「こころの薬箱」品川心療内科-SMaPG-軽い読み物

精神科・心療内科専門医・臨床心理士グループStress Management Power Group(SMaPG) at 品川心療内科の情報発信

2005年08月

PUS(Public understanding of science)一般市民の科学理解

PUS(Public understanding of science)一般市民の科学理解

類似のものにPUMS(Public understanding of medical science)およびPUM(Public understanding of Medicine)がある。
知識が市民に開かれていて、市民が政策決定に参加できることが米国市民社会では大切である。専門知識は専門家にしか分からないから任せておくというのでは、開かれた社会にならない。一般市民が科学専門知識を理解し科学技術政策などの意思決定に参画することが米国市民社会の理想である。
一般市民の科学理解としては「トップダウン式」「啓蒙主義的」なものと、「ボトムアップ式」「社会学的(草の根的)」なものがあると言われている。
たとえば宇宙飛行の問題ならば、大半の人は直接の利益にも危険にもならないから、PUSは世論形成プロセスの問題ということになる。一方、医療の領域では、医療保険をどのようにするか、そこで社会の判断が求められ、PUSをもとに市民が最終決定する。また、自分や家族が病気になった時、判断が求められることがあり、自己決定に至るためにはかなりの知識が必要である。このような個人的個別的判断の場合にもPUSが基礎になる。

火星まで行った方がいいのか費用を考えてやめるのか、インターネットセキュリティと市民の自由をどうするのか、石油をどうするのか、中国とどうするのか、核兵器をどうするのか、クローン医学はどうするのか、老年期認知症はどうするか、HIVはどうするか、ガンの予防はどうするか、遺伝子治療はどうするか、医療保険制度をどうするか、肥満者の社会的待遇をどうするのか、進化説と創造説をどうするのか、市民がすべての政策決定に関与すべきであり、その基礎にPUSがあるから、どう考えても大変である。現実には無理もあるが理念としてはこれしかない。

EBM(Evidence-based Medicine)

EBM(Evidence-based Medicine)
直訳すれば「根拠に基づいた医療」であり、内容としては、「入手可能な最新最良のエビデンスと患者の個別性を考慮して行う医療」のこと。
むかしから「入手可能な最新最良のエビデンスを重視する医療」のあり方は変わっていないと言えます。新しい知見が出ても無視して、自分の経験だけに頼る医者がもしいたとして、それは間違いだと誰でも認めるでしょう。
しかし近年はその「最新最良」が、別次元のものになったと感じます。昔なら学術論文として発表され、追試され、ある程度確かなものになってから教科書にも記載され、厚労省も認可する、そんなスピードだったと思います。その場合も、早い人はいくらでも早く取り入れることはできるわけですが、確実性については劣ることになります。
ところが最近のように医療データベースを世界的規模で構築するようになると、まったく違う世界が発生します。仮説、実験デザイン、結果、問題点まで一挙に入手できます。

まず検索の前に疑問の定式化を行うことが推奨されています。
1.どのような患者で(Patient)
2.どのような介入が(Intervention)
3.何と比較して(Comparison)
4.どのような帰結をもたらすか(Outcome)
頭文字をつなげてPICOとなります。

次に文献検索をして、みつかった論文について「内的妥当性」の検討をします。こで実験デザインの知識、統計学手法の知識が必要になります。たとえば、「複数のランダム化比較試験のシステマティック・レビュー/メタ分析による」が最も信頼性の高い情報と評価されます。有名な話では、心筋梗塞後の抗不整脈投与が、実は患者さんの死亡率を高めていたと証明された事例があります(Cardiac Arrythmia Suppression Trial)。

ここから実際の診療ですが、「論文の外的妥当性」の評価に入ります。この施設で、この患者さんの状態で、この家族を抱えながら、患者さんの人間観も考慮しつつ、どうするか、と検討します。
患者さんの精神世界に寄り添うことはNBM(Narrative-based Medicine)の領域とも考えられますが、現実に患者さんにどのような治療が最適化を考える時には、EBMにおいても不可欠なものと考えられています。
一方、医学教育の場面でも、教科書としてまとまったものを理解するだけではなくて、日々更新されるデータベースの中から真に意味のある情報を選び出す方法の教育こそ大切なのだろうと考えられています。

「Bohemian Rhapsody」 Queen

ロックミュージカル「We will rock you」のコマーシャルを見た。Queenの昔の曲はキムタクのドラマでも使われていたし、テレビコマーシャルでもときどき流れる。わたしの本棚にもQueenのCDが何枚かある。イギリスでは人気投票が発表される。好きな曲一位はジョン・レノンだったりQueenだったりするが、Queenの中では「Bohemian Rhapsody」が一番人気のようだ。アメリカでは「We are the champion」が広く支持されていると聞く。Freddie Mercuryは特別な人なのだと思う。
歌詞の内容はわたしには少し難しいところがある。試みに訳してみる。

Bohemian Rhapsody Queen
Words and music by Freddie Mercury

Is this the real life-
Is this just fantasy-
Caught in a landslide-
No escape from reality-
Open your eyes
Look up to the skies and see-(skyは複数形なのか!)
I'm just a poor boy,I need no sympathy-
Because I'm easy come,easy go,
A little high,little low,
Anyway the wind blows,doesn't really matter to me,
To me

