2017年10月期に第一級海上特殊無線技士(一海特)を受験しましたので、メモを残します。


操作範囲
一海特は、主に、船上保守をしないGMDSS対応の漁船の船舶局・商船が装備した国際VHFなど。国際通信のための通信操作も可能です。


試験
一海特については、2月・6月・10月の年3回の試験を 日本無線協会 が実施しています。
試験科目は、無線工学・法規・英語・電気通信術の4科目。科目合格はありません。


フロー
  • 受験申込
  • 受験料を郵便局から振替
  • 受験票を郵送で受領
  • 受験(受験票は必要項目に記入し、写真を貼付)
  • 試験問題と解答の公開(試験日から数日後)
  • 合否結果発送とWeb公開(試験日から数週間後)
  • 無線従事者免許証申請
 

受験申込
Web で申込みます。
「申請完了」画面に表示される整理番号問い合わせ番号は状況照会に必要です。


受験料を郵便局から振替
ゆうちょ銀行または郵便局窓口に備付の振替払込用紙を使用して払い込みます。
試験申請手数料の振込みが確認された段階で申請が完了し、後日受験票・受験整理票が送付されます。


受験票
試験の約1ヶ月前に送られてきます。
必要項目に記入し、写真を貼付します。記載された試験会場や注意事項などを確認しておきます。


受験
試験科目は、無線工学法規英語電気通信術(受話、送話)です。
私の場合は、電気通信術(受話)・英語・無線工学/法規・電気通信術(送話)の順で行われました。大阪での試験会場は、市営地下鉄あるいは京阪の天満橋3号口から徒歩2分のアンフィニィ・天満橋ビル内日本無線協会近畿支部です。

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(日本無線協会近畿支部)


試験詳細:無線工学
過去問題を理解することでクリアできます。同じ考え方の問題が切り口を変えて出ていることを意識すると、理解が進みます。保守に関することは操作範囲に含まれていないので、初歩的な無線工学のうちでも送受信機の基本的な構成・機能、空中線・電波伝搬の初歩、加えて、(国際VHF)送受信機の操作・レーダー・衛星通信が出題対象です。

試験詳細:法規
過去問題を理解することでクリアできます。これも、同じ考え方の問題が切り口を変えて出ていることを意識すると、理解が進みます。一般的な電波法規のほか、船や海に関することが含まれますので、レーダーや、船舶としての無線設備・判断の仰ぎ方、遭難通信・安全通信、国際法規なども理解する必要があります。

試験詳細:英語
レコーダーから3回ずつ流れる音声をヒアリングし、その内容に対して適切な返答を選ぶ形式です。ジャンルとしては、呼出し・港務通信・人命及び航行の安全に関する通信・漁業通信などで、これらの専門用語の理解が必要です。誰かが、自船を呼出し(あるいは呼出していることを前提に)、何らかの質問や判断を投げかけるというのが、問題の形式です。誰が質問しているのか、どのような質問や判断用の情報かを聞き取ることがポイントです。

試験詳細:電気通信術(受話、送話)
欧文通話表によるアルファベットのみの、1分間50字の速度の欧文通話表による約2分間の受話・送話です。受話については、レコーダーからの音声を聴いて回答用紙に書き入れます。受話はスムーズに書いていって、やっと音声の早さについていける感じです。送話は試験官と1対1で行います。送話の方は、「始めます」「本文」〜原稿を読む〜「おわり」の手順です。間違った場合には訂正することが大事です。受話・送話とも試験官のオススメ通り、5文字毎に区切るのが、私としてもリズムが良い感じでした。

受験後の感想
無線工学と法規は、過去問題対策で充分と感じました。電気通信術は、経験あれば、言い間違えないように意識することでクリアと思います。経験なければ、受話練習や読み上げ練習が必要です。

英語は、まず、ネイティブの発音なので、慣れが必要です。「東京丸」の「Maru」が、英語の練習なしで臨んだ私には当初「マリン」と聴こえて意味が取れず、たじろぎました。前述の通り、呼出し・港務・人命及び航行の安全・漁業などに関する専門用語を覚えておくことが必要です。今回の問題では、Port Control、tide、draught、the headquarters of 〜 company、discharge、cargo、unload、buoy、astern、tug、coast guard、pilot などです。英語に関しては、通信の状況を早くイメージすること、答えの選択肢から関係ないものを早めに排除しておくことが大事です。


試験問題と解答
次の3科目の試験問題と解答が 公開 されています。
 ・無線工学
 ・法規
 ・英語

無線工学と法規は、ほとんどが過去問題そのものか、似た問題でした。英語は、あらためてチェックしてみましたら、過去問題と傾向が似ていました。何れにしても、過去問題対策が重要と再認識しました。

どちらの科目もコツとしては、関連する問題をまとめて覚えること出題の意図をイメージしてみること問題内容を図表でイメージしてみることが挙げられます。一例としては、法規では、無線局の変更工事は 許可→変更工事→検査→運用 の流れでまとめること、また 遭難通信はどの周波数を使って どのような手順で行い それを受信した場合はどのようにしなければいけないか、といったこと。無線工学では、振幅変調の変調度計算に関しまとめて覚えると検算もできます。

私の自己採点では、無線工学と法規は満点、英語は3/5でギリギリ60点で合格、電気通信術は試験当日の感度で受話送話とも満点の結果と想定しました。ちゃんと名前等は記入した記憶があるので、マークミスがなければ、合格のはずですが やや不安です。ギリギリの科目がありましたので、最終発表待ちとします。


合否結果発送とWeb公開(試験日から数週間後)
試験当日のアナウンスでは、次の通りです。
 ・合否結果発送    11月14日(火)
 ・合否結果のWeb公開 11月15日(水)16時

さて、アナウンス通り11月15日に合否結果がWeb公開(日本無線協会の国家試験合格発表)されました。2週間程度掲載された後、削除されます。私も何とか番号を見つけました。合格です。なお、『合格の日』は平成29年11月14日です。


無線従事者免許証申請
総務省の 無線従事者の免許手続き にガイドされています。
以下の書類等を揃えて、合格した国家試験の受験地、又は、申請者の住所を管轄する総合通信局へ送付します。

無線従事者免許申請書
 上記サイトからダウンロードします。

申請手数料
 収入印紙1,750円です。注意事項を確認しておきます。

氏名及び生年月日を証する書類
 申請書に、住民票コード、無線従事者免許証の番号、電気通信主任技術者資格者証の番号又は工事担任者資格者証の番号を記載します。あるいは、次のいずれかの書類を添付します。
  戸籍抄本、住民票の写し、印鑑登録証明書、外国人登録原票記載事項証明書など。(コピーされたものは不可)

写真1枚

免許証送付用封筒
 返信用切手を貼った定形封筒です。