slow AUDIO,slow LIFE

 ここんとこ連続している「今更」な内容の書き込みです。今回は2024年に発売されたヘッドホンで気になった製品を価格順にまとめました。しっかり試聴できていない製品もあるので参考になりにくいかと思いますがお付き合いください。

 昨年はeイヤホンで取扱いが無い製品で気になるものがちょこちょこあったんですよね。
 あと、紹介する製品を見てもらえばわかるんですが、私はモニター寄りの音が好きなので、ほとんどモニターヘッドホンばかりになってしまっています。



ADAM H200
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 ADAM AUDIOは1999年にベルリンで設立されたプロ向けモニタースピーカーのメーカーです。そのアダムが手がけたモニターヘッドホンがH200になります。

 ADAM H200 製品ページはこちら


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 H200は今のところeイヤホンでの取扱いがなく、店舗だとサウンドハウスやイケベ楽器くらいで、あとはAmazonとかで購入可能です。私はeイヤホンで取扱いが無いヘッドホンだと西心斎橋のイケベ楽器さんを利用することが多いです。
 販売価格は21500円と近年のヘッドホンの中では低価格になります。

 デスクトップスピーカー等で好評なADAMがヘッドホンをつくったってんで凄く気になっていました。購入しようかホントに悩みました。カートに入れるまでは行ったんですけど、同時期に他のヘッドホンを購入したり、購入したけど未開封のまま積んであるヘッドホンがいくつかあるので見送った次第です。
 ヘッドホンは開閉型が好みなんですが、こちらは一応密閉型になります。一応というのはハウジングの底にポツポツと小さい穴が開いているので、完全密閉型では無いんですよね。かと言ってFOSTEX T60RPのように半開放という程でもありません。



beyerdynamic DT 770 PRO X Limited Edition
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 メーカー製品ページはこちら

 ベイヤーダイナミックのブランド創立100周年記念モデルです。100年って凄いですよね!記念モデルだから5、6万円くらいはするんだろうなと思っていたらまさかの3万半ば。素晴らしいです。

 昨年大きく話題になった製品の1つだと思います。私も発売前にeイヤホン日本橋店に試聴に行きました。

 こちらのモデルは名前から立ち位置がすごく判断しずらくて、同じDT770PROというモデルもあるし、DT900 PRO Xといった「PRO X」シリーズもあるからどっち寄りなんよ⁉と、まるで昼と夜の顔が異なる御婦人のように私の心をもて遊んでくる・・・以下省略。
 話を戻しまして、試聴した感想としては同じ密閉型のDT1770とDT770の並びではあるものの、DT1990にも少し似た所も感じるモデルでした。PRO Xシリーズとは別ラインだなという感じです。
 モニターというよりリスニング向けに近い感覚で、密閉型なんですがハウジングの厚みがあるからか音の広がりを感じる部分で1990っぽさがありつつ、低音域が無印DT770よりも出ています。SONYのCD900STが製品としては古いので現代音楽に合っていない部分もあり、低音域が強化されたM1stが発売されたように、発売から年数が経過しているDT770PROよりも 770PRO X Ltdの方が現代音楽に合わせた低音域の出し方になっている印象でした。
 試聴した結果、開放型のDT900PRO Xの方が好みだったので購入は見送りましたがとても良いヘッドホンだと思います。



③ SENNHEISER HD 490 PRO
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 eイヤホン販売ページはこちら


 ゼンハイザーの開放型モニターヘッドホンです。
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 値段の高いPLUSモデルもありますが、付属品が異なるだけです。ケースや3mケーブル、ヘッドバンド用パッドが増えるだけなので無印でいいかなと思います。

 ワタクシ単純にゼンハイザーは好きな音の製品多いんですよね。このヘッドホンも上から下までバランスも良く、どこか突出してるわけでもありません。ただ私の持っているゼンハイザー製品に言える事なんですが、良くも悪くも「ゼンハイザーの低域」みたいな個性が少しあって、モニターヘッドホンとして使用するならそこだけ気になる人がいるかもしれないなと思いました。そのゼンハイザーらしい低音域が私は凄く好きな部分です。
 プラスティッキーな見た目は好みの分かれる所としても装着感が軽い。そして、開放型の中でもめちゃくちゃ開放感があります。もう玄関ドアだけじゃなくて、家中の窓やドア全部開けてまっせ!ってくらいの開放感。なので音の抜けはいい代わりに周りの音も聴こえます。
 あとインピーダンス130Ωなので、FiioのQ7みたいに外部電源モードが無いポタオデ製品だと性能を活かしきれないかもしれません。
 価格帯だと私の好きなAustrian AudioのHi-X65より少し安いくらいですし、装着感も490PROの方が良く、リスニングにも使うなら490PROの方がいいかなと感じました。