Mama,just killed a man,
Put a gun against his head,
Pulled my trigger,now he's dead,
Mama,life had just begun,
But now I've gone and thrown it all away-
Mama ooo,
Didn't mean to make you cry-
If I'm not back again this time tomorrow-
Carry on,carry on,as if nothing really matters-

Too late,my time has come,
Sends shivers down my spine-
Body's aching all the time,
Goodbye everybody-I've got to go-
Gotta leave you all behind and face the truth-
Mama ooo- (anyway the wind blows)
I don't want to die,
I sometimes wish I'd never been born at all-

I see a little silhouetto of a man,
Scaramouche,scaramouche will you do the Fandango-
Thunderbolt and lightning-very very frightening me-
Galileo,Galileo,
Galileo Galileo
Galileo figaro-Magnifico-
But I'm just a poor boy and nobody loves me-
He's just a poor boy from a poor family-
Spare him his life from this monstrosity-
Easy come easy go-,will you let me go-
Bismillah! No-,we will not let you go-let him go-
Bismillah! We will not let you go-let him go
Bismillah! We will not let you go-let me go
Will not let you go-let me go
Will not let you go let me go
No,no,no,no,no,no,no-
Mama mia,mama mia,mama mia let me go-
Beelzebub has a devil put aside for me,for me,for me-

So you think you can stone me and spit in my eye-
So you think you can love me and leave me to die-
Oh baby-Can't do this to me baby-
Just gotta get out-just gotta get right outta here-

Nothing really matters,
Anyone can see,
Nothing really matters-,nothing really matters to me,

Any way the wind blows....

ボヘミアン・ラプソディ

これは現実なのか
それともただの幻なのか
まるで地滑りだ
現実からは逃げられない
目を開いて
空を見ろ
僕は哀れな男 でも同情はいらない
なんとかやってきたさ
いいこともあれば 悪いこともある
どっちにしたって なるようにしかならないさ
僕にはたいしたことじゃない
僕には

ママ たったいま人を殺した
あいつの頭に銃口を突きつけて
引き金を引いた 奴は死んだ
ママ 僕の人生は始まったばかりなのに
僕はもうだめにしてしまったよ
ママ ああママ

ママを泣かせるつもりじゃなかったんだ
明日の今頃僕が戻らなくても
ママは今のままで生きていってね
まるでなんでもなかったみたいにね

もう遅すぎる 僕の人生の終わりが来た
体中を震えが走る
ずっと体が痛い
さようならみんな 僕はもうあの世に行くよ
みんなと別れて 真実と直面するよ
ママ ああママ(なるようにしかならないさ)
僕は死にたくないよ
いっそのこと生まれてこなければよかったよ

小さな男のシルエットだ
スカラムーシュ スカラムーシュ 踊れファンタンゴ
雷鳴と稲妻---とても恐ろしい
ガリレオ ガリレオ
ガリレオ ガリレオ
ガリレオ フィガロ---貴き人よ
僕は哀れな男 誰にも愛されない
彼は貧しい生まれの哀れな男
この怪奇な運命から彼の命を救ってやろう
いままでなんとかやってきたんだ 僕を天国に行かせて
神に誓って!だめだ お前を天国に行かせない 彼を天国に行かせて
神に誓って!だめだ お前を行かせない 彼を行かせて
神に誓って!だめだ お前を行かせない 僕を行かせて
お前を天国に行かせない 僕を天国に行かせて
お前を行かせない 僕を行かせて
ノーノーノーノーノー
ママ ママ 愛するママ 僕を天国に行かせて
魔王ビールズバブ 頼むから地獄は嫌だ 
僕を助けて 僕を助けて 僕を助けて

それじゃ 僕に石をぶつけ
顔につばを吐きかけることができるのか
愛していると言いながら僕を見殺しにできるのか
ああ 君がそんな仕打ちをするなんて
すぐに逃げ出さなくては
いますぐ ここから逃げ出さなくては

何もたいしたことはない 誰もが知っていることさ
たいしたことじゃない
本当に僕にはたいしたことじゃないのさ

どっちみち なるようにしかならないのさ
(有満麻美子訳を参考にして改訳)

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二種のCDに附属している訳に違いもあったので、参考にして自由訳してみた。
途中からオペラのセリフの歌い合いみたいになる。

いきなりrealかfantasyかというから、とても精神科的である。
realかfantasyかいつも考えている。

スカラムーシュは空威張りする臆病者。いつもハーレクインにいじめられ
るらしい。ガリレオはどのような関連かわたしにはよく分からない。

Nothing really matters,
Anyone can see,
Nothing really matters-,nothing really matters to me,
この反復がこころにしみる。

前半で、人を撃ち殺して、死刑は決まった。
後半は、天国行きか地獄行きか決められる。
天国に行かせて、地獄はいやだと嘆願している。

人を撃ち殺して死刑になりそうな男が絶望の叫びをあげている
でも、考えてみれば、
どの人も、どの人生も、死刑を宣告されていて、絶望の叫びをあげているような
ものだとのメッセージと思える。
その絶望からいかに生きるかの展望は、ここにはない。
嘘っぱちで薄っぺらな希望を歌わない態度は潔いとも思える。

もう少し希望を歌いたいし、人間を信じる気持ちを歌いたいと思うが。
そんなことをしないからロックはかっこいい。
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