチャレンジ」の存在だ。ARTは1セット30Gなのだが、消化を開始する前に「G数の増加」に挑戦するかどうかを選択できる。これに成功し続けることで、最大でART1000Gスタートにすることが可能となっている。純増は約2枚なので、GOD揃いもびっくりの一撃2000枚確定だ。
となると、さぞかし複雑で理不尽な、ハードルも高いチャレンジ内容だろうと思いきや、押し順ベルの2択に成功でOKと実にさっくり系だったりする(※)
 
G数の昇格は30→60→120→250→500→750→1000(最大)なので、6連続成功で良い計算だ。昨今の無理ゲー系チャンスゾーンよりよっぽどいけそうな感じがする。

 
軽すぎる初当たりと、わかりやすいチャレンジ内容による簡単大量獲得。これは、相当な人気と熱狂を呼び込みそうだ……実際にそう感じたホールも多かったのか、結構なホールでシマ単位での導入が見られた。
 
が、残念ながら大人気とは言い難い稼働で、減台や撤去も早く、タイアップ元のロングセラーとは対極の運命を背負ってしまった。
 
これは、

 
最終的に打ち手が欲しいのは、ARTに入ってから「終わらせない」ための激闘とドラマ

 
であることに応えられなかったからだろう。
この機種のART中は、G数の上乗せが存在しない。ART初当たりのストックは存在するが、獲得できればラッキー程度の存在で、例えば「マジハロ」「エウレカ」「コードギアス」などのように、ストックを大量にため込んで連荘させてなんぼ! という位置づけでもない。
「黒ひげチャレンジ」による獲得ゲーム数決定こそが主役であり、ARTそのものはその成果を回収するだけの事務的なターンでしかない……実際に打った者の多くが抱いた感想がこれだろう。
 
チャレンジをくぐり抜けて500Gや1000GといったG数を獲得できていれば、メダル獲得という意味では十分に美味しく楽しい時間だ。だが、一般的なG数上乗せ系の台で+500Gを引いたりした人間が、その瞬間に強く思うのは(この500Gを使ってどこまで伸ばせるか……!)だろう。上乗せが上乗せを呼ぶ。ART中にボーナスを重ねる。いくつもの要素が絡み合い、いつ終わるともしれないメダルが増える時間──ART(AT)というスペックがこんなにも長く主流の座を支配し続けているのは、このカタルシスゆえだろう。
 
幸運により300や500Gの一撃上乗せを獲得した者が、その後は追加上乗せ0で走り抜けた時に感じるのは喜びや安堵ではなく失望や怒りである。
GOD揃いを引いた者が5セットきっかりで終了した時も同様だ。
 
スロッターはどこまでも強欲であることの象徴なのかもしれないが、たった1つの初当たりを、大きく育てていくことへの気持ち良さと達成感は、確かにある。
笑いが止まらない怒濤の連続乗せラッシュ。残り数Gなオワタ直前での大量上乗せ。30乗せ→30消化→30乗せ→終わりそうで終わらないタイトロープな攻防。たった30Gの初当たりでどうしろと腐っていたところでの、準備中ボーナス連打で気がつけばG数が10倍に。
 
打ち手の数だけ存在する「ARTが始まってから終わるまでのドラマ」が、この機種はあまりにも薄すぎた。

 
さらにもう一つ。「黒ひげチャレンジ」には、失敗=初期G数なし、という最大のハードルが存在した。カジノ系のギャンブルが好きな者ならダブルアップという単語で簡単にイメージできる、当然のリスク。だが、パチスロとの相性は良いとはいえなかった。
 
G数の大量上乗せやボーナスをねじ込んでの延命が出来ない前提でのART30G。あるいは60G。これの魅力のなさは、現役スロッターには説明不要だろう。
まともな勝ち負けを楽しみたければ数回のダブルアップは大前提。失敗即、出玉0。リスクとリターンを天秤にかけるという意味では、4号機の『ダブルチャレンジ』を思い出させる。だが、あの機種はローリスクを選んだ際には失敗保証がついてくるという設計だった。
 
おそらくは全体的なバランス調整のためだろう、500→750→1000と純粋なダブルアップとは異なる設定をしている。それならば上限をもっと突き抜けてしまって、→2000→3000→5000で一撃万枚あります。までやってしまえば狂気の沙汰台として歴史に名を刻んだかもしれない。お上の射幸心チェックを通るかどうかはさておいて。
 
