2011年04月30日

保健室

あの子ってば、新しい保健室の先生に取り入っちゃっていやらしい。

あの先生もあたしたちに意見なんかして、恰好つけて何様のつもり?

あの子、すっかりあの先生にべたべたしているのよね。

昼休みとか放課後とか保健室に入り浸っているのよね。

きっとあの子、先生にいやらしいことをしてるんだわ。

そうでなきゃ、あの子の片棒を担ぐなんてしない筈よ。

いやらしい。

いやらしい。

……確かめてやる。

あんな暗い子の何処がいいのかしら?

人の言いなりになってばかりで、ぼんやりしていて、おっぱいが大きくて……。

オトコって、ホント不潔!

オトコって、あんな子がいいのかしら?

放課後、あたしは仲間と別れて保健室に向かった。

引き戸に手を掛けると男女の声がした。

耳を澄ませると、先生と女の声だった。

あの子の声じゃない。

先生って、ホント破廉恥!

ほかの子も引っ張り込んでいるの?

思い切って戸を開けた。

穏やかな表情の先生しかいなかった。

あれ?

「どこか具合でも悪いんですか?」

心配そうに聞く先生。

そういえば具合が悪かったような気がする。

「さあ、ベッドにおかけなさい。」

はい。

あたしは素直にベッドに腰掛けた。

あれ?

あたし、なにしに此処へ来たんだっけ?

先生はやさしくあたしを見つめていた。

彼が聴診器を取り出したので、あたしは制服を脱ぎ始めた。

なんだかどきどきする。

彼の瞳を見つめていると吸い込まれそうだ。

聴診器が当てられ、脈を測られる。

「顔が赤いですね。脈も早いですので、これでも飲んでください。」

彼がやさしい声で白い丸薬と水をくれたので、あたしはすぐに飲んだ。

そして……。

    • 4 Comment |
    • 0 Trackback |
2011年04月29日

蔵の奥から~森雅裕氏『高砂コンビニ奮闘記 悪衣悪食を恥じず』

成甲書房にて入手可能です。


最早日本の日常に存在する四六時的よろず屋、コンビニエンス・ストア。

“七一一”
“規則息子”
“家庭市”
“小休憩”
“輪っか官舎”
“清光”
“馳皮”
“炎”
“此処”
“小星”
“小宇宙”
“新日”
エトセトラ
エトセトラ


それは日本社会のインフラストラクチャーとして機能はしていますけれども、其処に関わってでもいない限りなかなか実情は知れない世界です。

まあ、近頃は電脳世界での暴露や告白や糾弾も日常茶飯事化していますから、裏事情をご存知の方も少なくないことでしょう。

コンビニエンス・ストアで従業員相手に憂さ晴らしするような人間は、最底辺の存在に近いのではないかと愚考しますけれども、意外とそういう人は多いようです。

作品を読むと、文句言いの人は知性や理性や教養に欠け、粗野で凶暴で同じ言葉を繰り返す、といった(自粛)な人だということが判明してきます。

品性は保ちたいものです。

食品も人も使い捨てにして構わないと考えるのならば、業界的な展望は暗いものとならざるを得ないでしょう。

危険で過酷な業務に見下す外側と内側。無法者に対応しきれない状況。

ごくごく一部だけが甘い夢を見られるセカイ。

不毛なセカイ。

少なくとも現代日本では必需品にも拘らず、問題山積なようです。

三O冊も作品を上梓していたにも拘らず結果的に業界から締め出されてしまい、貧窮にあえぐ小説家の行き着いた先は潰れかけのコンビニエンス・ストア。

幾ら華やかな賞を取ろうとも、消えてゆく小説家は数知れず。諸行無常の響きあり。

これは某“小休憩”高砂店にて奮戦された、我らが森雅裕氏の物語です。

以下に引用を。


【そもそも、コンビニは脱サラの起業に最適という触れ込みで発展してきたようだが、結局は本部ばかりが儲かる仕組みになっているようだ。】

【それにしても、キレイ事を並べたところで、女子高生バイトにエロ本売らせるコンビニの倫理基準はどこにあるのやら。】

【コンビニの重要な問題の一つに廃棄がある。その損失は店の負担となるばかりか、自給率の低いわが国にあるまじき浪費、食糧危機を助長するものである。】

【O川さんにいわせると、コンビニは組織としてまだまだ未熟なので統制もとれておらず、労務環境も劣悪。本部には中途採用社員が多く、オーナーは脱サラ、要するに上から下まで寄せ集め。多くの歪(ひず)みを抱えた世界らしい。誤解なきよう申し添えておくが、私は勤務した高砂店には感謝している。野垂れ死に寸前だった私を雇ってくれたのだから。】

    • 0 Comment |
    • 0 Trackback |
2011年04月28日

もう少しやったのにな

寝苦しい。

オレはここ数日間なかなか眠れないでいた。

ここ最近身体の調子もあまりよろしくない。

何故だか不意に、明日は休みだからご先祖さんの墓参りに行こうかと思った。

その瞬間、自分をとっても可愛がってくれたじいちゃんの姿が目に浮かんだ。

すると、女の人のぼそぼそした声で「もう少しやったのにな。」と聞こえた。

    • 4 Comment |
    • 0 Trackback |
2011年04月27日

近況予定あれこれ

3b71058d.jpg
■最近、文房具とこわい話にハマっています。ネット・オークションにて文房具を落札したり、電脳でのこわい話を読んだり読書したり記事を書いたり紅茶や珈琲を淹れたりケーキなどを食べたりして忙しい日々です。

■文房具やこわい話に関した記事は近日投稿予定です。こわい系はこわい話が苦手な人も読めるような考察系記事にする予定です。読んだら死んじゃったりとり憑かれたりするらしい話を幾つか読んだので、予告も無しに記事更新が一箇月以上止まっていたら……。

■ワトスン博士の話とか佐納屋さんと齋藤との甘酸っぱい話とか絹屋市先生の話とか怖い話とか書いてみたいものは多々ありますが、なかなか思うに任せません。わたしの書く怖い話はあまりこわくないでしょうから、ヴァージョン・アップルパイしたいものです。なんちて。

■相談する人や場所がなくて某所に出没するのは自由だと思いますが、基本的に冷静に判断すべきかと考えます。必ずしもよき助言をしてくれるとは限らないのですから。

■六月の開設六周年記念企画は弐号月制圧……間違えました、弐号月の観光にしようかと考えています。ちょっこしSFな雰囲気の空想紀行。希望者が何人かいらっしゃったら開催しようかなかな、と考えています。
偽りの月の秘湯は愛のメメント・モリ。




※記事内の不明点につきましてはコメントにてお答えします。

    • 0 Comment |
    • 0 Trackback |
2011年04月26日

ふらいふらいふらい

f9d5b9b0.jpg

cd1a2dcb.jpg

最近、揚げた馬鈴薯にハマっています。

気分はサラトガ・チップスなのであります。

某ハヤメシ屋さんに時折出没しております。

メリケン資本のお店と日本資本のお店とに。

辺境に住んでいる故に、選択肢は二つです。

メリケン資本のお店で食べると軽く胸焼けするのですけれども、ふらっと立ち寄ってしまうことがあります。

あな恐ろしや。

日本資本のお店ではお水と共にのんびりと戴きます。

出来立ての味わいを熱い熱いとしながら堪能します。

馬鈴薯万歳!

    • 0 Comment |
    • 0 Trackback |