さて、遅くなりましたが少しばかり先週の回の補完の記事を書きたいと思います。
やはりこの回というのは話だけでなく映像で楽しむことが出来た部分が強いので、やはり画像をつけて書きたかったんです。

なのでこの記事で簡略化した感想記事を少しでも補えれば、と思います。
それでは続きからどうぞ。

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さて、この回というのは結構小平さんの手が構成段階からして加えられているとは書きましたが、やはりアニメは映像の凝り方があってなんぼだなと思わされた回でもあったと思います。

そのポイントは簡単に分けて2つありまして、その1つ目がスポットに当たっている人やポケモン以外も確かにそこに生きているという事を映像で存分に表した事です。
勿論、メインの人々を映して構図も良くして、というのは大事なのですが、画面外であってもメインで描かれてなくても、その人やポケモンというのは生きています。
予算などでそこを動かせない事情もあるかもしれませんが、そこはきちんとイキイキさせたら間違いなくその後ろで起こった事を見ようと2回目の視聴に入る濃密さを出すのと同時に、感覚的な面白さとある意味生き物的な描写が見られるのでアニポケSMらしさが増幅されるんですよ。

それでは実際に見ていきましょう。
まずはハバンのみからもりのおじいちゃんの話になっている時のピカチュウ達の様子ですね。

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本来は本筋と関係ないところなのですが、その絵のハバンのみからは匂いがしないにもかかわらず、どんな匂いがするのだろう?と嗅いでいるピカチュウの姿というのは、好奇心の塊であり、目線がポケモン達と同じ位置にあるので話している間にもこういう可愛い姿があるのか、という同時上映の短編を見ているような気持ちにさせてくれるんですよ。
このシーンは完全に本筋とは関係ないので絵コンテ演出で付け加えられたと思うのですが、自然とキャラ付けをされていて、更にはポケモン単体の面白さが描かれている意味でいいシーンだったと思います。

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この部分はスイレンかもりのおじいちゃんに会いに行く事を決意する大事な場面なのですが、その後ろでご飯を食べて熟睡しているモクローが描かれています(笑)
しかもその前にポケモンフーズをいっぱい抱えて眠っていたという夢のような光景が描かれた後なので、「いつものモクローだな(笑)」とセリフの裏で楽しめるようになってるんですよ。
しかもそれを地面にばらまいてポケモンフーズを動きながら食べていたデンヂムシがそのモクローを押すという、キャラを見せながらモクローが押されるというシュールな光景も面白く描く離れ業…やっぱりキャラが本当の意味で「生きている」と感じさせてくれます。
そしてそういう裏で描かれているポケモン達の様子だけでなくて、森にも普通にポケモンがいる姿も森に自然に生きているポケモンの姿を有機的に描けていると思います。

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物語自体には全くこのネマシュは関わってこないのですが、物語に出てこないポケモンこそ物語の軸にいない分逆説的にリアルさを表していると言えるんです。
現実世界ではそもそも物語の軸にいない人物やポケモンの方が多数です。
物語の人物やポケモンだけが出て来る方が違和感があると思えば、このネマシュの存在は「なくても良いけどあったら良い」を絶妙な線で行っているわけです。
前に話した整合性の話に関連しても、別にこれを出すことが物語の邪魔をしているわけではないので、台詞では決して表されない映像の良さが存分に出ていると言えるでしょう。


そしてこの映像だからこそ楽しめるもう1つの要素というのがイメージBGの多用でしょう。
アニポケXYでは子供に嘘を見せたくない、という理由からはイメージBGがバトルから排除されたりしましたが、やはり背景だけでそのポケモンや人に起こる事を視覚的に分かりやすく描写しているのは見てて楽しいですし、アニポケXYと逆の路線ながらもいい特徴の1つになっていると思います。
その使い方が小平さんはかなり上手くて、そういう意味でも同じくイメージBGの使い方が上手かった古賀一臣さんと似ている部分があって「ポスト古賀」の良さもあると思っています。

例えばジシーロンの鼻息で飛ばされている時の風のイメージBGはこのような感じです。

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線を太くして色をつけることによって2人にとっては未知のものである事を表しています。
インパクトは確かに伝わってきますし、全体の基調色を緑にする事で森に息づいているのも分かります。

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次にサムネにしたアブリーになったマオとスイレンですが、こちらは花粉団子を食べたことでアブリーになれた気持ちになった視覚的な分かりやすさもありますが、ピンク色のお花畑にすることでどれだけ2人にとってこの味が幸せだったかというのをインパクトを残しながら描くことができているんです。
可愛さと両立しているのがまたポイントが高いですよね、説明っぽさが1つもないので。

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こちらはロトム図鑑がわかった時のイメージBGですが、ロトム図鑑らしいギザギザな形から色も黄色を基調としたカラフルなものに仕上げています。
この事からいくつもの選択肢の中から答えを見つけ出した!というロトム図鑑の一種の興奮ぶりが伺えます。

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こちらはサトシの可愛い顔と共に結構インパクトのあるイメージBGかと思いますが、これはサトシのキラキラした目とイメージBGの丸を一致させた上で、好奇心が刺激された様を刺激色であるオレンジや赤で飾ったもので、ある意味ではロトム図鑑と同じ状況と言えるでしょう。

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そして極め付けはこの、幼児退行作戦を思いついた時のニャースのこの顔でしょう。
光がどこかしこに飛び散ってそれが太い線となって体中を走る…とんでもない作戦を思いついたそのニャースの衝撃が1発で分かるように仕上がっています。
これは見ただけでインパクトがあって視聴者が惹きつけられますし、いい演出と言えるのではないでしょうか。


このように、裏のポケモンの動きやイメージBGというのは、感覚的にアニメを楽しむことのできる1つのいい形と捉えることができるわけです。
やはり「アニメを見ているんだ!」と感じる瞬間というのは台詞よりかはアニメでしか見ることのできない演出を見た時、とも思うのでこういう意欲的な演出は大歓迎ですね。
その意味でコンセプトを見事成立させている小平さんはやはり副監督に相応しいと思うわけです。
絵コンテ演出だからこそ絵コンテの要素を100%自分のものにして反映させることができると思うので。(演出は基本的に監督の手は音響や編集、最終チェックくらいしか入りませんから)

そんなわけで一通り書きましたのでこの記事を終わりたいと思います。