あるいは、ART中に特定フラグを引くと「黒ひげチャレンジ」が発生し、成功で残Gが倍、失敗で半減なんてギミックが存在しても話は変わっただろう。

 
アイデアは秀逸であったし、可能性も感じさせた。だが、打ち手がその仕様に求めている本質とズレていたという意味で、惜しいというか『打ち手が欲しいのは大量のメダルではなく、壮大なドラマを描いた上で掴み取った大量のメダル』であることがより鮮明となった、そんな台でした。



 
正確には黒ひげチャレンジは「2択ベル当て」「全リール停止後にジャッジ」の2種類のミッションから自動的に選ばれる。全リール停止後にジャッジの方での成功率は50~75%と言われていて、2択当てより若干良い模様。

マイホ。自分が拠点とする常連のパチンコ/スロット店を指して、マイホール=マイホと呼ぶ。スロ&パチ愛好家の中では定着している単語だろう。
 
明確な定義付けがあるというよりも、各自が独自の「マイホ観」を所有していて、ふわっとしてバラつきのある表現でありながらも「マイホ」の一言で共通認識としては通用する。そんな魔法のキーワードを、僕も活用している。


僕はマイホが7店舗ある。
自転車による日常生活圏内の低レート設置店は、すべからく自分のマイホだからだ。
 
徒歩圏内のみをマイホとする人もいるだろう。
最も多く通う1店舗のみをマイホと呼ぶ人もいるだろう。

 
僕という人間は、スロに対して一つの理想を抱いている。
それは恐らくどんなスイーツよりも甘ったるく、
100万部売れるケータイ小説よりもくすぐったく、
アニメ化ゲーム化劇場版化する中二病作品よりも誇り高い幻想。

 
休日にサンダルでふらっと外へ出て、目に入った店で食事をし、なんか良さげな喫茶店で読書をし、流れでなんとなくパチ屋を覗いて、適当に座った台で勝ったり負けたりしつ閉店を迎えたい。
そして、何かの折にふと振り返った時に、なんとなく浮いてる感じなら最高だ。

 
ささやかな願いか。傲慢の極みか。
だから、自転車が大好きな僕は、気分でふらっと覗けるように、自宅の東西南北にある4駅分のホールを全てフォローしている。

 
そんな愛すべきマイホが壊滅状態だ。
全店舗において、設定がテコでも動かない状態が長く続いている。

「ベタピン乙」は負け犬スロッターの常套句で、一種の被害妄想だったり、ネタ発言枠だったりすることが多い。
 
だけど、マイホの低レートはいつも大人気で、特に2スロに至っては平日でも7割、休日に至っては9割超の稼働率を誇る。それだけの稼働データがあれば、さすがに「まじでベタピン待ったなし」であることを、店舗側が隠す気すらないことまで透けて見えてしまう。

 
それでも、僕はマイホでスロを打つ。
 
とりあえず座れば600~1000ハマり。
半日持たずに3000枚が吸い込まれ。
自分の台と左右が同時にホッパーオーバーフローエラー。
コインサンドもコイン切れエラー。
 
店員さんの業務の割合は
 
4:オーバフローのコイン回収
4:コインサンドの補給
1:筐体内へのコイン補給
1:コインを流す作業
 
すっかり見慣れた景色。
それでも、僕はマイホでスロを打つ。

 
勝てないのはいい。ホールで打つスロットはギャンブルだ。ギャンブルで勝つには相応の準備と覚悟と強運が必要だ。
 
優良店の模索をせず、ホールに漂う空気感を感じ取らず、遠出を厭い地元でたまたま空いている台のみに固執する。
 
それは、競馬新聞を見ず、JRAのサイトを開くわけでもなく、出走馬の名前すら知らぬまま誕生日や記念日の数字に掛け続けて「まったく当たらない。競馬は絶対に勝てないクソギャンブルだ」と叫ぶことに近い。
 
誰かに強制されたわけでもなく、自分で選んだ店で、台なのだ。


 
エリアとして、致命的に苦しい時期なのだろう。
どれがぼった店だ、クソ店だというレベルでなく、絶対的にエリアとしてどうにもなっていない。そういうタイミングは存在すると思う。
 
岩に根を生やした苔のように凌いでいれば、風向きが変わる季節も来るだろう。
とはいえ、少し疲れてしまっているのも事実。

 
貫くのが苦しくなってきた、自己の理想スタイル。
 
どうするのが、一番楽しくなるだろうか。

 
徹底的なリサーチと下準備を心掛け、優良店のみを厳選して打つ?
効率や勝率を妥協せずに追いかけ、打って良いラインを設定し厳守する?
自分にとって相性の良い機種を厳選し、それのみを打ち続ける?