OLLO AUDIO  X1
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 製品ページはこちら

 イケベ楽器販売ページはこちら

 OLLO AUDIOのX1です。こちらもモニターヘッドホンになります。開放型のオーバーイヤーヘッドホンで、eイヤホンでの取扱いが無かったのでイケベ楽器さんで注文しました。ただ注文から到着まで4ヶ月以上待ちの状態で、まだまだ待っている状態です。レビューは到着してから書けたらと考えています。
 同じくらいの価格帯ではノイマンのNDH30もあるし、こちらも凄く魅力的なヘッドホンなのでどちらにするか悩みました。



STAX SRS-X1000
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 eイヤホン販売ページはこちら

 高級ヘッドホンのイメージが強いSTAXから発売されたヘッドホンとアンプがセットになった製品SRS-X1000になります。STAX風の言い方だとイヤースピーカーとドライバーユニットの組み合わせですね。別途DACは必要ですが、ヘッドホンだけじゃなく専用設計されたアンプもついてSTAX製品がこの価格で買えるなら寧ろお得に感じてしまいます。
 大阪ポタフェスで試聴しましたが、会場が混雑しておりそれ程じっくり聴けませんでした。見た目から音の抜けが良くて音場もめちゃくちゃ広く感じるのかと思ったんですが、そこまで広いわけじゃなく全体的に音も含めて凄く自然な鳴りをする印象でした。ジャズを再生すると楽器の生々しさがあって、ウッドベースの弦を弾く弾力感がめっちゃ好みでした。



 今回は昨年発売されたヘッドホンの中から気になった製品をまとめてみました。OLLO X1を購入していなければゼンハイザー HD490 PROを買っていたと思います。それくらい490は良いなと感じました。
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 またベイヤーダイナミックからは1990、1770の後継機種も発売されており、そちらはまだ試聴できていないので是非試聴したいと思います。
 年齢的なこともあって、できるだけポタオデ環境も少数精鋭にしたいと思いつつ、特にヘッドホンに関しては場所も取るのに魅力的な製品が次々と発売されて本当に困りますね。

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 今回はCayinのドングルDAC RU6のレビューです。
 2021年12月発売で、2022年にeイヤホンで購入したので3年以上前のものを今頃レビューしています。後発のRU7が登場して1年半以上経っているのに何事よ!?って感じだと思いますが、私は未だにドングルDACはコイツを愛用しており、他社からも新製品がどんどん発売されている状況でも未だに「いいドングルDACだなぁ」と感じているのでレビューするに至りました。


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 販売代理店kopek RU6サイトはコチラ
※本ブログ内の製品説明画像は上記代理店のサイトから引用しております。



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 ケーブルと説明書が付属しています。RU7は加えて最初からレザーケースが付属しています。私は別に購入しました。


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 説明書は日本語表記です。


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 3.5mmシングルエンドは32Ω負荷で138mW、4.4mmバランス側は32Ω負荷で213mWとなっています。最近のドングルDACの多くが「こんなに小型なのに高出力でっせ!」なのに対して、ちと4.4mmは弱めですね。イヤホンでは不足を感じることはありませんが、ヘッドホンT60RPだと低音域の厚みが出し切れていない感じを受けます。
 RU7は出力が上がっており、特に4.4mmは400mW@32Ωなのでバランス接続をメインに使用される場合はRU7の方が良いかと思います。またRU7はラインアウトも使えるので、LOを使う人はRU7一択になります。というかRU7ではなく敢えてRU6を選ぶ理由は「音が好みかどうか」だけになります。それ以外の部分はほぼ全てにおいてRU7の方が優れています。



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 反対側はType-C USBオーディオ入力になっています。

 

音量調節時の音途切れについて

RU6とRU7を検討している人にとって、懸念点と言えるのが音量調節する際に発生する一瞬の音途切れです。

下画像にも書いてありますが、RU6は既存のボリューム機構ではCayinが求める品質の高精度・低ノイズ・低消費電力が満たせないということで、独自のディスクリート抵抗アレイ・ボリュームコントロールを開発したそうです。RU6_SalesGuide_04
 この機構はボリューム変更時にリレーの切替が必要なため、ショートディレイ(音途切れ)が発生してしまいます。音質を優先させた代償のようなものなので仕方ありませんが、曲の再生途中で音量変更すると小さなノイズ音と共に一瞬音途切れが起こるので、ここは人によっては大きく気になる点かと思います。ただ、音量を1段階変えるくらいだと気が付かないくらいですが、何段階か音量を変更するために複数回ボタンを押すと顕著に音途切れが発生します。
私は一度音量調節したら頻繁に変更することも無いので特に気にはしていません。

