SN総合車両所です。

13日深夜、東北地方で大きな地震がありました。過去の余震を振り返っても大きな地震だったようで、被害もあちこちで出ていますね。東日本大震災から10年の節目を迎えようかというこのタイミングで発生し、以前の震災のことを思い出された方も少なくないと思います。被災地域の方が一刻も早く日常を取り戻されることを祈るとともに、私も身の回りでの災害対策を進めていきたいと感じました。

当車両所では以前から、TOMIX製のM-9モーターの故障に何件か遭遇していました。一旦鉄道趣味を中断した2018年までは奇跡的に不調車は全く出ていなかったのですが、2年間の長期放置が良くなかったのか再開後に数件の故障事案が発生しています。故障車はモーター交換をしていますが、それ以外にも故障とまでは断言できないレベルの不調車が十数両おり、運転時に神経質にならざるを得ないこともありました。
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交換用として新型のM-13モーターを渇望している所ですが入手出来ず、検査入場した不調車両をそのコンディションのまま出場させたくなかったため、新モーターの入手を待たず自力で何とかしてみることにしました。

以前M-13モーターを入手したときの記事はこちら!


M-9モーターの故障の主要因は、内部のカーボンブラシが摩耗することです。発生した粉が回路各部に入り込み短絡(ショート)を引き起こしてしまいます。モーター・材質の設計上の問題があると一部で言われており根本解決は難しいですが、今回はモーター内を清掃し、粉による短絡を解消するという最低限の対症療法を実践してみました。
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車両の安定走行と安全性の向上(異常発熱・発煙防止)のための投資です。TAHMAZOのピニオン抜き(ピニオンプーラーとも)を購入しました。本来はミニ四駆のモーターに付いているピニオンギアをモーター軸から取り外すための工具ですが、今回はモーターのフライホイールを取り外すために使います。
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このように組み付けます。ピニオン抜きの軸押しピンは直径0.9mmのものを使えば良さそうだったのですが、フライホイールを貫くにはピンが短過ぎだったため、そこら辺に転がっていた旧型電機用先輪の車軸(1mm弱)をフライホイールに突き刺し、それを太い押しピンで押すという形態にしました。写真ではフライホイールにある黒いシャフト受けパーツに元車軸の棒を突き刺し、それを3mmの押しピンで押している様子がお分かり頂けると思います。
ピンを介するのは少々邪道・危険な方法ですのでもし真似される際は十分ご注意下さい。特に慣れない内は保護眼鏡の着用をお勧めします。
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このように分離できます。写真では構造研究用に黒いシャフト受けも外してみましたが、モーターの分解清掃では外す必要は全くありません。

そしてモーター本体を分解します。本体の金属缶(ロット番号が書いてある銀色のもの)とブラシ部の黒パーツを分離するため、金属缶側面の爪を外します。
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分離するとこんな感じです。このように多量のカーボン粉末が出てきます。驚きのあまり最初の作業では写真を撮ることを忘れたため、後に作業した別のモーターの画像になっています。
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ブラシが接触する電極部です、本来銅板間は離れていて絶縁されているはずですが、このようにカーボン粉末が入り込み絶縁破壊が起こっています。銅板部の汚れが激しく電気抵抗が発生していることも推測できます。完全なショートは起きなかったとしても、不均一な回転や電流値の異常など、走行中の多くの不調につながります。
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ブラシ・ブラシ受け側も酷い汚れでした。物によっては黒のケース内側にびっしりと付着していたこともありました。小さくちぎったティッシュで内部を拭くとこんなに汚くなりました・・・
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頑張ってフキフキして、綺麗に清掃した物を組み立てます。通電したところ清掃前に比べて動作に改善が見られました。6個ほど故障・不調品を整備しましたが、ショートしなくなるのに加え、動作音が静かになる物、発進電圧が下がる物、低回転域でパワーが上がった物など、いろいろありました。ブラシ辺りを少し調整した物もあるので、今後使用していく内にどうなっていくのか楽しみです。
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ひとまず車輪削正入場の115系広セキC-42編成と台車検査入場の岡機EF65-1038に取り付けて運用に投入してみるので、続報があればお届けしたいと思います。
 
M-9モーターの不調を改善するためにモーターごとクリーニング液に入れて超音波洗浄機にかけるなどという修理法があるようですね。其れで治るなら良いかもしれませんが、電気部品をそのように扱うのは個人的に好きじゃないので、実車の主電動機整備みたいにきちんとモーターを分解して清掃・調整するのが良いかなと思い作業してみました。少しハードルが高い作業かもしれませんが、M-9モーターの故障でお困りの方はこの清掃方法を試されてみては如何でしょうか? 

(当車両所は皆様方における加工時の事故等につきましては一切の責任を負いません)

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それでは〜
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