 
20年のスロ人生で試して来て「それでは僕は楽しめない」と結論を出したスタイルだ。
だからそこには戻らない。


 
まだ試していない、それでもスロが楽しいと思える形を目指して。
模索の旅は続く。

 
スロを辞めるという選択肢は、ない。

目指せドキドキ島 ゴールド(オリンピア)

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5号機の一つの転換期といえる存在に「ゲーム数当選(解除)」というものがある。4号機ST機で主流だったこのシステムは、『天外魔境』『ピンポン』といった台がその復権を目指したが、その時点では一部のベテランスロッターが注視する程度の存在でしかなかった。これをブレイクさせたのが『押忍! 番長2』であり、疑似ボナによるART特化というシステムが最終的に辿り着いた先が、AT機という存在であることは、現役スロッターならよく知るところだろう。
 
ボーナスフラグを引かなくても、ボーナスまたはそれに相当する「メイン当たり」を放出させることができる。ストックという仕様を失った5号機が、それに代わるようにして手に入れたこの武器は、4号機時代の遺産をもう一つ拾い上げることを可能にした。

 
周期抽選である。

 
真っ先に思い浮かぶのは『プリズムナナ』『戦国乙女2』あたりだろうか。他にも『ギルティ・ギア』『戦人 上杉謙信』なども周期による抽選方式を採用している。
主役争いをしていると表現するにはまだまだの、途上過程なギミックという印象もあるが、勢いという面では「小役重複によるボナ当選+ART」タイプを追い越しつつあるのではないだろうか。
 
近い将来、ゲーム数当選タイプと頂点争いをするかもしれない周期抽選系。4号機時代にそのシステムによるゲーム性を、最も認知させた台こそが『目指せドキドキ島』である。

 
4号機ST機でも「後期型」に分類されるこの台は、登場した瞬間からなかなかの話題を呼んだ。周期でST解除を抽選というシステム自体の目新しさもそうだが、「抽選までのG数カウントが常に表示されている」という部分が特に注目を浴びた。
 
この台の周期は150G固定で、1Gごとに減算されていき、0GになるとST解除をかけての「○○島レース」に発展する。これは今で言うシナリオ管理型に近い連続演出で、内部的には既に決定している当否を見守る形になる(純ハズレで強制解除などの例外はある)。形としては『プリズムナナ』が一番近いか。
 
G数減算要素も搭載されており、1/3.5~1/7で成立する「0枚役」を連続で成立させることで、減算される。
連続成立回数が増えるほど減算G数も優遇されるので(最高で、内部的な抽選タイミングである残り10Gまで1撃ワープ可能)通常時が捨てGになりすぎないように工夫されている。
 
周期抽選での当選度だが、これは内部モードなどではなく設定による管理で、設定1~6で1/5~1/3.3と、シンプルに高設定ほどレース勝利=ボーナス放出が期待できるようになっている。
 
ボーナス放出後は必ず最大15Gの特殊ゾーンに突入し、ボーナス即放出orレース発展が選択される。こちらはモード管理がされていて、それによって連チャン期待度が変化する。

 
この台は、大ヒットしたかと言われるとやや厳しい。マニア受けした台の中では人気だったという評価が一番しっくりくるだろうか。
 
そしてこれは筆者個人の評価になるが、4号機-5号機を通して「周期抽選」を採用した機種の中で、最も周期というギミックであることの意義を発揮していた台だと思う。


 
まず基本となるG数減算のカウントだが、液晶上の表示は「残り○○km」というもの。『目指せドキドキ島』という機種名なだけあって、レース会場であるドキドキ島までの旅程という扱いで、0枚役で減算に成功した際もホッピングでスーパジャンプだったり、ヘリをチャーターして高速移動だったりと、旅程のショートカットに成功したという体裁を整えている。
 
島に到着して開始されるレースは、ロデオの『モンスターハンター』でいう、クエスト負け→フィールドうろうろ→クエスト負けのような、いわゆる「シナリオ管理の前兆」と同じ代物なのだが、面白いのは、主人公であるプー太(ブタ)以外のキャラが勝ってもOKだったりするところだ。
レースはブタ、ペンギン、カバ、キリン、ゾウ、パンダ、カンガルーの7匹立てで行われ、ハズレ担当である最強のチート系ラスボス的なカンガルー以外が勝てばボーナス放出となる。
勝利した動物がモードに直結しており、連チャン期待度が大いに変わる。主人公のブタは単発濃厚、良くて2連な低モードだが、最高のパンダモードなら平均10連、次点のゾウでも平均7連が期待できる。
 
