気が付けば高齢者

いつの間にか高齢者と呼ばれる年齢!

これは、絶対に放送当時の女性の気持ちをつかんだな。
と、思えます。

先週のおしんで、酒田で飯屋を始めたおしんが、偶然訪ねてくる浩太と出会い、ほとんど一緒になりそうなシーンです。
1983年放送のドラマ。
戦後すぐ、1945年生まれの方なら、当時38歳。
高度成長の時代。亭主は長時間労働が当たり前で、女性は専業主婦。子供は中学生か高校生。
1983年当時、日本人の平均年齢ってどのくらいだったのでしょう?
38歳の女性というと、当時は多分「おばさん」あるいはなになにちゃんの「おかぁさん」。
男に言い寄られる「オンナ」とは違うとご自身でもおもっていなかったんじゃないかと思います。
そして、加代さんがいつもこぼすように
「女なんてつまらない」
イエ(家)に縛られ、仕事にも就けない。

そんなあたしに比べおしんは自分飯屋とはいえビジネスをはじめ、かってあこがれた人から一緒になってもいいといわれる。

あたしだって昔は、若い頃は、好きな人がいて、いいところまで行ったのに・・・
亭主と子供の世話に明け暮れる日々が本当にあたしの人生でいいのかしら???

これは、何度も繰り返すかもしれませんが、
おしんってドラマは、小作の貧乏くさい女の子が奉公先などでいじめられるしみったれたストーリーだとばかり思いこんでいました。

とんでもない!

子持ちの(当時の)中年女性が現実の生活の中で忘れていたかっての情熱、想い。
亭主は大事です(当時は愛してるとは言わないな)。
子供はもちろん愛しているし大事な存在。
今の生活に不満はない。

だ・け・ど・・・
あの人とは・・・
あの人とは、一緒になれなかった。

あの人ともう一度会えたら・・・

もう、ほとんど、マストロヤンニとローレンの「ひまわり」を彷彿させるドラマだったんですね。おしんって。

それにしても、田中裕子さんがかわいい!
なんと表現したらいいのかわからないのですが、限りなくいとおしく感じられる女優さんです。

先週(9月16~21日)のおしんは、いよいよ佐賀の田倉家から離れるところから始まりました。震災の結果、東京から亭主の竜三の実家がある佐賀に行き、姑にいびられ続け挙句の果てに流産してしまう田中おしんを見るのは本当につらかった。

その残酷な嫁いびりをかわいそうと感じながらも、ここからどう逃れる?と先に期待をかけられるのは、最初から出ている乙羽信子さんの高齢おしんがいるからです。いじめ抜かれても、身体が不自由になってもなんとかあの時代につぶされなかった証拠があるから単に暗いドラマでなく希望の持てるドラマになっているのでしょう。

それにしても、佐賀時代の田中さんの嫁いびりに耐える暗い表情は、いまさらながら田中さんの大ファンになってしまった私には、早くなんとかしてここから脱出してくれと祈るばかりの日々でした。こうした、いじめっぽい場面では、泣けるということはないのですが、涙ぽろぽろとなってしまうのは、おしんが自分を犠牲にして生きることを理解している人が出てくるところです。

田倉家を出るとき、普段は無口な福太郎さんが餞別を差し出すところやその妻恒子さんがおしんの子供の雄君を姑のところから連れ出してくれるところ、そして晩年のおしんが、田倉家の墓参りをして福太郎さんや恒子さんに言及するところなど、胸が熱くなりました。


先日、2019年8月、アナザーストーリーで、「おしん」をやりました。
いまさらながら、おしんにはまっている私も見て改めてこのドラマすごいと思いました。小林綾子さんや泉ピン子さん、
そして言うまでもなく一番大事な作者の橋田壽賀子さんのこのドラマにかける思いを新たにしました。
来年3月まで、絶対に見続けるぞ!

さて、このドラマ、出ている女優さんがすごい!
今、9月現在、おしんは佐賀の田倉家在。亭主の竜三さんの母上清さんのおしんいびり、これが半端でない!
ここまでいじわるな姑を演じられる高森和子さん、名女優ですね。

さて。

おしんを演じた女優さんは、3人います。
少女時代のおしんを演じたのが小林さんで、真冬の最上川、ど貧乏ゆえに米と引き換えに奉公に出される。
おしんというドラマを象徴するシチュエーションを子供ながら見事に演じきり、それゆえにドラマをあまり知らなかったときには、
おしんというと小林さんを思い起しました。

だけど、ドラマの最初に出てくるおしんは。乙羽信子さんです。
乙羽さんは別格。後日別談義。



青春時代から、一番長くおしんを演じたのが、田中裕子さんです。
田中さんが初めて出たのは、確か、加賀屋のおお女将くにさんのそばで働くシーンだったのではないかと思います。
はっきり言って、惚れてしまいました!
田中さんという女優は、沢田研二さんとの関係で魔性の女とか色気とかいう言葉に象徴されることが多いのですが、
可愛い!

これが、私の田中おしんの初印象でした。

昔の若者(36年前は、チョットとうが立っていましたが、私も若かった、)ってのは、世間に対して斜に構え、流行っているというと背を向けるようなところがありました。

50%を超える視聴率をとる番組などそうした人間からすれば当然背を向ける対象でした。
そもそも、NHKのドラマを見るためのテレビを持っていなかった。テレビという大衆的なメディアに、拒否感がありました。

そして、高視聴率の朝ドラといっても、所詮、昔の日本の貧乏くさい小作の娘の話だろうくらいの思い込みしか持っていませんでした。

でも、実際に放送を見ると、おしんって、貧乏くさいなどというのは大いなる勘違いで、実際のおしんは、美人で頭が切れ、努力家で礼儀正しく、可愛くそれでいて腹の座った、現代でもなかなかいない女性。クールでいながら情を忘れない女性でした。

そして、1983年。
この年は、戦争が終わって38年。
20歳で敗戦を迎えた人でもまだまだ58歳。
同時代を生きた人であれば、共感の持ち方は、半端ではなかったでしょう。

7月の今、再放送はまだ、大正時代。
年よりの私もさすがにその時代は知らない。
ドラマのストーリーは、ネットで見られるのですが、あえて見ない。

毎週、土曜日の深夜、ウィスキーを飲みながら、田中裕子さんのかわいらしさに酔いしれるときに身を任せようと思っています。


自分でもまさかの展開ですが、おしんにはまってしまいました。

2019年5月の日経、私の履歴書は、橋田壽賀子さんでした。
当然のことながら、「おしん」にもふれられていて履歴書の数回はそれにあてられていました。その時は、そういや、むかし、そんなドラマがあり、かなりはやったな程度の感想しかありませんでした。

そして、6月、NHKのBSでおしん全放送の一挙再放送が開始。
(単発での再放送は4月1日から始まっていた)
いまさら、という気持ちもあったのですが、まぁ、ちょっとくらい見てみるかな。
程度の気持ちで見始めたら、思い切り引き込まれ、思い切り感動してしまいました。

正確に言えば、再放送はまだ継続中ですので、感動し続けている次第です。

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