 あ、あとRU6もRU7もMQAは非対応です。MQAで音源購入している方は残念ながらこの製品は購入候補から外れると思います。



R-2Rラダー抵抗方式について
 RU6と他社のドングルDACとの大きな違いはR-2Rラダー抵抗方式を採用している点です。
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 一般的なドングルDACはESSやAKMといった半導体デバイスのDACチップを搭載しています。
 R-2Rラダー抵抗方式は新しい技術ではなく、むしろ近年は見かけなくなった古い方式です。ただデジタル信号処理が半導体デバイスのそれよりシンプルなので、半導体デバイスのようにチップの個性によって音質に味付けされたりする部分が少ないなどのメリットが期待されると言います。
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 DACチップの代わりに、回路と抵抗器が音質に大きく影響してくるわけで、コストや製造過程の手間を考えるとR-2R方式が定着していないことも納得です。あえてそこに挑戦して高音質を求めたCayinの他とは異なる部分に惹かれるのですが、一般のユーザーからすればそんな部分はともかく音が良ければ関係ないというのがほとんどでしょうか。




操作について
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 側面に+、-、modeボタンがあります。上写真は逆向きになっています。 

 モードボタンを長押しすると設定メニューが表示されます。
 メニュー内でゲイン設定、サンプリングモード設定、バックライトの秒数設定が行えます。

 ゲインはH(ハイゲイン)、L(ローゲイン)の2種類が設定可能です。


 サンプリングモードはNOS(ノン オーバー サンプリング)とOS(オーバー サンプリング)が選択できます。
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 オーバーサンプリング機能のON/OFFによる音質の変化はそこまでハッキリしたものではありません。
 オーバーサンプリング機能は、D/A(デジタル、アナログ)変換のサンプリングレートを何倍かにするものであり、その際に生じるノイズへ対策するためにデジタルフィルター等で補完処理をかける必要があります。RU6がどのような対策をとっているかは不明ですが、上画像にある「解像度の向上」などが見込める代わりに僅かながらクリーンさが損なわれる弊害もあるため、基本的にオフ(NOS)の設定で良いと思います。
 もし、CD音質(44.1kHz)未満のサンプリングレート音源を再生することがあればオーバーサンプリングをONにして使用してみてもいいかもしれません。

 +、-ボタンは短押し、長押しで音量変更ができます。基本的にスマホ側の音量は最大に設定して接続して、音量調節はRU6側で行うことをお勧めします。


 WindowsPCに接続して使用する場合には下記からUSBドライバーをインストールする必要があります。

 kopek製品サポートページ CayinユニバーサルUSBオーディオドライバー



音質について


 音質については接続するイヤホンやヘッドホンによる所が大部分を占めるかと思いますが、RU6の印象としては、過度な味付けをしないプレーンに音を再生するキャラクターですが、少し柔らかめで自然な音質といった感じです。
 ESSを搭載した製品だと音の輪郭がクッキリして硬質だったり冷質な音になる印象があると思います。RU6はどちらかと言うとAKM寄りの暖かみだったり、音の輪郭に少し丸みを感じます。
 高音域はその影響が大きく刺さりの無いものですが、その分金属楽器のキーンと伸びる倍音部分が凄く上の方まで出ている感じもありません。

 音のバランスとしては特に突出している部分はありませんが、どちらかというと中音域、ボーカルに魅力を感じます。
 フラットというより高音域の上の方、中音域の下寄り、超低音域辺りが少しだけ窪んでいるように感じます。なのでボーカルが少し前に出て魅力的に感じるのかもしれません。
 低音域は好みの別れる部分かもしれません。引き締まった低音域ではなく、柔らかめの輪郭に広がりを感じるタイプの低音域なので、バンド編成の曲を聴くとボーカルやギター、ピアノの少し奥に全体的に広がって聴こえています。またEDMを聴くとアタック感などはあるものの、超低音域までズーンと感じる深さみたいなものが弱いです。この辺りはRU7の方が音も締まっていて、さらに超低音域までしっかり出ていると思います。