レースは数Gごとに1匹、また1匹と脱落していって最後の直線では2~3匹のみでのラストスパートになるのだが、その時点でカンガルーがリタイヤしていることがある。ボーナス放出が約束されたドヤタイムになるわけだが、最後に残ったキャラがブタ(主人公)、ゾウ、パンダだったらどうだろうか。
レース最終盤の追い込みで、全力で主人公が負けるよう祈り、煽る打ち手……この演出の仕掛け方は、スロ液晶史上でも屈指の上手さがあると思う。
 
ボーナス放出の内部的な抽選タイミングは残り10Gの地点と書いた。これは演出上では陸地を旅して来たプー太が、レース会場である孤島目指して大海に乗り出していくシーンなのだが、基本は筏の手漕ぎのところ、まれに豪華客船に乗る。恋人(?)らしき雌に見送られて辿り着いたはドキドキ島ならぬ「ワクワク島」。この時点でボーナス放出確定だったりする。
 
なんとなく液晶がフラッシュして数字が飛び出て○Gの減算。
金枠、金文字、レインボーが飛び出して確定を示唆。
対戦相手の服装がキリンやヒョウやカエルといった特殊柄だったりして大チャンス。
 
事前に当たりを示唆する演出は現在でも隆盛だし、基本的に打ち手はそういうのは大好きだ。筆者としてもそれらを貶したり否定するつもりはない。
だが、時に「それが演出としてテンプレで定着しているのはわかるけど、作品の世界観と連動していたりとか、この仕様・ギミックだからこそ光る! とかそういうのは一切ないのね……」と寂しさを感じてしまうことも多い。
 
この『目指せドキドキ島』という台は、決して歴史残る名機とか、非常に甘い優良台とか、そういったことは一切ない機種だったのだが、作り上げた世界観と、スロとしてのフラグと、演出と、プレミア要素と、周期抽選と……そういった要素が綺麗につながっている、惜しいというか「ある意味での完成形であり、スロの理想の一つ」だったと思う、そんな台でした。




 
補足。
とはいえ、辛い甘いでいえばかなり辛い台でした。
通常時に一番出て欲しい最重要小役が「0枚役」で、それも効果的と呼ぶには3連は欲しいところなので、単発や2連の0枚役が頻発して、減算はさっぱり、コイン持ちもさっぱりという状態は客離れを促進させる効果抜群。
 
レースも展開次第では大いに盛り上がるのですが、設定1による「内部一発勝負で1/5」の壁はなかなかに高く、ひたすらにカンガルーだけが連勝を続ける、これ何て敵TUEEEE系? にうんざりして捨てる打ち手が多発。
 
レース敗北=周期残150Gからリスタートなので、ヤメ時がわかりやすく、空き台に対しても一瞬で残G数チェックが出来る。
 
減算がまったく出来なかった場合は一周期させるのに160G以上が必要なため、「とりあえず一周期勝負!」というのが非常にやりにくい。

客観的に見ても、ふらっと座ってなんとなく回させる訴求力は低い台でした。
 
大絶賛して周囲に喧伝できるような名機ではなかった。だけど、周期抽選という単語が出る度に真っ先にこの台を思い出し、5号機に甦った様々な周期系に触れる度に(ドキドキ島の方が完成度は高いな……)と比較してしまうので、やはり希有な台だったなあ、と。こういう台こそ、スロゲーセンあたりで気ままに打ち倒したいですね。

まどかの集中短期講座も一段落したことですし、気になっていた機種が低レートでも空くようになってきたぞというところで、色々と打ってみることに。

 
まずはこいつからかなー。

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本来の版元であるエンターライズ発のモンハン。
300Gちょいちょいから打ち始めて、前兆っぽいクエストモードを2度スルーからの、600Gちょいちょいで初当たり。

 
バケ。

 
お約束スタートとは縁起がいいね。
 
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アカネ55 ネット

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スロ業界において「異端児」「変態」「規格外」「その発想はなかった」「攻めすぎ」「やりたい放題」「どこへ行こうというのか」……類義語はいくらでも並べられるが、そういうメーカーと言えば?
 
