あちこちで寿司を食べて思うことがある。
スケルトンがゲーム界における永遠の雑魚キャラならば、寿司屋における永遠の雑魚はどうやらイカゲソのようだ。
俺の大好物であるアジやイワシも市場寿司では最安値なのだが、寿司屋によっては下の上又は中の下並の扱い、つまりは1カン150~250円程度の料金設定の店もある。
これは仕入れ値というよりも仕事の手間賃だろう。
その他、ある店では最低ランクだが他の店ではそうでもない、といったような寿司ネタも少なくない。
そんな中にあって、俺の知る限りイカゲソだけはどの店でも常に最安値だ。
どうして俺の好きなネタはいずれもこうも安いのか?
嬉しい悲鳴ではあるが、好きだからといってそればかり食べていると、金欠にも関わらず寿司を食いに来た奴、ということにでもなろう。
職人が安ネタ連発の客を内心どう思っているのか、あるいは何も思っていないのか、そのあたりのことは知るよしもないが、こちらとしてはやはり多少気にせずにはいられない。
よって、味覚なみならず値段の強弱を付ける意味でもマグロやアナゴを間に挟んで注文したりする。
この最安値のイカゲソだが、店によって個性が出るので実は面白いネタでもある。
最も多いのは焼いたイカゲソを握って中央に細海苔を一周させ、煮詰めを塗るパターンだ。
塩で出てくる店も少なくない。
店によってはレモン一絞りの仕事がなされており、最安値とは思えない歯ごたえと旨味、風味が楽しめる。
新鮮であれば生ゲソというパターンもあるな。
いずれもその扱いの低さが気の毒になる程にうま味が強い。
別に俺は日本イカゲソ向上委員会の回し者ではないが、女性にもぜひ楽しんでもらいたいネタだと強く思う。

冬でも力強く育ったパクチーが重宝している。
どちらかといえば南国植物のイメージがあるが、この育ちっ振りからして案外そうではないのかもしれない。
我が家で栽培を始めた当初は葉の部分のみを摘んで食べていたが、今では根本から引き抜いて茎も全て食べている。
というのも、パクチーといえばあの独特の香りが命だが、意外にも茎の部分の方が芳香が強いようだ。
多少の筋はあるもののセロリほどでもなく、そのまま食べても十分美味しい。
ナンプラーをかけた冷や奴と一緒にパクチーを茎ごとかじれば口中はちょっとした東南アジア状態だ。
唐揚げと一緒にかじっても美味しい。
茎ごとなのでトッピングといったような上品な食べ方ではなく、あくまでワイルドにかじるに限る。
今となっては中華粥に少量入っていたパクチーをわざわざよけて食べていた昔の俺が信じられない。

今まで何度も料理番組やCMで目にしてきたものの、何となく作ることのなかった白菜と豚バラのミルフィーユ鍋。
昨日、帰宅すると親父が畑で取ってきたばかりの白菜が一つ玄関に置いてあった。
冷蔵庫を開けると豚バラが目に入り、「ならば一度あれを作ってみるか」ということになった。
結果、感動的に良かった。
大々的に宣伝していただけのことはある。
俺がやったのは酒を少々入れて蒸し煮にし、しなっとしたところで本だしと味の素を少々かけた。
それをそのまま食べたり、ポン酢で食べたり。
おそらくは白菜を最も美味しく食べることのできるレシピだろう。
素朴な味なのだが、それがしみじみと美味しい。
あまりに気に入ったのでまた来週も作るつもりだ。
何となく作っていない、という方も多いだろうが、白菜の美味しい今の内にぜひ一度お勧めしたい。

↑このページのトップヘ