 音場は狭くはありませんが、めちゃくちゃ広いわけでもありません。空間表現に関してもRU7の方が全方向により広がりを感じます。音場があまり広がり過ぎていないので、個々に楽器が鳴っているのではなくひとつのまとまった音楽として楽しめる、ここがRU6の魅力のひとつだと感じています。
 少しアナログ的な感じのする他とはキャラの異なるドングルDAC、それがRU6だと思います。


最後に
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  冒頭から何度か書いていますが、RU6とRU7だと金額差もそれ程ないので、音の好みは別として、全てにおいてRU7が優れています。余裕があれば両方を使い分けるのもいいのではないでしょうか。
 RUシリーズはバッテリーレスなので中古で購入する際にもバッテリーの劣化を心配する必要もありません。RU6の方は中古で安い時だと2万円くらいになっているので買いやすいかと思います。



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 今回は中古イヤホンについてです。
 みなさんはイヤホンの中古ってどうですか?私の周りだと特に女性の多くが「イヤホンの中古なんて無理〜!!」と言う人がほとんどです。確かに私のような小汚いオッサンが耳につけてたイヤホンなんて買いたくないって気持ちもわからなくもないです。かくいう私もスニーカーに関しては中古を買うことに抵抗があったりします。

 ただ、イヤホンの中古も新品より大幅に値下がりした物や、既に新品は販売してなくて中古でしか手に入れられないものもあります。私はイヤホンに関しては中古でもほとんど抵抗ありません。イヤピも自分の好きなものに交換するので。


 そこで今回は2025年1月22日現在のeイヤホン中古ページで、私が良いなと思った製品なんかを一方的に押し付けたいと思います。
 人気のイヤホンとかは検索しても既に売り切れになっているかもしれませんのでご了承ください。



①intime 碧Ti3 Edition2
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 intimeの碧Ti3 Edition2です。元値の半額くらいかな?クッキリハッキリした音でお勧めのイヤホンです。更に前モデルの碧Ti3なら中古で8000円くらいで販売されているので、そちらもお勧めです。



②final A5000
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 未使用品です。年明けには福袋に入っていたものがそのまま買い取りに出されて中古に並ぶ事が増えます。A5000はエントリーハイの価格帯で基準にできるくらいバランスの良いイヤホンだと思っています。



③Acoustune HS1670SS
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 アコースチューンの少し前のモデルです。発売当時の半額以下ですね。ケーブルは緑化している場合も多いかと思いますが、非常に透明感のある好みの音色です。
 低音域が好きな人にはこちら⬇をお勧めします。
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④AKG K3003
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 私も未だに欲しいイヤホンNo.1です。ってこの中古Aランクですやん!!付属品はほとんど欠品してますが、K3003も販売終了してから相当年数も経ち、近年は状態の良い中古が販売されていることも滅多になくなりました。いや、これは欲しい!これは欲しいぞ!!



⑤ HiFiMAN Svanar
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 値段入ってませんが新品22万ちょいが中古だと12万くらいです。同社のRE2000は未だに私の手持ちで他イヤホンと比較する際の基準にしている製品ですが、如何せん装着感が良くありません。Svanarはそれよりは装着感もマシで音も良いので程度の良い中古がこんだけ値下がりしてるならオススメです。



【番外編】

ここからは番外編です。中古を検索していて目に付いたイヤホンを挙げていきます。

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 中古を買うメリットとして、ネプチューンのような個体ごとに模様が異なるイヤホンだと好きな筐体を選べる点があります。新品だと箱を開けるまではどんな柄のイヤホンが入っているかわかりません。
 他にも木目パネルを使用した製品とかは好みの柄を選択できるので良いですよね。
 今回検索したらネプチューンも黒色はまだあるけど青色は数が少なくなっているんですね。私はネプチューンの音は好みでは無いんですが、それでも見た目はめっちゃいいですよね。



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 FW10000も販売終了してしまったけどめっちゃ好きなイヤホンです。K3003の次に欲しいイヤホンかも。あんまり値下がりしていないし、中古の数もめちゃくちゃ少なくなってますね。たまたま今だけなのかな?




 intimeのイヤホンを検索していたら店舗では販売せず、メーカーで抽選販売された「心」や「まかなイヤホン」がありますね。心、プレ値か少し高いっすね。
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 eイヤホンに行くと中古コーナーに行って、何か新しく入荷した掘り出し物が無いかな?と探したりするのも私の楽しみです。
 今回は中古でも「イヤホン」に絞って紹介しましたが、別ジャンルの中古でもオススメなどをご紹介できればと思います。

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