完全に確信犯の誘導尋問だが、まあ『ネット』ですよね。
 
アカネ55は、そんなネットがリリースしたラインナップの中で、「最も普通」で「最も無難」で「最も行儀が良い」ネット側から見た意味で「異端児」な台である。
 
ボーナス+RTタイプのスペック。RTはチャンスゾーン(以下CZ)中に特殊リプレイを引くことで発動し、55G固定。ボーナス後は必ずCZに突入するが、赤7:80%、青7:50%、アカネボーナス(実質バケ):33%と、引いたボーナスに応じてCZからのRT突入期待度が変化する仕様。
周期によるCZも存在し、こちらは99G周期。RT期待度はバケと同じ33%になっている。
 
以上である。
と、書いてしまうと、特徴のないことが特徴のような、まるでネットらしくない機種に感じる。キャラクターをはじめとした全体的なコンセプトデザインも、ポップンミュージックあたりを連想させる、一般受けが悪くなさそうなカラフルで可愛いらしい仕上がりで、見れば見るほど「良い意味で普通の台」だ。

 
あのネットが、まさか何も仕掛けていないなんてことはあるまい。
 
仕掛けは色々あった。
この台は、5号機の規制が若干緩和された新基準機としてリリースされた、第一弾でもあったからだ。
 
5号機で規制が変わった? そんなことあったっけ?
と思う者も多そうだ。実は「初代エヴァ」「サクラ大戦」「デビルマン」といった時代には『ボーナスは小役より優先して揃う』縛りがあり、ボーナス図柄とチェリーなどの小役を絡める配列に大きな制約があった。
『リールのフリーズ』は禁止されていた。『中リールから始動といった変則回転』も禁止されていた。『リール窓を使った演出』はかなり厳しいレベルで制限されていた。
 
そういった『演出面に関わる規制』がいくつか緩和されたタイミングがあった。「アカネ55」はその規制緩和を受けて登場したのだ。

 
フリーズ&クラッシュを搭載。フリーズはボーナス確定止まりだが、液晶が破壊されたような演出を伴うクラッシュが発生すれば、RT突入率が極めて高い赤7が確定する。
 
リール変則始動を採用。左リール以外から回転をはじめれば、それだけでチャンスとなり、ボーナス0確も存在する。

 
今の感覚で見ると、何てことはない他愛のない演出に感じる。今まで禁止されていたものを、緩和されるやいなやいち早く取り入れる。その意味で、なるほど『ネットらしい』台だ。

 
残念ながら、この台は大ヒットしたとは言えない人気、稼働だった。少数ながらコアファンを生み出したりはしただろうが、同メーカーの「熊酒場」「カリビアンクイーン」「ドリスタ」などと比べると、かなり印象の薄い存在で終始してしまったのは否めないだろう。
 
フリーズもリール変則始動も、現在のスロには標準装備というか、メイン武装ぐらいになっている。その道を先導した一台として、惜しいというか「ネットらしくないのに、ネットらしい」台でした。

初打ちでの手応えが悪くなかった。まどか。
どこかでしっかり打ち込んでおきたいと思ってはいたので、実戦可能日は設置店を覗くようにしていたわけですが。
 
まあ、低レートだと空いてないね!
 
シマ単位で設置されている低レート店はなかなかになく、どうしても1台設置が多いわけですが、開店と同時に座った人が22時そこそこまで全ツッパというケースが実に多い。
 
古き良きSF的エスプリを、上手に現代系萌えに落とし込めている作品として、ここ10年ぐらいのオリジナルアニメの中でも『大成功』な作品とされているだけあって、濃い原作ファンが多いってことなんでしょう。
 
 
うん、もういいか!
 
というわけで20スロ解禁。
思えば初打ちも20スロだったしね。
久しぶりにヒリヒリした機種打ち込み実戦をしようじゃないか。
 
 
1戦目(過去実戦済)。20スロで稼働30分。+9000
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やじきた道中記 ミズホ
 
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スロット史上、最も『突き抜けた』台は?
そんな問いを投げかけたとしたら、色々な方向に想像できる表現でもあるし、様々な機種名が挙がると思う。
著者の場合は、この台が真っ先に思い浮かぶ。
 
