2011年07月08日

ココロ紀行ミナツキ篇~幕間Ⅳ

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偽りの月。

偽物の月。

月の裏側に位置する人工天体。

弐号月とも呼ばれるトルメキア要塞でお茶会。

何度目かもう忘れたお茶会。

何度も繰り返されるお茶会。

篠宮朝斗こと私は悪魔に気付かれないよう、ため息を吐く。

今回はなんだか新設定が目白押しのような氣がして疲れる。

いや。

もう既に悪魔に憑かれているから、終わりかもしれないな。

もう三日くらい、延々とお茶会をしているような氣がした。

それとも半月?

或いは一箇月?

栞(しおり)。

魔王が、我が半身にして愛する登場人物作中人物の鴇田(ときた)朝斗や懐刀のミルヒアイスや可愛い男の娘(オトコノコ)のユーやんさんやお洒落な眼鏡っ子のヂルチさんや様々な人たちと話をしているのをよいことに、こっそりと我が半身の生体端末に話しかける。

なんだか周囲が曖昧でぼやけているような氣がした。

お茶会に集まる人々は時として二O人以上で時として数人で、何時までも終わらないアリスのお茶会を連想させる。

悪魔が会話している人物も、瞬きを繰り返す度に変わっている氣さえしてきた。

私の左隣の人は常に変化している氣がする。

私は大丈夫だろうか?

「なんでしょうか? 我が愛する御主人様の朝斗様。」

諏訪部順一さんそっくりの聲(こえ)で右隣から応対する栞。

彼の位置は変わらない。

貴方、いつの間に魔王の腹心である八魔将になっていたのよ?

「それは秘密です。今は語られない物語ですし、もしかしたら御主人様が解明されるべきお話なのかも知れません。」

そんなことを聞きたいんじゃなかった。私たち、いや、“私”は一体“何時間”続けてお茶会をしているんだろうか?

「よくわからなくていいんですよ。円環の理(ことわり)或いは螺旋の理もしくは混沌の理に導かれた私たちにとっては今現在こそが肝要ですから。こう言った方がいいですか? 私たちは今回月の光に導かれ、巡りあったんですよ。何度も何度も。」

左隣にはいつの間にか、暁美(あけみ)ほむら嬢の扮装をした如月ミウさんがいた。

何故だか頸(くび)に鎖をつけた、セーラー服姿の綾波雪風さんを意気揚々と従え。

あれ?

さっきまで左隣は横路しずかさんだったような……あれ? チヒラさんだったような……抬夂(たいち)さんだったような……水谷舞さんだったような……或いは……。

「氣にしない、氣にしない。ひと休み、ひと休み。一人ぼっちはさみしいものですから、これで丁度いいんです。」

はあ。

「朝斗さん。」

透き通った聲で不意に呼ばれて、わたしはハイ! と半分裏返った聲で応える。

シチリアの空の色したマントを羽織ったちっちゃな悪魔は、にこにこしていた。

「お茶会を楽しまれていますか?」

曖昧に頷く。

「それは重畳。あっ、そうそう、招待状を見せていただけますか? 今更ですけれども。」

栞、と半分くらい混乱しながら私は話しかける。

灰色の髪した彼は、赤い服の内懐からシチリアの空の色した羊の革の真っ青な栞を二枚取り出す。

あれ?

「確かに二枚ともありますね。」

悪魔も栞も、平然としている。

あれ?

招待状は四枚あった筈なのに?

栞と一緒に確認した筈なのに?

朝斗?

私は我が分身に話しかける。

短髪で女学生で赤毛の魔神の婚約者な美少女は、なんだい? と応じた。

貴女。

貴女は招待状を自分で持っているの?

「勿論さ。ほら。」

高級品であろう革製品をひらひら振って、彼女は嗤(わら)う。

あの……魔王?

「はい、なんでしょうか?」

嗤う悪魔。

ちょっと聞きたいんですけれども、招待状を四枚くれましたよね?

「そうですよ。」

今は二枚だけなんですが?

「そうですね。」



あの……。

「貴女たちは今回かなり危険な橋を幾つも渡ったのに生きている。本来、何回死んでもおかしくなかった状況にもかかわらず。まあ、なにがあっても対応できるよう、八魔将が貴女がたのすぐ近くに何名も待機していましたけれどね。そういうことです。」

私は思わず席から立ち上がり、違和感を覚える。

軽い目眩(めまい)。

まるで書き割りにも見える、この美しいセカイ。

ま、まさか…………。

悪魔はやさしく嗤いながら言った。

「大丈夫ですよ。頸はつなげたままお返ししますから。




※画像はイメージです。


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ココロ紀行、最終幕のそのさなか。
イミテーティヴ・アイズ 01 - 空嘘とAurora at 2011年07月09日 00:00
ココロ紀行、最終幕のそのさなか。
イミテーティヴ・アイズ 01 - 空嘘とAurora at 2011年07月09日 00:02

この記事へのコメント

こんばんは。
無茶を振られて空想が暴走すればそれを書き起こす、正しい空想物書きのあり方だと思っています。

書いてみました。
いろいろ勝手に伏線化させてココロ紀行から拾ってみました。
御笑覧いただけるとこれ幸い。

ちなみに私の中で本家栞さんは本家朝斗さんを好きなのか嫌いなのか愛してるのかよくわかっていない設定です。
買われた恩義と同情で仕えているけど、それ余所から見れば確実に愛だよ!?って感じです。機械の心は難しいのです。

例によって(?)トラックバックを失敗して重複しちゃったのでよしなに処理してください。
1. Posted by 朝斗 at 2011年07月09日 20:46
♪朝斗姉様へ。

わたしもそう思います。
無茶を振られてこそ、空想物書きの本領。

無茶にお応えいただきまして、ありがとうございました。
後程伺わせていただきます。

登場人物の扱いにその語り手の色々なものが見えてくるような気がします。
くっつけたりくっつかなかったり。

トラックバックはそのままにしておきましょう。
それも悪くないからさ。
なんちて。
2. Posted by 輪音 at 2011年07月11日 04:07
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