2005年06月29日

蛍宮と源氏物語

056-17hotarunomiya










「蛍宮(ほたるのみや)」 (長久堂)

「蛍宮」と聞くと遠い学生時代に読んだ(というか読まされた)『源氏物語』蛍の巻の「蛍兵部卿宮」を思い出します。
光源氏の弟宮で風流な貴公子。彼が源氏の養女玉鬘に懸想して屋敷へ訪ねてきた折、宮をからかってやろうと悪戯心を起こした源氏は、夕方まで薄物で包んで光が漏れないように隠していた蛍の群れを、几帳の帷子を直すふりをしながら玉鬘の周囲に一斉に放ちます。
衣装の袖や肩、髪にも降りかかるように舞い下りた蛍の光が、闇の中に恥らう玉鬘の美貌を照らし出し、それを見てしまった兵部卿宮はいっそう恋心を募らせる……という典雅な場面です。女の姿形が見えたって、いったいどれくらいの数の蛍を放ったのだろうなどとヤボな想像はせずに、平安朝の夜の暗さと、その闇を艶やかに破る蛍の群れの明滅の美しさを味わうべきでしょうね(^_^)。

お菓子は、黄身餡と蛍に見立てた小豆粒が葛で包まれています。
小さく切って食べるより、いっぺんに頬張った方がおいしいそうです(夫の弁)。

so55cha at 10:46│Comments(2)TrackBack(0)clip!和菓子 

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この記事へのコメント

1. Posted by ミツコ   2005年07月01日 01:38
そよこさん こんばんは。
「蛍宮」ほんとうに雅な名前ですね。
「源氏物語」は…なんだかダラダラと読んだ記憶があります(^_^;)
物語そのものの記憶よりも、友人が朧月夜の君にとっても憧れていたことをよく覚えています。

姿が照らし出されるほどの蛍…ほんとにどれだけの数dしょうね〜。
でも、父の田舎は未だに夜は真っ暗闇、自分の足元さえ見えないんです。
夜って暗いんだ、そして月明かりってこんなに明るいんだとちょっと感動でした。
それにしても古の人は優雅で風流ですよね。
2. Posted by そよこ   2005年07月01日 19:15
ミツコさん、こんばんは。
古典にちなんだ菓銘、上菓子屋さんではごく当たり前に付けられているんでしょうけれど、こちらが気つかず見逃している場合がいっぱいありそうです。
朧月夜の君は、勝気で頭もいいし大胆で美貌……私も好きです(^_^)。

暗闇が濃いからこそ蛍の光や月光も際立ってきれいなんでしょうね。
町なかの夜は明る過ぎ。わざわざライトアップまでしていますものね。でも、いつの間にかそれに慣れてしまっているんだなぁ……

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