 
03年に登場したA+AT機。
タイアップものだが、原作は「弥次喜多道中記」……と言っていいのかどうか。いわゆる「やじきたモノ」のルーツは1800年代初頭の「東海道中膝栗毛」とされていて、「弥次喜多道中記(※)」というタイトルのコメディ映画は1938年に製作されている。江戸時代に誕生したこの種の作品というと「南総里見八犬伝」あたりが有名か。
漫画、映画、舞台などの題材として使われることが多く、2000年代に入っても、05年に宮藤官九郎の初映画監督作品として、長瀬智也、中村七之助という面子で「真夜中の弥次さん喜多さん」が公開(原作はしりあがり寿の漫画)されているし、07年には十八代目中村勘三郎、柄本明、小泉今日子といった面子で「やじきた道中 てれすこ」が公開されている。
いまいちピンと来ない……という人は、ざっくりと「三国志演技」とか「水滸伝」的な色々な作家や創作者によって継承・発展され続けて現在なお愛される物語、という説明あたりでどうだろうか。
 
そんな歴史と伝統ある作品の名前を冠するこの台は、一言で表すと『濃い』。まずは演出面から見てみると、やじさん・きたさんという二人組の野郎が主人公なわけだが、この二人がとにかく濃い。通常時は3頭身のチビキャラとして描かれほのぼのしているのだが、ひとたび演出が発生すると、劇画風味に激変しては液晶全面にドアップでせり出してきて、『キターーーー!』だの『野生の勘じゃあああああ!』だのとのたまわっては、相撲をしたり大食いしたり、眼鏡のレンズをパリンパリンと砕いたりと、まあ著者が文字で伝えることの限界の壁の前にヘコむぐらいには、縦横無尽に暴れ回ってくれる。
その『やりたい放題ぶり』はAT突入後こそが本領発揮となり、正式名称を『やじきた祭り』とするこちらでは、はっぴにふんどしな二人が『何がどうなってどういうことなのか理解し難いが、とにかく勢いだけは感じる』とでも言うべき滑稽なリズムとかけ声ではしゃぎながら、14枚役である『みかん』をナビしてくれる。ATは1セット10、20、30、100Gのいずれかの振り分けになっており、AT開始時には北斗でいうオーラ的な役割の、振り分けを示唆する「一言」が表示されるのだが、これが
 
期待度・低<高
興奮<爆発<特攻、特選<悶絶<好きです<愛しの<大盛り
 
である。これだけでもう、人によってはお腹いっぱいだろう。
 
 
日本が誇る伝統古典を馬鹿にしているのか……と思ってしまった方は、それは誤解だとだけ明記しておきたい。「やじきたモノ」というのは喜劇であることが伝統美となっており、「真夜中の弥次さん喜多さん」も「やじきた道中 てれすこ」もコメディ映画である。その意味では間違いなく正統かつ王道な「やじきたモノ」と言えるわけだが、スロ界においては、それでもやっぱり『強烈なまでの異端児臭』が甚だしかったことは否めない機種だった。
 
 
とはいえ、キャラクターと演出のゴリ押しだけでウケを取りに来たネタ台で終始しているわけでもなく、スロとしてのゲーム性もなかなかに革新的だった。
A-400のボーナスと、低確や高確といったモード概念、そして純増約10枚のAT機能。わりとスタンダードな爆裂系AT機に見えるが、最大の特徴は『連続演出中に毎ゲームAT抽選をしている』というシステムにあった。
 
内部的に当選→連続演出(結果確定済み)→告知
 
というのが最もシンプルな連続演出のフローだ。これに非当選だが演出には発展し、実は外れでした! というガセを加えることで『ゲーム性』を生み出している。ST機の時代になると、ファイアードリフトの『連続演出中にリプレイを引く度に解除抽選』のようなミッション型が登場してくるが、この機種の連続演出はそのあいのこというか、架け橋となるようなギミックだった。
演出は最大4G(一部最大3Gの演出もあり)まで発展するのだが、毎ゲーム『引いた小役に応じてAT当選or演出継続or終了を抽選する』という仕様だった。ATに非当選でも継続すればAT当選率自体が上がるようになっており、4G目到達はその時点でかなり熱い。これはガセ確定済みの捨て演出が存在しない、と表現することも出来るわけで、相当に画期的な作りだった。
イメージとしては、現代の自力当選ゾーンを極限まで圧縮したものという形だろうか。例えば「秘宝伝」シリーズなどは、見た目は同じだが当選率がまるで違う複数の『高確率』が存在することが割と有名だが、やじきたでは『高確率A』→『高確率B』→『高確率C』→『高確率D』と1Gごとに移行する、そんな捉え方でも遠くはないかもしれない。
 
 
良くも悪くも『こってり系カオス属』なこの機種だが、一世を風靡した……と表現するにはちょっと届かなかった。色物臭が強すぎたのもあるだろうが、この連続演出に関する内部仕様を知らずに打っている人の方が、圧倒的に多かったのではないだろうか。
「ファイアードリフト」や「秘宝伝」は、毎ゲーム開始時のレバーオンで引くフラグがとてつもなく大きな意味を持つということを、明確に打ち出すことで周知され人気を得た機種だ。この台にはその方面でのアピール力はほとんどなかったように思う。
とはいえ、それ以外の要素、キャラ・演出・全体的なノリと雰囲気による止めようがない濃さは、画期的なはずの内部仕様すら『些細なこと』と一蹴してしまう領域ではあった。なので、システム面を全面に押し出して宣伝したところで、打ち手が受ける印象は大差なかったかもしれない。
 
そんな、惜しいというか『スロットは娯楽だろ? 楽しく行こうぜ?』的な開発陣の声がいっそ心地良い、そんな台でした。
 
 
 
 
蛇足
 
ゴールドX事件(詳細は機会があれば)の余波で、代替提供機種として用意された事情があったため、導入したホールはかなり多かったようです。それによりライトユーザーでも触れる機会が割とあり、一度打ったら忘れないインパクトとあいまって一種の『伝説台』に昇華したのでしょう。通常の手順に投入されていれば、台数的にはいくらか落ちて『ごく一部だけが褒めるカルト台』で終わってしまった可能性もありそうなので、その意味では強運に愛されたワンダーボーイでもあったのかな、とも思うところです。
ちなみに眼鏡顔のおっさん面がドアップになる演出で、左右のレンズにGODが揃うとAT10連以上確定です(笑)
 
 
 
※正式タイトルは「喜多」の漢字がもっと難解なのだが、現代では一般的な漢字ではないので喜多で代替されることが多い。ちなみに喜=七が三つ、多=夛

スロ界において、すっかりと定番・主流のポジションを確立した『タイアップ版権もの』だが、その中でも特に躍進が著しいのは『アニメ』とのタイアップ作品だろう。このアニメというものは大きく4種類に分かれたりする。

・オリジナルアニメ
・漫画原作のアニメ
・小説原作のアニメ
・ゲーム原作のアニメ



アニメの版権というのは、いわゆる『製作委員会方式』が主流で、複数の関係各社を一括管理することで、無用のトラブルを避ける役割を担ったりしているわけだが、オリジナルものはさておき、漫画・小説・ゲームなどは『アニメ作品に対する原作』が存在するわけで、その原作者および発売元という『版元』が、メディアミックスに対して強い権限を有してることが多い。

例えば『北斗の拳は誰のもの?』と一般街頭アンケートでもとれば、回答は『武論尊』『原哲夫』『少年ジャンプ』『集英社』まあここらへんに集約されるだろう。アニメ北斗の拳を放送したTV局が1位になったりすることはないだろうし、サミーが上位になるとも、ちょっと思えない。


タイアップ作品というものは版元が許可しない限り実現しない。その意味では、スロとしてホールデビューしている時点で、その版元はギャンブル産業に対する理解があり、メディアミックスとして有効な提供先だと捉えているだろうと見ることも出来る。


アニメ制作会社から配給会社、プロダクションまで網羅して『提供元ランキング』などを作ってみるのも面白いかもしれないが、まあ、版権は修羅で魔境で大惨事の世界なので、徹底的な洗い出しなどしていたら多分エントリーを書き上げる前に寿命がくる。
というわけで、ふわっとゆる~く、ざるな感じで行ってみよう。続きを読む

マジカルハロウィンR KPE

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KPEの看板タイトルに育った「マジカルハロウィン」シリーズの2作目としてリリースされた機種。
当時は、スロシーンにおいて『萌え系が増えてきた……?』という認識が強まってきていた時期で、いわゆる『萌えコーナー』を設置するホールが増加するなど、それまで一部趣味層だけが注視していたものが、一般的なスロッターにも認知されだした過渡期だった。
そんな流れの中で、大きな存在感を発揮していったのが「ツインエンジェル」「マジカルハロウィン」の両シリーズであるのは周知だと思うが、どちらも初代は『その筋の層からは注目を浴びた』程度の実績止まりでもあった。
ホールにしっかりと定着するかの勝負は2作目で、奇しくも両機種のリリースは同年同月となった。

かたや「快盗天使ツインエンジェル2」
かたや「マジカルハロウィンR」

両メーカーが、互いの販売時期をどこまで意識していたのかは不明だが、トリビーからメーカーを変えて名前はナンバリング後継機としてきた「ツイン」

メーカー変更などは無いが『2』の冠はつけなかった「R」

結果論ではあるが、「R」の受難は、誕生したその瞬間からはじまっていたように感じてしまう。


この機種は初代と同じボーナス+ART機ではあるのだが、内部仕様を大きく変えて『キン肉マン系』寄りに仕上げていた。
BIGは存在するものの、確率は約1/2000。純増も160枚程度。
純増30枚程度のREGと『突シングル』と命名されたRT or ART突入役をメインに、実質ART特化型に構築されていた。

意図としては初代のボーナスを限界まで衰弱させて、その分だけ通常時からでも『カボチャレンジ/カボチャンス』に入るようにした、といったところだろうか。

「2027」が切り拓いた『ボーナスはART突入のためのチャンス役に過ぎない』というムーブメントに乗っかろうとしたのだろうこの台は、黒歴史・忌み子・Rなんてなかった……などなど、一般スロッターはおろかコアファン層にまで否定され、逆に哀れみを感じるほどの不人気の金字塔を打ち立ててしまった。

これは、


時流に乗っかろうとするも洗練しきれないKPEの悪癖


その象徴というか、スタートラインのような台だったのだと思う。
「マジカルハロウィン」という台の魅力は、キャラクターや世界観の面は一度切り離してゲーム性だけを見てみると、軽いボーナスと周期で移行する内部モードがかみ合った先のART、さらにまたボーナス……とつながっていく心地良さがまず来る。加えてART獲得に届かずとも必ず突入するチャンスゾーンから3択を成功し続けることによって、自力でのART昇格が可能という達成感。さらに『魔界』という特殊なモード中にボーナスを引くことで堪能できる、スーパーカボチャンスの特別な出玉感という、ボナ+ART機における普遍の王道要素が濃縮されて詰まっているところだった。

対して「R」では引きが悪いと終日打っても遭遇出来ないBIG、『2027/キン肉マン系』と割り切るにしても重すぎるボナ(BIGも含めた合算は約1/168~1/152)、それでいてさほど高いとは言えないART突入率。ボーナスによる出玉という保険を奪われたことで、失敗=出玉なしの印象ばかりが目立ってしまったチャンスゾーン『カボチャレンジ』、駄目押しとして初代より下がってしまった機械割りと、全てが悪い方向にちぐはぐになってしまった。

初代の路線を正当に継承・発展させた「マジカルハロウィン2」が、シリーズ最高傑作と評価されることが多い事実を見ても、打ち手がこのブランドに求めたものが「R」ではなかったことは、認めるしかないところだろう。


とはいえ、徹底的に叩かれ、全否定されるほど『クソ台』だったのかというと、筆者としては異を唱えたい部分もある。この機種は、5号機ARTの歴史の中で、新しい形での『ボーナスとARTの関係性』を築こうと、必死になって足掻いていた台でもあったと思うからだ。

新しい関係性。その鍵を握るのは『突シングル』という名のボーナスの存在である。


特定フラグ→RT→ARTといった昇格ステップは、「マーベルヒーローズ」や「バイオハザード」などで既に試みられている。ボーナスをキートリガーとしてARTが走るシステムとしては「2027」「キン肉マン」が二大巨頭だ。
それらの台が築いてきたムーブメントに乗っかっただけのように見えて、「R」だけが持つ個性。それこそが『突シングル』だと思う。

この聞き馴染みのないボーナス名、これはおそらく『突ボ』に着想を得たものだろう。図柄を揃えずに突然ボーナスがはじまったら、これは最高のサプライズにならないか? そんな目論見で5号機黎明期を瞬間的に盛り上げたこの仕組みを、ARTでもそのまま活用してしまおうと、そういう流れだったのだろう。
残念ながら突然はじまるのはARTではなくRT、それも高確率で訪れる3択を失敗=即パン終了という、最新AT機で例えるなら『自力チャンスゾーンに当選だよ!』的な、素直に当たったと表現するには抵抗がある種類のものだったが(※)、やがて基本仕様となっていく、ボーナスフラグとは別枠で独自に発動するチャンスゾーンだ、ART直当たりだという系譜の、その源流の一つとしてカウントしてもいいのではと、そういう風に解釈するのは、やや贔屓目が入っているだろうか。


そんな惜しいというか「半端にブレることが一番の悪手」という、もやもやとした煮え切らなさが残る台でした。



※ RTを経由せずに、ARTカボチャンスがスタートするケースもあり。

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